―――観戦ルームサイド―――
「ここで浅上隊員がベイルアウト!!明野隊長、笹森隊員と合わせて3人が一気に落ちました!!明野隊は奮戦するもここで全員がベイルアウト。最後の戦いは那須隊と諏訪隊になりました!!」
試合が大きく動きを見せたことで桜子がより一層興奮した様子で実況の声を響かせる。
「ま、そうだな。明野がいい働きだったじゃん?あの状況なら最悪那須ちゃん、浅上に諏訪隊の3人ってのもあり得たし。2点もぎ取ったのはでかかったな。」
「あれはすごかったな。とっさにアレができるのはさすがだな。隊長としてきちんと仕事してくれたな。」
米屋、出水が続ける。
「浅上隊員の動きに対してはどうでした?あそこで那須隊長へのフルアタックは味方が落とされたことで焦りが見えた・・・といったところですか?」
「まぁそうだな。味方二人が落ちて多少は焦りが出てたかもな。けど、あそこで那須ちゃんを狙うのはありっちゃありだ。間違った判断ってわけじゃねーよ。那須ちゃん、諏訪さん、浅上じゃ単独で一番厄介なのは那須ちゃんだからな。強力して狙うのはこの場合むしろセオリーだな。」
「問題は、協力しようとしたのが諏訪さんだったってことだな。諏訪さんから見ればどっちを落としても同じ1点だし、多少の違いはあるにせよ、大筋明野隊の考えた展開だろうからそれに載せられるのを嫌って浅上を狙ったってこったな。」
「なるほど、あえてセオリーを崩して相手の読みを外しに行った。というところでしょうか。さすがだ諏訪洸太郎。ギャンブルはお手の物か!!
さて、では残りが諏訪隊の二人と那須隊長となったわけですが、この後の展開はどのようなことが予想されますか?」
桜子が解説をまとめ、そして次の話題を提供する。
「堤さんは両腕ほとんど死んでるからな。あのままベイルアウトってのが普通だな。メテオラ持ってるけどさすがに本職のシューター相手にはきついだろうな。」
「トリオンがもつなら試合終了まで隠れてるってのもありだけどな。けどどちらにせよ、諏訪さんと那須ちゃんの一騎打ちになるってこったな。そうなると那須ちゃんが有利だな。
瞬間的な火力だと諏訪さんだけど、射程、機動力が那須ちゃんがうえだからな。それに、もう一つ大きな違いとして那須ちゃんのバイパーなら遮蔽物は関係ねーし、建物に隠れたら一方的に攻められる。」
モニターでも出水が解説しているように、諏訪さんに対して建物越しに一方的に攻撃している那須の姿が映っている。
諏訪が射線にとらえようと仕掛けるもその前に別の遮蔽物に隠れている。
そしてまた攻撃を再開する。
「機動力を活かした那須ちゃんいつものの戦い方だな。このままだとただやられるだけだが・・・」
「いや、動いてきたぜ!!」
ここで諏訪がバッグワームを起動した。
「おっと!ここで諏訪隊長がバッグワームを起動!!距離をとって逃げ切りを狙うのか!!」
「そうじゃねーよ。あれは那須ちゃんをおびき出すためだ。」
「え、出水先輩?どういうことですか?」
「遮蔽物越しに攻撃するならレーダーか、あとは誰かが観測して位置情報を正確に把握しねーとな。日浦ちゃんがいればバッグワームで隠れられても安全に観測できてそのまま攻められるけど・・・」
「1人になった今だと、直接観測しないと攻撃できない・・・ということですか?。」
現在の得点は諏訪隊の3点に対し、那須隊が0点。
無得点は免れたいであろう那須隊は多少危険を冒してでも攻めに出る必要がある。
「そうだな。バッグワームでレーダーに移んねーし直接見ないといけない。そして・・・」
「見えるってことは射線が通るってことだから、それが諏訪さんの狙いってこと。」
出水の解説の結論を米屋が盗み取る。
「・・・」
「~♪」 キラーン
桜子が怪訝な感じに見つめ返すが、笑顔で返した。
桜子はコホンッと咳払いをして
「出水先輩、解説ありがとうございます。しかしそれだとバッグワームで片手がふさがりますよね?」
「そうだな。だから守りを捨てて攻めをとったってことだ。諏訪さんらしいぜ。」
「なるほど。リスクを恐れぬ行動・・・ということですね。
さぁいよいよクライマックスだ!!勝つのは諏訪隊か!それとも那須隊か!!」