ポケットモンスターXY&サン・ムーン 二人の紡ぐ物語   作:ソーナ

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放て、全力のZ技!

「やろうぜ、ピカチュウ。Z技」

 

「ピカ!」

 

俺とピカチュウがZ技を放つ決意をすると、カプ・コケコが腕を動かした。カプ・コケコはZ技を放つのに必要なポーズを教えているらしかった。

俺とピカチュウは、目の前のカプ・コケコの動きを真似して、同時に動く。

そして、最後に腕を交差しポーズを決めると、Zリングからあふれでた光がピカチュウの体へと注ぎ込まれた。

 

「行っけぇ!ピカチュウ!」

 

「ピーカ!!」

 

そして、俺とピカチュウの動きがシンクロし。

 

「これが俺たちの、全力だぁーーー!!!!」

 

同時に右腕を突き出した。

ピカチュウの突き出した右腕から、巨大な電気の塊が発生し電気の槍・・・・・・・雷槍が光のごとく放たれた。

 

「電気タイプのZ技!?」

 

「ああ。スパーキングギガボルトだ」

 

後ろからカキとククイ博士が驚きの声を出して言う。

ピカチュウから放たれた雷槍は、カプ・コケコに命中し爆発すると、光輝く雷の柱となって空に消えた。

カプ・コケコに命中したZ技の爆発の影響で、俺たちは後ろに吹き飛ばされそうになる。飛ばされないように目を閉じ懸命に堪えているとやがて爆風は消えた。

爆発により煙が立ち込め、煙が晴れ目を開けると。

 

「なんて威力だ・・・・・」

 

「わたくしこんな電気技、見たことありません・・・・・」

 

「僕もだよ・・・・・」

 

「あたしも・・・・・」

 

「すごい・・・・・」

 

「ああ・・・・エレキフィールドで電気技の威力が上がっているとはいえ、ピカチュウの電気技の威力が強化されたのがあのZ技なんだ・・・・・サトシとピカチュウ。・・・・・とんでもないやつらだな」

 

そこには木々が凪ぎ払われており、爆心地を中心に地面が抉れ、大きなクレーターが発生していた。

ククイ博士たちは、俺とピカチュウのZ技の威力に驚き、騒然としていた。俺自身も、エレキフィールドで電気技の威力が上がっているとはいえここまでとは予想していなかったのだ。

爆心地の中心には、カプ・コケコが両腕をくっつけガードした姿があった。

 

「これが・・・・・Z技・・・・・すごい威力だ」

 

「ピーカ・・・・・」

 

俺とピカチュウがZ技に唖然としているなか、カプ・コケコはガード状態から元に戻し、一声鳴くと何処かに飛び去っていってしまった。

カプ・コケコが飛び去っていくと、俺は急に力が抜けたように体のバランスが崩れた。

 

「サトシ!!」

 

「コウガッ!!」

 

バランスを崩した俺は、地面に膝をつく前にセレナとゲッコウガにより支えられた。

 

「大丈夫、サトシ」

 

「コウ」

 

「あ、ああ。なんか急に力が・・・・・」

 

セレナとゲッコウガに支えられながら言うと。

 

「それは、Z技を放ったあとだからだ」

 

後ろからククイ博士が言ってきた。

 

「Z技は、使用すると使用者の体力をゴソッと持っていく。つまり全力の攻撃なんだよ」

 

「そうなんだ。俺もまだまだ足りないな」

 

「いや・・・・サトシが規格外すぎるんだ」

 

「え?」

 

「まあ、それは後で話そう。今は・・・・・」

 

ククイ博士が視線を自身の後ろに向けると、そこにはクラスメイトたちが心配した感じで立っていた。

 

「大丈夫、サトシ?」

 

「ああ・・・・・なんとかな」

 

「びっくりしました。これが、サトシたちの全力なんですね」

 

リーリエは、Z技の影響でなったクレーターを見て言った。

 

「あっ、Zリングが」

 

「ん?」

 

するとスイレンが視線を俺の左腕に装着しているZリングを見て言った。

Zリングを見ると中央に嵌め込まれていたZクリスタル。デンキZにひびが入り、砕け散ってしまった。

 

「Z技を使うには、まだ早かったということだな。試練も突破していないわけだし」

 

この中で唯一、大試練を受けZリングを所有するカキが俺のZリングを見ながら言う。

俺はしばしZリングを見て、決意した。

 

「俺、島めぐりに挑戦する!試練を受けて今度こそ、Z技を使いこなせるようになりたい!」

 

「ははっ。でんこうせっかのような決断だな」

 

「いいね。サトシ、あたしたちも応援するよ!ね、みんな!」

 

「うん!」

 

「もちろんです!」

 

「電気タイプには詳しんだよね~、僕とトゲデマル。電気タイプのことなら協力できるよ~」

 

「ふっ。いいぜ。俺も、お前の完全なZ技が見てみたいしな」

 

「ありがとう、みんな!」

 

クラスメイトたちの言葉に、俺は新たなる目標と旅に胸を踊らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カプ・コケコとのバトルを終えポケモンスクールに戻っている道中、最後尾にいる俺はセレナに手を貸してもらっていた。

理由は、Z技の反動で体力を持っていかれた為だ。

 

「大丈夫、サトシ」

 

俺の隣を歩いているセレナが心配そうに聞いてきた。

 

「大丈夫だ。後少しで自分で歩けようになると思う」

 

「そう?ならいいけど。・・・・・・・・サトシ。Z技を放って何か感じた事あるんじゃない?」

 

「何でわかったんだ?」

 

「サトシが倒れるのって、ゲッコウガとシンクロした時でしょ。だからなんとなく」

 

「・・・・・・Z技を放った時、ゲッコウガとシンクロしてるときと同じ感じになったんだ」

 

俺はセレナに、Z技を放った時からの事を話した。

 

「それって・・・・・」

 

「わかんない。ゲッコウガの時と同じなのか違うのか・・・」

 

「そうなんだ。・・・・・・プラターヌ博士が言っていたキズナ現象と関係あるのかな?」

 

「さあな」

 

「・・・・・・サトシは島めぐりをするんでしょ」

 

「ああ」

 

「その島めぐり、私も付いて行ってもいい?」

 

セレナが言った言葉に俺は少し驚いた。

 

「セレナさえ、良ければ俺は別にいいぞ」

 

「それじゃあ、島めぐりに行くときは私に声をかけてね」

 

「わかったよ」

 

セレナとそんな会話しているとあっという間にポケモンスクールに着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、サトシ。さっきの話の続きだが」

 

所変わって、ククイ博士の家に俺たちは帰ってきている。

あの後、サプライズの続きをもらいサプライズが終わると各自帰路に着いた。

ククイ博士とは帰り時間が少し違ったが、俺とセレナは昨日と同じように一緒に帰った。

途中、夕日に照らされた海を見たり、見た事ないポケモンに出会いながら帰ってきた。

そして、ククイ博士が家に帰ってきて暫くたち今に至る。

 

「まず・・・・・・・・・普通のZ技はあそこまで威力が高くはない」

 

「え!?」

 

「ククイ博士、"普通"と言うことはサトシは普通では無いと言うことですか?」

 

俺と一緒に聞いていたセレナがククイ博士に聞いた。

 

「それは分からない。だが、幾ら試練を受けてないとはいえZ技を放ち、あそこまで影響を出すとなると普通とは言えなくなるんだ」

 

「確かに木々が凪ぎ払われていましたし、クレーターも出来てたね」

 

「まずZ技ってのは、トレーナーとポケモンが互いの信頼を深めて放つ技なんだ。例と言うならカキだな。カキのZ技。ホノオのZ技、ダイナミック・フルフレイムだ。サトシはカキがZ技を出すのを見たことあるな」

 

「はい」

 

「カキは相棒のバクガメスと一緒に放つ。Z技はトレーナーとポケモン、両方に多大な疲れを伴う。だが、カキとバクガメスは疲れは伴ってはいたが倒れはしなかった。そして今回サトシが放ったZ技。スパーキングギガボルト、を放つとサトシは急に力が抜けたんだな」

 

「そうです」

 

「それは、恐らくサトシの体力を根こそぎ使ったからなんだろう。だから力が急に抜けたんだろうな」

 

「それじゃあ、サトシはZ技を使えば体力を急激に失うってことですか?」

 

「うーん。まあ、体力は俺の家の地下にあるトレーニングルームでなんとかなるんだろう・・・・・・今回のは前例が無いんだよな」

 

「そうなんですか」

 

「まあ、なんとかなるだろう。俺も色々と調べてみるさ」

 

「わかりました」

 

「はい」

 

その後、Z技について更に詳しく教えてもらった。

以前カキから簡単に教えてもらっていたが、ククイ博士の説明から更にZ技について知ったと思う。

そして、夕飯を食べお風呂に入り終わり就寝時。

ククイ博士は自身の部屋に、俺とセレナは2階のロフトへと向かった。

 

「ふふっ。楽しかったね今日のサプライズ」

 

「ああ。サプライズイベントを用意してくれてたのは嬉しかったな」

 

「そうだね」

 

ロフトの上には小さな窓があり、そこから空に浮かぶ月と星が見える。

俺とセレナは空を見上げ語った。

ピカチュウたちはすでに寝ており、起きているのは俺とセレナだけだった。

そのあと、多々色々な事を喋り就寝した。

俺はセレナがいなかったら1人だったんだなと思いながら瞼を閉じた。

 

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