兄は重度のシスコンです   作:kanakana_tuin

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プロローグ 2

『おかけになった電話番号は現在使用されていません』

「やっぱりダメ・・・」

 

昨日、お兄ちゃんが亡くなってから私はずっと部屋に閉じこもっていた。正直、信じていた兄が亡くなるのがここまで辛いとは思わなかった。昨日は恥ずかしいけどお兄ちゃんから貰ったお守りをずっと抱えながら泣いていた。今日はどうにかお兄ちゃんが生きてないかを探る事に専念していた。

 

ご飯は暁君かお父さんが持ってきてくれたから困らなかった。でも、その半分しか食べれないぐらい食欲も落ちていた。

 

 

お兄ちゃんが亡くなってから2週間が立ちそうな時に私はお兄ちゃんの部屋を夜中に調べて見た。実はお兄ちゃんの部屋だけは特殊で鍵が付いてる部屋なので鍵は私にも渡されていたの。

 

お兄ちゃんの部屋を調べて1時間ぐらい経った時に物と物の隙間に封筒が入っていた!

 

その中身を確認してみると、1つの番号が書かれていた。どうやら携帯電話の番号のようだ。

 

私は意を決してその電話番号に掛けてみた。すると、メッセージが流れてきた。

 

『おう!七海か暁か親父かわからないがこの電話に繋げたと言うことは俺の身に何かあったんだな?多分、任務か何かで庇って犠牲になったとかそんなんだろ?え?違う?まぁ、いい。』

 

久しぶりのお兄ちゃんの声。やっぱり安心してしまう自分がいる。でもそれほどお兄ちゃんか居てくれて嬉しかった事が分かる。なんか暁君やお父さんに向けて色々と言ってる見たいだった。

 

『じゃあ、最後は七海だ。七海、多分これを聞いてる時俺はこの世に居ないかも知れない。でも生きてる可能性の方が高い。だから、犠牲になったとしても多分七海は落ち込むだろうな。それを見越して言っておくな』

 

ここまでは、いつも通りのお兄ちゃんの声のテンションだったけど急に真剣になったので少し緊張する。

 

『例え落ち込んでいても元気にやって欲しい。もし、俺が帰ってきたら笑顔で出迎えて欲しいからな。それに、ずっと元気が無いと親父や暁も心配するから明るく過ごしてくれ。お兄さんからのお願いだぜ?それじゃあな』

 

お兄ちゃんの言葉で電話なのかよく分からないのが終わる。気が付けば私は泣いていた。涙が止まらないぐらいに。

 

 

(そうだよね、お兄ちゃんが死んだのかはまだ分からないんだから元気に過ごさなきゃね。いつ帰ってきても大丈夫なように)

 

私は次の日からいつも通りに過ごし始めた。

 

 

 

 

 

そして、もうすぐお兄ちゃんと別れてから2年が経とうとしていた。

 

 

 

 

 

時間は遡り、事件の後日。

 

 

懐かしい夢を見る。

 

 

これは・・・・。そうだ、俺の過去か。

 

俺はアストラル使いだった。家族は両親がいて兄が居るというごく一般的な家庭だった。

 

だけど、ある日俺は家族に見捨てられた。そして、一人途方に暮れていた。そして、女の子が人に囲まれていて何かを言われていた。

 

当時、俺はアストラル使い以外の人を殆ど嫌っていた。だって、同じ人間じゃないと思っていたし、知られてしまえばいじめられるか変な目で見られる。俺はその目が嫌いだった。

 

その子はまだ小さかった。だけど、多分俺より1か2個年上だと思った。そして、言葉が聞こえたのだ。

 

 

「アストラル使いなんて邪魔なんだよ、とっとと失せろ!気色悪い」

「ホントホント。そんな奴がこんなところで何やってるんだ?」

「どうせ、親に捨てられたとかそんなものだろ」

「だよな?」

「・・・・・」

 

「「「アハハ!」」」

 

大人にいっぱい言われて嫌じゃないのかと思いつつその話を気が付けば盗み聞きしていた。だけど、その人たちに何を言われようがずっと俯いていた。

それでも、その子の手は思いっきり握りしめられていて何も言い返せない自分が悔しいってのが手には表れていた。

 

そして、俺は遂に我慢に限界が来た。本当なら見捨てるのが大抵の一般人だからな。でも俺はアストラル使い。その時だけは何故か怖くなかった。逆に勇気を出せた。

 

「おい!おっさん達。いい年して女の子でしかも子供を馬鹿にするとかダサくないか?」

 

俺が少し挑発しただけでおっさん3人はこちらに向く。

 

「あん?なんだこのガキ?」

「あれだろ?こいつもアストラル使いなんじゃねえか?」

「確かに、こんな奴を庇うなんてお仲間だろ」

 

前までならこんな事言われたら怯えて何も出来なかっただろう。でも、その時の俺は女の子を助けなきゃって気持ちでいっぱいだった。

 

「別に仲間とかじゃない。お前らが許せないだけだ!特殊な力が使えるだけで気持ち悪いとか言ってるお前らが気に入らないんだ!このじじい共!」

「こんっの、クソガキ!教育してやる!」

 

おっさんの一人が俺を殴ってくるが、俺はその殴ってきた‘手’を燃やした。

 

「うわあああああ?!熱いよ!なんだこれ!」

「な・・・ッ!この野郎!」

 

もう一人が殴り掛かってくるが次はそいつを‘操り’まだ手を出してない男にその攻撃を向ける。

 

「グハッ!」

「はぁ?!なんでこんなのでお前が倒れるんだよ!」

 

それもそのはず。たかが男性一人のパンチで男性が気絶するはずは無いのだが俺がその殴る力を‘倍’にしたのだ。

 

「やっぱ、お前も邪魔。消えろ」

 

最後は、俺自身が‘電気’を相手に浴びせて終了。

 

 

そう、俺はこの時4つの能力が使えたのだ。だからこそ能力がない奴は信用が出来なかった。

 

俺は、女の子の方を見てけがをしてないかだけを目で見て大丈夫だと思いその場を立ち去ろうとする。だけど、女の子が声を掛けてきた。

 

「ねぇ・・・ありがとう」

「・・・別に。気にしなくていい。それじゃ」

「あ・・・・。ま、待って!君の名前は?」

「・・・・れいじ」

 

俺は自分の名を言いその場を去って行った。その後もやっぱり帰る場所がないから結局は家に帰った。

 

 

そして、数日後。くそ親父に殺されかけた。しかも、外の真夜中で。

 

「お前、なんか生まれてこなければ良かったのだ!ここで殺してやる!」

 

くそ親父に見捨てられていたけど、母親だけはいつも俺のことを庇ってくれた。でも、母親は多分助けてくれないと思っていた。痛みを怖がり目を瞑ったけど何かの音がしてくそ親父は悲鳴を上げて逃げて行った。

 

「大丈夫か?少年。今殺されそうになってたよな?」

 

その男は銃を持っていた。多分あれでくそ野郎を撃ったんだろう。そして、その後ろに複数の黒服の男たちが数人いた。

 

「・・・・・」

 

俺は無言のまま、男の手に静電気レベルの電気を浴びせて銃を落とさせる。

 

「いって・・・・」

 

そして、その男が銃を落とした瞬間に俺の方へと吸い寄せ、銃を構えるのと同時に後ろの男達も銃を構える。

 

「ッ?!おい、撃つな!撃てばこの子を助けることが出来なくなる!」

「?!今・・・なんて?」

 

この男はそういった。俺を‘助ける’と。聞き間違えじゃなかった。確かにいった。

 

「あ、悪かったな。そんな物騒なもん持ってて。ここら辺は治安が良くないからな。・・・ふむ。君はもしかして銃でも使ったことあるのか?構え方が正確だから」

「少し、モデルガンを持ってるぐらい」

「でも、その構え方は使い慣れてるやつのやり方だぞ?」

「・・・ネットで調べた。それだけ」

「そうか。お前ら、銃を下ろせ」

 

男が後ろの奴らに命令すると武装を解除したのだ。多分だがこいつが頭だとみていいだろう。

 

「それで・・・・何?さっき俺を助けるって言ってたけど」

「お、話を聞いてくれるのか。あぁ、その通りだ。俺らは君を助けに来た」

 

本当だろうか?・・・・でも殺すつもりなら俺をくそ野郎から助けたりはしない。

 

「僕はもう・・・能力が無い者を信用出来ない。いや、信用したくない」

 

その時の俺の目は虚ろだったろう。後から聞いたが

 

親父はこう思ったらしい。

 

      彼はどうしてこうなってしまったのだろうか。

 

でも、答えはすでに決まっている。

 

そして、その男は俺にこう告げた。今でも変だとは思うよ。だけど・・・

 

「でも、大丈夫だ。俺は能力者を嫌わない。よし、なら俺の家族にならないか?」

 

男・・・・在原隆之介は俺に手を伸ばしてくれた。いままで 俺に手を伸ばしてくれたのは母親だけだった。俺はもちろんその手を取った。

 

 

 

 

 

 

 

その光景を最後に俺は夢から醒めるようだ。

 

 

 

 

 

ザザァーン

 

 

 

波の音が聞こえる。あれ?俺・・・・。

 

あ、そうだ。七海達を逃がした後、研究所から俺も脱出したものの時間がなくて川に飛び込んで意識が無くなったんだった。

 

つまりここは流されてきたのか。動こうにも動きづらいが身体能力を倍にして動く。体は全体が傷だらけだ。目立つ傷は服で隠れているから目立たずに済みそうだ。

 

持ち物を見てみるが携帯は流されてる。あるのは、いつも大事に持っているカギと特殊加工されたデザートイーグルのみ。残弾は0。

 

少し町の中に入り散策する。そして、思い出す。ここは千葉だ。俺は昔に母親にこのカギを渡されている。それが今持っているカギだ。俺のもう一つの家で何かあった時はその家に足を運んでいた。その家は母親名義だが俺だけの家を昔に買っておいてくれたため、第二の隠れ家としても使っていた。

 

傷が目立たないとは言え、流石に服がボロボロだ。まだ時間的に爆発が起きてから7時間しか立ってないな。今、日が出てない。なので、人を全然見かけないので見られる前に家に行って着替えよう。

 

 

数十分経ってようやく場所がわかり、たどり着いた。

 

先ずは、俺の寝室に行き着替える。服装はデビルメイクライ初代のダンテのコート脱いだバージョンだと思ってくれ。何故かというと、ガキの頃。引き取られた後に親父にゲームを買ってもらったりしてデビルメイクライにハマったのだ。その影響で、仕事服を二着持っているのだ。そして、今まで着てきた奴は処分。まぁ、コスプレもしていたが。

 

着替え終わったら地下に降り、網膜パターンで扉のロックを解除しコンピュータールームに入る。

 

俺も昔は機械類の補助で任務に当たっていた。そのため、七海が手詰まった場合は俺が補助をしている。本来、補助はしたくない俺だったから戦闘する方が多くなりそうなった。

 

色々と考えた結果、4つの目標ができた。

 

 

1.体を無理に動かしていたがやっぱり骨折をしているため安静にしている。

2.治療が終わったら体を更に強くし、鍛える。

3.七海達に会いたいが、2年はここにいる。

4.全て終わればみんなの元に戻る。

 

これが今後の目標。

 

次の日から俺は自宅で治療を始めた。

 

治療が終わりもっと丈夫な体を作るために鍛える。

 

 

 

そして、遂に2年が経つ。

 

 

 

さぁ、ようやくみんなの元に帰れる!

 

 

 

 

 




次回から原作に入っていきますよ。
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