こんなの大倶利伽羅じゃぬぇ!
大倶利伽羅はもっと一匹狼で慣れ合わないんだ!
亜種かな?転生してお爺さん、お婆さんに育てられて少し変わったのかな?
そんな訳あるかー!
大倶利伽羅ー!帰ってこーい!
………すみません、取り乱しました。
とりあえず、次回から本格的に本編が始まるかな?って感じです。
どうか見守っていてください。何卒!何卒、よろしくお願いします!
早いモノであの公園の出来事から数年が経ち、小学校3年生になった。
あれからなのはと廣光【大倶利伽羅】はずっと一緒に居る。ただ、いつも一人で行動しようとする廣光を制御できるのがなのはしか居ないので先生方は仕方なく、なのはと廣光を同じクラスにする事が多い。
「伽羅~、高町さんに構ってもらわないと一人きりで寂しいなー?」
「お前ばっかり高町さんに話しかけてもらってよぉ。ずりぃよな~」
なのはは男子だけでなく女子から見ても”美少女”のカテゴリーに入る為、陰では異性にとてもモテている。
その事から廣光は妬まれたり、からかわれたりするが全無視である。
「………」
「ちぇ、感じわりぃの!」
「あっち行こうぜ!」
男子に何か言われても全く気にしない廣光。
そんな廣光を遠くから見つめるクラスの女子達。
「伽羅君、無視してるけど気にしないのかな?」
「ただ単に怖いだけじゃない?」
「伽羅君、大人な対応…、素敵……」
「カッコイイよねぇ…」
そう、廣光も今は人間として生まれ変わったが元は付喪神。
その事からかは分からないが、生まれ変わる前と今も見た目は変わらず、見目もかなり良いので猫の様に気分屋でクールな所がカッコイイと言われている。
そういうところも男子から妬まれているのだが、本人は気にしない。
しかもそれだけではないのだ。
「あなたも相変わらずねぇ。」
「……バニングスか」
「まぁ、全くもって気にしてないみたいだけど。あなた、ちゃんと私達以外で友達居るの?特に男子」
「アリサちゃん、いくらなんでも失礼だよ」
「すずか、こういうヤツはね、はっきり言わないと分かんないのよ」
「慣れ合うつ「”慣れ合うつもりはない”でしょ?あー、はいはい」……」
「あ、アリサちゃーん」
この2人はアリサ・バニングスと月村すずかという。
この2人とはアリサがすずかのカチューシャをとって苛めていた時に、なのはがアリサを引っ叩いてお説教をし、後に取っ組み合いの喧嘩に発展したが廣光が二人の首根っこを掴み引きはがして終了となったという馴れ初めがある。
結果として親友になった女子3人に+1人(?)。
そう、何が言いたいかというとこの2人もかなりの美少女なのだ。
アリサはツンデレ系金髪美少女。
すずかは和風大人しい系美少女。
ちなみになのはは、元気おちょこちょい系美少女だ。(おっちょこちょいは余計なの!)(え?)
そんな3人から構われているのでは同性の友人はかなり少ない。
そう、一応ぎりぎり友人と呼べる同性は居るのだが、ほとんどが別クラスなのであまり接点がない。
そういった友人は「伽羅も苦労してるな」っと労わってくれるので、ちょっぴり嬉しいなんて思ってない。(笑)
まぁ、とにかくそんな美少女達により、男子からも女子からも遠目から見られるのであった。
ちなみになのはだけその事に気が付いていない。
友人について言うと、アリサは「ちゃんとした友達が厳選出来て良かったでしょ!」っと言い張り、すずかは「ごめんね。伽羅君」と言いつつ構ってくる。
もう、気にしない事にする廣光であった。
「廣光、次の授業終わったらお昼でしょ?屋上に集合ね」
「……行か「来ないと、なのはに連れてきてもらうからね」……」
そう言うとアリサとすずかは去って行った。
ここまで話た通り、何故かなのはに頭が上がらない。
理由は分かっている。
自分は今人間だが付喪神だった頃の力が残っているのか、驚いた事になのはと縁が結ばれており、主従関係になっている。
簡単に言えば審神者(さにわ)と刀剣男子(とうけんだんし)の間柄だろう。
詳しく知りたい場合はググれください。
そうして次の授業も終わり、お昼休みになったので屋上へ向かう。
正直行きたくないが、なのはの為である。
大分ゆっくり歩いてきたので屋上に着くとアリサに
「遅い!!あたし達半分も食べ終わっちゃったじゃない!」
と言われ、来ただけでも良いではないかと思う廣光。
「まぁまぁ、アリサちゃん来てくれただけでも良いじゃない?ね?」
「むー、ふん!なのはに感謝しなさいよ!しょうがないから許してあげるわ!」
この女、どれだけ上目線なんだとか思った。
とりあえず食事をしないと時間がなくなるという訳でご飯を食べる事にする。
お弁当をカバンから取り出し蓋を開けた。
「わ!廣光君、相変わらず美味しそうなお弁当!」
すずかが横から覗き込んでくる。
廣光のお弁当箱は2段になっており、上の段には、まっ黄色の焦げ目の少ないだし巻き卵、ホウレン草とベーコンの炒め物、エビの大き目なチリソース、ナスの生姜焼き。
おかずの献立はバラバラだがかなり美味しそうである。
下の段にはご飯の中央に梅干しが乗っており、その周りに軽くフリカケがかけてあった。
「そんな凝ったモノを作ってくれるなんて、お婆さんに感謝しないとダメよ?」
そうアリサが言っているのは廣光の両親は事故で亡くなり、親戚が居ないので祖父母に預けられて育ったという経緯がある。
その為、アリサは料理が出来るとしたらお婆さんしかいないと思ったのだった。
「全部手作りだ」
「見りゃわかるわよ」
「作ったのは俺だ」
「は?」
「作ったのは俺だ」
「「ええ~!?」」
アリサとすずかは思いっきり驚く。
まさか廣光が料理が出来るとは思わなかったのだ。
廣光は無表情で「いただきます」と言うとお弁当を食べ始める。
「あ、ひろ君、だし巻き卵とから揚げ交換しよー」
「………」
無言で隣に居たなのはのお弁当にだし巻き卵を入れる。
なのはも廣光のお弁当にから揚げを入れた。
「あ、あなた達ね~。熟年夫婦か!しかも、なのは!その反応は知ってたわね!」
「まぁまぁ、アリサちゃん。でも、本当に驚いたよ。廣光君、料理出来たんだ」
「爺さん婆さんには、世話になってるからな。家事は一通りできる様になった」
「「………」」
「えーっと、そういえば皆、作文の宿題どうするか決めた?アリサちゃんとすずかちゃんは決まってそうだね」
なのはがちょっと無理矢理ではあるが、話題を変えようと先ほどの授業で出た作文の話題を持ち出した。
「え?あー、うん。そうねぇ。うちは、お父さんもお母さんも会社経営だし、沢山勉強して跡を継がなきゃって事だけど」
「私は機械系が好きだから、工学系で、専門職がいいなって思ってる」
「ひろ君は?」
「なのは」
「へ?」
「その事はあんたが知っていればそれで良い。そこの2人なら他言はしないだろうが……後は知らん」
そう言うといつの間にか食べ終わっていたのか廣光はお弁当を片付けてカバンにしまい、屋上から出て行った。
「なのはちゃん、なのはちゃん」
「にゃ、はにゃ!?」
「うんうん、混乱してるね。大丈夫?」
「う、うん。大丈夫!」
「顔、真っ赤よ?なのは」
「にゃ、にゃははー!」
あんな事を言われたら流石に照れるというか、恥ずかしい。
「「で?」」
「で?」
「廣光のなりたい将来って何よ?」
「なのはちゃんは翠屋の跡を継ぐ感じかなって分かるけど」
「……先生以外には内緒だからね?」
「「うんうん」」
「うちの剣術?の跡を継ぎたいんだって」
「剣術?確かになのはの家に道場があったわね」
「うん、お父さんからお兄ちゃんとお姉ちゃんも習ってるんだよ。私は運動音痴だから習えないけど」
とほほーっと項垂れるなのは。
廣光が何故なのはの家の剣術を習いたいかというと純粋になのはを守りたいからというのもあった。
元刀の付喪神(刀剣男子)として強さも求めてしまうのはこの際、性と言えるだろう。
学校の先生には「今習いに行ってる剣道?道場を継ぎたい。もしくは手伝いたい」としか作文に書く気はない様だ。
実はなのはと初めて出会ったあの日。
家まで送って行った時に出会ったなのはの兄、恭也を見た瞬間、直ぐに剣術を習っている事がわかった。
歩き方、何気ない仕草、洗練された動きを見て廣光は直ぐに頭を下げた。
「自分に剣術を教えてほしい」っと。
その頃まだピり付いていた恭也は最初は断った。
だが、言葉少なに必死に願い続ける廣光に少しの興味を持った恭也は道場へ連れて行く。
ピり付く前の冷静な恭也なら気付いただろう。
廣光もまたその頃は幼いが、元とはいえ”刀剣男子”なのだ。移動している時に廣光の仕草で気付いていたハズだった。
そして軽く痛めつけて再び断ろうとしたのだが、確かに勝った。勝ったのだが大苦戦しての勝利だった。
まさか3歳位の幼子に苦戦するだなんて思わなかった恭也はピり付いた空気が晴れ、冷静に考え直す。
そして、しばらく仮門下生として剣術を習う事になったのであった。
だがしかし、苦戦したのは仕方ないのだ。
彼は生まれ変わったとはいえ刀剣男子として過去を守る為に戦っていた記憶がある上に何故か辛うじてではあるが、どういった戦い方をしていたかという感覚が恭也との戦っている時に思い出せてきていたからだ。
だが、3歳という幼い身の上に腕や足のリーチが短くて違和感が酷過ぎてしまい負けたという訳もある。恭也には内緒だが。
そして、どこかこのままではいけないと思っている自分(廣光)が居る事に気が付いたのだ。
そしてやはり本格的な刀の使い方を今世で改めて身に着けなければと思い、師事をお願いした次第だ。
どうやら正式名称【永全不動八門一派・御神真刀流、小太刀二刀術】という2振りの小太刀を使って戦う剣術流派らしく、今まで刀1振りで(本体で)戦っていたのでこの際慣れるしかない。
努力しようっと誓う廣光であった。
そうしてしばらくしてなのはの父親、士郎が目覚め、元々の素質があるので直ぐに本門下生となった。
だが、士郎は退院した後、剣の道は捨てパティシエ一本で生活することになった。
恐らく家族にこれ以上迷惑を掛けたくないという気持ちからだろう。
決して奥さんの桃子とイチャイチャした新婚夫婦の様な事がしたかったとかではないハズだ。………だよね?
まぁ、とにかく時は学校に戻り、お昼休みが終了した。次の授業の為に教科書、ノートを用意すると、ふと昨日夢で見た内容を思い出していたなのはであった。
「(助けてって言ってたよね?誰だったんだろう……)」
こうしてなのはの物語が少しづつ動いていくのだった。
大倶利伽羅が慣れ合っているのは、なのはが原因なのもありますが、お爺さん、お婆さんの教育もあったと思います。多分。恐らく。