なので、今のストックが切れたらしばらく休みます。
ご了承ください。
「ねぇ彼方君」
お姉さんが俺に話しかけてきた。
「何ですか?お姉さん」
「キミって、なのはの彼氏?」
「へ?」
「え!?なのはちゃんそうなの!?」
「ふぇっ!?ちょ、ちょっとお姉ちゃん!?」
いきなりそんなことを聞いてくるお姉さん。
何を言ってるんだか・・・
「いえ、俺は友達です、なのはとすずかの。大体小学一年生でそんなのある訳ないじゃないですか、な?なのは」
「・・・うん」
どうしてなのはは少し残念そうな顔をしているのだろう。
すずかはすずかで、少しほっとしたような顔だし。
「ふ~ん?そう・・・」
お姉さんはまるで俺を見定めてでもいるような視線で俺を見る。
なんか、ちょっと緊張する・・・
「あの、なにか?」
「ううん。なんでもないよ?」
そう言うと、すぐに自然な笑顔で笑い出すお姉さん。
なんだったんだ・・・?
「さて、それじゃあ私は戻ろうかな。三人のアツアツな時間を邪魔したくないし」
「もぉ~、お姉ちゃん!」
そう言ってお姉さんはお店の奥へと戻っていった。
ふと思う。俺、なのはのこと、何にも知らなかったな・・・
お母さんがイノベ・・・凄く美人なこととか。お姉さんとお兄さんがいたこととか。
すずかのことも何も知らないな・・・
「・・・あのさ、なのは、すずか」
「「なあに?」」
「俺、なのはとすずかのこと、あまり知らないんだよな。二人も俺のことを知らないし。だから、今日はいっぱい話そうぜ?」
「う、うん!私もなのはちゃんと誠太郎君のこと知りたい!」
「わかったの!私はね・・・」
そう言って、俺たちはしばらく語り合った。お互いのことを。
「なのはは将来何になりたいんだ?」
「プリティアなの!」
「へ~、そのアニメ私まだ見たことない・・・どんなお話?」
「女の子が、悪い怪物を魔法でやっつけるってお話!一度見たほうがいいの!」
似たような話を前の世界で聞いたことあるような・・・主に日曜の朝とか。
でもこういう話をしたってことは、なのははまだ魔法に出会ってないってことなんだな。
「そ、そうか。なれるといいな、プリティアに」
「うん!魔法で悪者をドッカーンってやっつけるの!」
女の子がそういうのに憧れることは別におかしくない事なのに。
俺の中には、なのはが俺を魔法でぶっ飛ばす、なんていうビジョンが浮かび上がった。
いったい俺はどうしてそう思ったのだろうか。
「「(凄い笑顔・・・)」」
俺とすずかは満面の笑顔でそう言うなのはに、恐ろしさを感じた。
・・・なんだろう、今ここでこいつを全力で止めておいたほうがいいような気がする・・・
「誠太郎君、いちご嫌いなの?」
「いや、単純に好きだから後に取っておいているだけだ。そういうすずかだって、みかん除けてるじゃん」
「あはは・・・みかん好きだから」
俺とすずかは互いが食べているケーキについて話していた。
それにしても・・・このケーキ本当に美味いな。今まで食べたことないくらいの美味しさだ。
「ね、ねえ誠太郎君」
「ん?なんだ、なのは?」
「こっちのケーキも美味しいよ?」
「ああ、美味そうだな」
俺はなのはのチョコレートケーキを見て、そう言う。
ちなみに俺は苺のショートケーキで、すずかはみかんのタルトだった。
「た、食べたい?」
「おお、じゃあ一口くれ」
「・・・あ、あ~ん」
なのはは一口大のケーキをフォークに刺して俺に向けてくる。
「あ~ん」
それをパクッと食べる。うむ、美味い。
「誠太郎君!」
「ん?すずか?」
「あ~ん・・・」
すずかも差し出してくる。これも美味い。
俺に食べさせるのを終えた2人は終始笑顔だった。
そして、話が一段落する。ふぅ・・・あ、そうだ。
「なのは、お父さんとお兄さんは?俺に会ってみたいって言ってたんだろ?」
「そうだった!忘れてたの!」
忘れるなよ・・・
俺が苦笑していると、
「っ!?」
急に何か寒気を感じる。誰かが見ているような・・・俺の命を狙っているかのような殺気のようなものを感じた。
「な、なんだ?」
「?どうしたの?」
「今、なんか・・・気のせいか?」
キョロキョロと見る。すると、一人の若いイケメンな男性が近づいてくる。
そして俺の近くに立った。
「あ、お兄ちゃん」
この人がなのはの・・・なんだか強そうな雰囲気を纏っている。
「初めまして、月村すずかです」
「月村?ひょっとして、忍の妹さんかい?」
「あ、お姉ちゃんの知り合いですか?」
「ああ。幼馴染だよ。同じ学校のクラスメートでもあるんだ」
「へえ~そうなんですか。お姉ちゃんがいつもお世話になってます」
「あはは、おしとやかで行儀がいい妹さんだ。忍と兄弟とは思えないよ」
すずかと2人で笑いあうお兄さん。
なんだか優しそうな雰囲気の人だな・・・
「えっと、彼方誠太郎と言います。ど、どうも・・・」
「・・・・・・」
しかし、俺が挨拶をするとものすごい目で俺を睨んできた。
なんだ?俺何かしたか?
「あ、あの・・・?」
「貴様・・・なのはに手を出すつもりか」
「え?手を出す?」
さっぱり状況が飲み込めない。
「とぼけるな!先ほどなのはにあ~んをさせていただろ!」
いや、それはなのはの方から・・・
っていうか、怒るのはそんな理由で?
「なのはは俺の大事な妹だ!お前には渡さん!」
「やばいこの人シスコンだ!?」
「ふっふっふ・・・人の妹に手を出す奴は・・・馬に蹴られて地獄に落ちろぉぉぉ!!!」
「そして何でそのネタ知ってるんですか!?」
この世界にそれはない筈なのに!?
お兄さんは俺に向かって拳を振り上げる。
殴られる、と思ったがいつまで待ってもその痛みはこなかった。
うっすらと目を開けてみる。そこには、お兄さんを拳を掴んでいる一人の男性がいた。
「恭也、幾らなんでも子供にいきなり暴力を振るうのは、よくないよ」
「だってこいつはあ~んを!まだ俺にもしてもらっていないのに!」
「それでもだ。まずは落ち着きなさい・・・すまない、彼方君だったね。僕はなのはのお父さんだ」
お父さん・・・これで高町家は全員だろうか。
それにしても・・・この人たち皆、顔のレベルが高い・・・
すずかも美少女だし・・・あれ、俺だけ普通!?むしろ周りのレベルが高いせいで不細工に見えてる気がする!
「お父さん!お兄ちゃん、どうしたの?」
「なのは、お帰り。心配しなくていいよ。な、恭也」
「・・・ああ、大丈夫だ。それと、さっきはすまなかったな」
「いえ・・・改めて、彼方誠太郎と言います。よろしくお願いします」
「うん、礼儀正しいね、彼方君は」
俺の頭をわしわしと撫でるなのはのお父さん。
いいお父さんなんだな・・・優しそうだし、落ち着いているし。
「さて彼方君。君の事は昨日なのはから聞いていたが、そしてこの町に着たばかりなんだとか。もし何か困ったことがあれば、いつでも頼ってくれてかまわないからね」
「あ、ありがとうございます」
やっぱり良く出来たお父さんだ・・・こんなお父さんに将来はなれたらいいなあと思うよ。
「先ほどから少し様子を見ていたけれど、信じられる人間だと思ってる。けど―――」
「けど・・・?」
「―――
ええ!?様子が変わっ・・・さっきより強い殺気を感じる。・・・さっき、ぷ。
「へえ、この殺気の中、ダジャレを言える余裕を見せるとはね。面白くなりそうだ」
「心を読まないで下さいよ!?」
そう言うと俺の腕を掴んでお父さんは、
「じゃあ道場に行こうか!存分に叩きのめし・・・稽古をつけてあげるよ!」
「いやいや!さっき『子供にいきなり暴力を振るうのは駄目』って言ってたじゃないですか!」
「いいや。僕が行うのは・・・稽古だよ?」
「え、ちょっと待って!いやあああああ!!」
この後、なのはが怒って「お父さんもお兄ちゃんも大嫌い!」と言い、凹んだ2人はお店の奥に行ってしまった。
その直後のなのはの笑顔は、とても・・・怖かったです(ガクブル)
次の次くらいで・・・アイツと戦うことになるかと。