魔法科高校の劣等生 〜異世界からの来訪者達〜   作:zaurusu

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入学式

入学式は特にこれといったトラブルもなく淡々と進んでいく。

 

ただ、新入生総代の司波深雪が挨拶をするのだが、これがまた際どいものだった。

 

特に「皆一丸となって」や「魔法以外でも等しく」など、自分はそうは思わなかったが、結構ヒヤヒヤする場面があったらしい。

 

まぁ、皆深雪の美しさに見とれて聞いてはいないようだが……。

 

市原先輩曰く、この学校は一科生と二科生に分けているらしく、ステージから見て前にいるのが一科生で、後ろに座るのが二科生との事。

 

見分け方は制服の胸に花のエンブレムがあるかないか。

 

実にわかりやすいものだった。

 

どうやら、一科生は優等生。二科生は劣等生というレッテルが貼られているらしく、差別意識が激しいとの事。

 

しかも、それは既に入学した時から決まってしまう。

 

実に残酷なものだ。

 

でも、実際は学校の「最低でも100人以上を魔法大学へ合格させるという」第一高校の方針を実現させるべく、 仕方なくこの制度を採用したとの事。

 

学校側は差別しているつもりはないそうだ。

 

でも、それが裏目に出てしまった。

 

実に皮肉な話だ。

 

幸いなのが、今年の新入生総代である司波深雪がそういった考えを持っていない事だろう。

 

本当の優等生は彼女のような人のことをいうのだろう。

 

彼女が手本となって、この学校の流れを大きく変えてくれることを願うばかりだ。

 

「新入生総代、司波深雪さんでした」

 

拍手が会場に響き渡る。

 

どうやら、無事終わったようだ。

 

ということはそろそろ、出番か……。

 

席を立ち、舞台袖へと向かう。

 

そこでちょうど、深雪とすれ違った。

 

「いいスピーチだったな」

 

「ありがとうございます。貴方も頑張ってくださいね?」

 

「ありがとう。まぁ、そんな大したものじゃないけどな」

 

お互い軽く談話し笑いながら別れ、舞台裏についた。

 

一応パンフレットのスケジュール表だとこれで終わりなのだが……成る程、お楽しみは最後にというやつか。

 

これはかなり責任重大だな。

 

「では、これで入学式を終わります……と言いたいところですが、皆さんに連絡があります」

席を立ち帰ろうとしていた生徒たちが立ち止まる。

 

「実は今年度入学式にて特別ゲストをお呼びしました。そのゲストから皆さんに向けて挨拶があります」

 

会場がざわつき始める。

 

「では特別ゲストの登場です。どうぞ」

 

真由美から手招きされ舞台袖から登場する

 

「皆さん、この度魔法大学付属第一高校に入学することになった、篠田信春です。よろしくお願いします!」

 

全員が開いた口が塞がらなかった。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

中々際どいワードがあったが、みな深雪に見とれていて耳に入ってないようで何よりだ。

 

司波達也は妹である、司波深雪の式辞を聞いて時々出るワードには冷え汗が出る思いだった。

 

まぁ、深雪らしいといえば深雪らしいスピーチだったな。

 

特にこれといったトラブルがなくてよかった。

 

入学式も終わると、次はIDカードの登録と発行。そして、クラス分けだ。

 

「何組だと思う?」

 

「私はDかE組だと思います。達也さんはどう思いますか?」

 

「俺も美月と同じだ。ただ、俺の場合は実技が悪かったからE組の可能性が高いな」

 

「みんな同じクラスだといいね」

 

「私もそう思います!」

 

「こればかりは運に任せるしかないな」

 

「もう!達也くん、そこは『俺もだよ』ていうところよ!」

 

「そうか。それは申し訳ないことをした」

 

「わかればよろしい!!」

 

「えりかちゃん……」

 

突然始まった漫才?に苦笑いする美月。その中に自分が入っている事には自覚がない。

 

早速3人でIDカードを登録しに行こうとしたその時

 

「では、これで入学式を終わります……と、言いたいところですが、皆さんに連絡があります」

 

と突然生徒会長が言い出したことで達也たちは立ち止まった。

 

「突然どうしたんだろう?」

 

「何か言い忘れたことでもあるんじゃないんですか?」

 

「いいや、深雪の答辞で終わりのはず……」

 

達也はパンフレットに書かれたスケジュールを確認する。

 

スケジュールにはきちんと深雪の答辞で終わりとなっていたため、なにかを飛ばしたとか見逃したという可能性はない。

 

「実は今年度入学式にて特別ゲストをお呼びしました。そのゲストが皆さんに向けて挨拶があります」

 

会場がざわつき始めた。

 

それは当然、波のようにこちらにも到達した。

 

「特別ゲスト?美月何か知ってる?」

 

「わ、私はしりませんよ?達也さんはどうですか?」

 

「俺も知らないな」

 

成る程、特別ゲストか。それなら、パンフレットに載ってないのも頷ける。

 

学園が用意したサプライズというやつだろう。

 

しかし、気になるのは……

 

「特別ゲストって誰だと思う?」

 

「こういった場合は、今はやりのアイドルとかお笑い芸人でしょうか?」

 

特別ゲストが誰なのかということだ。

 

美月のいう通り、普通ならアイドルやお笑い芸人と言った芸能関係者の線は有力だろう。

 

しかし、魔法科高校はセキュリティー関係やエリート意識の問題でテレビで映るような芸能関係者は招くことはほとんどない。

 

それに、テレビカメラが一台もないことも理由だ。

 

となると、特別ゲストというのは魔法師か魔法関係に携わる者の可能性が高い。

 

十師族の当主、又は関係者。この学校には十師族の血縁者が2人もいるのだから可能性はある。

 

または、魔法関連の大手会社の幹部クラス。

 

そんな感じだろうな。

 

「達也くんは誰だと思う?」

 

「俺か?そうだな……魔法関連での有名人じゃないのか?流石に戦略級魔法師はないだろうが、A級ライセンス辺りが濃厚だな」

 

「えー、それだとつまんなくない?」

 

「えりか、ここは魔法科高校だ。芸能関係者だとテレビとか新聞になる可能性があるからセキュリティー面で問題が出るんだ。あと、エリート意識が高い奴らはそういったものに関して見下しているからな」

 

「つまんない連中ね。でも、うちの兄貴達は結構見てるわよ?新◯劇とか」

 

「それは人それぞれだろ」

 

「そうですよえりかちゃん。よそはよそ、うちはうちですよ」

 

「ふーん、そういうもんなのかな〜……」

 

えりかの言いたいことはよくわかるが、それは仕方のないことだ。

 

「まぁ、今はその後特別ゲストを見ましょう」

 

「そうですね」

 

「そうだな」

 

この時は思いもしなかった。

 

「それでは特別ゲストの登場です!どうぞ!」

 

まさか特別ゲストというのが……

 

「皆さん、この度魔法大学付属第一高校に通うことになった篠田信春です!よろしくお願いします!!」

 

つい先日、全世界を驚愕させた異世界からの来訪者達の1人

 

篠田信春だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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