すんごい焦った。間に合わないと思ってたもん。
今回は閑話です。今までの話はヒタキ視点での話だったのですが、今回はリンドウさんから見たヒタキの過去ですね。
「リンドウ、この間の子がゴッドイーターになるらしいわよ」
「なんだ、サクヤ?この間の子ってのは?」
「任務の帰りに拾った子よ」
「あぁ、思い出した。あの身元不明のサバイバル少女か」
年はソーマと同じかもしくは少し年上だろうというところ、記憶を一部失っているため身元は不明、壁の外で1人で暮らしていたということで話題になり、アナグラ内で人気だった少女だ。
だが、暫く前から姿が見えなくなっていた。
「そしたらあれか?身元は判明したのか?」
「残念ながら、今も不明のままだそうよ。名前はヒタキに正式に決まったみたい」
彼女は名前も分かっておらず、本人も知らないようなので、彼女が身に付けていたアクセサリーの鳥から、ヒタキと名付けられていた。
「それと連絡だけど、あの子と他の新入りの教育は貴方が担当だって」
「そうか、それは責任重大だな」
「遅刻しないように、だそうよ」
「いいか、命令は3つ。
死ぬな。
死にそうになったら逃げろ。
そんで隠れろ。
運が良ければ不意をついてぶっ殺せ。
あ……これじゃ4つか。
とりあえず死ぬな、それさえ守れば後は万事どうにでもなる」
「「はい!」」
「どうにでもなるって…そんなアバウトなこと……」
緊張もいい感じに解けたようだし、早速任務開始しますか。
ヒタキは問題ないとして、ちょっと張り切ってる青年と真面目そうな少女は様子見だな。
「それじゃあ早速任務開始だ。
相手がオウガテイルだからといって油断はするなよ。
よし、ヒタキ、あの1体を殺ってこい」
「ちょっと待ってください!
最初は俺にやらせてください!」
最初はヒタキの戦闘能力を確認したかったんだが……
「まあ良いか、お前が殺ってみろ」
「あんたはまた張り切っちゃって。油断しないでよ」
「わかってるって。やってやるさ」
青年は1体で徘徊していたオウガテイルに向かって走り出し、
オウガテイルは少し怯んだがすぐさま反撃に移り、身体を器用に回転させ、大きな尻尾で青年を弾き飛ばした。
「くそっ!こいつ、怯まねぇぞ」
「ちょっと!何やってんのよ!
油断するなって言われてたじゃない」
青年は追撃を仕掛けてきたオウガテイルをなんとか避けると、先程よりも力を抑えた一刀を放った。刃が脚を深く切り裂き、オウガテイルが転倒する。
なんとか立ち上がったオウガテイルを待っていたのは、青年の
「よし、よくやった。
ただ、バスターブレードは隙が大きい武器だ。初めての敵には慎重に行けよ。
さて、次はどっちがやる?」
「あたしがやります」
「ヒタキもそれで良いな?」
「はい」
「なら、あのオウガテイルを殺れるか?」
「はい!」
少女は物陰に隠れながらひっそりと近づき、背後からショートブレードで切りつけると一度バックステップして距離を取った。
少女を見つけたオウガテイルが飛びついてくるが、少女はサイドステップで避け、切りつける。
それを10回ほど繰り返したところでオウガテイルは倒れ、彼女の神機に捕食されることとなった。
「あの、どうでした?」
「良くできていたと思うぞ。
ただ、油断はするなよ」
「はい!頑張ります!」
「よし、じゃあ最後はお前だ、ヒタキ」
「はい」
この小柄な少女が、訓練で1番の成績を取ったと聞いたときは驚いたが、実地で一緒に移動するだけでも、彼女の実力は確かなものだと分かった。
他の2人が戦闘してる間も、彼女は周りの警戒を怠ってはいなかった。そして何より、彼女は身のこなし方が違う。音がしないのだ。走ったときも無音で着いてきて、他の2人が息を上げても、彼女は息の音が聞こえなかった。
壁の外を1人で生き残れたことも納得した。
そんな彼女がオウガテイルと戦闘を行っている。使っているのはスナイパー型の神機だが、遠距離ではレーザー、中・近距離では弾丸を撃ち分け、弾種を変える動作にも隙がない。エイムは正確でホーミングを使わずにオウガテイルの眼を撃ち抜いている。
彼女は度々距離を取ろうとしているようだが、前衛がいないためか、距離を詰められてしまっているようだ。
そうこうしている内に、オウガテイルの脚をレーザーで撃ち抜き、近づいて弾丸を連射したところでオウガテイルが力尽きた。
「え、えげつねぇ」
「こらっ!女の子に向かってそんなこと言わないの!」
青年が言ったことは確かにそうだが、この喰うか喰われるかの世界では当たり前ことだ。
「よし、よくやった。
だが、お前の動きは集団戦向きだな。眼の周りが固かったり動きの素早い相手には、遠慮なくスタングレネードを使え。
命あってのゴッドイーターだ。1つのミスで戦術が崩れない用にしとけ」
「はい」
一応助言はしておいたが、ヒタキの動きは前衛さえ居れば中・大型アラガミにも通用するものだ。
こりゃあ、とんでもない大型新人がやってきたなぁ。と、この時は思っていたのだが、あの時の一件から全て変わってしまった。
新人2人が亡くなったのだ。
どうやらヒタキも同じ任務を受けていたらしく、現在は自信を無くし、いざという時の道具を持ってこない等、狩りに対する準備を怠っている。
それはまるで、死にに行こうとしているようだった。
次回の更新は来週の土日になりそうです。まだ忙しいんです。許してください。
8/6 追記 土日更新は無理でした。現在の進捗25%