戦後は蒼く、戦時は紅く、戦前は疾く   作:かるませ

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七話前編

 

晴天、モニタリングされた艦船達の映像がホールにて投影される。

奇しくもここユニオン西海岸、サンディエゴ基地(改修済み)での実弾演習という事に老人が一人溜め息を吐くが、周りにとってはどうでもいい事なのだろう。

 

最早パレードだ。

 

今日という日が何もめでたくなく、ただの一日であるはずなのにどうしてこうもまぁ合衆国民というものは金と音楽があれば躍起になるのか。お前らそんなんだから暴力しか知らない蹂躙民族とか言われてんだぞ。と老人が基地の廊下で思い耽っているとこの基地に似合わない少年の姿を見た。

 

それも軍服の。

という事は十中八九どころではなく百発百中で自身の事実上上司にあたる少年の同期だろう。

 

しかし、向かう先に目を張る物があった。

 

「喫煙所?」

 

確かに『喫煙スペースはこちら!』と書かれた矢印付きの立て札が置かれている。

 

そうして気が付くとコソコソと周囲を窺いながら見知った少年も向かって行った。

 

 

 

「ゼロツー!一応公共の場なんだから!」

 

喫煙スペースは分かり易くアクリル板で区切られたおざなりな場所だった。

利用者も2人しかいない。というかここはサンディエゴ基地では隅に該当される。そもそも利用者が少ないのだろう。

 

だが、そこで紛れもなく火を灯しているのは少年に似た顔の男の子、ゼロツーだった。

 

「別にいいだろ。『吸わせてくれ』と頼んだからこうして場を設けられたんだし。」

 

「良くないよ!っていうか何時の間に吸うようになったの!?」

 

エイトナインの言葉にゼロツーはほくそ笑んで答えた。

 

「先の鏡面海域でな、稼働率を上げたのが悪かったらしい。」

 

え、と言葉に詰まる。

それはどういう意味なのか分からないほどエイトナインは頭が悪くは無い。

 

「『それ』合法ドラッグ?」

 

今ゼロツーが吸っているものは軍が彼の損傷箇所に対する痛覚遮断兼麻痺用として合成されたシロモノだ。

あくまで医療用として扱われているものなのだろう。

 

「臓器のあちこちがな結晶化している。特に腎臓がヤバい。透析がままならん。促進効果もあるが、吸わなきゃやってられん。」

 

「だからって、『そんな物』吸うこと無いでしょ……。」

 

そう吸うことは無い。わざわざその紙巻を呑んでいるとしか思えない。

『それ』が何なのか分かる。

 

「君の『男の子らしさ』で余計に寿命を縮める気?」

 

そうゼロツーは一般的に男の子らしいと言われる。

乱暴で、ガサツで、頭が良く、悪い事をしたがる。

 

「お前は身体に何の影響はないのか?」

 

それは、と言いかけたが後ろめたい気持ちがある。

今この身体は確かに結晶化に蝕まれている。だというのに自分の身体にはまったく影響がない。

一方的に自分を慕う艦船に負荷をかけている。

 

「はっ、お前もか。」

 

そう。ゼロツーだけじゃない。エイトナインもじゃない。

デザイナーズチャイルドという生き物は早くに限界を迎える事を予想されていた。

 

そもそも製造出来たとしても、10年は保たないと言われたがそれでも実行に移された。

 

雌型として複製すればそれはセイレーンだ。危険分子だ。

故にその機能をグレードダウンさせて、なおかつ艦船との間に交感神経と副交感神経を優位にさせる働きをもたらせる為に『オス』が好まれている。

 

だが、同時にそれは生存率を一割以下に落とすと言われた程に劣化、磨耗を起こすとされていた。

 

「実につまらない話だな。雌ばかり優遇される。神というものはフェミニストか?いや最早レイシストだな。」

 

紫煙と一緒に皮肉を吐き出す。

その声にイラつきは感じられない。

だがそれでも吐きたくてしょうがないのだ。

 

「『次の世代』はマシになるんだろうかなぁ。」

 

その言葉にエイトナインが目を張って怒りを露にした。

 

「ふざけないで。自分が何言ってるか分かってるの?」

 

まるで、まるで、その考えは。

 

「当たり前だろ。もう長くないんだぞ。次にノウハウを託さなければ……。」

 

「ふざけんなつってんだよ!なんだよそれ!?」

 

胸倉を気が付けば持ち上げて拳を振り上げようとしていた。

何だその考えは。何だその言葉は。

 

まるでこの先も戦争が続くかのような言葉に溢れかえる程の怒りを覚える。

 

その怒りを掻き消す用に歓声が湧く。

 

今この瞬間、余命幾許もない小さな命達の叫びをまるで瑣末だと言わんばかりの有り様だった。

 

それが聞こえたのか嘲笑うようにゼロツーは呟く。

 

「民衆は結局『アレ』だ。マジで何も考えてないぞ。今も自分達は正義だ。悪の支配を脱するんだ。と本気でのたまってやがる。」

 

「だからって!戦争の引き継ぎをさせるつもりなの!?」

 

まるで文化や思想、或いは意志のようにこの戦争を続けさせると言わん自分と同じ顔の少年に腹が立つ。

 

「お前、まさかこの戦争が簡単に終わると思ってるのか?呆れ返るな。まさか今でもあの使えない老人を追っているの――」「おぉい少佐ぁ〜。」

 

老人の言葉にエイトナインの握力が緩む、するとゼロツーは姿勢を取り返す様に正して、服を少し整えてタバコを灰皿に押し付ける。

 

「はっ、まさか吊るんでいるとはな。恐れ入ったよベソかき坊や。」

 

どん、とエイトナインを突き放し、老人に一瞥もやらず歩いて去って行った。

 

「少佐、今のは?」

 

その言葉に少し詰まる。だが、それでも話をするべきだと固く誓い、言葉を紡ぐ。

 

「元カノです。通話上の。」

 

「はぁ、元カノ……」

 

老人の間抜けな声が響いた後に空を仰いで、少年を見た。

 

「元カノ!?」

 

事情を聞くと『訓練期間』のカリキュラムの一つとして『疑似恋愛』を経て、艦船達へのアプローチを始めとする行為をスムーズに学ばせるというものだ。

 

「四日で別れましたよ。男の子らしい男の子です。」

 

今でも覚えている。一方的な言い分、すぐに何かを悪と仮定した話し方、そして何よりも――

 

「彼はマイケル・アスキスを馬鹿にしました。出来もしない事をのたまう英雄気取りの成金だと。」

 

身体のあちこちが軋む程に怒りが今でも込み上げる。

その言葉を聞いて、本当にエイトナインは怒り狂い、泣き出し、喚き散らし、ありとあらゆる罵詈雑言をひたすらに叫んだ。

 

「本当の事を言われたからって泣くなよ、ベソかき、そう言われて僕は中指を立てました。本気で。」

 

言いながら思い出して涙が溢れてしまう。

それを見ていた老人はようやく合点が行ったと頷き、その小さな頭を撫でる。

 

「ずっとワシを褒めててくれてたんじゃな。ありがとう。」

 

だからこそ、だからこそなのだろう。

何故老人を教授と呼ぶのか。先達にして師として仰ぎ尊ぶ者と認識したかったのだろう。

 

「だって、教授のスピーチ、あんなにカッコよくて、僕もああなれたらなって、辛い人を助けるのならきっとこういう人なんだって、そう思ってたのに……。」

 

「ありがとうな。」

 

そう言いながら老人が泣きじゃくる少年を抱き締める。

気が付かずに子供のヒーローとなっていた自分に驚きもしたが何よりも誇らしい。

今でこそもうロクな役職を持たない、ただの老人であり、艦船に世界を売り払った悪魔の男とマスメディアに糾弾されているが、こんなにも身近に、そして優しい子がいてくれる。

 

「本当にありがとう。生きていて良かった。そう思えるほど嬉しいよ。」

 

「嬉しいのは僕です。貴方が居なければ、貴方が誘ってくれなければ、僕は今も昔も優しくなれなかった。貴方がくれた優しさが色んな子達に渡してあげれるんです。ありがとうございます。」

 

そこまで言えたが、もう辛かったのだろう。

本格的に泣き出してしまい。老人はそれを抱き締めていた。

 

「教授が居なかったら僕は折れてた。貴方の挑む姿に何度も助けられたんです。でも、でも、みんな、皆、民衆もアズールレーンも!」

 

「ごめんなぁ。立派な男になれなくて。君を助けてやれなくて。」

 

「りっぱですよ!ひとをたすけて!それのどこがりっぱじゃないっていうんですか!?」

 

鳴き声のように発して発音もままならない。

だがそれでも尊敬する人自身が貶す姿は本当に見たくない。

 

「うん。ありがとう。君は『ワシを』目指してくれてたんだな。」

 

その言葉にただ頷く。

もう何も無い老人だとしても、きっと誰かに優しくしてくれるはずだ。きっと誰かを喜ばせようとしてくれるはずだ。

そう想って、それが少年の導と合わさって、今この瞬間があるのだ。

 

「でもな。少佐。中指はダメじゃぞ。」

 

そう言って、頭を擦るように撫でると少年が不満そうに頷く。

 

「よし、良い子じゃ。どれ、つまらんがパレードに行こう。何が起きているか見てこようじゃないか。」

 

その言葉にも頷いて手を繋ぎ合って、まるで本当の祖父と孫のように会場へと向かっていく。

 

その日、何が起きているのかまるで何も知らずにいた二人はモニターを見て、何も言葉を発する事が出来なかった。

 

 

実弾演習、まずは機動力の見せ合い。

だが、これに差は特には無い。

 

特に夕立には厳しく言っておいた。

最後まで隠しておけ。と躾られたのがよほど幸を奏したのか『歩調』は澱みが無いと言えるほどピッタリと合わさっていた。

 

次に標的への砲撃。

こちらも差はまるで無い。標的が現れればすぐさまに誰かが撃ち抜いた。

 

問題の模擬演習。

摩耶や夕立はおろか、会場席に居た軍曹ですらはっきりと分かる。

 

ベルファスト、ネプチューン、シリアス、イラストリアス、ウォースパイト、クイーン・エリゼベス。

 

以上の6名であるノーフォーク部隊は紛れもなく自分達を殺す気だ。

それが分からぬような馬鹿ではない。

いや、正確には違う。向こうの目標のひとつとして横須賀の戦力を削げ。それぐらいの命令が出ているのであろう。

 

隊列を組み、艤装のチャージを確認。

 

まるでサンディエゴ沖が猛獣達を入れる檻だ。

 

サーカスの演目に等しい。その中の生き物が殺し合うところを見て楽しめと。民衆が楽しむ世界を構築されている。

 

鞭の弾く音の様に開始の合図と共に一方的な殺戮が始まる。

 

はずだった。

 

夕立が一瞬でノーフォーク部隊の中心に立つ。

波も音もなく、まるで『出現』したかのように現れてその場で76mm砲を周囲にばらまく。

 

だがそんな攻撃に怯むほどノーフォークは安くない。

 

回避行動を取りながら砲撃にベルファストが榴弾を展開しようとするが

 

――『場所』が悪い!

 

そう今撃てば広角榴弾は間違いなく外れても当てても角度的に目標の後ろの部隊に流れ弾になりえる。

 

これは軍曹に一計があった。

 

――『勝ち方』に拘るのが最大の汚点だ。戦場でスマートに勝てたらそりゃ最高だけどな。その点お前らと相性が悪い。

 

泥だらけのドレスでも戦えるのだからな。

 

その言葉を反芻するまでもなく、夕立がイラストリアスに突撃する。この中で唯一『防御に特化した』艦船だ。

 

反撃をしたくてもこのイラストリアスには耐熱ジェルなど塗られていない。

そんな戦い方は横須賀ぐらいだ。

 

自分の身体を焼かれるようなことがあればそれはノーフォークの失敗となる。

 

「イラストリアス様!」

 

ベルファストの叫びもかき消す様に砲撃が進路上に放たれる。

弾種、徹甲弾。

口径は……

 

「重巡……!」

 

その言葉の前に摩耶が駆ける。

仕掛けるつもりか。そう読んで近接回避に集中するが何も来ない。

 

「悪いが狙いは『こっち』だ!」

 

ネプチューンの槍を狙うように刀が迸る。

受け止める事を前提としていたのだろう。

 

その槍の中心を摩耶の足が槍の如く貫いた。

 

槍ごと蹴り飛ばされた身体をシリアスが受け止める。

 

――この方々!『わざと』か!

 

そう分かっている。殺される事を。

群れで殺す上で、その特性を『逆に殺している』。

 

夕立も摩耶もお互い前の敵に集中しているように見える。だが、実際は違う。

 

ノーフォークのセイレーン特性の新造武装を撃たせる事による同士討ちこそが最も殺しやすいと読んでいる。

 

だが、それも。

 

「ここまでだ。横須賀の牝犬共。」

 

逃がさないと踏ませていたシリアスとネプチューンの起動が変わる。

 

(接続したか!)

 

ここからは防戦一方になるだろう。

距離を一瞬で開けられた。

だが――

 

どぉん!

 

ネプチューンの軌道に合わせて砲弾が狙い合わせる。

 

横須賀部隊に宛てがわれた主力達の一斉砲撃。

そのタイミングを読まれていたのか。そう言える程にネプチューンが舌打ちをする。

 

「ネプチューン様!」

 

「バカ!ベルファスト!」

 

ここが『海域ならば』読めていただろう。

だがここはサンディエゴ沖。秋とは言え生命が溢れているこの中で斥力反響定位を使えば脳の処理が遅れる。

 

「旗艦はやはりお前だな?」

 

摩耶の砲撃モジュールが狙いを付ける。

それと同時に夕立もイラストリアスを踏み台にしベルファストへと向かう。

 

――対人も対軍も肝は変わんねぇ。陣形っていう足場を崩される事を第一に。そうすると体勢がガラ空きになる。後はそこに一撃。そうしたら頭が下がる。したら、後は。

 

「ボコるだけだ!」

 

そう横須賀部隊に管制機は存在しない。

あくまで電子戦仕様の装備を施された艦船のみだ。

その差が今ここで発揮された。周囲への統制を重んじる動きは、こと戦闘において不利益を齎す事を横須賀は承知している。

 

だからこそ指揮官を複数に分けて組まれているのだ。

 

しまっ――

 

ベルファストはそう思考して両角からの攻撃に対処を急ぐが、もう遅い。音速の殺戮はその絹の様な全てを食い破る。

 

ばごん!

 

貫いた音が響き渡る。遅れたようにその血煙が海に向かって広がる。

 

「ううううっ!ああああっ!」

 

痛みに叫び声が上がる。彼女の左耳を中心に抉られた事で誰もが動揺し、息を呑んだ。

 

『呻いている夕立』に誰もが動揺した。

 

摩耶の徹甲弾は夕立に向けて撃たれたのでは無い。

ましてや夕立も摩耶の射線には入っていなかったはずだ。

何人が理解出来たであろうか。夕立の軌道がズレた事を。

まるで、そう、まるで。

 

ベルファストを守るような軌道だった。

 

それにベルファストもまた例外なく動揺していた。

今の一瞬まで間違いなく自分が狙われていた事は確実だ。それなのに。何故。

 

「こ、これにて実弾模擬演習は終了!」

 

司会を務めていた男のアナウンスに誰もが息をようやく始める。

 

呆気ない結果だったな。

同士討ちか。

精度がやはり低いようだな。

 

そんな声が聞こえる中、すぐに赤髪の女性が部屋を抜ける。

 

「軍曹!」

 

少年が声をかけている。だが知った事ではない。

目指す場所は分からないが、恐らくは外だ。

 

 

サンディエゴ基地のホール会場の北側。

そこに彼はいた。いつものように寡黙だが、その雄々しい筋肉は実に叫びを上げていると言えるほど鍛え抜かれている。

 

「おい、てめぇ。」

 

軍曹が現れてポツリと漏らす。

汗が吹き出ていて、目に入るのが痛むがそんな事はどうでもいい。

 

「夕立を『弄った』な!」

 

夕立の軌道遷移は紛れもなく人の、そう夕立の指揮官によるものだった。

そう、曹長は手持ちの端末を起動させ、あの一瞬で夕立を摩耶に撃たれるようにした。

 

「『それに何の問題がある』?」

 

まるで氷の様な言葉だった。

自分が担当する艦船の損傷など、まるで目も向けていないかのように。

 

「おい、筋肉ダルマ、てめぇが脳味噌まで筋肉だろうから教えてやるけどな――!」

 

「今回の模擬演習は横須賀の査定でもあるということだろ?『そんなどうでもいい事を』自慢げに語るな汚物が。」

 

言葉が詰まった。

何を言われたのかまるで理解出来なかった。

今日明日の食事すら危ういと思える生活をしている部隊を、こいつは、この男は、どうでもいい。と評した。

 

「てンめ――」

 

ばがん!

 

軍曹の言葉は最後まで発せられなかった。

その下顎を砕くように拳が飛んできたからだ。

あまりにも速すぎて防御が間に合わない。モロに貰って後頭部を打ち付けた。

 

「キレるのはお前の十八番気取りか?キレれば俺に勝てると思ってるのか?これだから女という生き物は苛立ちを覚えるな。」

 

立ち上がりかけたその胴体を蹴り飛ばされる。

酷く歪な音が響いた。脳を締め付けるような痛みに貯まっていた酸素の全てが吐き出される。

 

「『この間は』お前も手加減していたから俺もしてやったが、矢張りお前はいらないな。エル・ヴァーノン。彼の部隊に不釣り合いだ。」

 

何を、何を言っているのかまるで分からない。

だが拳を作ろうとするがその腕を縦に殴り抜かれた。

 

ばぎん。

 

尺骨がその反動に皮膚を貫いて露出した。

 

「ああああああああぁぁぁ!」

 

涙が出る。痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。

膝を着いて、腕をまるで大事そうに抑える。

 

「お前は言ったな。見殺しにする事は正しいと。」

 

何の話をしているのか軍曹は分からない。

痛みに耐えられない程苦しい。

頭が死にそうなぐらいの叫びを上げている。

 

「パッケージ部隊全員を見殺しにした俺は、お前の言い分からしたらとてつもなく正しいのだろうな。だからお前は、お前の正しさで殺されるべきだ。」

 

「は?」

 

何だ。何の話だ。パッケージ部隊?

 

「エル・ヴァーノン。お前が助かる代わりに俺の父親は交渉の一手で死んだぞ。エル・ヴァーノン。お前がのうのうとあのドンキーの膝元で暮らしている間、あの少年は地獄よりも地獄だったぞ。」

 

忘れていない。何があったのか。何故、アラスター曹長はアズールレーンに組み込まれたのか。

全ては寧海という艦船がエル・ヴァーノンを助けたが故に。

この女がもしバラバラにされていたのならもっと人道的な処置がデザイナーズチャイルド達にも施されていただろう。

 

だが現実は違う。

 

現実は、正義は、この国は、全ては。

 

歪んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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