結果として、私もリチャードさんも生きて帰れた。
どうやって戦ったのか覚えてないけど、増援が来た時には私は意識を失っていたらしい。
こんなこと、前にも確か……あの時は見たことないアラガミに襲われて……駄目だ、思い出せない。
アナグラに帰ると皆が無事に帰ってこれたことを祝ってくれたけど、私はあまり喜べなかった。
私のせいで他人を危険に晒してしまったのだ。
次からはもっと安全なやり方にしないと……
そんな風に悩んでいたからか、最近試作神機のせいで知り合った神機整備のおじさん達が絡んできた。
「おい、モルモット!そんなに落ち込むなよ!
それより聞いたか!?新型神機だってよ。なんでも銃と剣が両方使えるらしいぜ!
もしかして、お前が以前使った銃剣なんじゃねぇか?」
「あれは傑作だったな。ギャグ的な意味で」
「「ハッハッハッハッハッハ!」」
うぅ…人が落ち込んでいるのに黒歴史を掘り返さないで欲しい。
「ちょっと!ヒタキをからかうのは止めなよ!」
「ありがとう、リッカさん。ちょっと休んでくるよ」
居心地の悪さを感じ、私は自分の部屋に向かった。
自分の部屋で昼寝でもしようと思ったのだが、ベテラン区画の廊下でリンドウさんと出会った。
「よう、ヒタキ。どうした?やけに暗い顔してるじゃねぇか。
何か辛いことでもあったのか?」
「私は……どうすれば良かったんですかね……?」
「ヒタキ、お前はリチャードを守れた。
それで良いんじゃねぇのか?」
「それは運が良かっただけです!
結局どうしてアラガミが居なくなったのか、分かってないじゃないですか!
私は、もう2度と私の前で人を死なせないと誓ったんです!!
それなのにこんな……こんなことに……」
「なあ、ヒタキ。
お前さんちょっと勘違いしてねぇか?
ゴッドイーターってのは、アラガミを喰らい人を助ける。
自分の前で人を死なせたくない気持ちも分かる。
だがな、ヒタキ。ゴッドイーターはどんなに強くたって、1人の人間だ。
救える命には限りがあるし、ミスもする。
大事なことは、生きて帰り、ミスの経験を次に生かすことだ。
自分を必要以上に追いこんじまうと、次また同じことが起きたときに、緊張してまたミスをしちまう。
運が良かったなら、運が良かったで良い。
ただどんな形であれ、この経験を次に活かせば良い」
「……リンドウさん……。
分かりました。
私、もっと強くなります!
もっと強くなって、今度は運に頼らずに助けられるようになります!」
よし!そうと決まれば早速トレーニングだ!
リンドウさんが何か言っていたような気がするが、私は急いで自分の部屋に向かった。
「そうじゃないんだけどなぁ。
まあ、あいつが立ち直れれば一先ずそれで良しか」
翌日、自己トレーニングを終えた私が任務を受けるためにエントランスに向かうと、新人さんが2人居た。
どっちかが噂の新型使いで、もう片方が旧型のガンナーらしい。
今はツバキさんに任務の説明を受けているようだ。
私にはそこまで関係の無いことなので、受付のヒバリさんに現在受けれる任務を聞く。
「今は……そうですね。
人数を揃えて、贖罪の街での殲滅任務なんてどうですか?ヒタキさんの役割なら、終わったらそのまま偵察任務を受けて新型の彼の実戦を見ることができると思いますよ」
「最近贖罪の街で良いことがないのでパスで。
他の任務は無いの?」
「愚者の空母でクアトリガの討伐依頼が出ています。
あとは、鎮魂の寺院でコンゴウ3体の討伐ですね」
愚者の空母は障害物が少なく、前衛が居ないと真正面からの撃ち合いになるため、少し不安が残る。鎮魂の寺院は障害物ならたくさんあるが、コンゴウが3体いると奇襲が怖い。
どちらも1人では受けたくない任務だ。
仕方ない。ソーマ君でも誘ってクアトリガに行くか。
そんなこんなで現在愚者の空母、ソーマ君を誘ったらエリックまで付いてきました。
「先輩である僕が華麗な戦い方を教えてあげよう」
正直に言うとうざい。私は前衛が欲しかったので後衛は要らないし、分け前が減るので人数は少ない方が良い。
私はソーマ君と目を合わせ、無言で任務を開始した。
「見よ!僕の華麗な射撃を!
どうだ!これが華麗な避け方というものだ!」
「エリック!右だ!」
「ひっ!?
ふぅ、中々ビックリさせてくれ…うわぁっ!」
エリックが敵を引き付けてしまうから狙いにくい。やっぱり連れてくるんじゃなかった。エリックが転んだ隙に撃ち、ついでに回復弾も撃ってあげる。
クアトリガの放ったミサイルがこちらにも飛んでくるが、ローリングしながら回避する。エリックが少しピンチなのでスタングレネードを投げて、回復弾を撃ち込む。
さらにスタンしているクアトリガに連射し、ソーマ君がチャージクラッシュを叩き込んで終了。
「どうだい?華麗なる僕の華麗なる戦闘は!」
精神的に凄く疲れたので直ぐに帰投することにした。
今話から本編突入。
次回更新は土曜になるかもしれません。
後半は急ピッチで書いたので、後々修正が入る可能性がありますが、ストーリーを変えることはありませんので、ご安心ください。