そして短い...
クジャがルーシィを連れ戻して2週間。
ハートフィリア家の主人であるジュードが帰ってきた。
「「お帰りなさいませ」」
「ふむ、変わりないな」
ジュードは周りを見回し 異常が無いことを確認すると、執務室へ行った。
1時間後、クジャはジュードの呼び出しを受けて執務室に入った。
クジャが執務室に入るとジュードは話し出した。
「あの後、特に何もなかったかね?」
「はい、なにも」
「そうか。これにて契約は完了だ。流石に今日はもう遅い、明日にでも報酬を渡したら出てくれ。それと、契約後は一切こちらに干渉しないでくれ」
「はい。了解しました」
クジャはそう言って執務室を後にした。
クジャが執務室を出て荷物をまとめに自室へ行くと、ルーシィが中にいた。
「ルーシィ?なんでここに...」
「ねぇクジャ、帰っちゃうの?」
クジャの言葉を遮ってルーシィは質問した。
クジャは少し困ったような顔をした後、本当の事を言った。
「ああ、明日には帰るよ」
「そっか...また、会いに来てくれる?」
「それは難しいかな。ルーシィのお父さんは僕に今後一切干渉するなって言ってきてるから」
「....やっと友達が出来たと思ったのに...」
そう言って俯くルーシィにクジャは迷ったが、ルーシィの頭を撫でて優しく言った。
「君の友達になれて嬉しいよ。でも、僕は契約で来ているからね。契約者からの言葉には従わないと。安心しなよ。ここで会ったのも何かの縁、またいつか会えるさ」
「ここに住めないの?」
「悪いね。僕はフェアリーテイルの人間だから」
クジャがそう言うと、ルーシィは何かを決めたような顔で頭を上げた。
そして、笑顔で一言。
「じゃあ、私が会いに行く!私も魔導師になって、フェアリーテイルの魔導師になる!」
ルーシィがそう言うと、クジャは少し笑って言った。
「ふふふ...なら、待ってるよ」
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翌日、朝早くにクジャはハートフィリア家の門前にいた。
門前には初日と同じようにスペットがいた。
スペットはクジャに近づくと、袋を差し出した。
「こちらが、今回の報酬となります」
「たしかにいただきました。それでは、僕達はこれで」
「...お嬢様にお会いにならなくてもいいのですか?」
「会ったら彼女が辛くなるだけですよ。それに、置き土産はしておいたので、問題はないかと」
「左様ですか」
「それでは」
クジャはそう言うと銀竜に飛び乗り、銀竜はクジャが乗ったのを確認してフェアリーテイルへ飛び立った。
それを窓から見ていたルーシィは様々な色に変わる宝石の首飾りと金色の鍵を握りしめた。
今回でこの章は終わり、次回からは原作に入っていきます。