幻想郷にも四季があり梅雨時期もあり、今日の幻想郷は雨が降った後で少しじめじめしている。
そして、幻想郷の端に位置する黒雪館は朝から夜まで大忙しだ。
「魔理沙! 松の間のお客様のお食事お願い!」
彼女はこの旅館の女将。白雪黒姫。
そして、急ぎ足で食べ物の乗った盆を運んでいる金髪の少女は霧雨魔理沙という。
「松の間はもうもっていったよ! それより梅の間のお客さんがビールお代わりだって言ってる!」
「わかったわ! ビールは用意しておくから温泉の湯加減見てき!」
「わかった!」
ドタドタと行ったり来たりする音が旅館中に響く。
そして、旅館の外に一人の天狗の少女がカメラを構えていた。
「あやや。忙しそうですね。日を改めるとしましょうか?」
彼女は烏天狗の射命丸文。自称新聞記者だ。
「何してるんだ? 文屋」
「あや? 魔理沙さんじゃないですか。さぼりですか?」
温泉の湯加減を確かめに来ていた魔理沙が空でぶつぶつ言っていいる文に話しかけてきた。
「バカいうなよ。お前と違って私は仕事中だっつーの」
「あやや、それは聞き捨てなりません! これだって私の立派な仕事です!」
「魔理沙! 遅い! なにやってるの!」
帰ってくるのが遅い魔理沙に対して白雪の少し怒っているかのような声がかけられた。
「あややや、魔理沙さん早く戻らなくていいんですか?」
「今から戻るんだよ! 白雪! ごめん、すぐに戻る!」
「あ、魔理沙さん」
「もう! なんだよ! 今忙しいんだがらな! しょうもない用件だったらマスパ打ち込むぞ!」
「えーとですね。白雪さんにいつぐらいに取材を受けてもらえかを聞いといてくれませんか?」
「そんなことかよ。はぁ……」
「ちょ、そんな事とは何ですか! 結構大事なことですよ」
「自分で聞いてくれ」
そういうと魔理沙は駆け足で温泉から出て行った。
「あやや、どうしますかね」
ところ変わって温泉から出た魔理沙は白雪に「遅い! これとこれを松にそれとビールを梅にもっていって!」とすごい剣幕でいわれ駆け足で運んでいた。
「しかし、魔理沙は誰と話していたのですかね? あの妖力は天狗の妖力ですし、文ちゃんでもいたのかしら? そういえば文ちゃんが今度取材を受けてほしいって言ってたわね」
独り言が長いこの旅館の女将は書置きを残してまだ残っている妖力の後を追いかていった。
「白雪……って。ハァ!?」
魔理沙が書置きを見て驚くのも無理はないなぜなら【魔理沙へ 少しの店を任せるわ。今日中に戻るから よ ろ し く】と書かれていたからだ
「こんなことってないんだぜ~!」
魔理沙の叫び声は虚空に消え客からの声にかき消された。
その後、客が寝静まる時間帯に白雪は酒を片手に少し酔っぱらって帰ってきた。
「白雪。少し話そうぜ?」
「あ、ちょ、まtt」
ピチューン
つつづ?
なんだこれ? もう一度言う なんだこれ?