人の可能性が溢れ行き場をなくしたことによる世界変動。それは才能ある者や無いもの差異が酷くあるということの証明であり、世界を思い通りにしょうとする人間の欲による現象。
【平常の青(ノーマルブルー)】
世界が用意していない人間だけの理不尽、世界の変動を拒否し変わらない普通の世界を作り上げる力。だがそれは所詮人間にしかなく世界を思い通りに変化させることもできる、そして【人類の可能性】に反するもの、阻害する者、手に余るものを無くす。そして世界さえも。
【被害者】
あらゆる物語における異常を中心を持つ主人公とその愉快な仲間たち以外の多数の【一般人】のこと。悪と正義とかその闘いに理由もなく巻き込まれ、哀しみ。平和を穢された者たち、誰よりも【理不尽】に会うもの。
才に優れた者、英雄と囃し立てられる者、天才だと称される者、負け犬の者、一般人だと語りながら異常性を孕む者、いつかの失敗を執拗に背負いそれの慰め役を探す者、必要以上に殺人する者。
勝手に世界に絶望した者。
勝手に世界に希望を抱いた者。
そういった差異から始まる争いはそれ程珍しいものでは無いが、正直鬱陶しい。
極端にマイナスかプラスかという存在は中間なる存在を蔑ろにしているのだ、いや実際そうだ。
よくある少年雑誌の物語で特別な力に目覚めてそれを正当化した理由で悪いやつと戦う。
とても素晴らしい、君は正しい、君が悪くない、だから『何も知らない一般人を巻き込んでも良い、知らんぷりでもなんの罪にならない』
………そんな虫の良いことがあるのか?
いや、あっていいはずが無い。世界が滅ぶから?独占的な征服によって人々が苦しみから?人類が絶滅するから?悪が存在しちゃいけないから?
そんな物語の主人公は私達にすれば大犯罪者だ。テロリストとそう変わらない、むしろそれで『正義』だと豪語するのだからなおさら質が悪い。
そしてそれに対抗するようにある『悪』という存在だ。異常な力を欲し、それを行使する。どう云った経緯でその答えに達したのかわからないが、どうかそれに巻き込まないでほしい。お前らのそれは自慰でしかない、独りよがりでどうしょうもない、駄々っ子とそう変わらない。
私達は特別でも無ければ何でもない。
特別な力が持ってしまったとしても、それを他人の迷惑被ることに使ってはいけないのだ。
それでも自己認証が欲しいのか、正義と悪を名乗る闘いは終わらない。
どうしてだ?弱者の見苦しい叛逆譚も見たくはない、一般人を名乗る者の異常性は滞らない。異常を正常と言い張るセカイが広がっていくのだ。
私達は傍観者、どこにでもいて異常者や正義や悪や弱者より数が多く、そしてそのどれよりも被害者である。
魔法も超能力も天使も悪魔も神も行き過ぎた科学も英雄も、なにも要らない。
たがら願った。 “一般人”は祈った。
『全て、普通の平和を淀むもの全てなくなってしまえばいいのに』
なんて人間らしい、エゴイズム。
だけどそれは、なにも変わらない青空であることを願うような純粋な願いなのだ。
だから、少年は産まれた。
《ハイスクールD×D》という物語の一幕、京都の修学旅行中に起きた『混沌の団』英雄派による妖怪の総大将八重の誘拐、それを解決すべく悪魔で赤龍帝の兵藤一誠は仲間たちとともに最後の対決に挑んだ。
その最中、それは現れた。
空気が世界にあるようにそれは当然のように闘いの中に現れた。英雄派と悪魔たちの丁度真ん中に憮然と立つ少年に英雄派は、最初久しぶりに会った旧友の様に接した、だが少年は言葉は紡がず徐々に英雄たちに歩み寄る。
どうやら仲間が加勢にしに来たようだと悪魔たちは身構えた。
仲間たちが応援を呼んでくれたのだと英雄たちは安堵した。
でも、結果は理不尽の一言。
英雄派のリーダーが握手を求めたそのときに少年はその掌を握らず唐突にその腕を掴んだ、英雄たちは身構えたが何も起こらない。
フッと嘲笑が溢れる、それが誰のなのかはわからなかった。英雄派のリーダーはそんな無愛想な少年に『握手の仕方もわからないのかい?』と皮肉を言ってやろうとした時。
サァーーーーー。
砂になった。腕を掴まれた英雄派のリーダーが、砂のこぼれ落ちる音を刹那に消えていった。あっさりとこの世界から
そこからの英雄たちの行動は迅速なものだった、リーダーを失った悲壮には浸からず全員が少年を取り囲み。各々力を振り下ろした。
一人は巨体から放たれる豪腕
一人は精製した聖剣の一振り
一人は磨かれた魔法の一撃
それぞれが最強の一撃、英雄の子孫の名を語るに値する力だ。しかしそれは少年の理不尽に遠く及ばない
拳が少年に届く前に巨体は砂となり、剣は何処にも届かず腐れ落ちていく、魔法は色彩を無くし、無に還る。
少年は何もしていない、ただそこに立って事の終いを眺めていただけだった。だからこそ悪魔たちは戦慄する、ただの人間一人で神器持ちの英雄たちを完封したのだから。得体のしれない力、それは魔王にも届きうるのではと大きな危機感を抱く。
少年の足元には灰が積もり、生命だったものの証を何も残してはいない。一人の英雄は地面に這いつくばり、仲間だった灰を握りしめる。少女はジャンヌ・ダルクの子孫として誇りを持っていた、自分の力、英雄の力は絶対のものだと確信していた。しかし、それを踏みにじられた、たかが一人の子供ごときに。
ふざけるなぁ!!と心が叫ぶ。攻撃が通らなくても何をしても無駄でも私は勝つんだ!!自尊心の呵責、彼女は再び立ち上がるまさに不屈の英雄の名に相応しい出で立ち。
だが、理不尽はこんなものではない。
少年に向けて手を翳す、いつもの様に聖剣を精製しょうと。闘う力を己の才能から引き出す感覚を鳴らして。
「あれ?」
ふと溢れた小さな言葉。彼女は何度もその手に力を込める、それでも聖剣は現れない。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。
困惑よりも絶望が瞳に表れていた、涙が力を入れるたびに零れていく。英雄は、少女はもう気づいていた、自分から力が消えたことに。
受け入れられない現実、再び打ち砕かれた自尊心、新たに始まる英雄譚への期待。
何もかも終わった。音を立てて崩れていく私の世界。
「おめでとう」
頭上から声がした、ふと顔を上げるとあの憎き少年が少女を見下ろしていた。少年はおめでとうという言葉に対して無表情で淡々と言葉を紡いだ。
「君は《人間》に戻った。行き過ぎた力である君の神器を排除した、でもこれからは君は《普通の人生》を過ごすことができる。ある程度の能力と常識があれば君は立派にこの社会を生きることができるだろう、平和に、平凡に。もし君の平和を崩そうとすることがあれば僕がなんとかしてもいい、君の才能を消してしまったからね多少は責任を感じるよ。でもねこれは必要なことなんだよ、人は行き過ぎる力を持つとそれを持て余すことを許さないからね。本能的な事だ。でもそれは大きな被害や事件を孕んでいる厄物なんだよ。君はそういうものに振り回されてきたのではないのかな?英雄も悪者も悪魔も天使も神も、君とは程遠い"一般人"になった訳だ、さぁ、喜べよ」
支離滅裂な言葉の洪水は少女の精神を瓦解するのは容易いことであった。糸を失った操り人形の様に地面に力なく項垂れる姿に少年は、一瞥をくれるだけだった。
「さて………悪魔のグレモリーとその眷属、自己紹介をしょうか?」
くるりと脚を翻しリアスグレモリー達に少年が云った。
「僕の名前は《平常の青(ノーマル=ブルー)》。あ、いや別に偽名ってわけでは無いんだけど一応名前はもう一つあるしそれは人間基準だけど、どちらかと言うとこっちの方がこの状況に相応しくてね。あと君たちにはこっちの方が一番気になると思うんだけど俺がこうして現れた目的は………
この『世界』を滅ぼしに来たからなんだ」
「「「「「「「ッ!?」」」」」」」
無表情の少年が淡々と吐いた非常識な悪宣言にグレモリー眷属達は息を呑んだ、その少年の言葉の信憑性は英雄派の瞬殺によって高められていた。
「でも、《世界を滅ぼす》って言っても環境破壊だとか、地球征服だとか、人類滅亡って訳ではないからね。むしろ逆『人間以外』を滅ぼすんだ」
「は、なんだよそれ。巫山戯んな!そんな『理不尽』赦されると思ってんのか!?」
「私達にも生きる権利がある!」
「むしろ、貴方にそれを決める権利はないのでは?」
「君が何をしょうと僕らが止めてみせる!」
「そんなこと、させない」
「人間以外の種族も生きてるんだ!」
兵藤一誠を引き金に眷属たちが各々の言葉をかます、兵藤一誠達はあらゆる困難にも強大な敵にも打ち勝ってきた。どれだけ不利な状況だろうが、どれだけ傷つけられようがその足で幾度も立ち上がり、その拳で未来を切り開いてきた。
だから今回も同じように立ち向かう、そして勝つ。そんなテンプレートを繰り広げようと、世界が、動く。
しかし、少年は無表情に地面に転がっていた妖怪総大将八坂に向けて指を鳴らした。
『…………ハッ!?』
それは刹那にも追いつかない一瞬、八坂はまるで最初から居なかったように虚空に消えた。リアスたちは意味がわからなかった、コンマ一秒もなく八坂がいたと思われる無にただ唖然と眺めることしかできなかった。
それはまさに『理不尽』の所業。
「今、八坂を消した。表面上だけだけどね、まだ歴史から消してないから、名前だけ残っているだけの二度と見つからない失踪者になった訳だ。でもどうでもいい、それより君たちは今言ったよね。『理不尽』、『生きる権利がある。』、『俺にはそれを決める権利がない』っと。確かにそれはそうだ、ここは変化してしまった世界だけどここは俺の世界でもある。そこから産まれた生物には《生きる権利》がある。そしてそれを決める権利は俺にはない。」
「そう、そうだとも俺は壱個人でしかなくてそんな横暴が許されるわけが無い、でも俺の性質上人間の可能性を食い尽くそうとする《世界》は壊さなくてはいけないだから、この日まで俺はこの世界に付いて調べてみた。実は3日前までは君たち人外とこの《世界》はほっといても良いんじゃないかなって思ってたんだ、それはまぁ神器使いの人間とか特別な異能を持つ人間とか人外たちに殺されてきたけどでもそれは普通の一般人には向けられていなかった、それはそれでまたいい関係性だと思ったよ。だから、俺は何もしなくても良い、そう、思った。」
無表情の少年の声色が暗い色を落としていった、表面上は何も表していなかったがどこか哀しそうであった。
「………………ちょうど3日前、俺は三人の親友に出会った。この世界になる前の友達に会ったんだ、あいつ等は差どんな世界でもその世界に合った才能を秀でて持っていたんだ、で今回もそうだったんだよ。うん、だからこういう事態は察知できた筈だったんだ。…………なぁ、どうなったと思う?一人は悪魔たちに輪姦された?一人は堕天使に内蔵を弄られて苦しみ死んだ?一人は天使たちに処罰という名の殺人で死んだ?…………………で、滅ぼすことにしたこの世界をもお前らも。」
突き刺さる殺意、背後から忍び寄る戦慄、リアスたちはその異常なほどの恐怖に打ちのめされていた。少年は俯き手を広げた。
「だ、だからって!そんな理不尽………「理不尽?あぁ、そうだとも公平さを失ったやつはもはや狂人だろ?だったら俺の親友はお前らが齎した《理不尽》で殺したお前らは《人間の理不尽》で殺されても問題ないはずだろ?」
一息付き、
「俺は、俺はこんなに世界に苛立ちを覚えたのは二度目だよ。胸糞悪い世界も俺にも、俺はアイツらの辱めの死を見て涙が流れなかった。最低だよ、友達の死を悲しむことが出来なかったんだ。だから、この世界に八つ当たりする。普段だったらいつもどおり《普通の色》でこの世界も無くすが今回はお前らを蹂躙してから滅ぼすことにした。というかここは人間の世界だ、もうお前らは生きちゃいけないんだよ。」
人間のエゴイズム、その体現である。
今日を慈しみ、人の可能性を愛する。
変わらない事は停滞かもしれぬが愛は育める。
普遍の世界を。私達は願う。
「異能も神器も神も天使も悪魔も堕天使も妖怪も龍も宇宙人も、普通以外はなにも要らない。『人間の檻』、そう普通以外を滅ぼそう」
そして、世界は滅んだ
今回筆を取らせて貰ったこの作品は言わば物語におけるあらゆる悲劇を根本的に無くす言わば『おれがかんがえたさいきょうのきゅうさいほうほう』、簡単に言えばFateなら根源とか魔術とか無かったら悲劇なかったんじゃね?ですね。皆さんは、この駄作を読んで人間至高を論じていてばっかだろと思いでしょうが、究極的な平和っていうのは『平等な力関係』と『普遍的な普通の維持』ですから現在の地球の支配者は人間ですしそれを基準とした平和の方がいいですしね。
結局私のエゴイズムですよね。
追伸
私、ハイディーはアニメ1期しか知らんけどなんか変だったら感想で報告してほしいです。登場人物が変だったり、コイツいねぇだろとか。
続きは…………ナオキです。