翌日。私たち四人は作戦室に集合した。
二日後に迫るランク戦に向けての作戦会議を行うためだ。
「さて、ランク戦の初戦の相手だけれど、相手に関しては話した通りだ。
最優先での撃破対象は早川隊の丸井隊員。彼のグレネードさえなくなれば狙撃やトラップでの援護がしやすくなって状況を有利にできる。」
「あいよ。だがそのための作戦はどうする。むこうもそう簡単にやらせてくれるわけじゃないだろ。」
「それはそうだが、これに関してはもう片方のチームが間宮隊で助かったというべきだろう。あのチームは三人で戦うことを基本としているから何よりも合流を優先して開始時は全員がバッグワームを使用する。だからレーダーに反応する敵は早川隊の三人だけだ。
まず私が戦闘開始時にライトニングのスコープでマップ上の敵を確認する。初期の転送位置はバラバラだが全員が均等な距離になるようバランスよく転送される。隣に転送されるのは基本的に別の隊の人だから私のライトニングで一人か二人は早川隊を捕捉できる。
そうしたら村中さんに頼んでタグ付けをしてもらうとともに、私たちの中で近くにいる人で丸井隊員へ優先して奇襲を仕掛けてもらう。」
「確認できたのが一人で丸井隊員じゃなかったら?マップ上の敵の二人のうちのどちらかが丸井隊員っていうのはわかるけど・・・・そのあとは?」
椿が聞いてくる。確かに、転送位置によっては丸井隊員の初期位置がわからない。二人のうちのどちらかに絞れはするが・・・。
「俺か椿のどちらかが近くにいるはずだから残った二人に突っ込むっていうのは?
ヒロが近くの一人を足止めしてくれたら少なくとも間宮隊が合流するまでの間はサシでできるってことだろ?」
「それも考えた。が、サシでやって確実に勝てるか?接近戦に持ち込めなかったらこっちのほうが不利だし、仮にお前が勝っても私や椿が負けて戦力が削られるという可能性もあるぞ。」
「スタート時にそのグレネードで攻撃はしてこないの?それならわたしが弾道解析してすぐに位置がわかると思うけど・・・。」
「村中さんの言う通りスタート時に撃ってくるときもあるからそれならすぐに狙えるん。。私がライトニングで狙撃できるし、椿はグラスホッパーで機動力もあるからな・・・。
しかし、開始時に撃ってこない時もそれなりにある。もともと開幕時のメテオラは命中率ほどんどないから撃つだけトリオンの無駄だからな。」
「そっか・・・。でもまぁ撃ってくるときもあるんだよね。その時は任せてね。」
「ん?じゃあ開幕撃ってこないならいつグレネード撃ってくるんだ?それなりに離れてないとつかわねぇだろ?」
雅樹にしてはもっともな疑問だ。
「基本は相手のいる建物を破壊して敵をあぶりだしたりするときに使うみたいだな。あと狙撃手のいるところへ撃って狙撃手へのけん制と妨害。」
「ならそれで撃たせとけばいいんじゃね?ヒロが最初に近くの早川隊を狙撃してればうっとうしく感じてグレネード撃ってくるだろ。それで位置がわかるから俺と椿で攻めればいい。違うか?」
「つまり私が囮になると・・・。なるほど。確かにそれなら簡単に場所を特定できるか。しかし、私の居場所もばれるから最悪私がすぐに落ちるぞ?それでもいいか?」
「まぁ、命中率が低いし、ダメージは受けるかもしれないけど、落ちることはないでしょ。バッグワームもあるし、入り組んだマップなら十分に振り切れるでしょ。スパイダーやメテオラトラップで足止めもできるしね。」
「入り組んだ地形ならわたしが地形情報送って支援すれば浅上君のバイパーが有利なんだから狙われてもかてるんじゃないの?」
「確かに入り組んだ地形なら私が有利だから向かってくる一人だけに集中すれば多分かてる。が、間宮隊による攻撃がないとも限らないし、不意打ちにも意識を咲かないといけない。二人以上来た時は倒されないように逃げ回るのが精いっぱいだな。」
「あ、じゃあ、それでいいな。逃げ回って時間をかせいでくれたらその分僕たちが楽になるもの。それで浮いた人を倒していくよ。」
「ふむ、仮に私が落ちても問題はないか。一応何かあってもメテオラトラップを逃げながら各所に仕掛けておけば村中さんとの支援も含めて有利な状況が作れるし。よし、じゃあそれでいこう。」
作戦の方針が決定した。被害を出すことを恐れていたからあまり考えていなかったが、仮に落ちてもそれ以上のリターンが得られるなら犠牲になる価値はある。
思っていたより簡単に解決できたな。
「じゃああとは、早川隊に合流を許してしまったときはどうするの?そうなればこっちも合流はできるとおもうから複数対複数で戦うことになると思うよ?それにそのころには間宮隊も合流するだろうから、みつどもえになるね。」
村中さんの指摘はもっともだ。
「間宮隊に関しては雅樹がアサルトライフルでけん制してくれたらハウンドストームは撃てないから、飛んでくる弾の数が減る。それならシールドとフレアで十分に防ぎきれるから次の攻撃までの間に椿がグラスホッパーで間合いを詰めれるはずだ。それで終わるはず。」
シューターは固まっているときに間合いを詰められると味方への誤射の危険があるからそう簡単に攻撃できなくなる。つまり、間宮隊に関しては間合いを詰めるだけで勝てる。
あとは早川隊だが・・・。
「ひとまずは間合いを詰めることを優先しないとな。案としては私が多めに分割したバイパーやメテオラでなるべく広範囲に持続的な攻撃を仕掛けるからその間に間合いを詰めるか・・・。」
「早川隊の隊長はオールラウンダーだから間合いを詰めても勝てるとは限らないよね。それにそれだと間合いを詰め切れるかも怪しいし・・・。ほかにももう少し考えないと・・・・。」
だいぶ作戦が立ってきたが、うまくいかなかったときのことも考えないと・・・。
初のランク戦を前に会議の時間は2時間を超えた。