魔法科高校の劣等生 〜異世界からの来訪者達〜 作:zaurusu
全国に九校しかない、国立魔法大学付属高校。
その中でも特に優秀な人材が集まる国立魔法大学付属第一高校にて、劣等生の兄と優等生の妹が入学した時から
波乱の幕開けが始まる事になろうとは、そのときはまだ、誰も知らない。
それに付け加え……
「やべ、遅刻だ!」
異世界からの来訪者が加わることになるなんて、なおさらだ。
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「遅いですね……」
第一高校生徒会の書記中条あずさは来賓を出迎えるために校門前でその人物が到着するまで待っていた。
なんでも、ものすごい人が来ると会長からは聞いていたが、それが誰なのかは当日のお楽しみということで、極秘扱いなため、中条は誰が来るのか気になる反面、オドオドしていた。
そして、約束の時間が来ても一向に現れる気配がない。
そんな中、中条は会長が言っていたものすごい人が誰なのかを自分なりに考えていた。
生徒会内では情報を知るのは生徒会会長の七草真由美のみ。他にも部活連会頭の十文字克斗は知っているようだが、風紀委員会会長の渡辺摩利はしらないらしく、本人も立場上からして知る必要があると真由美に問い詰めたそうだが、それでも、極秘だからとの理由で跳ね返されたそうだ。
会頭と会長しか知らない情報。
2人の共通していることといえば、十師族の一員という事。
そうなると十師族がらみという線が有力になる。
このことから、来賓というのは十師族の当主なのではないかと、あずさは思い始めた。
可能性としては七草家の当主、七草弘一。
もしくは、十文字家当主、十文字和樹。
他にも九島烈を思いついたが、引退してからは九校戦か師族会議以外は、滅多にお見えになる事はないことから外された。
それに、あの人が来たらもっと警備は厳重になるだろう。
それも、難攻不落の要塞みたいに。
以上の事から、あずさはとんでもない依頼を承諾してしまったとのではないかと、若干後悔した。
しかし、生徒会書記としてせっかく来てくださった来賓にみっともない姿を晒すわけにはいかない。
臆する事なく堂々としていよう。
とあずさはぐっと拳を握りしめた。
足が震えているのは余談だが……。
しばらくして
「あ、すいません。もしかして、第一高校の方ですか?」
来た!
あずさは息を整え、いざ対面
「はい、あ、あの!今日はお忙しい中……」
目の前にいた人物にあずさは言葉を失った。
なぜなら……。
「はじめまして。自分は篠田信春と言うんですが……」
つい先月、異世界から来たということで、全世界に衝撃を与えた話題の人物のひとりの
篠田信春がそこにいたからだ。
それを間近で見たあずさはというと……。
「えぇえええええ!!」
驚きのあまり、開いた口が塞がらなかった。
「落ち着きましたか?」
「あ、すいません」
とりあえず、落ち着かせるのに五分はかかった。
「大声をあげてすみませんでした。私は第一高校2年、中条あずさです。これでも、生徒会書記なんです!」
一応マーリンからは向こうの生徒会のメンバーが迎えに来てくれるからとは聞いていたが、一向にそれらしい人が見つからず、校門前まで来て見たら、新入生らしき人を見つけたので、挨拶して見たところ、突然、大声をあげて驚きはじめた。
とりあえず落ち着いて話を聞いたところ、がまさかの生徒会関係者だった。
普通に新入生かと思った。
まぁ、人は見かけによらないからな。
特にメリオダスとかメリオダスとかメリオダスとかメリオダスとか……
「えっと、その……会長が言ってた極秘の来賓というのは篠田信春さんで間違い無いんですか?」
あずさはなにかを確認するかのように聞いてきた。
会長というのは恐らく七草真由美の事だろう。マーリンからは渡されたパンフレットに紹介されていたが、写真でも見る限りでも群をぬいての美少女だった。
自身は直接会った事はないがマーリンは面識があるらしい。
信春も師族会議には出た事があるが、そこで出会ったのは現当主か次期当主ぐらい。
自分と年の近い物との面識はなかった。
それにしても極秘扱いされるとは……自分は
「ええ、極秘扱いされてるのは知りませんでしたが、今日から第一高校にお世話になる予定ですね」
「え、そうなんですか!?」
本当になにも知らされてないようだ。
少なくとも、名前くらいは教えても良かったのではないだろうか?
そうすれば、多少は気が楽になっただろうに。
「はい。取り敢えず、生徒会長の所まで案内してもらってよろしいですか?そろそろ時間が……」
入学式まで後50分。
まだ、リハーサルもしてないので急がないまずい。
「あ、はい! ついてきてください!!」
ぴしっ!と回れ右をしてあずさは信春を生徒会関係者がいる部屋へと案内する。
緊張していたのか、こけそうになってはいたが……。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「遅いわね……」
第一高校生徒会会長、七草真由美は一向にあずさからの連絡が無いことに不満を持っていた。
本当は真由美自身で迎えに行くはずが、入学式の準備が切羽詰まっているため、代理としてあずさに迎えは行かせた。
迎える人物というのは、先月世間……いや、世界に衝撃を与えた異世界人のひとりである篠田信春という人物。
彼の場合異世界人ではなく、帰還者と聞くがぶっちゃけそんな事はどうでもいい。
問題なのは、彼らが使用する未知の魔法……魔術というらしいがそれを狙う者たちが後を絶えない事だ。
真由美自身は、魔術なんて古式魔法とそう変わらないだろうと思っていたが、彼らが見せた異世界の魔術は魔法なんてものをはるかに超えたものだった。
特に、ブリタニア最強の魔術師というマーリンが見せた飛行と転移を可能とする魔術。
現代魔法では難関とされた物と、不可能とされたものをいとも簡単にやってのけたのには、魔法関連に携わる科学者は度肝抜かれた。
そういったこともあり、彼が入学してくると父親である弘一から話を聞いた時、真由美は頭を抱えた。
どうやら、師族会議の途中、マーリンがこの世界の魔法に興味があるから何処に行けば詳しく知る事ができる?と直談判しにきたらしく、その結果、大学の資料が保管され全国の魔法科高校の中でも屈指のセキュリティーを誇る第一高校をオススメしたらしい。
だが、世の中ギブアンドテイク。
見返りとしてマーリンは各魔法大学付属高校で1ヶ月ごとに講義を行う臨時の講師として雇われることになった。
そして、なぜか信春はそれに巻き込まれる形で第一高校に入学することになったそうだ。
その篠田信春なのだが……予定の時刻から15分経っても来ないのだ。
写真を見た限りだと、男子にしては背丈が低く、何処か幼さが残る印象だったが……約束を破るような子には見えなかった。
何かトラブルに巻き込まれたかと思い始めたその時
「あ、あーちゃんからだ……」
携帯の音がなると、画面にあーちゃんと書かれた文字が浮かび上がる。
「会長!! 例の来賓の方なんですが篠田信春さんで間違い無いんですか!?しかも、入学するって本当ですか!?」
と電話に出ると異様に興奮したあずさが映った。
「お、落ち着いてあーちゃん。取り敢えず、信春君をここに案内してね?色々と聞きたいことはあると思うけど、話は会議室で詳しくはなすから」
「わかりました!」
通信が切れた。
やはり、名前くらいは教えても良かったかもしれない。これは、後から来るメンバーに説明が大変だと真由美は胃がキリキリする思いだった。
中条から例の人物が来て事を確認してから、数分後
「真由美、例の件はどうなった?」
準備もひと段落し、あとはその人物が来るだけなので、一休みしている最中に、風紀委員会会長の渡辺摩利が訪ねて来た。
ちなみにこの会議室にいるメンバーは生徒会と部活連会頭の十文字と新入生総代の司波深雪を含めた計5人だ。
「今、あーちゃんが連れて来てるわ」
「そうか」
と言って、摩利は椅子に座る。
例の件とは篠田信春の事である。真由美と十文字以外は知らない極秘である。
ここにいる中で何も知らないのは新入生の深雪だ。
「七草会長、例の件とはなんですか?」
だがらか、少し気になったので聞いてみることにした。
「もうじき来るわよ」
真由美はそれ以上喋ることはなかった。
話の限り、だれか人を待っているようだが……
一体、誰なんだろうと思ったその時
「失礼します!」
と息を切らしながらあずさが入ってきた。
「どうやら来たみたいね。ごめんねあーちゃん。はい、お水」
「ありがとうございます……」
よほど喉が渇いてたのかものすごい勢いで飲んでいる。
「失礼しました。それよりも、会長!連れてきましたよ!」
その言葉に当たりの空気が一変した。
なぜだが、ソワソワしだす面々。
特に渡辺先輩はどんな人物が来るのか楽しみにしてるようで上機嫌だ。
真由美があずさを先に座らせたところでドアを叩く音が聞こえ
「どうぞ」
と真由美が言うと
「失礼します」
扉がすっとあき、そこにいた人物は……。
「今日からここに入学する篠田信春です。生徒会の皆さん、よろしくお願いします」
出てきた人物に皆が目を見開いて驚いていた。
マーリンさんのキャラが崩壊している気がする