黒のワルツが捜索を開始して1時間後、クジャがイライラしながら待っていると、足元に魔法陣が浮かんだ。
クジャが魔力を流すと、魔法陣が光った。
クジャが目を開けると、古い要塞が目の前にあった。
要塞の入り口には黒のワルツが集合し、クジャを出迎えた。
「ここかい?」
「「「はい、この要塞の最奥にルーシィ・ハートフィリア、及び銀竜を確認いたしました」」」
「状況は」
「敵の数はおそらく30人前後」
「ルーシィ・ハートフィリアの状態は気絶」
「銀竜はリーダーらしき男に魔法をかけられていました」
「「「どうされますか」」」
黒のワルツの報告を聞き、クジャは数秒で作戦を立てた。
「救出には僕が行く。お前達は僕がルーシィ達の部屋に入ったと同時に窓から侵入。ルーシィを連れて外へ。銀竜は可能な場合は指示を出す」
「「「承知しました」」」
返事をした黒のワルツ達は飛び立ち、クジャは苛立ちを込めた魔法を要塞の扉へとぶつけた。
「フレア」
扉は凄まじい爆発を起こし、木っ端微塵に吹き飛ぶ。
扉の近くにいたであろう洗脳された王国兵をも気絶させていた。
クジャは不憫な彼らには見向きもせず、要塞の中を進む。
途中、洗脳されている王国兵が襲ってきたがクジャは3つの魔力弾を操り、自身に寄せ付けずに無力化した。
要塞の最奥まで来たクジャは最奥の部屋の扉を開けた。
扉を開けると、気絶しているルーシィ、赤い魔力を纏い、何かに必死に抵抗している銀竜、そして、守竜の村で人々を操り、事件を起こし、クジャや村人達によって王国兵に引き渡された男がいた。
クジャは苛立たしそうに声をかける。
「おい」
「ちっ、アイツらも全く役に立たない」
「お前、今度は何をするつもりだ」
「何?何かだって?決まっているだろう。僕はここでお前に復讐し、村に戻って僕だけの国を作るんだ!この竜はその為の護衛。お前は必要ない」
「随分と調子のいい事を言うねぇ。村ではせっかく助けてやったのに、その恩を仇で返すのかい?牢屋で暮らしていれば、まだ生きて入られたのにねぇ」
「なんだと?偉そうな事を言えるのも今のうちだ。コッチには人質だって」
「人質?あぁ、その子かい?床に放置しているだけなら人質とは言わないよ。回収しろ!」
「「「承知」」」
クジャの声と共に黒のワルツは部屋に入り、ルーシィを奪還した。
黒のワルツはそのままルーシィを連れて外へ出て、それを見ていることしか出来なかった男は叫ぶ。
「なんなんだあの人形は!僕の計画を邪魔しやがって!従うなら生かしてやろうと思ったがやめだ!やれ!守竜!」
「銀竜、君がこんな奴に言いなりになる必要はないよ。ディスペル!」
クジャの唱えた魔法で男がかけた魔法は解け、銀竜は大人しくなった。
「僕の邪魔ばかりして!解呪魔法なんて聞いたことがない!なんなんだよお前は!」
そう叫ぶ男にクジャは温度のない目を向け、嘲笑い、呆れた様に死刑宣告をした。
「はぁ..本当に学習能力のない奴だね。一度自分を半殺しにした人間の名前も分からないだなんて。最後にもう一度だけ教えてあげるよ。僕は死神さ、覚えておくれよ?あぁ、覚えるだけ無駄か。もう前回の様な失敗はしない。ここで芽は摘んでおかないとね」
男はクジャの殺気に当てられ、尻をつき、後退りながら震えることしかできない。
クジャは男の命を奪う魔法を唱える。
「安心しなよ。苦しませはしない。君には死への恐怖よりも、魂への、そうだね、簡単に言うならば死後の苦痛がお似合いだよ」
「や、やめろ...やめろ!」
「死への導き手 生者を恨む亡者 ここにあるは生の冒涜者 これは導き手への供物 これは亡者への贄 導き手よ 怒れる亡者よ 冒涜者を重き罰の間へ連れて行け デス」
クジャが魔法を唱えると、男にかざしていた手から黒い風が吹き、風に吹かれた男は糸が切れた様に倒れた。
クジャは脈を確認し男が死んだのを確認すると、銀竜、黒のワルツ、ルーシィを連れて屋敷へと帰った。
次回でこの章が終わるので、やっと原作に入ります。