魔法少年ガンダム☆ブレイカー   作:鈴野宗一ノ介

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今回、いつもの1.5倍くらい長くなってしまいました。
理由は、終わり方になんか納得いかなかったので・・・


五話ブレイカー!

「おはよう!誠太郎君」

 

次の日、俺が教室に入るとなのはが挨拶をしてきた。

 

「おう、おはようなのは」

 

俺となのはの挨拶をしている姿を見て、クラスの奴らがひそひそと話し始める。

 

「誠太郎君、その・・・お願いがあるの」

 

「ん?なんだ?」

 

「今日・・・一緒に帰らない?」

 

「どうしたんだ?急に」

 

「その・・・昨日のお礼をしたくて」

 

・・・別にそんなこと気にしなくていいんだが。

俺のしたことなんて、大した事ないし・・・

 

「それに昨日、『新しいお友達が出来た』って言ったら・・・」

 

「言ったら?」

 

「お父さんとお兄ちゃんが、会ってみたいって」

 

「っ!?」

 

なんだ!?今の言葉にとてつもなく不吉なものを感じたぞ!

ただ会ってみたいと言われただけなのに!

と、自分の中にニュータイプの素質でもあるのかと疑い始めたとき、

 

「だめ、かな・・・?」

 

「うっ・・・」

 

顔を少し悲しそうに歪めるなのは。

そんな目で見るなよ・・・

 

「はぁ・・・わかったよ。一緒に帰ろう」

 

「ほんとに!?やったぁ!」

 

なのはは凄く喜んでるようだ。ただ一緒に帰るだけ、そのまま家に少し寄るだけの事なのに・・・

友達なら当たり前の事なのに、そんな笑顔ではしゃいじゃってよ・・・

なんだかこいつ、

 

「・・・かわいい奴だな」

 

「ふぇっ!?かわいいって・・・」

 

「え、あ、あれ?声に出てたか?」

 

「う、うん・・・」

 

「ガッデム!」

 

俺は自分の頭を机に叩きつける。恥ずかしいぃ!いきなり「かわいい奴だな」とか、そんなの今時ナンパにも使わねぇよ!

俺が頭を抱えていると、

 

「ええっと・・・その、ありがとね、誠太郎君」

 

「お・・・おう。じゃあ、また後でな」

 

そう言葉を交わし、なのはは自分の席に戻っていった。あちゃあ、失敗したな。

あんなに(・・・・)顔を真っ赤にして(・・・・・・・・)・・・怒らせちまったかな。

とりあえず、もうすぐ始業のチャイムが鳴る。俺は授業の準備でもするかね、まあほぼ寝るだけだが。

なのはには、帰る時にでも謝ろう。

 

ちなみに、神本は遅刻スレスレに教室に入ってきた。けれど、二時間受けた後、「先生!俺の嫁の調子が気になるので帰ります!」と言って去っていった。

はて?あいつが嫁って言ってるのは、なのはじゃないのか?

 

 

 

 

 

    ~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

放課後、帰りの会とやらが終わり、身支度を整える。

 

「誠太郎君、私、日直のお仕事があるから先生のとこに行かなくちゃいけないの・・・だから待っててほしいの!」

 

「ん、わかった」

 

そう言ってなのはは教室を出てった。おそらく職員室のほうへ向かったんだろう。

 

「あ、あの、彼方君」

 

「ん?えっと・・・確か、月村だっけ?」

 

いきなり話しかけられた俺は、目の前の女子生徒の名前を思い出しながら返事をする。

こいつは確か、クラス委員長だった筈だ。

 

「俺に何か用か?」

 

「あのね・・・高町さんと関わるの、やめた方がいいよ・・・?」

 

「・・・なんで?」

 

「神本君に、ひどい目に遭わされるから・・・」

 

ああ、昨日なのはが言ってた事か。ひょっとして、実際にそのひどい目とやらに遭った張本人なのかもしれないな。

 

「別にそんなの気にしねぇし。というより、なのはがそういう目に遭うのはいいんだ?」

 

「そ、そんなこと!」

 

「お前が言ってるのは、そういう事だよ。自分達が助かる事ばっか考えて、なのはを見捨てたんだろ?だからいつまで経っても神本はなのはにつきまとってるんだろうが。クラスでなのはを守ってやるくらいの事、やってみろよ・・・!」

 

「・・・・・・」

 

「ま、委員長としてはお前は立派だよ。クラスをまとめて、新しく入ってきた俺を気にして教えてくれたんだろ?・・・ただまあ、人として、月村自身として立派かは知らねぇけどよ」

 

俺がそう言うと、月村は黙ったまま俯く。

 

「私だって・・・」

 

「ん?」

 

「私だって、高町さんを守ってあげたい!入ったばかりの時、高町さんは笑いながら「おはよう」って私に言ってくれた!だから神本君にも私はっきり言った。「高町さんが嫌がってるからやめて!」って・・・」

 

俺は黙って聞いていた。クラスの皆もこっちを見ている。

 

「神本君は全然聞いてくれなかった。それどころか私にも同じ事をしてた。それでも言ってたの!でも・・・でも、私・・・神本君に、『うっとうしいな』って言われて、大きい剣みたいなもので脅かされて・・・それからずっと!神本君が怖いの!顔も見れないくらいに・・・!」

 

「・・・そうか」

 

「神本君が、高町さんの方ばかりにつきまとうようになって、少しほっとしてた・・・でも、そんな私もイヤだった!どうすればいいか、分からなくなったの・・・」

 

こいつ自身、辛くて苦しい思いをしてたんだな。

助けてあげたいのに、怖くて・・・そんな自分が許せなくて・・・

正義感の強い奴なんだな。そんなこいつだからこそ、委員長になれたんだろう。

 

「お前は、一つだけ失敗したんだ」

 

「え・・・?」

 

「はっきり言ったことは間違いじゃねぇし、怖くなってなのはを見捨てたことを怒るつもりはねぇ。けど、お前の失敗は―――一人でいたことだ」

 

それこそがこいつの失敗。クラスの中に仲間を作るべきだった。

一緒に助け合える仲間を。

 

「そして、今それを俺に言った。だから俺は言わせて貰う。俺と一緒に、なのはを守ってくれ」

 

「うん・・・!」

 

「・・・だってよ!なのは!」

 

「え・・・?」

 

俺がなのはを呼ぶと、教室のドアから入ってくるなのは。

 

「こいつは、俺と一緒にお前を守るってさ」

 

「・・・聞いてたの」

 

「ほら、とっとと仲直りしろ」

 

俺はそう言って月村の背中を押し、なのはの前に突き出す。

 

「えっと・・・高町さん、あの・・・」

 

「・・・なのは」

 

「え?」

 

「普通は、そう呼ぶの」

 

月村はよく分からないといったような表情を浮かべた。俺も分からない。

なのはは何が言いたいんだ?

 

「高町さん?どういう・・・」

 

「友達は、普通名前で呼ぶもんなの。ね、誠太郎君」

 

こっちを見てなのははそう言う。その顔を見て、俺は納得した。

 

「ああ、そうだ!」

 

「一緒に帰ろう?私と誠太郎君と―――すずかちゃん(・・・・・・)で!」

 

「・・・うん!」

 

笑顔で言い放つなのはの言葉に、頷く月村、いや、すずか。

 

「えへへ~、すごいの誠太郎君。誠太郎君と同じことしたら、友達が出来たの!」

 

「どうだ、すごいだろう?」

 

「ふふっ・・・なのはちゃん、本当にごめんなさい、それと・・・ありがとう!」

 

「どういたしましてなの!」

 

2人で握手をしながら、笑いあう。

 

「なのはは、良い友を持ったな」

 

俺はそう呟いた。

 

 

 

 

 

    ~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

さて、なのはの家まで来た俺たち。看板には「翠屋」と書かれている。

今日は定休日のようで、ドアには「CLOSED」と書かれた札が下がっていた。

ちなみになのはに今朝のことを謝ったら、不思議そうな顔をされた。

あれ?怒ってたわけじゃないのか?

 

「ただいま~」

 

「お邪魔しまっす」

 

「お邪魔します」

 

さっそく入る俺たち。すると店の奥からなのはと同じ栗色の髪をした綺麗な女性が出てきた。

お~、美少女の姉は美人って事かね。

 

「きれいな人・・・」

 

「ああ、ホントだな」

 

すずかも俺と同じ感想のようだ。

それほどまでに、なのはのお姉さんは美人だった。

 

「おかえりなさい、なのは」

 

「ただいまなの!お母さん!」

 

「「・・・お母さん?」」

 

「うん。お母さん」

 

「「・・・Mother(お母さん)?」」

 

「うん。お母さん」

 

「「・・・・・・ええええええええええええ!!!???」」

 

え、ちょっと待っ・・・えええ!?なにそれすごい!?

 

「お前のお母さん・・・実はイノベイター?」

 

「いのべいたー?それなあに?」

 

「いや、なんでもない・・・」

 

「なのは、こちらの2人はお友達?」

 

なのはのお母さんは俺とすずかを見てそう言った。

 

「うん!昨日話した彼方誠太郎君と、今日お友達になった月村すずかちゃん!」

 

「あらそう!初めまして、誠太郎君にすずかちゃん。なのはのお母さんです」

 

「あ、えと、はい。初めまして、彼方誠太郎です」

 

「月村すずかです。よろしくお願いします」

 

俺は少しドギマギしながら返事をする。

これで母親なんて信じられるか?どう見ても20代前半にしか見えない」

 

「あら~、お世辞が上手いのね、ありがとう」

 

「・・・声に出てました?」

 

「ええ。はっきりと」

 

「Noooooooo!!??」

 

本日2回目。もう・・・穴があったら埋まってしまいたい・・・!

 

「だ、大丈夫?誠太郎君」

 

「ああ・・・気にするななのは。ちょっと軽く穴掘って埋まりたくなっただけだから・・・」

 

「そ、そうなの・・・?」

 

俺が軽く鬱になっていると奥の方から新しい声が聞こえてきた。

 

「お母さん、材料の補充終わったよ」

 

そう言って出てきたのは、眼鏡をかけた髪の長い中学生くらいのこれまた綺麗な女性だった。

 

「ありがとう美由希。もう休んでいいわよ」

 

「は~い・・・あれ?なのは、帰ってたんだ」

 

「ただいまなの、お姉ちゃん!」

 

「おかえり。そちらお友達かな?なのはの姉の高町美由希です」

 

「「は、初めまして」」

 

俺とすずかはお辞儀をする。

ってことは、このお姉さんのお母さんも・・・

 

「・・・なあ、なのは」

 

「なあに?」

 

「確かお兄さんがいるって言ってたよな?年いくつ?」

 

「うーんと、17歳なの」

 

「はああああああ!?」

 

何なのこのお母さん、ホントに何者!?

まさか・・・やっぱり、イノベイター・・・?と本気で思い始めたとき、

 

「とりあえず、誠太郎君もすずかちゃんも座っていいわよ?今ケーキとジュースを出すわね」

 

「は、はい・・・」

 

驚きすぎて、疲れた・・・

 

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