私の放った弾丸は、丸井隊員の腹部を貫いた。
が、ライトニングの火力では戦闘不能までに至っていない。続けて撃つ!!
『2発目以降は可能なら手足を狙うといい。シールドで防がれにくい。』
師匠の教えを活かさないとな・・・。
「狙撃!!誰から!!いや、どこから?まずい、シールド!!」
丸井隊員は頭部と胴体を守ろうと集中シールドを張る。不意を突いての狙撃というのになかなかに対応が早い。
が、私の狙いは足だ。
胴体よりは当てにくく、直撃させることはできなかったが、右足に命中した。右足を失うまでにはいかなかったが、神経系には届いたはず。右足はもう使えないだろう。
足を削られたとみるや、丸井隊員は建物の影に隠れた。アイビスがあれば建物ごと攻撃できたがライトニングではさすがに無理か・・・。
だが足は削った。
それなら・・・射程重視のバイパーで追い打ちかけられるか・・・。
―――早川隊サイド―――
「星治?どうした?砲撃が止んだぞ?」
「悪い。狙撃された。右足と腹部抜かれて、合流できそうにないな。」
「狙撃?どこから?誰が?」
「方向は私の位置からマップ上2時の方角。最初にバッグワームでレーダーに映らなくなった人が狙撃してきたようだ。」
「了解。悪いが助けに行っても間に合いそうにない。ベイルアウトしろ。」
「すまん。あとは任せた。ベイルアウト!!」
ビビビビ!!
緊急脱出不可
「ちっ!!遅かったか・・・。すまん。ベイルアウトできそうにない。」
・・・狙撃に気を取られてマップを見ていなかった。もう、60メートル圏内に敵がいる。
もうシューターの射程圏内だ。それでも攻撃が来ないってことは・・・。
来てるのはアタッカーの二人のどちらかか。
片足を失って、トリオンも大量に漏れてる。とても戦える状況じゃないか・・・。それなら・・。
残りのトリオンをすべて使って少しでも仲間に貢献しないと・・・。
さっきの狙撃があった方向。初期配置。バッグワームで反応が消えた位置に可能な限り叩き込む。
そして、空をみた瞬間。目の前を光の線が通る。そして、俺の体を貫いた・・・。
「バイパー? くそっっっっっ!!」
狙撃のあった方向からバイパーで撃たれた。
「「トリオン体活動限界。ベイルアウトします。」」
ただでさえ、重症だった俺のトリオン体はもう持たないようだ。だがまだだ・・・。
ドシュドシュドシュ!!!
俺はできる限り引き金を絞って、メテオラを射出する。そして、放たれた3発のメテオラと、私にとどめをさしに来たアタッカーの椿健太を見て作戦室のベッドの上へ転送された。
そして、そのまま、オペレーターの麻美のところへ行き、みんなに報告する。
「みんな。狙撃してきてるのは、浅上だ。狙撃のあった方向からバイパーが飛んできた。それから、麻美、俺のところに来てたのは椿だ。タグ付け頼む。」
「椿くんね。わかったわ。」
「浅上くん?そっか、それなら・・・。向こうの作戦は・・・」
―――観戦ルームサイド―――
「浅上隊員のライトニングが丸井隊員の腹部を貫いた。そのまま、追撃!!足に命中!!
早川隊丸井隊員、即死は免れたもののこれは時間の問題か・・・」
「きちんと決めるところで浅上くんは決めてきましたね。まだ、ライトニングを握って短いでしょうに、よくあてましたね。」
「そうだな。仕留めるまでにはいかなかったが、悪くない腕だ。そして、明野隊に狙撃があることがほかの2隊に知られてしまったが、行動がこれで、大幅に制限されるな。ただ、当てる以上に十分に価値のある狙撃だ。」
「具体的にはどういうことでしょうか。風間さん。」
「今までは間宮隊、早川隊は最短距離で・・・建物の屋根伝いに移動することができた。が、スナイパーの存在を認識。油断していたとはいえ、初弾を命中させるスナイパーがいる。どの程度の技量かわからない以上、今までのようにリスクをおかすわけにはいかない。
路地に沿っての移動を強いられることになる。それだけ合流が遅れることになる。加えて、射線がとおりにくくなるから、明野隊に有利な展開だ。」
「射線を通りにくくすることで、ガンナーを不利に、アタッカーを有利にしたということですね。ありがとうございます。」
「おそらくは、まだ狙撃を始めたばかりなので、当たる可能性は高くないとは思いますが、いると思わせるだけで、だいぶ変わりますからね。どうしてもスナイパーに注意をさかなくてはいけなくなります。」
「おっと!!ここで丸井隊員自主ベイルアウトを発動!!しかし、遅かった!明野隊の椿隊員が丸井隊員の60メートル圏内に入っている!!これでは自主ベイルアウトできない!!」
「明野隊も狙撃では仕留めきれない可能性を考えていたでしょうからね。すぐにとどめがさせるように二人で丸井隊員のほうに向かっていましたね。」
「あの場面でベイルアウトはありだが、判断が遅かったな。椿が接近しているのに気づかないほど狙撃をされて動揺していると見える。そして・・・」
「そして・・・?」
首を傾げ、綾辻は続きを聞く。
「今度は、椿に気を取られたな。」
画面にバイパーで貫かれる丸井隊員が移る。
「これは・・・。浅上隊員のバイパー?たしかにバイパーなら遮蔽物は関係ありませんが・・・。この距離でよくあてましたね。」
「足は削りましたからね。ダメ押しの一撃が命中した形でしょう。射程重視にチューニングしていたので、弾速と威力はほとんどありませんでした。椿君に気を取られてさえいなければシールドで防ぐこともできていたでしょう。最も、そのあと、すぐにベイルアウトする結果は変わらないとは思いますが。」
「だが、3発だけじゃなく、もっとメテオラで明野隊の作戦の邪魔はできていただろうな。当たらないくてもけん制には十分だ。建物が減れば射線が通って戦いやすくなるし、浅上も移動の必要が出てくるから、その間の狙撃はやむ。少し、足りなかったな・・・。
さて、ここかるどうなるかが見ものだな。それぞれの隊の真価が問われることになる。」
おそくなってすみません。