入隊してから一月とすこし。
私は悩んでいた。
私が以前自分の課題の中に相手との距離が20メートル近いとあらかじめ決めておいたパターンで攻撃するしかないと挙げていた。
それについて、弾道を引くのに時間がかかり、攻撃後、再度攻撃するまでの時間差が距離をつめられ、命とりになるから課題にしていた。
主な解決方法として日ごろのイメージトレーニングによって弾道を瞬時に引けるようにするということを考えた。実際それにより攻撃と攻撃の間の隙を最初に比べ大幅に短縮できた。また、分割した弾をすべて一度に射出するのではなく、自分が瞬時に弾道を引ける数だけ複数回に分けて相手に放つことで断続的な攻撃が可能となり、より相手の行動を制限し、接近を難しくするとともに攻撃の際の隙を減らすことができた。
しかし、攻撃と攻撃の間、展開した弾をすべて撃ち尽くしてしまい、再展開するまでの間はどうしても攻撃が止み、相手に接近する機会を作ってしまう。
弾速を調整して再展開する間に相手に届くように設定したが、あまりに弾速が遅くなりすぎてしまい、簡単に安全圏まで逃げられ、当たらないとともに距離を詰められるのがほとんど止められず、失敗に終わった。
「さて・・・。どうしようか。考えても仕方がない。もう少し、ほかの課題の命中精度向上のためにもう少し複雑な弾道を描いてみようか・・・。」
普段より複雑な弾道を描いて射出する。
が、相手に当たるすんでのところでかわされてしまった。
躱された・・・。弾道が見切られた?いや、あの複雑な弾道だその可能性は少ない。
普段の弾道ならあのタイミングは当たっていたはずだが・・・。弾道を複雑にしたことで何かが変わった?
理解。弾道が複雑になればそれだけ相手に届くまでに弾が移動する距離が延びる。弾が飛ぶ距離が延びれば相手に届くまでその分時間がかかる。その時間差でかわされたのか・・・。
迂闊だった・・・。最初の試運転の時に着弾が遅れるから相手にある程度接近するまでは直線的な弾道にしようって決めていたのに・・・。相手に弾道を見切らせないことを意識しすぎてそのことを忘れてしまっていた。
複雑な弾道とシンプルな弾道による直弾のタイムラグをもっと考えて戦わないと・・・。
ん? タイムラグ?
閃いた。
弾道の描き方で時間差を作れば再展開の間の隙をなくすことができる。
特に注意するのは複数回に分けて打つ時における撃ちきる際とその一つ前の弾道。
撃ちきる際には再展開の隙をなくすために複雑な弾道を描いて着弾が少し遅れるようにする。
そしてその一つ前は最後の弾が複雑な弾道のために着弾が遅れても相手が回避(あるいは防御)行動をとるよう誘導できるような弾道設定をしないといけない・・・。
うまく調整できたら・・・。敵に攻撃の暇を与えず勝てる!!
4日後、浅上博雅は覚醒した。
覚醒というと大仰かもしれないけれど、勝率が大幅に上がった。
「ふ、そういえば文史が油断して負けた変わったバイパー使いがいると聞いたな。だが俺は油断しない。真の強者とは・・・・」
どごご ばばばん どごーーーーん。
「トリオン体活動限界。ベイルアウトします。」
「秀英と文史がやられたバイパー使いというのはあの人か・・・。仕方がない。隊長(予定)の俺が直々に引導を・・・・」
どごご ちゅばーーーん すばばばん。
「トリオン体活動限界。ベイルアウトします。」
途切れることのなく襲い掛かってくる弾丸にほとんどのC級隊員はシールドを持たないためになすすべなく、ベイラざるをえない状況に追い込まれていった・・・。
補足
新3バカ(甲田隊)
甲田 照照 (こうだ てるてる) SH
早乙女 文史 (さおとめ ふみふみ) SH
丙 秀英 (ひのえ ひでひで) AT
BBFより。
丙戦にて
「文史がやられたか・・・。だがやつは甲田隊のなかで最弱・・・・」
っていうセリフ入れようかとすこし迷いました(笑)