――翌日
今日からは本格的にランク戦と行こうか・・・。次の合同訓練までにある程度は動けるようにしないとな・・・。
「お、ヒロもランク戦か?」
個人ランク戦のブースには先に雅樹が来ていたようで話しかけてきた。
「あぁ、昨日は一人で練習してたからな、今日から実戦経験をつむと同時に本格的にポイントをためていこうと思う。」
「へぇ。そういえばシューターって言ってたな。トリガーはどれにしたんだ?お前のことだからロマンがないとか言ってハウンドとメテオラは使わないだろうからアステロイドかバイパーのどっちかだろ?」
「…よくわかったな。バイパーだよ・・・。」
さすがは幼馴染とでもいうべきであろうか。広範囲を攻撃できるメテオラや自動追尾で相手を攻撃できるハウンドは私にとってはあまりロマンを感じられない・・・。シンプルな弾で戦うアステロイドか状況に合わせた弾道設定で相手を攻めるバイパーが魅力に感じていて、昨日の那須先輩を見ていなくてもどちらかにしていたのは事実だ・・・。
「へぇ、バイパーか・・・、昨日バイパー使いと戦ったけどなかなかよけられなくて困った。早くシールドか旋空持ちたいぜ・・・。」
「確かにC級はシールド持てないからな、レイガストでもない限り距離を詰めるのは難しいだろうな・・・。」
「あぁ」
「まぁ私が近づく練習に付き合おうか、報酬としてお前さんのポイントもらうことになるけどいいよな?」
「へぇ、なら俺も対アタッカーの練習に付き合ってやるよ。ポイントはありがたくもらっておくな。」
二人して不敵な笑みを浮かべて訓練室に入る。隣の部屋だ、私が226で雅樹が227相手の部屋番号と使用するトリガー、ポイントが表示されている。
「さて、じゃあ10本勝負あたりでいいか?」
「まぁそんなところだろう、手加減はなしだぞ?」
「そっちこそ」
私の初めての個人ランク戦が始まった。
「「個人ランク戦 スタート」」
自動アナウンスが流れる。場所は市街地、相手との距離は50メートル前後といったところか。
相手のトリガーは弧月。この距離なら一方的に攻撃できる。
「バイパー!」
まずはバランスタイプにチューニングした弾で様子を見る
「おっと、この距離ならまだあたらねぇよ」
弾が複雑な軌道に変化する前に安全な場所へとよけられた。
思っていた以上に動きが速い。訓練の的と違って動きも単調じゃないし、これはもう少し近くにならないと当たらないか。
けど、残り40メートル・・・25メートルまでは引き付けるようにしたい、
そして、そのぶんの時間があれば、1から弾道を引ける。
「なら、これでどうだ!!」
那須先輩や出水先輩のログから学んだ軌道。
相手の行動をけん制して制限する軌道と直接充ててダメージを与える軌道。
「とった!!」
私の放ったバイパーが27の弾道を描き雅樹へ襲う。狙いは完璧。決まった。
そう確信した。
「なっめ、るな!!」
弧月で直撃するはずのバイパーがいくらか切り払われた。
けれども6、7発は確実に当たった。体がいくらか吹き飛んでいる。左腕も欠損した。
が
まだ耐えている!
くっ!
慌ててバイパーを再起動
油断して反応が遅れた、残り15メートル。
弾道を引く時間はない。昨日考えたパターンから最適と思われるものを選択。キューブを64分割し、前方に展開。広範囲かつ波状に攻撃できるようパターンを設定。そして放つ。
この距離だ、さすがによけられまい。
「うぉおぉおぉおおおぉ!!」
避けられないと悟った雅樹は弧月を投げてきた。
今度こそは仕留めたと思っていたためにその行動は予想外だった・・・。
「なっ!!!」
雅樹の弧月は私の心臓部。トリオン供給機関を貫いた。
「トリオン供給機関破損、ベイルアウトします。」
「トリオン体活動限界、ベイルアウトします。」
二つの自動音声が同時に流れた
初戦は引き分けに終わった・・・。