死した鶴   作:Гарри

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11.「死した鶴」

 ヴェールヌイが何の為に軍警捜査官を彼女の車で跳ね飛ばしたのかは分からなかったが、彼女の手助けなしにここを逃れられる気はしなかった。そして彼女の方も、そのつもりでアクセルを踏み込んだに違いなかった。最初に私へと声を掛けてきた時の穏やかさを消して、彼女は短く言葉を口にした。「乗るんだ!」痛む脇腹を手で押さえながら立ち上がり、後部席のドアを開く。そのまま体を投げ込みたいが、それはできない。最上と初月のどちらも、横転した車から一歩と離れていなかったからだ。呼吸を浅くして脇の傷が痛まないよう注意しつつ、小走りに二人のところに戻る。途中で、翔鶴姉の拳銃を拾っておいた。これは彼女の形見みたいなものだ。失う訳にはいかない。

 

 初月を持ち上げて、そのまま左肩に担ぐ。後は最上だ。彼女は諦念から来る億劫さを表情に反映していたが、生憎と私は諦めていなかった。腕を掴んで引っ張り、無理やり立たせる。妙に重いと思ったら、荷物を持っていた。のみならず、吹雪に挑む前に彼女には修復材を与えたが、どうも足にきちんと掛からなかったらしい。左足の膝下が変色し、腫れ上がっていた。立てなかったのはそのせいか。折れたのか、ひどい打撲か。どちらにせよ、一人では歩けなさそうだ。また、そうさせる必要もないだろう。

 

 肩を貸し、車の方へのろのろと歩く。ヴェールヌイも馬鹿じゃないので、じっと待っているだけでなく、あっちから近づいてきてくれた。まず意識のない初月を、助手席に座らせる。シートベルトはこの際なしだ。少し離れたところで倒れていた吹雪が、頭を振りながら立ち上がる。マズい。慌てて後部座席に最上を押し込み、最後に私が彼女の隣に入る。吹雪が猛然と駆け出す。ドアを閉める前に、ヴェールヌイは車を発進させた。私は後ろを見る。追ってくる吹雪の姿が離れていく──と、彼女は突如としてスピードを上げた。

 

 瞬きの間に、彼我の距離が詰まる。吹雪は右手を腰の後ろにやると、何かを抜いた。光の反射で、それが大ぶりなナイフだと分かった。そんなもので何をするつもりだ、という疑念は、直後に彼女本人によって晴らされた。吹雪はこちらの車のバックドアを目掛けて飛びつくと、ナイフを突き立ててしがみついたのだ。ヴェールヌイが舌打ちをして、左右に激しくハンドルを切る。吹雪は振り回されるが、落ちる様子はない。それどころか左腕を大きく振りかぶると、リアガラスに叩きつけた。車両用の強化ガラスが、たった一発で粉々に砕け散る。

 

 バックドアの窓枠に、吹雪の指が掛かった。そこでやっと、私は彼女が後ろから車内に侵入しようとしていることに気づいた。恐怖と焦燥が心の中で荒れ狂う。こんな怪物と、狭くて体が自由にならない車の中という状況で格闘戦を行いたいとは思わなかった。私の座っていた席の側面を指で探り、レバーを見つけて引く。リクライニングシートが傾斜し、私はその上を這って荷室へと転がり落ちた。肘を突いて起き上がり、まさに車内へ躍り込もうとしていた吹雪を突き飛ばそうとする。私の諸手の掌底が、彼女の胸を捉えた。

 

 やった、と思ったのも束の間、窓枠から車外に引きずり出されそうになる。吹雪は私の左手首を両手で掴んで、車からの放逐を防いでいた。咄嗟に殴ろうとしたが、すんでのところで止めた。殴ろうとしたって、彼女が掴む腕を一本増やすだけだ。ヴェールヌイに、蛇行を続けてくれと叫ぶ。いかに化け物じみた能力を持っていようと、振り回されながら一本の腕を頼りに車内へ戻るのは難しいようだ。よじ登る為に片方でも私を掴んだ手を離せば、そのまま振り落とされてしまうからだろう。だが、機を見て彼女は登ってくる。私の腕は、そんなことをさせる為にある訳ではない。

 

 右手を伸ばす。吹雪に向けてではない。彼女が突き立てたままになっている、ナイフの柄に向けてだ。正規空母艦娘の筋力を使い、金属同士の摩擦音を響かせながら引き抜く。吹雪は止めようとしたが、その度にヴェールヌイがタイミングよくハンドルを切って彼女の邪魔をしてくれた。私は強く握られたせいで感覚を失い始めた左手に、全力で指示を送った。中指を立てろ、と。

 

 吹雪の眼前に卑猥なサインを作ると同時に、ナイフを自分の左肘に突き立てる。刃先を関節に差し込んで外し、皮と筋肉を引き切った。私の腕を手に持ったまま、吹雪が地面に落とされる。彼女という重りを失った反動で、私は後ろに倒れこむ。ぶった切った左肘からは、ここ一、二年で見た中で最も勢いよく出血している。くらりと来て、私は全身の力を抜き、息を吐きだした。修復材は初月の車の中に置き去りにしてきてしまった。ああ、ヴェールヌイが用意しているかもしれない。が、ダメだ。彼女は運転に集中していて、吹雪が落ちたことには気づいているようだが、私の左腕がどうなったかまでは知らないみたいだった。声を掛けようにも、息をするだけで限界だ。

 

 止血しなければ。右手を動かし、腰にやる。ズボンからベルトを外して、止血帯代わりにしよう。でも、それも無理だった。私は自分の体と座席の間に挟まれたベルトを、引っ張って抜くだけの力も出せなかった。鼓動が早くなるのを感じる。嫌な汗が出てきた。ショック症状を起こしかけている。疲労感が押し寄せてきた。つらくてたまらない。諦めたくなる。このままどうとでもなるがいいさと、運命に委ねてしまいたかった。

 

 右手の指を左肘の傷に押し込む。痛みが百倍にも増して私を襲い、小さく掠れた悲鳴を上げさせた。その声に、最上が気づく。彼女は私の惨状を見る前から顔を真っ青にしていたが、目を大きく開くと、それまで大事に抱えていた荷物に頭を突っ込むようにして探し物を始めた。その必死さで、何を探しているのかが分かった。彼女が初月の車から持ってきた水筒を取り出し、私の体中に修復材が浴びせられるまでの短い時間、私は口の端を緩めて運命とやらを嘲笑してやった。傷が塞がり、再生されていく感触が収まると、疲れと安心のせいか、気が遠くなってくる。だが、身勝手に眠ってしまっては後が気まずい。そこで私は、小声で最上の名を呼んだ。

 

「何? 待って、動いちゃダメだよ」

 

 襟首を掴まれて、荷室から後部席に引き込まれる。最上は倒した座席の背もたれを元の位置に戻すと、私を席上に寝かせた。枕代わりは彼女の膝だ。庇うような素振りはないので、私の腕を治した時に自分の怪我も治療したらしい。人心地ついて、ふう、と息を吐きだす。それから、彼女に言った。「ちょっと、疲れた、かも」嫌われている相手に眠る許可を求めるのは、何ともやりづらい。そのせいで、私の言葉は迂遠で歯切れが悪いものになった。はっと息を呑んだ最上が、私の頭を掻き抱く。締められるのかと思ったが、そうではないようだ。

 

「いいよ、寝てていい。ちゃんとボクが起こしてあげるから、だからさ……」

 

 何だ? 急に優しくなったな。私は眉をひそめて最上の変化を不審に思いつつ、しかし彼女の快い承諾に感謝の言葉を述べることにした。もちろんその時も悄然とした態度は崩さず、眠いのが我慢できない人間の、最後の一言のような囁き声を出す。「ありがとう」そして私はもう一度、リラックスした吐息を少し長めに漏らして、目を閉じた。最上は私を抱いたままだが、まあこれはこれで彼女の体温がいい具合で、寝心地もよい。力を抜くと、右腕がするりと滑って席の端から落ちた。

 

 頑張れば頑張った見返りがあるものだなあ、とぼんやり考えながら意識の消失を待っていると、段々最上が腕に込めている力が強くなっているのに気付いた。それだけではない。彼女はぶるぶると震えている。熱っぽい水が、私の体にぽとぽと滴っている。しゃくり上げる声も聞こえた。からかいと愛情を混ぜ合わせた感情を、胸中でもてあそぶ。さてはこいつめ、久しぶりに本物の殺し合いを経験して、泣くほど怯えてしまったのか。

 

 初月はまだ起きそうにないし、ヴェールヌイは敵ではなさそうだが仲間でもない。この場限りの付き合いだろう。つまり私がこのまま寝ていれば、最上は気が落ち着くまで動転していられるという訳だ、変な表現だが。戦争中の私と彼女の間でこういうことが起こっていたら、きっと私は最上がキレて泣くのを忘れるまで揶揄していただろうが、彼女にとって今日は既に十分すぎるほどつらい一日になっている。膝枕の礼ではないが、私も優しくしてやろう。

 

 完全に意識を手放すことはできなかったが、脳の三分の二ほどを休ませることはできた。これは自己の生命が危険な状況にある艦娘としては、ほとんど気を抜いているのに近い休み方だったが、張り詰めた糸はすぐに切れてしまう。艦娘も同じだ。油断しすぎる馬鹿と油断しなさすぎる馬鹿は、人生のよい時期を死体として()()()過ごす羽目になる。生きていても()()()()()だ。

 

 下らない連想ジョークに笑って目が覚める。ベッドの中にいて、服は着た覚えのないものに変わり、切り落とした左腕は生えていた。部屋は暗かったが、何も見えないほどではない。私は起き上がると部屋の出入口近くにあったスイッチを押し、明かりを灯した。まぶしさに目を細め、ゆっくりと目を慣らしていく。ベッドサイドにはテーブルがあり、目覚まし用の小さな時計が置いてあった。手に取って見てみる。針は今が午後八時だと告げていた。結構長い時間、寝ていたようだ。

 

 ここは何処だろう? そう自問し、初月のセーフハウスでなければ何処だって同じ危険地帯だ、と答える。軍警の目から逃れられる場所があるとすれば、それは用心深い初月の隠れ家以外に他ならない。そう、初月はどうなった? 彼女の命の心配はしていない。私が気にしているのは、起きているかどうかだ。私より先に寝入った分、先に起きるのが筋だとは思うが、気絶した艦娘に筋を説いても仕方ない。

 

 とにもかくにも、現況を確認しなければならないだろう。たとえばヴェールヌイだ。彼女は何なんだ? 何故私たちを助けた? どうしてあそこに来ることができた? 彼女は龍田の元艦隊員のヴェールヌイなのか、それとも龍田や彼女の艦隊とは一切関係のないヴェールヌイなのか? 質問は山と積もっている。私は汚い言葉を呟いて、感じている苛立ちを発散させた。考えるのは得意じゃないのに、思考を要求される頻度がこのところ高すぎる。でも軍警司令の協力が得られれば、それからだって解放されるだろう。

 

 以前にも嘆いた通り、彼女と交渉する直前に軍警と事を構える結果になったのは残念だったが、これだけは幸いなことに、誰も死んでいない。野次馬に流れ弾が当たった様子はなかったし、吹雪にはフレッシュ(Flesh)な土産まで渡してやった。私たちが軍警の顔の上でタップダンスを踊ったのは認めるけれど、軍警司令が彼女の立場に相応の能力を持った人物なら、そのことにさえ礼を言ってもいいほどの重大事だと分かってくれる筈だ。

 

 部屋を出て、廊下を歩く。人声がしたので、どちらを目指せばいいかは迷わなかった。やがて私は声の出所と推測される部屋に繋がっているドアを見つけた。その傍に立ち、漏れてくる声を聞く。中にいるのは初月、最上、ヴェールヌイの三人らしかった。声の調子はやや硬めで、皮肉でなければ和やかとは言いがたい。何を話しているかまでは聞き取れなかったが、盗み聞きしていなければいけない理由もない。私は未知の人物と対面する時の緊張感を覚えながら、ドアを開けた。

 

 部屋に入った私が最初に認識したのは、最上の後頭部だった。彼女は私に背を向けて椅子に座り、テーブルを挟んで初月とヴェールヌイを相手にしていたからだ。身を捻ってこちらを見てくる彼女に、私は微笑みかけた。途端、最上は怒りの表情でぎろりと私を睨んだ。私は困った。怒られる理由が多すぎて、どれが彼女の機嫌を悪くしていたのか分からなかったからだ。思いついた理由全部が原因ということも考えられた。「おはよう、瑞鶴」「ええ、あんたも」初月と短いやり取りを交わし、私も用意されていた席に着く。

 

「ところで、私が寝てる間に何処まで話が進んだのか、教えてくれるでしょうね?」

 

 これは初月と最上に向けた質問だったのだが、答えたのはそのどちらでもなかった。ヴェールヌイは室内であるにも関わらず被っていた帽子を、くいくいとつまんでいじりながら言った。

 

「そう遠くまでは行っていないよ。行けなかった、と言うべきかな? 君が起きるまで、待たなければならなかったからね」

「あら、私抜きで始めててくれてもよかったのに」

 

 曖昧な笑みをヴェールヌイは浮かべた。初月が意地悪そうに唇を引きつらせ、鼻で笑ってその笑みを補足した。「最上がちょっと、な」それを聞いて、余計なことを言うな、という表情で最上が初月に食って掛かる。いよいよもって性悪駆逐の顔は喜色に染まり、彼女はテーブル越しに自分を掴もうとする最上の手を仰け反って避けつつ、私の元艦隊員が“上の空”だった理由を告げた。

 

「こいつな、お前が死んだと思っていたらしいぞ。いい話じゃないか、え?」

 

 小さく吹き出す。艦娘が、しかも正規空母がそんなにあっさり死ぬほど軟弱だったら、深海棲艦は戦争に勝っていただろう。確かに吹雪は数発の弾丸を私に食らわせ、左腕を奪った。人間なら死んでいても不思議ではない。しかしこの私は、瑞鶴だ。艦娘なのだ。最上だってそのことは分かっていると思っていたが、研究所で装備の試験ばかりやっている内に、自分たちがどんなにタフな存在であるかということを忘れてしまっていたらしい。やっぱり艦娘は敵と戦っていてこそなんだな、と思う。

 

 ともあれ、取り乱すほど心配されて悪い気はしなかった。元戦友をからかうネタも一つ増えて、これでヴェールヌイという扱いの難しい人物がいなければ、私はすっかり上機嫌になっていただろう。「それじゃ」と私は、最後に現れた者としての責任感から、そろそろ話を始めるべき時が来たことを示した。「あんたの話を聞きましょうか」威圧するようにそう告げるが、私の態度で彼女の平常心が揺らいだようにはいささかも見えなかった。話の取っ掛かりぐらいは作ってやろうと考えて、一つ訊く。

 

「どうしてあそこに来られたの?」

「暫く前から、軍警を見張っていてね。君らを追う彼女たちの背中にただ乗りしたって訳さ。その分、到着が遅れてしまって、間一髪ってところだったけれど」

「あんたは誰? ああ、ヴェールヌイってことは分かってるわよ」

「響と呼んで欲しいな、それが私の本当の名前だから。さておき、漠然に誰だと言われてもね。私は君たちが追っている龍田の艦隊で、二番艦を務めていた。その前は呉の教育隊にいて、更にその前は空挺艦隊で旗艦をやっていた。第()特殊戦技研究所で仮想敵を務めていたことだってあるよ。けど今じゃ君たちと同じ、脱走兵の一人さ」

 

 混ぜっ返すようなことをうそぶきながら、彼女はすらすらと経歴を述べていく。私は翔鶴姉の調査した彼女の経歴がどんなものだったか思い出そうとしたが、できなかった。でも、来歴の真偽は重要ではない。何の為に吹雪に立ち向かい、こちらに与したのか、それが一番聞きたいことだ。龍田の艦隊員たちはヴェールヌイを含め、みんな姿を消していた。それは彼女の仲間に加わってのことだと思っていたが、となるとヴェールヌイが私たちを救ったことの説明ができない。それを言うと、彼女はこくりと頷いた。

 

「それこそ私が一番聞いて欲しかったことだ。と言っても、動機なんていたってシンプルなものでね? 報復なんだ。龍田を、私の友人を変な企みに引き込んだ連中への。だけど、君たちと同じ恨みが少しあることは、はっきり言っておこうか」

「同じってあんた、翔鶴姉を」

「うん、知っているよ。彼女と私は、互いに互いの協力者の一人だった。私は翔鶴に頼まれて、そう、ちょっとした……()()を調達した。そうしたら彼女は私に代わって、報復を成し遂げてくれる手筈だった。もっともその前に翔鶴は殺されてしまったが、幸い彼女の遺志を継ごうとする君たちが現れた」

 

 そこで口が滑ったと感じたのか、ヴェールヌイはちらりと私を見て小声で「失礼」と謝った。翔鶴姉を亡くしてすぐの私だったら、「何が“幸い”だ」と叫んでテーブルをひっくり返し、掴み掛かっていたかもしれない。けれども復讐の為に費やした時間は、私の心の傷に対して鎮痛剤のように作用してくれていた。彼女の言葉を気にしていないと手振りで示すと、ヴェールヌイはほっとしたみたいだった。安心させたついでに、翔鶴姉とどう関わっていたのかを問う。彼女は内容をまとめる為に数秒口を閉ざすと、話し始めた。

 

 龍田が起こした単冠湾での事件が収束した後、ヴェールヌイは護送される戦友を見送る為に、軍警の護送車に乗り込んだらしい。そうして見送りは無事に済んだものの、その後で色々とあって(彼女は故意にその辺の事情をぼかした喋り方をした)、深海棲艦や過激派を国内でわざと武装蜂起させるという軍警内部の企みに、龍田が引き込まれたと知ったそうだ。その時には既に彼女の旗艦は説得でどうにかなる段階を越えていたらしく、ヴェールヌイは阻止を決断。協力者になってくれそうな人物を探していたところ、行方不明者たちの捜査を行っていた翔鶴姉の存在を知り、接触したとのことだった。

 

 細かい部分は省いているようだが、話の大筋は信用できそうだと感じる。ただ、気になった点が全くない訳ではなかった。翔鶴姉に調達したという武器とは何なのか? 私も初月も、翔鶴姉の家で武器らしいものを見つけた覚えはない。彼女はそれを何処かに隠したのかもしれない。どんなものだったのか聞くことができれば、探す上で助けになる。そう考えて尋ねたが、ヴェールヌイは苦笑して「もう持ってるだろう。暗号化されたあのデータだよ」と言った。

 

「軍警にとってあのデータの中身は、復号されていなくても組織を揺るがす爆弾みたいなものだ。脅すにせよ、交渉するにせよ、大いに役立つ。あるいは向こうに、君たちを殺す覚悟を決めさせてしまうかもしれないが……」

 

 話を聞いていて、一つ違和感を覚えた。ヴェールヌイが軍警について負の感情を込めて何か言う時、それはほぼ軍警全体への言及だったからだ。私たちの見立てでは、蜂起を目論んでいるのは連中の一部であって、全部ではなかった。だからこそ、軍警司令に接触しようと躍起になって、そのせいで最上の不法アクセスが露見してしまったりしたのだ。この認識のズレらしきものを解消しようとして話を振ると、ヴェールヌイは冷ややかな表情になった。

 

「いいや、一部などではないよ、瑞鶴。物的証拠を出せないのは認めるが、軍警察も軍警司令も味方などではない。君たちを殺そうとしたあの吹雪を、私は知っている。単冠湾の事件の時、軍警がオブザーバーとして送ってきて以来の付き合いでね。彼女は軍警司令の長年の秘書艦で、主人に忠実な猟犬だ。彼女が君たちの敵なら、軍警司令もまた同じくさ」

「それだって、お前がそう言っているというだけだろう」

 

 初月が指摘する。ヴェールヌイは気色ばむことなく、面白がってからかうような態度で「だから、そう前置きをしたじゃないか」と言い、中身のある反論はしなかった。私たちは黙り込んだ。考える時間が必要だった。命を助けられたのは事実だ。私たちを追ってきたあの吹雪と対立する側に、このヴェールヌイは立っている。龍田の起こした事件についても知っているから、単冠湾にいたというのも嘘ではなさそうだ。それら二つは信じてもいいだろう。だが単冠湾にいたということや、吹雪と敵対していることは、彼女のあらゆる言葉が真実であることを保証しない。

 

 ヴェールヌイは龍田のことで軍警に恨みを持って、その仕返しをしたいのだと言った。でもその為に取った手段は、翔鶴姉を利用するものだった。自分の目的の為に、他人を使おうとしたのだ。そういう手合いは、信用するのが難しい。それにことと次第によっては、例の暗号化された、軍警との交渉材料になるほどのデータこそが、あの“瑞鶴”をして彼女を殺させた原因なのかもしれないのだ。私の姉が死ぬ原因を作った可能性がある相手となっては、不信感を持たずにいることはできなかった。

 

 軍警司令は終戦をもたらした戦争の英雄であるだけでなく、強力な捜査機関を構築して人類と深海棲艦が共存する社会の秩序を維持し続けている、戦後の英雄でもある。ヴェールヌイが本当に軍警を憎んでいるなら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と結論したというのは、真実味のある仮説となる。

 

 私はこの謎めいた駆逐艦娘の名前を頭の中の要注意人物リストに書き加えると、五十鈴に再び連絡を取る手立てを考えようとした。彼女は龍田の籠城事件で軍警が送ってきたのが誰か忘れていたが、「それが吹雪だったか」と聞けば、思い出すかもしれない。ついでにそのオブザーバーだかアドバイザーだかが軍警司令の秘書艦だったかどうかまで聞ければ最高だけれども、そこまでは高望みと言われても仕方ないだろう。

 

 話を一度、変えることにする。現在のヴェールヌイが完全に信頼できる相手ではない以上、客観的な証拠もなしに誰が敵で誰が味方かという話を彼女と交わすのは無益だ。代わりに、私たちが散々に悩まされてきたあのデータにまつわる話を聞きたかった。第一に、データの中身は何なのだ? 海軍技術研究所系の暗号を使っていると最上は言っていた。軍警と交渉する材料なのに、どうして海軍が関係してくるのか。それは当然の疑問である。私は答えが返ってくるものと思っていたが、意外にも相手は返答を拒否した。

 

復号(デコード)の最中なんだろう。自分の目で確かめればいい」

「今言えない理由でもあるの?」

「率直に言うと、答えを知って怖気づかれるのを恐れている。翔鶴は知っても意に介さなかったが、君たちもそうだと判断する根拠がない」

 

 ヴェールヌイ(信頼できる)が聞いて呆れる胡散臭さだ。どうあっても答える気はなさそうなので、問い詰めるのはやめた。彼女は全面的な味方ではないが、敵でもない。考えなしに関係を悪化させなくてもいいだろう。協力できることが何か、出てくることだってあり得る。今はどんな事情でならそうなるか思いつかないが、実際にそういうことになった時に、喧嘩別れした経験が協調の足を引っ張るようなことがあってはならない。

 

 話が途切れて少しすると、私たちを吹雪から助け出した怪しい駆逐艦娘は、おもむろに席から立ち上がった。「さて、私は行くよ」と彼女は言った。こちらのグループに合流するつもりはないのだろう。私としても、その方が安心だ。引き留めることはしなかった。初月や最上と連れ立って、玄関まで見送る。去り際に、私は右手を差し出した。彼女は得体の知れない艦娘ではあるが、同時に命の恩人だ。その程度の礼儀はわきまえていた。握手を行い、別れの挨拶を口にする。「気を付けて、響」すると彼女は、教師が生徒を訂正するような調子で答えた。

 

「私の名前はヴェールヌイだ」

 

*   *   *

 

 へそ曲がりの駆逐艦を追い出してから部屋に戻った私たちは、ようやく気を緩めることができた。椅子の背にぐたりともたれこんで、初月に訊く。「ところで、ここは?」「僕のもう一つのセーフハウスだ。古い山荘だよ」山荘? 龍田の隠れ家もそうだった。この一致が偶然なのか何か理由があるのか気になって、試しに尋ねてみる。すると初月は面倒そうに答えた。

 

「戦争中に沿岸部で休暇を過ごせなくなった金持ちが、山の数だけ別荘を建てたんだよ。でも終戦して沿岸が安全になり、山には行かなくなって、大勢が売りに出した。数が出たから、値段が安くなった」

 

 そこまで説明を聞けば頭の鈍い私でも、偶然の一致ではなかったということは分かった。戦争は様々なことに影響を及ぼす。これもその一つだったということだろう。面白い話だと思ったが、初月と最上には当たり前のことだったらしく、何も感じていなさそうだった。退屈させるのもかわいそうだから、別の話をしよう。これからどうするか、私たちはもう一度話し合うべきだろう。新しく得た情報について、二人の見解も聞いておきたい。

 

 特に、軍警察関連の警告は重大な意味を持つ。もしヴェールヌイが言った通り、司令がこちらの味方にならないとしたら、私が試みようとしていることは自殺そのものだ。出身者である初月に、司令秘書のことを知らないかと尋ねる。彼女は肩をすくめて、気にしたこともなかったから、と答えた。得たものはなかったが、落胆はしない。何かの縁で関わり合いになったことでもあれば別だが、そうでなければ自分と関係のない相手に興味は持たないだろう。

 

 最上の考えも聞きたかったが、彼女は吹雪による追跡を受けた時にも死守した、私物のラップトップコンピューターと睨めっこをするのに忙しいらしい。生返事も返ってこないほどだった。そういうのはボクの仕事じゃないし、と言わんばかりの無視であった。遊んでいるようには見えないので、気にしないでおく。追われる身になったことを受け入れる為の時間も、まだ必要だろう。彼女は巻き込まれたのであって、初月や私のように自ら望んでこうなった訳ではないのだから。元艦隊員から視線を外し、今の相棒に目を向ける。

 

「初月、明後日の話だけど」

「おい、海軍記念館に行くつもりなのか? ハッキングがバレたのを忘れてないか」

 

 アクセスログを参照すれば、最上がどのファイルを見ていたかは分かるだろう。彼女がログを消去していたとしても、その痕跡が残っていれば無意味だ。最上はかなり急いで逃げ出したようだったので、跡を濁さずに立ち去ることができたとは思えない。戦友のプライドを傷つけたくないので、言葉にはしないが、きっと向こうは軍警司令の予定表を見られたと知っている。安全第一で行くなら、彼女の式典への出席も観覧も急遽取りやめになるだろう。無駄足になる確率は高い。更に、周囲の警戒も強くなる筈だ。行ってみたら司令はおらず、怪しまれた挙句に捕まってしまう、ということもあるかもしれない。

 

 それでも行かなければ、私たちは何も得られない。龍田の計画は、こうしている間にも進んでいる。軍警司令がそれに関わっていないなら、警告しなければならない。「だが彼女が龍田の仲間だったら、マズいことになる」と初月が言う。

 

「そうしたら、死に物狂いになった正規空母に何ができるか、その場の全員が知ることになるでしょうね」

「ああ、護衛が持ってる魔法の鉄砲で、七面鳥がスイスチーズに変えられてしまう前にな」

 

 覚悟を決めればできないことではない、だろう。私一人で司令との対面に行けば、損害も許容できる。翔鶴姉の復讐をこの手でできないことは死ぬほどつらいが、初月ならやり遂げてくれると信じている。

 

 すると私の小さな相棒は、腕組みをして顔をしかめた。「これが命を懸けるべきことか?」と表情が語っている。私はそう思うが、彼女は違うようだ。しかし私たちはずっと、司令を亡き者にしようとする一派が軍警にいて、龍田に協力しているか、彼女を操っていると考えて動いてきた。その大前提が崩れるか、保たれるかの局面なのである。崩れた時のことは考えたくないが、いやしくも艦娘ならば、真実に直面することを避けるような真似はできない。

 

「なあ、瑞鶴。一度きちんと聞こうと思っていたんだが……どうしてそこまでする?」

 

 出し抜けに初月からそんなことを聞かれて、私は目をぱちぱちとさせた。それから、冗談だと思って笑った。姉を殺されただけでは復讐の理由として不十分だ、と言うことができるとしても、それを言える誰かとは、間違いなく初月ではない誰かのことだ。彼女は姉でさえない他人の為に、死の危険を承知で私と組んでいるのだから、私の復讐に疑問を差し挟める立場にはないだろう。だけれども彼女は「いや、真面目な話だ」と言い切って、流そうとした私の気遣いを無駄にした。

 

「確かに僕もお前も、翔鶴の復讐の為に戦っている。けど僕はそれと同じくらい、自分が生き延びる為に戦ってる。でもお前は? 命を投げ捨てる勢いじゃないか。翔鶴と違って、折角生きているのに、お前はどうしてそうなんだ」

 

 言葉の最後に彼女は口だけ小さく動かして“馬鹿”と言ったが、私は気づかなかったふりをした。椅子に深く座り直し、息を吐く。折角生きているのに、か! まあ、否定はできない。私の心臓は動いている。脳も元気なものだ。手は龍田や彼女のお仲間を絞め殺したくて今にも震え出しそうだし、足も似たような理由で貧乏ゆすりがひどくなりそうだ。いつかあの“瑞鶴”を仕留める時が来たら、彼女の死体の上で飛び跳ねてやろう。そう考えて、先走りそうになる体を抑えつける。私はにやっと笑って、相棒の質問に質問を返した。

 

「生きてるだなんて誰が言ったのよ?」

 

 初月が字義通りでないこの発言の意味を解釈するのに、一拍の間を必要とした。それが済んだのを見計らって、私は口を開いた。そこまで長くはないが、大事な話だった。私がどうして艦娘になったのか、という話だ。誰でも艦娘なら、このストーリーを持っている。大半はつまらない、紋切り型の展開だ。十五歳の時に中学校で検査を受けて、適性があったから、友達みんなと一緒に海軍に志願した。何人もの馬鹿で純真な少女がそんな流れで艦娘になり、ある者は二度と帰らず、ある者は何かを失って戻り、そうでない者たちは終戦まで生き延びて、軍を除隊した。

 

 私はどうだったかとなると、少し変わってくる。まず、十五歳だった私には、艦娘になる気などなかった。検査は義務として受けるが、適性があっても志願を拒否するつもりだったのである。私以外の沢山の人々が代わりに戦ってくれるというのに、どうして私までその列に加わらなければならないのか、当時の自分は本当に不思議に思っていた。故郷には愛着があり、国や軍隊が嫌いという訳でもなかったが、特に望んで戦争に行くだけの強い動機を、私は知らなかった。

 

 中学を卒業して高校に入り、艦娘になった元クラスメイトが戦死したという話をちょくちょく聞くようになると、ますますその思いは強まった。かつての自分は正しい選択をした、と考えるようにもなった。今思い返すとお笑い(ぐさ)だ。あの選択に正しいも間違いもなかったのだから、それは極めて見当違いな評価だったのだ。しかし二十歳にも満たない子供に対して常に過つことなかれ、というのは無理難題というものだろう。

 

 私の考えが変わったのは十八歳の時だった。大学受験の勉強で根を詰めすぎて体調を崩した私は、点滴を受ける為に病院に来ていた。だが本当のところを言えば、点滴を受ける間は横になっていられるから病院に来た、というのが真相だ。家だと気になってつい参考書を開いてしまうので、病院まで行ったのである。

 

 ロビーで診察の順番待ちをしていると、不意に騒がしくなった。患者たちの声ではなく、医師や看護師たちの声だった。急患でも入ったのだと思って聞き流していたが、一人の看護師がロビーに来て、私たちに呼びかけた。その呼びかけというのが、人から聞いた話なら笑ってしまう類のものだった。彼女は私たちに向かって、緊急の輸血に使う血を求めてきたのだ。

 

 病院に来ている医療従事者ではない人々は、基本的にみんな体に問題を抱えている。患者という言葉の字面だけ見てもそれは分かる。そんな相手に献血を求めるのだから、言うまでもなく特別の事情があった。まず一つは、輸血の対象だ。彼女は艦娘だった。手足は繋がっていたが、死にかけていた。負傷し、修復材で治療はしたが、傷が塞がるまでに血液を失いすぎていたのだ。艦娘を死なせると、海軍に睨まれることもある。病院にとって、これは死活問題だった。

 

 二つ目の事情は、その艦娘の血液型が特殊なものだったということである。世界に数人というレベルではないにせよそれなりに珍しい血液型で、海軍基地の医療隊には備蓄が少なかった。その備蓄の血液パックも、病院に運んでくるまで救急車の中で行われていた延命処置により、使い切ってしまっていた。それでも病院に運び込めたのだから安心だと、医療隊の軍医殿は思っていただろう。ところがそうでもなかった。救急車の運転手が、本来行く筈だったのとは別の病院に搬送してしまったからだ。

 

 不運な艦娘は死に瀕していた。彼女を救えそうにない医師たちも、搬送ミスをした運転手も、死にそうな顔だった。もしかしたら、その艦娘が死んでいたら、実際に彼らも死んでいたかもしれない。けれども全員にとって喜ばしいことに、そうはならなかった。丁度都合よく、さしたる病気を持っていない上、輸血に使える血を持っている少女がそこにいたからである。つまり、私のことだが。

 

 休みを少し伸ばすぐらいの気持ちで、私は献血の求めに応じた。後で聞いた話では、全量の半分近い血を取ったそうだ。内容を盛ったところもあるのだろうが、取りすぎて私の方を殺してしまうんじゃないか、と看護師が慌てるほどだったという。そんな献身によって九死に一生を得た艦娘と私は、一緒の病室に入れて貰った。そして艦娘が早々に目を覚まして以降、私が退院するまでの間、二人はずっと話をして過ごした。私はたちまち話相手の豊富な人生経験に圧倒され、彼女を好きになった。彼女は名をこう名乗った──翔鶴、と。

 

 病室での楽しいひと時が過ぎた後も、彼女との交流は終わらなかった。住所を交換していたので、手紙をやり取りすることができたのだ。何度も何度も、毎日のように紙面で話すにつれて、私は彼女を本当の姉みたいに思うようになっていった。すると突然、罪悪感が私を苦しめ始めた。姉と慕う相手を、私は代わりに戦わせている。助けられる力があるのに、それを腐らせるままにしている。彼女が流すのは私の血、彼女の命は私の命なのだ。それが、知らない間に知らない場所で失われたら? 次に送った手紙が返ってこなかったら? そんなことを考えてばかりいた。お陰で大学受験には失敗したが、それで踏ん切りがついた面もある。

 

 十五歳の時の哲学は何処へやら、私は高校卒業と同時に志願した。翔鶴姉には黙っての行為だった。知られたら怒られて、無理やりにでも志願を取り消させそうだったから、訓練が終わって艦隊に配属されるまで秘密にしていたのである。もちろん翔鶴姉は怒った。あんなに怒った翔鶴姉は、その後二度と見なかった。それから暫くして艦隊が半壊し、翔鶴姉が強引に転属してきて再会して……後は、もう初月も知っている話だ。戦争を生き延びた翔鶴姉は、平和になった世の中で殺された。そして私も、彼女の最後の吐息が漏れた時、一緒に死んでしまったのだと思う。全てではないにしても、その幾らかは。

 

 死を厭わなくなったのではない。恐怖を覚えないというのでもない。追っかけてきた吹雪と来たらそりゃあもう怖かったし、生きていられるならその方が抜群にいい。けれど、仮に私たちに命の使い時というものが来たとしたら、真っ先に使い潰されるのは既に目減りした私の命であって欲しい。そう感じるようになっていた。それに翔鶴姉の喪失による影響を抜きにしても、初月も最上も私の戦友なのだ。できれば私より長生きしてくれると、単純に嬉しい。

 

 私が語り終えた後、他の二人は口を閉ざして目を伏せた。茶化せる話題ではなかったからそうなったのもしょうがないが、このままこの空気を引きずるのは嫌だった。そこで私も、前から初月に聞きたかったことを訊ねた。彼女の海軍時代の話だ。ぽつぽつとまとまりのないエピソードを耳にしていたが、誰が艦隊員だったかとか、その艦娘たちが今何をしているかとか、戦中は主にどの海域で戦っていたかなんて話は全く聞いていない。私の経歴がほとんど開示されていることと比べると、これは非常に不公平だと言えた。初月は鼻を鳴らすと、立て板に水の調子ですらすらと答えた。

 

「戦死したのが一人、戦闘中行方不明が一人、逮捕収監が一人、後は戦後行方不明だ。まだ聞きたいか?」

 

 中々壮絶な経歴が彼女にもあるようだ。これを聞くとなれば、じっくりと腰を据えてでなければならないだろう。体力も削られそうだ。話は惜しいが、先に済ませてしまわなければならないことがある。話してくれる気があるというだけで、今は満足しておくとしよう。私は微笑んで、「今日はやめとく」と一時延期を表明した。すると初月はそう答えられるのを知っていたみたいに笑い、冗談っぽく「明日もそうしろ」と言い返した。

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