死神と妖精の尻尾   作:夜月ライト

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今回、書いてた自分もよくわからない話になりましたorz


今終わる平和

クジャがこの世界に来てから半年の時間が過ぎた。

銀竜からこの世界がガイアともテラとも違う世界と言われ、最初は戸惑っていたが、今では村の住人の1人として、自分の看病をしてくれた老婆ーバニラの家に居候しながらある時を待っていた。

今までわかった事はこの世界の魔法はクジャ達の世界の物とは別物だという事、この世界にはすべてのものに魔力がある事、そして、銀竜と共に村を出るには、『守竜の卵』が孵化するのを待たなくてはならない事だった。

そして、今は早朝。

クジャは部屋で『何か』の準備をしていた。

 

『クジャ』

「銀竜?キミがこの時間に来るなんて珍しいじゃないか」

『私を茶化している場合ですか?貴方も気づいているでしょう』

「ああ、ネズミがまた入り込んだことなら、わかっているよ。丁度準備も終えたところだしね」

『なら、早く駆除しに行きましょうか』

「そうだね」

 

銀竜は外に出ると馬程の大きさになり、クジャはその上に乗った。

クジャを乗せた銀竜は村の南側の森へと飛び立った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

南の森では、盗賊達がこれから襲う村の偵察に行った仲間を待っていた。

そんな中、盗賊の1人が不安そうに質問した。

 

「なあお頭、ホントにあの村を襲うんすか?」

「あ?タリメーだろ。あの村にある『守竜の卵』を手に入れて差し出せば俺達はクセェ牢屋になんか入らなくて済むんだからな」

「で、でもあの村の卵は守竜自身が守ってるんでしょ?俺達竜なんかに勝てませんって」

「だから今偵察飛ばしてんじゃねぇか。隙みて守竜から奪い取って逃げりゃいいんだよ、それに、守竜様はお優しいらしいからな、村人を盾にすりゃ案外簡単かも知れねぇぞ......にしてもおせぇなアイツら」

 

盗賊の頭が偵察に向かった部下の遅さに悪態を吐くと、目の前に『何か』が降って来た。

それは傷だらけになっている盗賊の部下だった。

 

「う、うわああああああ!」

「だ、誰がコイツらを...」

「僕達さ」

 

頭が声が聞こえた方を向くと、そこには凄まじい殺気を放ちながらも笑顔で立っているクジャと、臨戦態勢を取っている銀竜がいた。

頭はクジャが子供にしては似つかわしくない殺気に怯みながらも話しかけて来た。

 

「おいガキ、コイツらやったのはテメーか?」

「だからさっき言っただろう?『僕達』がやったってね」

「なんで俺達がここにいるのがわかった」

「ああ、馬鹿なネズミが無断で領域に入ってきたからね。位置なんてものはバレバレだよ。いくら気配を消しても生命反応までは消せないからね」

 

頭は焦っていた。このくらいの子供ならば話している間に隙が生まれるはずなのだが、クジャからは一向に隙が出来ないことに。

それと同時に、話している間に自分が追い詰められているような感覚にすら陥っていくことが頭をさらに焦らせる。

 

「へえ...んじゃお前がナニモンかしらねぇが、俺達の邪魔をした事を後悔するんだな。やれ!」

 

頭の合図により、盗賊達は一斉にクジャに襲いかかる。

頭は子供が大人相手に勝てるわけがないとタカをくくっていた。

しかし、盗賊達が相手にしているのは子供であって、子供でない存在だった。

 

「はあ、逃げてれば全員助かったのに」

 

クジャは盗賊達に向かって手を向ける。

そして、無詠唱で魔法を発動した。

 

「ホーリースター」

 

クジャの手から眩しいくらいの光の球体が放たれ、盗賊達に向かっていく。

盗賊達はその球体に引っ張られ、球体に極限まで近づいた時、球体は大きな衝撃波を出しながら爆発した。

光が収まると、そこには傷だらけの盗賊達が山になって倒れていた。

クジャは盗賊達に近寄り、1人1人に何かの薬を飲ませた後、テレポを唱えてどこかへ飛ばした。

盗賊の姿がらどこにもないのを確認して、銀竜に乗り、村へと飛び立ったのだが。

 

「『?!』」

 

2人が村の近くまで来た時、村は大火事になっていた。

2人は急いで村に向かった。

村に着くと、ありえない光景が広がっていた。

クジャを看病してくれたバニラが無残な姿で転がっていた。

その周りには、農具や包丁などを持った村人達の姿があった。

村人達の目は光がなく、どこか虚空を見つめた目をしていた。

村人達はクジャがいるのも御構い無しといった様子で村の奥の『守竜の卵』の方へ歩いていく。

クジャと銀竜は村人達を止めようと声をかけるが、全く聞こえていないようだった。

クジャは一か八か村人達に魔法効果消去の魔法をかけた。

 

「ディスペル!」

 

すると、村人達の数人は糸が切れたように倒れた。

それをみて、クジャは魔法で操られているとあたりをつけ、村人達に魔法をかけ続けた。

しかし、先程までの盗賊との戦闘により、魔力が足りなくなり、魔法が発動できなくなった。

 

「ちっまだ全員じゃないのに」

『クジャ、もうこれ以上は村人を救うことは出来ません。残りの村人は抹殺します』

 

銀竜はそう言うと、クジャの返事を待たずに村人達に向かっていった。

銀竜は己の爪や尻尾を使い、出来るだけ苦しまぬように殺した。

クジャは銀竜にのみやらせる事が出来ず、この世界でバニラに教えてもらった武器や防具などを自分の魔力空間から召喚する魔法『換装』でナイフを召喚し、まだ操られている村人達を殺して回った。

2人は何も考えず、ただ作業の様に、村人達に爪やナイフを振り続けた。




今回の話の補足です。

守竜についての設定
・ 銀竜は村で守竜として崇められており、守竜は自分の主人としてふさわしい者が存在する事が分かると、主人を探しに行く。
・主人が見つかると、村の祭壇に卵がいつのまにか置いてあり、守竜はその卵が孵化すると、主人と共に村を出て行く。
・守竜と主人は命を共にする為、片方が死ねばもう片方も死ぬ。
・守竜の主人に選ばれる為だけに卵を盗もうとする人間がいる。(今回の盗賊の雇い主など)
・守竜は自分の思う姿に大きさを変える事ができる。

今回お見苦しいお話でした。
次回は頑張ります。

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