ギルダーツ達は森の中を歩いていた。
すると、ギルダーツは何かに気づき、ナツ達に叫んだ。
「下がれ!」
3人が下がると同時に、そこに白い魔力弾が撃ち込まれた。
ギルダーツが弾の飛んで来た方向に魔法を放つと、銀色の竜とローブに身を包み、尋常じゃない殺気を放つ子供が出てきた。
ギルダーツは挑発する様に言う。
「討伐対象のお出ましってか」
それに子供は口を開いた。
「 今度のネズミは索敵用魔法石を壊すほどだからどんな人間かと思ったけど、まさか子連れとはね。子連れの方が怪しまれないとでも踏んだのかい?」
「俺達は盗みじゃなく、護衛をしに来たんだよ。『守竜の卵』をな」
ギルダーツの言葉に子供は明らかに殺気を強くし、竜も臨戦態勢になった。
ギルダーツはこの状態での対話は無理だと判断し、戦うことにした。
「ナツ、グレイ、エルザ、今の状態じゃ話せそうにない。軽ーく戦闘不能にするぞ」
「やっと出番だ!」
ギルダーツの言葉にナツはすぐに子供に向かって飛び出し、手に炎を纏って殴り掛かった。
「火竜の鉄拳!」
「!」
『ーッ』
ナツの攻撃は竜が防いだ。竜の反応を見て子供が竜に指示を出す。
「銀竜、ソイツとは相性が悪い。他の子供の相手を頼むよ」
子供の指示を聞くと、竜はエルザとグレイに向かって行った。
ギルダーツとナツはエルザ達の元へ向かおうとしたが、子供が放った白い魔力弾によって邪魔をされる。
ギルダーツ険しい顔をしていると、子供が挑発してきた。
「おやおや、ネズミにも仲間意識って言うのがあるんだね」
「なんだとこの!」
挑発に乗ったナツがまた殴り掛かるが、今度は軽く避けられ、逆に投げられた。
「キミ、攻撃は早いけど単調だからすぐ見きれるんだよね。それと、キミ達の相手は僕だ。抜けられると思わないことだね」
そう言って子供が何かを唱えると、雷や炎や氷がギルダーツ達を襲った。
ギルダーツ達はそれを避け、攻撃するが、子供は羽でも付いているかの様に宙を飛び、ひらりひらりと躱すか、見えない壁の様なもので防がれてしまい、攻撃を当てることが出来ずにいた。
子供の隙のなさにギルダーツは苦虫を潰した様な顔をし、ナツは1人で怒鳴っていた。
「降りてこいやこのやろー!」
「誰が自分で仕掛けた罠に自分から引っかかる様な真似しなくちゃならならな...」
「ハア!」
「ッ!プロテス!」
子供が話している最中に、エルザが奇襲を仕掛けたが、子供は見えない壁で防いだ。
子供がエルザのいた方に視線を向けると、竜は氷で出来た檻に閉じ込められていた。
チャンスと判断したギルダーツは一気に勝負を決めに行く。
「ナツ!」
「火竜の...鉄拳!」
「ぐっ」
エルザの攻撃を防ぐ事に集中していた為、ナツの攻撃は子供を見事に捉え、子供は地面に叩き落とされた。
ギルダーツは起き上がるかと警戒しながら近づいたが、子供は気絶していた。
ギルダーツが子供の被っていたローブのフードを外すと、子供は討伐対象の少年だった。
前回が長かったので今回短くなりました。
そして戦闘シーンが残念な事に。
次話はそんなに開けないで書いてみせます。