<じゃあ、説明も終わったし、早速展開してみる?>
「その前に・・・」
<どうしたの?質問?>
「腹減ったからチャーハン作っていい?」
<自由人だね、誠太郎は・・・>
元々腹が減ってたんだよ!なのに、野菜室でお前が見つかるし、いきなり説明タイムに入るし・・・
「大まかな内容は分かったからさ、あとは食いながら適当に聞くわ」
<ハァ・・・>
~~~~~~~~~~
「さて、と。じゃあそのバリアジャケットとやら、一回付けてみっか」
チャーハンを食べ終わると、俺は広い居間に移動し、一度そのバリアジャケットを付けてみることにした。
ちなみに、この小さい身体でチャーハンを作るのはかなり難しかった。力加減とか、届かないから椅子を使ったりとか・・・何か考えたほうがいいかもしれない。
<わかった。じゃあ一回僕を持って?>
「?ああ」
よく分からないままにハロを抱き上げる。すると、ハロが光り俺の右手首にブレスレットのように付く。
「おお?なんじゃこれ?」
<こうしないと、展開できないんだよ。セットアップって言ってみて?>
「それを言えばいいのか?・・・セットアップ!」
すると俺の体が光り、その光が収まると・・・
「おおおお!・・・・お?」
俺の体は、量産型ガンダムとも呼ばれる機体―――ジムになっていた。
「ジムになった!!すげええええ!」
赤い胴体、そして白い手足。
左手にはルナチタニウム製のシールド、右手にはビームスプレーガン。
背中にはバックパックとビームサーベル。
しかも、
「あれ?俺大きくなってる?」
そう。俺の体が、こっちの世界に来る前の俺の身長とほぼ変わらなくなっている。
<戦うときはその方がいいでしょ?>
「ああ、なるほど」
確かに小さい身体ではまだ慣れない事も多い。それならこの身体の方が戦いやすいな。
でも・・・一つだけ気になっている事がある・・・!
「・・・どうして頭はそのままなんだよ!?」
顔には何も付かずに、俺の顔のままだ。
これじゃあコスプレした痛い奴みたいじゃんか!?
<これはあくまでバリアジャケットだからね。頭まで覆うバリアジャケットなんて無いからさ>
「じゃあ設定しろよ!頭も覆えるように設定を!」
<そんな機能は僕にはないから。文句は神様にいいなよ?>
「この駄目神がぁぁぁあああああ!!!!」
思わず天井に向かって叫ぶ。通じないだろうけど・・・
<まあまあ。とりあえず、一回それ戻すね>
そうハロが言うと、俺の身体は元に戻る。
「はぁ・・・」
これから先、ああいう状態で戦うのか・・・はぁ。
<そんなに落ち込まずに、ね?次は僕を指で二回叩いてみて>
「まったく・・・これでいいのか?ってうお!?」
まだ俺の右手首に付いたままのハロを軽く叩くと、目の前に画面が出てくる。
その画面にはジムが映し出されていた。
「・・・ひょっとして、これでパーツの設定をするのか?」
<そうそう。今はその機体が標準になってるけど、そこで設定すれば、展開した時にその姿になれるよ>
「よし、じゃあさっそく・・・!」
俺はパーツと書かれたパネルを押す。
けれど、そこにはジムのパーツと旧ザクのパーツしかなかった。
「え?他にパーツないの?」
<うん。そのザクってやつは神様が善意で入れてくれたみたいだけど。それ以外は・・・>
ハロがそう言うと、急に俺の後ろにズシンとした重量感のある音が鳴る。
後ろを向くと、巨大な箱があった。それには―――
―――『1/10 RX-78-2ガンダム』と書かれていた。
「・・・・・・・・・・・・は?」
<それを組み立てないといけないんだよね~?>
え?ちょっと待って、え?
これを作らないと、って1/10!?それって、完成すると180センチくらいになるんじゃ・・・
「これを組み立てないと、ガンダムのパーツは・・・」
<使えないって事。他のもそうだよ?>
「・・・オーマイゴッッッドォォォォォォォ!!!??」
なにそれ!?めちゃくちゃ大変じゃねぇかあ!!??
<まあこれ決めたの神様だけどね。「そう簡単にパーツをやりはせん!やりはせんぞ!ぬっほほほ!!」って>
「くたばれ駄目神ぃぃぃぃぃぃ!!!!」
~~~~~~~~~~
「やっと・・・腕が、出来た・・・!」
あれから三時間。
必死で作った結果、ガンダムの腕が出来た。
重さ自体は意外とたいしたことは無かったが、いかんせんパーツが多い。
ガンプラなんか比じゃないくらいに。
「こんなんじゃ、いつまで経っても完成しないなぁ・・・」
<ガンバレ!ガンバレ!>
「・・・なんだろう、なぜかイラッとするな」
<・・・誠太郎が「もういいから声戻せ」って言ったんじゃないか>
うるさい。イラつくもんはイラつくんだ。
それにしても・・・
「ああ~・・・暑いなぁ・・・」
もう10月だって言うのに・・・この暑さはなんなんだ。
<しかたないよ。
「そうかあ・・・夏かぁ・・・」
夏ならこの暑さもしょうがな・・・い・・・?
「夏?」
<うん、夏。英語で言うと
「・・・俺死んだの、10月だった気がするんだけど」
<でも今は8月だよ?ついでに言うなら、夏休みだね>
「夏休み?」
そういえば俺は、こっちの世界での戸籍はどうなるんだろう?
「俺、戸籍無いよな?」
<神様が作ってくれたよ。誠太郎はこの夏休みが終わったら、転校生として小学校1年生として入学するんだよ?>
「へぇ~、どこに?」
<ええっと・・・私立聖祥大附属小学校、ってとこだよ>
「ふうん・・・」
知らない。
「まあ、とりあえず夏休み中に2、3体位は作っておきたいな」
<たぶん出来ると思うよ?それと、少し戦闘訓練はした方がいいかな>
「なるほどね・・・」
そりゃそうだな。戦うことに関して俺は素人だからな。
<僕の中に神様が作った訓練プログラムが入ってるよ。それを使えば少しは効率良く鍛えられると思う>
「おう、わかった。そん時は頼むな」
よっし!それじゃあ根気強く組み立てるとしますか!