死神と妖精の尻尾   作:夜月ライト

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遅くなり申し訳ありません。
やっと1話できました。


護衛依頼

クジャがフェアリーテイルに入って1週間が過ぎた。

この1週間、クジャは住居を構え、いくつか依頼もこなしたが、子供という理由から雑用が多かった。

雑用も仕事と割り切りやっていたが、同じような依頼ばかりでクジャも飽きてきていた。

 

「流石に毎日同じような依頼ばかりだと飽きるね」

『ですが、ただの雑用にしては報酬もいいですし、依頼なのですからやった方がいいでしょう』

「まあね」

 

クジャと銀竜が会話をしていると、マカロフがやって来た。

 

「おお、クジャ、銀竜、ここにおったか」

「マスター?どうしたんですか?」

「実は少々面倒な依頼が来ておってのぉ。お前さんが良ければ受けてもらいたいんじゃが」

『どんな依頼なのですか?』

「これじゃ」

 

そう言ってマカロフが見せて来た依頼書にはこう書かれていた。

 

『護衛任務

1ヶ月程屋敷を留守にする為、屋敷と娘の護衛を頼みたい。

人数 娘と年の近い者1〜2名(10歳前後)

条件 最低限のマナーを身につけ、実力のある者』

 

依頼書には簡潔に住所と地図もあった。

依頼書を読み、クジャは納得したように言う。

 

「たしかに、これは面倒な依頼ですね。それに、条件も僕や銀竜寄りですし。分かりました。僕達で良ければ受けますよ、この依頼」

「そうか、では早めに準備をして向かってくれ」

「はい」

 

そう言うと、クジャは家に荷物を取りに行った。

部屋に入るとシルフが不満そうに話しかけて来た。

 

『おかえりなさい。まだ外に出ちゃいけないの?それとクジャ、貴方が新しく入れた子達愛想悪すぎるわ!』

「今日から長期の依頼で外に行くよ。それと、彼等はまだ作りたてだからね。ある程度育ったら愛想は出来るんじゃないかな?」

『まあいいわ。今日からやっと外に出れるのよね。久しぶりの外、楽しみねー』

 

シルフの独り言を無視し、クジャは準備をするとペンダントに加工した召喚獣の宝石を首に掛けて家を出た。

 

 

ーー数時間後

 

クジャと銀竜は依頼書に付いていた地図を頼りに依頼者の屋敷まで飛んで来た。

銀竜が屋敷の門の前に着陸すると執事服を来た男性が出てきた。

 

「どちら様でしょうか」

「フェアリーテイルの者です。依頼を受けて来ました」

「そのマークはたしかに。少々お待ちください。旦那様にお話を通してまいります」

 

執事はそう言うと屋敷に入り、少ししてから戻ってきて門を開けた。

 

「旦那様がお待ちです。付いてきてください。そちらの竜は...」

『私の事はお構いなく。こうして小さくもなれますから』

 

銀竜が小さくなって見せると、執事は驚いたがまた屋敷へ向かって歩き出した。

 

「なんと不思議な...。いえ、どうぞこちらへ」

 

執事について行くとある一室に通された。

そこには1人の男性がいた。

男性はクジャが室内に入ると執事の人を下がらせた。

 

「ようこそ、我が家へ。私はジュード・ハートフィリア。キミが私の依頼を受けてくれたフェアリーテイルの子か」

「はい。マスターからの推薦もあり、この依頼を受けさせていただく、クジャという者です。先程共に来た竜は我が相棒たる銀竜です」

「そうか、私はこれからすぐに此処を出る。私が帰るまでの間、娘の護衛と子守をしてもらいたい。期間中、屋敷内はこの部屋以外自由に行き来してもらって構わない。スペット」

「失礼いたします。およびでしょうか旦那様」

「この子を部屋とルーシィの元へ連れて行ってくれ。私はすぐに出る」

「かしこまりました」

 

クジャは執事について部屋を出る時に

執務机の近くにジュードを模したおにぎりと、皿が転がっているのを目にし、ジュードに対し少し嫌悪感を抱いたのだった。

執事にクジャはハートフィリア家での自室となる客間に通された。

クジャは荷物を置くと、執事に質問した。

 

「僕の護衛対象であるルーシィってどんな人ですか?」

「お嬢様はとても明るくお転婆な方です。星霊魔法を使えます。とても優しい方で、星霊と本がお好きな方ですが、旦那様がお仕事が忙しい為、常に寂しい思いをされている事でしょう」

「...分かりました。ありがとうございます。それでは、会いに行きましょうか」

「かしこまりました。こちらです」

 

クジャの部屋から左程遠くない所にルーシィの部屋はあった。

執事がルーシィの部屋をノックし、声をかける。

 

「お嬢様、入ってもよろしいでしょうか?」

「...うん、いいよ」

「失礼いたします」

 

クジャと執事が室内に入るとクジャより少し幼い程度の少女が行儀よく座っていた。

少女はクジャを見ると不思議そうに首を傾げる。

 

「だぁれ?」

「旦那様がお雇いになったギルドの方です。旦那様はこれから1ヶ月程お仕事で留守にされますので。それでは、私は下がらせて頂きます。何かございましたらお呼びください」

 

そういうと執事は部屋から出て行った。

クジャと少女は2人きりになり、クジャは小さい子を相手に話しかけることをした事がないため、どうすればいいのか考えていると少女が話し掛けてきた。

 

「私ルーシィ、あなたはだれ?」

「僕はクジャ、今日からキミのお父様が帰ってくるまでの護衛です。どうぞお見知り置きを」

 

クジャは芝居掛かった様に自己紹介をしたが、ルーシィは不満そうにお願いしてきた。

 

「ねぇ、クジャはこの屋敷の人じゃないでしょ」

「そうですね。ギルドから来てますし」

「だったらふつうに話して。私、今までお友達いなかったから...」

「......分かった、これからしばらくよろしく、ルーシィ」

「うん、よろしくね!クジャ!」

 

2人の距離が縮まったのが分かった銀竜は少し大きくなってルーシィの前に着地した。

 

『私は銀竜、クジャの相棒です。私もよろしくお願いしますね。ルーシィ』

「わぁ!ドラゴン?!」

「ああ、銀竜はドラゴンの一種だよ」

「はじめて見た!さっき大きくなってたけどやっぱりもっと大きくなれるの?!」

『ええ、なろうと思えばおそらくですがこの屋敷位の大きさになれると思えますよ』

「すごーい!見せて!」

『さすがにそれは無理ですね』

「ざんねん、でも、いいや。あ、そうだ!私ね!星霊魔法使えるの!」

「へぇ、どんなのが居るんだい?」

「えっとね、アクエリアスと、キャンサーが居るよ!」

「もう既に2体と契約してるのかい?」

「うん!お母さんと元々けいやくしてた星霊なんだ!それでね!アクエリアスとキャンサーは黄道十二門の星霊なんだよ!」

「黄道十二門ってなんだい?」

「えっとね...世界に一本しかない黄道十二星座の星霊!」

「へぇ」

 

クジャとルーシィの出だしは上々で依頼1日目を終えた。

クジャが1日を終えて部屋に戻ると、シルフがそわそわしながら部屋の中を行ったり来たりしていた。

 

「どうしたんだい?」

『この家から懐かしい匂いがするのよ』

「懐かしい匂い?」

『一体なんの匂いなんですか?』

『私達の契約者の匂い。でも、これはコッチで出来た子供かしら...とにかくこの家の中にいるわ!』

「子供...子供って言ったらこの家だとルーシィ1人だけど、彼女に角は無かったよ」

『私達の契約者はこの世界に紛れ込む為に角を切り落としたのよ。だから多分ないのね。でも、私達は角が無くても話せるように工夫してるから大丈夫よ!』

『そういう問題ではないと思うますが...ですが、契約者になれる者がいるのであれば良かったではないですか』

「それでも、探すのは明日からだ。今日はもう遅いから歩き回ってたら無駄な誤解をうむ」

『むぅ...分かったわよ。明日から探しましょ』

 

こうして依頼1日目は終わった。

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