提督の息子って結局は一般人だし、艦娘もほとんど年頃の女の子だし、すなわち一緒に住むと大変です   作:鳥王族

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第3話:親の愛は絶えない

 

「これ、どこー?」

「そっちぽい!」

 

今、俺たちは用意された新しい家に引っ越して来て、荷物の整理をしている。新しい家は5LDKで一番小さい部屋を俺一人、後の4つを彼女らで相談して部屋割りしたらしい。明日からは俺もあいつらも新学期のために学校に通い始めるから一生懸命行なっている。

 

なぜか、午前中は白露たちはどっか行っていたから今せわしなく行なってるが、俺は自分のものはあらかた片付いてきりがいいので用事があるため、家を出ようとした時白露に声をかけられた。

 

「司さん、どこ行くの?」

「どこでもいいだろう。あまり俺に関わらないでくれ」

 

俺は白露を無視する形で家を出た。

 

家を出た俺はある墓の前に立った。そう、俺の家族の墓。母さんと親父が入っている。今日は母さんの命日のため、ここに来た。

 

いつも通り、花を変えようと思ったがもう、綺麗な花に変わっていて、母さんの好物がお供えされていた。

 

「叔父さんたちも来たのか」

 

俺は自分の持って来た花をどうしようか悩んでいたがせっかく持って来たので飾れるスペースを作り飾った。

そして、一通り作業をしたあと墓の中腰で話しかけた。

 

「母さんが死んでもう五年か。俺はもう高二になるよ。今でも、母さんがいなくて不安な時もあるけど一生懸命頑張っていくよ。これからも見守ってくれ」

 

母さんに一通り伝えたいことを終えた俺は、顔を顰める。

 

「母さんの前だからあんまり言いたくないけど…

 

なんのつもりだ!クソ親父!

 

あんたから見て俺はそんなに頼りないのか?自分が死んだ時、艦娘に俺の世話するように頼んどいたり。俺は母さんが死んでから一人で生活していた。

 

あんたに心配される筋合いはない」

 

俺が言いたいことを言い再度花を整え帰ろうとした時、お寺の住職さんがやってきた。

 

「司くん。こんにちは、やっぱり来ておったか」

「お久しぶりです。まあ、今日は母さんの命日ですから」

「そうじゃな。あっ、そういえばさっき十人ほどの女の子が来ておったぞ」

 

女の子が十人ってまさか…

 

「その子たちに話を聞くと、提督の奥さんの命日だからって言っておったから元艦娘の子たちじゃな。親父さんの部下だった子かな?」

「そうですね」

「その子たちからこれを預かっている」

 

そう言って住職さんは俺に手紙を渡した。

 

「親父さんからの手紙らしい。あの子たち、私たちが渡したら絶対読まないからってわしに任せおった」

 

俺はそう言われて手紙開けて読んでみると親父からの手紙ということがわかった。

 

たしかに普通に渡されたらいつもの調子で怒鳴った読まないだろう。

 

「わかりました。読みます」

 

俺は意を決して手紙を読むことにした。

 

『司へ

 

私のことを覚えていてくれているだろうか?提督として10年近く鎮守府に勤めていてお前はもう私の顔を覚えてないかもしれない。

 

だけど、私は今でもお前のことを愛していること忘れないでほしい。

 

だから、今度の作戦。最後の作戦が終わったらまた一緒に住もう。お前は妹が欲しいと言ってたからな。

 

妹とはちょっと違うかもしれんが艦娘たちと一緒に住むのはどうだ?

彼女たちはとても良い子たちだ。きっと楽しいと思うぞ。まあ、このことは二人で決めよう。

 

今回の作戦はお前と母さんからもらったお守りがあれば絶対成功するから、今までの空白の時間を埋められたらいいと思ってる。

 

お父さんより』

 

俺は、それを読み終わると自然と涙を流していた。

 

「よく、司くんはお父さんは僕たちのことなんか忘れているなんて言ってたけど。それは本当かい?」

「違いました。親父は赴任する直前に渡した俺と母さんでお守りがわりに作った物を肩見放さず持ってたらしいです。あと、俺がずっと子どもの頃に言った妹が欲しいって発言まで覚えてやがる」

「それは良かったのう」

「よくないですよ。いつのこと覚えてやがんだよ。10年前だぞ」

「はは、親の10年などあっという間よ」

「そうですか。まあ、これで少しは親父のことがわかりましたよ」

「そうか」

「正直、全部を許したわけではないですが向き合ってみようと思います」

「そうか」

「帰ります。あいつらのことだから待ってくれてると思うので」

「気をつけてな」

「はい!」

 

俺は駆け足で家に帰った。

 

俺は家に着くと大きく深呼吸して扉を開けた。

扉を開けて中に入ると白露と夕立が少し不安そうな顔で出迎えてくれた。

 

「「おかえりなさい。司さん」」

 

白露と夕立は俺に挨拶をしてくれる。

 

(そういえば、おかえりなんて何年ぶりに聞いただろう)

 

そんなことを考えながら俺も口を開く。

 

「ただいま」

 

久しぶりに出した言葉は少し恥ずかしく、少し暖かく、とても満たされるものだった。

 

「!!お、おかえりっぽい!」

 

俺から帰ってくることなんて予測してなかったんだろう。夕立はもう一度俺に挨拶する。

 

「ただいま」

「うん、うん、おかえりっぽい!」

 

そんなに嬉しいのか俺が反応するたびにおかえりを連呼する。これじゃ、無限ループじゃないか。

 

「夕立、いつまで続けるんだこれ?」

「あっ」

「司さん、おかえりなさい。晩御飯作ったんだけど…食べる?」

「ただいま白露。ああ、いただく」

 

俺が答えると夕立が目を輝かせリビングに向かった。

 

「あっ、白露。一つ言わせてくれ…ごめん」

「えっ?」

「俺と親父の関係にお前たちは関係ない。それなのに、お前たちに強く当たった。これからは一緒に住むんだ協力して仲良く行けたら良いと俺は思う。

 

それと、今日は手紙ありがとな」

「うん。司さん。これからよろしくおねがいします!」

「あっ、その敬語とさん付け。ずっとそれじゃしんどいだろ?好きな口調で喋っていいぞ」

「本当!じゃあ、よろしくね。つっくん!」

「つっくん?」

「うん、提督はいつも写真見て言ってたよ。つっくんかわいいとか、男前になったって」

「なんだ、その親バカ」

「会えないから色々溜まってたんだよ!」

「そっか」

「それより、早くご飯食べよ。今日は時雨、村雨、春雨が頑張って作ったんだから」

 

俺はそう言われ後ろから白露に押されながら扉を開けてリビングに入ると

 

「「「「おかえり!!」」」」

 

みんなが暖かく出迎えてくれた。

 

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