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秀勝「ふわぁ〜、終わったー!」
あたいは筆を置いて身体を伸ばす
外を見るとまだお昼だ
意外と早く終わったなー
今から外に出ても沢山遊べるなー
秀勝「…ふむ、よし」
長秀「よし、ではありませんよ」
秀勝「ひゃあ!?」
び、びっくりしたー!
一緒に書類を書いていた長秀様がいきなり話しかけてきた
長秀様はずーっと黙って書き物をしてたから急に声を出されてびっくりした!
今も紙からは目を離してないし
ていうか…
秀勝「あ、あたい、声出てました?」
長秀「はい、何かに頷いた後、握りこぶしを作りながら、よし、と」
ええ〜!?
そ、そんな、なんか恥ずかしい…
長秀「それで何が、よし、なのかしら?」
秀勝「そ、それは…///」
あたいが言うのをためらっていると長秀様は手元から目を離して、こちらの机をちらりと見た
それからまた手元に目を戻して作業を再開しながら、あたいに言う
長秀「仕事は終わらせたようなので100点です。で、す、が。また昨日のようにお昼を食べずに出歩こうとしているなら、それは20点です」
秀勝「なっ…!?ち、違います!100点です!」
いつもの癖で言い返してしまったけど、どうやら悪い手だったみたい
長秀「ほう、ならばその100点満点の行動をお教えてください」
秀勝「う…」
長秀「なぜ話してくれないのですか?それほど言えないような事をしようと?」
秀勝「違いますよ!えっと…は、ハチのところに…」
長秀「ふっ」
あたいが正直に言うと長秀様がふきだした
あ、あれ?へんなこと言ったかな?
秀勝「えっと」
長秀「ふふ、すみません。やはりかと思いまして」
秀勝「え?」
長秀「比企谷殿が来てからと言うもの、毎日のように比企谷殿の元に行っているのですから直ぐにわかります」
秀勝「ふぇ!?そ、そんなに行ってましたっけ!?」
た、たしかに言われてみれば
ここ1週間は時間帯は違うけど、仕事が終わると直ぐにハチの所へ行ってる気がする
…て、1週間ってハチが来てから毎日じゃん!
時間帯は違うけど…う、うわー
長秀「そんなにも比企谷殿を気に入られたのですね」
秀勝「い、いえ、そう言うわけでは!ただ、その、ハチとは友達だから…」
長秀「ふむ。その事なのですが、気になっていたのです」
そう言うと長秀様は筆を置いてこちらを向いた
長秀「秀勝。なぜ貴女は初めて比企谷殿と会った時に、友になろうと申したのですか?」
秀勝「あ…」
それ、ちょっと前にハチにも聞かれたっけ
あたいが答えた後
少し言い合いになって
それから………
秀勝「……っ///」
お、思い出したら恥ずかしい…
うう…あんなこと言われたら…
長秀「…どうしてそこで顔を赤くするのですか?」
秀勝「えっ、あ、いいいっいやその!///あ、あたい、もう行きますね!ごめんなさいー!///」
あたいは慌てて逃げた
後ろで長秀様の笑い声が聞こえた
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
秀勝「うぅ〜」もぐもぐ
アタイは一度清洲の町に降りてから
おにぎりを買って食べながらハチの家に向かう
その間ずっと恥ずかしかった
むぅ〜それもこれもハチが悪い!
ハチが…ハチが…ぽっ///
秀勝「はっ!ダメダメ!」
あの時の事は凄い恥ずかしいからあんまり思い出さないようにしよ///
っと、ハチの家に着いた
あたいは玄関の扉を開けて呼びかける
秀勝「ハチ〜?いる?」
しーん
呼んでも返事がない
いつもなら中からダラけた返事が返ってくるのに
うーん、いないのかな?
失礼だと思いながらも家に上がる
部屋には誰もいなかった
ただ
八幡「」チーン
庭にハチがあった
違う、死体があった
あれ?ハチの死体だからどっちでもいいのかな?
まあ倒れてるだけだと思うけど
ハチが庭の真ん中で寝転んでいて、そばに白旗が転がっていた
手元にはうこぎの根で『雪』と『旗』の文字が書かれていた
器用だねー
とりあえず近づいてみる
微かに呼吸音が聞こえるから生きてはいる
秀勝「おーい、ハチー?」
八幡「う……」
おお、反応があった
秀勝「ハチ?なにがあったの?」
八幡「ん…あー、なんだヒレカツか…」
顔を上げてあたいの顔を見たと思ったら、あんまりな台詞を言われた
秀勝「む、なんだってなにさ」
八幡「うぅ〜。た、たのむ…食いもんをくれ…」
秀勝「え?食べ物?」
あたいは手に持っているおにぎりを見る
さっき買ったばかりだから冷えていない
秀勝「えっと、おにぎり食べる?」
差し出すと、普段のダラけたハチではあり得ない速度でひったくられた
八幡「さ、さんきゅー…もぐもぐ」
あー、まだ少ししか食べてないのに
まあいっか、昨日親子丼を奢ってもらったし
……あれ?なんか重要な事を忘れているような
そうだあのおにぎり、あたいの食べかけ……
秀勝「にょわぁ〜!?///」
八幡「ひっ、な、なんだよ」
秀勝「あ、あわわ!も、もう食べちゃってるし!」
八幡「す、すまん。今度なんか奢るわ」
秀勝「そうじゃなくて!あーもう!///」
もうハチは…!ほんとハチは…っ!
まったくもう、ハチと一緒にいると気が立ってしょうがないよ
それから少し落ち着いたあたいはハチと一緒に縁側に座った
秀勝「そ、それで?なんで倒れてたの?」
八幡「あーまあ、ちょっと、部長さまに鍛えろと言われたもんで」
秀勝「部長?」
そんな人はどこにも見当たらないけど…
でもハチが、「鍛えろと言われたから、アドバイスをくれとは言ったが…」「言われた通りにやったのが間違いだったな…」「本当に死ぬまで鍛えさせられるとは…」とか言ってるから嘘じゃないかな
鍛える…ねぇ
秀勝「うーん。そう言えばハチは全然筋肉がついてないよねー」
八幡「うるせぇ。お前だってあんまし鍛えてるって感じがしねーぞ。犬千代もあんな細いのに、なんであんな怪力が出るんだよ。身体に異次元でも飼ってんのか」
秀勝「?よくわからないけど、でもあたいはハチより力持ちだよ!」
八幡「そうかい」
うーむ
でもよく考えると
確かにハチには鍛えてもらわないといけないなー
戦に出て死んでほしくないし…
友達として……
前と今とでは意味合いの違う言葉
変わったのは確か3日前だね
夜に美味しい親子丼を食べたから間違いない
その日、ハチにどうして友達になったのかって聞かれた
そこであたいは言った
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
三日前
———信奈様のため、なのかな
八幡『あ?どういう事だ?』
秀勝『あのね、最初にハチの目を見た時、あれ?って思ったの』
八幡『?』
秀勝『だってハチ、信奈様と一緒にいたけど戸惑ってたから…』
八幡『……?戸惑う?俺が?』
秀勝『えーと…。例えるなら、自分はここに居ていいのかな?って感じかな』
八幡『……あー。ぼっちだから居場所に惑うのは仕方ないだろ…』
秀勝『…あたいね、立場的に色んな人をまとめる役目をもってるから、その色んな人の目を見てきたの。それでね、そう言う目をした人を何人か見たことあるの。自分は本当に必要とされているのか、とか。自分を見てほしい、とか。そうった人がどうなるか知ってる?』
八幡『…いや』
秀勝『戦でみんな死んじゃうんだよ』
八幡『……』
秀勝『1番必要とされたいから真っ先に前に出ちゃって、それで…』
八幡『前にって…俺はそんな前に出るようなキャラじゃねぇ』
秀勝『脚羅…?まあいいか。そうだね、ハチと一緒にいるうちにそういう性格だって何となくわかったよ』
八幡『だろ?』
秀勝『でも最初会った時はわからなかったし…』
八幡『…で?俺と友達になろうとしたのかって話しとどう関係があるんだよ』
秀勝『…その、ハチを死なせたくなかったから』
八幡『は?俺と初めて会ったのにそんな事考えてたのか?てか友達とそれに何の関係が?』
秀勝『えーと、友達って言うのは置いといて…。そう思ったのはね、信奈様の様子を見たからなの』
八幡『茶マゲの様子?』
秀勝『また変なあだ名つけてるし…。信奈様とハチが一緒にいた時ね、信奈様はなんだか感じが違うんだよ。なんていうか、ふわぁ〜としてるんだよ』
八幡『アホっぽいってこと?』
秀勝『違うよ…。えっと、信奈様ってさ、他人からの言う事をあんまり聞かなくて、自分の事は自分で何とかしようとして思い詰めちゃうことが多いの。最近だって信行様の事もあるから眉間にしわを寄せて、気を張り詰めてた』
八幡『自分で何とか…ね』
秀勝『それがハチといる時はぜーんぜんそんな事ないんだよ。どう例えたらいいのか分からないけど、ほんとふわっふわしてるの』
八幡『はあ…』
秀勝『そんな信奈様を見たらね?ハチって信奈様にとって必要なんだなって。だからハチを死なせたくなかったの』
八幡『つまり茶マゲのためってことか。まあそれならある程度納得できる…………が、友達ってのは?』
秀勝『う…』
八幡『俺を死なせないってのと、友達になるってのは何度も言うが関係ないだろ』
秀勝『…………ほ』
八幡『ほ?』
秀勝『ほかに言葉が見つからなかったんだよっ!』
八幡『えー』
秀勝『そ、それにハチって変な雰囲気だから友達になったら面白いかなーって!信奈様がふわふわになるほどの人だから楽しいかなーって!そう思ったの!』
八幡『えー』
秀勝『…うぅ』
八幡『えー』
秀勝『…ごめん』
八幡『あ?なんで急に謝る?』
秀勝『だって…迷惑かなって…』
八幡『そんなわけないだろ。かな、じゃなくて充分迷惑だっつの』
秀勝『う…』
八幡『そんなあやふやな理由で友達になられても困るわ。てか茶マゲの事を思ってのことなら茶マゲの友達になってやれよ。てか俺と友達になろうとする思考が理解出来ねぇわ』
秀勝『うう…』
八幡『はぁ…、ったく』
秀勝『………ごめん』
八幡『あ?なんでまた謝るんだよ?』
秀勝『いや……やめるよ。友達』
八幡『……』
秀勝『ハチが迷惑するなら、やめるよ。もうハチの家には来ないし、もうハチにも近づかないし、もうハチと…話さないし…』
八幡『……』
秀勝『……』
八幡『……やめたきゃ勝手にやめりゃいい。だがこれがお前との最後の会話になるんなら、一個聞いていいか?』
秀勝『え、な、なに?』
八幡『お前、友達いる?』
秀勝『………ぁ…ぁ』ダラダラ
八幡『あ、うん。その汗の量を見たらわかったわ。ていうかすまん。聞いたらダメな質問だった』
秀勝『…そそそそんなことないもん!あたいだって友達くらいいるよ!』
八幡『例えば誰がいるよ』
秀勝『………………………………………………………な、長秀様』
八幡『そこで上司の名前が出てくる時点で末期だな。下手すると俺よりぼっち力が高いかもしれん』
秀勝『う、う、うがー!!だってさ!しょうがないでしょ!?あたいは織田家に入ったばかりだから周りと距離があるし!同年代の女の子はみんな織田家に昔から仕えてる子ばっかりだから新参者のあたいは肩身が狭いんだよっ!!』
八幡『お、おう、そうか』
秀勝『だっ、だから同い年で新しく入ったハチとならって…』
八幡『……』
秀勝『あたいも…1人は嫌だったから…』
八幡『………………はぁ、仕方ねぇな』ぼそっ
秀勝『…でももう、ハチとは友達じゃないから…また1人だね』
八幡『1人にさせねぇよ』
秀勝『ぇ…?ふぇ!?///』
八幡『絶対にお前は1人にさせねぇよ」
秀勝『え?え?え?///どどど、どうしたのハチ!?///なんかおかしいよ!』
八幡『そうでもねーよ。俺はお前に責任を果たしてもらうだけだ』
秀勝『へ?責任?』
八幡『お前は軽々しく友達になると言ったんだ。だからお前にはしっかりと責任を取ってもらう。文句はねーよな?』
秀勝『そ、それは…ないけど…。なんで?』
八幡『いいかよく聞け、お前の見解は恐らく織田家にとって重要な事だ』
秀勝『???見解…?』
八幡『同年代のやつらはみんな織田家に昔から仕えてるって言ってただろ?その年代以外にもそう言う古株が多いはずだ。そうなると、これから入ってくる新参者もお前と同じく孤立するようになるかもしれない』
秀勝『うん』
八幡『で、だ。軍の強さってのは個々の強さじゃなくて、兵と兵との連携を指すんだ。隊を率いる将がどれだけ強かろうが、隊の統率が取れていなければ戦では勝てない。だったら新参の奴らが孤立していくと織田家の将来的に危ない』
秀勝『うん』
八幡『さらに孤立した奴が増えれば徒党を組んで、織田家に背いてくる可能性もある』
秀勝『うん』
八幡『そこでお前だ』
秀勝『へ?あたい?』
八幡『お前は最初孤立した。だがお前はそれを変えようと行動したんだ。だったらそれはこれからの織田家にとって重要な経験だ。その経験を生かして、孤立していく奴らをお前は片っ端から引き込んでいけ』
秀勝『ん?ん?えっと、つまり?』
八幡『謀反者を出さないように、入ってくる奴らを織田家に馴染ませろ。それがお前の責任の取り方だ』
秀勝『で、でも、出来るかどうか…』
八幡『そこんところはお前次第だろ。俺は関係ねーし』
秀勝『あ、あたい次第…って。最終的にあたい任せで……。ん?関係…ない…?』
八幡『そんじゃそう言う事でこれから頑張れよー。織田家の未来はお前の肩にかかってるからなー』
秀勝『え!?あたいの肩に…織田家の未来…?』
八幡『よーし、それじゃあお前は今から城に行ってこい。そして茶マゲと友達になってくるのだ』
秀勝『う、うん!わかった!』
八幡『いってらっしゃーい』
秀勝『いってきまーす!』
秀勝『って、違ーーーーーーーーーーう!!!!』
八幡『うえっ!?いきなりデカイ声出すんじゃねぇ!びっくりするだろが!!!!』
秀勝『ハチの方が声大きいよ!?って、そうじゃなくて!ちょ、ちょっと待ってよ!ハチは!?』
八幡『あん?いや、お前とはもう友達じゃないんだから関係ないだろ』
秀勝『ええ!?で、でもさっき1人にはさせないって!!』
八幡『おう、今から茶マゲと友達になれば1人じゃないぞ』
秀勝『あふぅ…そ、そう言うこと』
八幡『ほれ、早く行ってこいよ』
秀勝『………………………』
八幡『…おい?』
秀勝『……やだ』
八幡『え?やだって…何が?』
秀勝『あたいは…ハチがいい…』
八幡『は?』
秀勝『だって…だってあたいが初めて友達になりたいと思った人だもん!このまま友達じゃなくなるなんてやだよ!』
八幡『……お前の気持ちなんか知らねーよ。俺はもうお前とは関わらない』
秀勝『……』
八幡『わかったらもう行け。お前には俺よりもいい奴が見つかるって……』
秀勝『ねぇ』
八幡『なんだよ?』
秀勝『ハチがあたいに責任を果たせって言ったやつ…あたいが織田家に新しく入ってくる人たちと仲良くなるのってさ、失敗してもいいの?』
八幡『は?』
秀勝『例えばさ、話した内容が間違って伝わったり、勘違いされたりしたらその相手に失礼だと思われて、もしかすると裏切らせちゃうかもしれないじゃん?』
八幡『いや、そう言う所はお前が気をつけて…』
秀勝『ならさ!友達を作ったって言う、成功例があればいいんじゃないかな?』
八幡『成功例…?まあそうだが…』
秀勝『ねぇハチ!』
八幡『あん?なに』
秀勝『ハチって性格面倒くさいよねー!』
八幡『ぐほぉっ!?』
秀勝『正直に話そうにも話しを二転三転させないと受け入れてもらえないところとかさ、すごい面倒くさい!』
八幡『がはっ!?』
秀勝『それに何より、人気者な人を見たら疎ましく見る癖して、1人になろうと必死なのとかさ、もう何がしたいのかわからなくて面倒くさい!』
八幡『げほっ!げほっ!』
秀勝『ねぇハチ!』
八幡『な、なんスカ…』ガクガク
秀勝『そんな面倒くさい人と友達だったらさ。成功例としては最高じゃない?』
八幡『』
秀勝『つまり、ハチ。あたいのために、織田家のために、もう一度友達になってください』ぺこっ
八幡『……ちっ、そういやコイツ、変なところで頭が回るやつだったな』ぼそ
秀勝『あ、あの、どうかな?』
八幡『………はぁ。あーもう、わかったよ』ガシガシ
秀勝『そ、それじゃあ!』
八幡『だが、友達っつっても何すりゃいいのかわかんねーぞ?』
秀勝『?今まで通りでいーよ?』
八幡『そうか?』
秀勝『だってさ、ハチ』
八幡『?』
秀勝『さっき友達をやめた時に自分で'もう"友達じゃないって言ったじゃん。だからこれまで通りでいいんだよ』
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
秀勝「ふぇへへ〜///」くねくね
思い出したら凄い恥ずかしい
でも、それより何倍も嬉しい
友達が出来たこと
ハチと友達になったこと
ふふふ〜、えへへ〜
八幡「……な、なにくねくねしてんのコイツ、気持ち悪っ」
ハチがなんか言ってる
ちょっと…いや、かなり引かれている気がする
あたいは目が覚めた
そうすると少し不安になってきた
秀勝「……ねぇ、ハチ」
八幡「え…!?喜んでると思ったら急に落ち込んだ?どうなってんだお前の喜怒哀楽」
秀勝「あたいに責任を取れって言ったけどさ、何をすればいいのかわからないよ」
八幡「え、あ、ああ。あの時の事を思い出してたのね。……あーんま思い出したくないんだが…」
秀勝「ねぇ、ハチ。どうすればいいの?」
八幡「はぁ…、最初から言ってるだろ?茶マゲと友達になってこいって」
秀勝「そうだけど……なれると思う?」
八幡「知らん。友達の作り方なんか知ってるわけないだろ」
秀勝「う〜ん。じゃあさ、ハチなら誰と友達になれると思う?」
八幡「は?俺?」
秀勝「うん。ハチが友達になれそうって思える人なら、直ぐにでも友達になれると思うんだ」
八幡「…それはアレか。俺並みのコミュ力で友達になれそうな奴なら簡単だと…そう言う事か」
うーん、それもあるけど
他にも理由があったりなかったり
八幡「友達にねぇ…。うん、いないな」
秀勝「まあハチならそう言うと思ったけど。それでも誰か1人くらいは教えてよ。そうだ!信奈様はどうかな?」
八幡「信奈を?」
あ、茶マゲって言わなかった
というか始めてハチの口から信奈様の名前を聞いた気がするよ
いつもは茶化してるけど
こうやって真面目になるほどハチにとっては重要な話しなのかな
八幡「信奈はねーだろ、性格わりーし」
だけど、出てきた言葉は最悪だった
うわぁ…信奈様が聞いたら怒りそう…
八幡「うーん、でも強いて言うなら…普段付き合うくらいなら…」
ハチは腕を組んで悩み始めた
そして言い放った
放ちやがった
八幡「うん。付き合うくらいなら犬千代だろーな。アイツは素直で優しいし、それに可愛いし」
おっとぉ?
中々の台詞が出ましたよ
あたいの口調も変になるくらい
この場に本人がいないとは言え、結構恥ずかしい事言ってるよね
するとそこで、背後に人の気配を感じた
秀勝「ん?———っ!?」
そこには3人の女の子がいた
額に青筋を立てて震えている信奈様
その後ろで逃げようとしている可成
そして……顔を真っ赤にして俯いている犬千代
八幡「ん?どうしたヒレカ………ツゥ?」
ハチも後ろを振り向く
そして固まった
あー、これはアレだね
ハチ、ご愁傷様です
あたいは信奈様に殴り飛ばされるハチを見ながら手を合わせる
はぁ、ハチの友達になれたのは嬉しいけど
これからもっと騒がしくなるかも
大変だよ