―――那須隊サイド 日浦茜視点―――
転送された位置はマップの北西、ショッピングモールの外だ。
「よかった。この位置ならすぐに狙撃できる。といってもこの天気じゃ・・・」
天候は雨、時間帯は夜だ・・・。視覚支援があるとは言っても視界が悪い、いつもより近づかないと・・・。
えっと、レーダーは・・・。
バッグワームで私と同じように消えてるのは一人だけ。スナイパーも兼任してる浅上先輩だ。場所は、マップの南西。そこそこに近い。といってもこの天候じゃまだここからじゃ無理だけど。
「先輩、運よく最初からモールの外です。ただ、この天候じゃ視界が悪いので浅上先輩にはもう少し近づかないと無理です。」
「わかった。あたしも浅上くんに近いから予定通り、サポートお願いね。」
「二人とも、気を付けて。」
熊谷先輩が近くにいる。作戦通り、二人ですぐに落として那須先輩と合流しよう。
向こうがバッグワームでレーダーに映ってないから細かい位置はわからないけど・・・モールに向かうなら大通りを通るはず、そこを狙えば・・・。
「2人そっちに向かってます。多分明野くんと椿君です。諏訪隊はモール内で合流を目指している様子です。」
志岐先輩から警告だ。明野隊のアタッカーの2人がこっちに向かってる。浅上先輩のところで合流する予定だと思う。
「二人とも、少しの間そっちは任せてもいい?一人は近く通るから仕掛けてくるわ。」
合流を優先してか、明野隊の一人は那須先輩が近くにいることも関係なくこっちに向かっているみたい。
諏訪隊の3人の合流はもう止められないし、早くこっちをおわらせないと・・・。
屋内戦の起こりやすい大型ショッピングモールのあるこの市街地D。マップも狭いし、スナイパーには不利な地形だけど・・・。
今回はそれがよかったみたい。
バッグワームをした人影を発見。
「浅上先輩発見しました。座標送ります!!」
志岐先輩経由で発見した座標を共有。熊谷先輩がそこに向かってくれてる。それから勝負だ。
「ワイヤーあったわ。あたりみたい。」
浅上先輩のすぐ近くにまで先輩が来てる。よし、この調子。
さっき見つけたのはあそこだったから、多分今いるのは・・・あの家の近くだと思う!
「見つけた!!!!って、え?どうして?」
―――諏訪隊サイド 諏訪視点―――
「ん?中に向かってるのは俺らだけか?」
「みたいよ。あとの隊はマップの南西のほうに向かってる~」
屋内戦に持ち込むためにこの天候設定にしたのかと思ったがほかの隊は両方外で合流を目指してやがる。
「諏訪さん、どうします?外での戦いってなるとこっちが不利ですよ?」
「んなことわかってる。けど向こうがこっちをほっぽって合流させてくれるんだ。ありがたく乗っておこうぜ。」
「ですね。安全に合流できるならそれに越したことはない。それから予定通り浅上君と那須さんを優先して落としにいきますか。」
今回の戦闘で一番厄介なのが那須、そして、ほっとくとワイヤーやメテオラトラップをいたるところに仕掛ける浅上。
どちらも置いとくとめんどくせぇ。
「あ、マップの南南東付近で戦闘おきそう。多分明野隊のどちらかと那須さん。南西のほうでももうすぐ戦闘おきそうよ。人が集まってきてる。
バッグワームで消えた2人のうち、多分そっちが浅上君だとおもう。」
那須隊も浅上を最初に仕留めておきたいだろうから、合流せずにそのまま行ったか。
何とかして漁夫の利ねらいてぇところだが・・・
「なんか引っかかるんだよな。」
「どうしました諏訪さん?」
「なぁ堤、明野隊の作戦ってなんだと思うよ?」
マップ選択権があったくせにこのままじゃ浅上隊に有利な展開はこねぇ。
アイツらの性格からしてなにか仕込んできそうだが・・・。
「明野隊の作戦ですか・・・。確かに何が狙いかわかりませんね。何か仕掛けてきそうですね。」
「何かってなんですか?」
「んなもんしらねぇよ。けど、何が起きてもいいように油断するんじゃねけぞ?」
「「了解!!」」