白鷺千聖と幼なじみの話   作:いしころ

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今回白鷺千聖は出てきません。


公園にて

 夏の猛暑が終わり夜は肌寒さを感じるようになったこの頃、昼間も晴れより雨が降っていることの方が多く寂しさと鬱陶しさを感じている。

鬱陶しく感じるのには雨だけじゃなくあの日のことを思いだして胸の底にあるもやもやしたものの原因をどうしようもできない事からくる虚しさが邪魔で邪魔で仕方なかったから。

 

 夏休みが終わる前にもう一度会って話をしようと唯一知っていた白鷺のお父さんの電話に連絡しようとしたこともあったけどその後どうすればいいのかわからず途中でやめてしまった。

それからというもの自分では気が付かないほど悩んでいたらしく行く場所行く場所でなにかあったのかと心配をかけてしまった。

 

「はぁ…。」

 

 通学路の途中にある公園のベンチに座りため息をつく。

 自分はどうすればいいのかわからず暇があればあの日どうすればよかったのかと意味がないのは解っていても考え込んでしまう。

 白鷺といえばテレビでしか姿を見てないけれどいつも通り変わらない様子だった。

私生活では俺と同じように悩んでいるんだろうか、これほどでなくても少しくらいは。なんて考えていつもたどり着くのは自分が考えるなかで一番嫌な場所。

自分の頭の中の事なんだからいい方向に考えればいいのに、とここまで進み無駄なことだと今までの事を無理やり頭から忘れさせる。

 

 

 今日は久しぶりの晴天で朝は水溜まりに日が反射して眩しかった。

今の空は茜色に染まり冷たい空気が流れていた。

 

「そんな怖い顔をしてどうしたの?」

 

 耳障りのいい明るい声が急に横から聞こえ少し驚く。

金髪の長い髪に大きな黄色い瞳、前髪は綺麗に斜めに整えられていて顔は天真爛漫という言葉が似合うこちらもつられて笑ってしまいそうなほどの笑顔だった。

 

 いつまでも驚いてられないと見ず知らずの相手に返事をする。

 

「えっ、と。誰?いつからそこに?」

 

 返事になってない返事だなともっと考えてから返事をすればよかったと悔やむ。

 

「さっきからよ?そういえば自己紹介がまだだったわね!あたしは弦巻こころ!こころって読んで!あなたは?」

「俺は四宮匠。呼び方は任せるよ。」

「じゃあ匠ね!それじゃあもう一度聞くけど何でそんな怖い顔をしてるの?」

「いや。そんな初めてあった人に話すようなことじゃないから。だから、えっと。」

 

 会話をしてるにしてもやはり頭のなかで驚きは消えておらずどうやってこの場を切り抜けるかの言い訳が上手く出てこない。

 こころという女の子はこちらの話を聞いている様子はなく何故まだ話さないのかと不思議そうな顔をしていた。

 普段ならこんなこと他人に話すきにもならないけれど誰でもいいから相談したい気持ちが強くてでてきて自然と口から言葉がこぼれていく。

 

「小さい頃からの友達と…何て言えばいいのかな、気まずくなっちゃって。前みたいに仲良くしたいんだけどどうやって仲直りすればいいかわかんなくてこんな顔してたのかもしれないな。」

「そうなのね。友達と仲良く話せないのは嫌なことよね。それじゃあちゃんと話をしにいけばいいと思うのだけどどうかしら!」

 

 それができればいいんだけど…。

 

「そんな簡単にいかなくてね…、ほんとにどうしよ。」

 

 またまた不思議そうな顔をしてこちらを見てくる。

 

「どうして話に行かないの?貴方のお友達だってきっと仲直りしたいはずだわ!笑顔でいた方が絶対いいもの!」

「そうかな、そうなのかもしれないな。」

 

 こころの絵に書いたような笑顔を見ていると何でもできるような気がしてきて、今からでも何か出来ないかと少しそわそわしてしまう。

 

「あら、怖い顔が明るい顔に変わったわ!あ、あたしもう行かないと。それじゃあね!」

 

 そう言って走って何処かに走り去ってしまった。

 

「…今日の夜連絡とってみるかな。」

 

 そういって家へと足を向ける。公園に来る頃より足取りが軽くなっている気がした。

 

 

 

 

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