目を開けるとそこは無数の剣と深紅に染まった白い花が咲き乱れた広大な大地だった。
ここが何処なのか確かめようと振り返ると奥にはかつて栄華を極めたであろう朽ちた都が
そして目前には刀身が捻れた剣が刺さっている篝火と中世辺りの鎧を身に纏った騎士が座り込んでいた
「………………」
「………………」
「………………」
「………………ここどこです?」
沈黙に耐えきれなくなりそう聞くと
「……
と、淡々と、冷静に、告げられた。
「……は?」
「ビルから取り付け作業中のガラス板が貴公の上に落下し、そのまま首を首を刎ねられ死亡したようだ」
「いや、したようだじゃなくて、え?死んだ?りありー?」
「Reallyだ。話が進まぬから続けるが、記憶を無くし、赤ん坊として生まれ変わるか、天国へ逝き虚無の永遠を味わうか、別世界で特殊能力を貰い魔王を倒すかの内どれを選ぶ。選べ」
「え、説明を……」
「私の本来の仕事では無いからよく知らぬ。とりあえず魔王を倒してくれると色々な者が助かり、貴公のどんな願いでも叶えよう。」
「えっ、あっと、じゃあ、魔王を倒す方向で……」
「承知した。では特典を言え。」
「特典?」
「貴公が行く世界は危険に溢れてるらしくな、転生者にはちーと特典という物を渡す仕組みらしい。」
「ある者はグラムという魔剣を、また別の者はエクスカリバーなる聖剣を、最近では私の後輩の女神を特典に選んだ変わり者もいる。」
「さぁ、選べ。その選択により貴公の運命が変わる」
……特典ねぇ。
武具類、防具類は駄目だな。出来ることに限りがある。
となると魔法系か?応用の聞く魔法って言うと……ルーン魔術とかBLEACHの鬼道とかか……
鬼道にするか。オサレだし
「鬼道という物にするのか、了解した。
では転送する。」
その言葉と共に体が透け始めた。
「勇者よ、願わくば数多の勇者の中から貴公が魔王を討ち滅ぼさん事を祈っていよう。……貴公に太陽の加護があらん事を……」
そういや貴方の名前はなんだ?
「……そう言えば名乗って無かったな。
そうさね……火の無い灰とでも言っておこうか」
「そして、最後に一つ忠告だ。
……幸いにも一度死んだら人生はそれで終わりだ」
その言葉を最後に目の前が真っ白な光に包まれた
そして目を開けるとレンガの家々が立ち並ぶ、中世ヨーロッパを彷彿とさせる街並み。
道路を音を立て走るのは車では無く馬車。
「……ほんとに異世界来ちゃったんだなぁ……俺」
☜To be continued