とある放課後、帰る支度をしていた廣光【大倶利伽羅】はアリサとすずかに呼び止められていた。
「お茶会?」
「そ!次の週末にすずかの家でお茶会を開くの。あなたは強制だから断っても意味ないわよ」
「何故だ」
「なのはの為のお茶会だから」
「………」
確かに樹の事件から気持ちを持ち直した様に見えたが流石にまだ元気が出し切れていない。あの状態では隠そうとしても周りはすぐに気が付くだろう。
なので親友のアリサとすずかは気が付いたのだろう。
なのはに悩みや心配があるなら話をしてほしいという気持ちからのお茶会というのだ。
ならば逆に異性の廣光は邪魔ではないのか?と思ったのだが、
「私の見立てではあなたには辛うじて話してるみたいだからね」
むしろ共犯です。なんて言えない空気だ。
そしてよく廣光はその事を知ってる事に気が付いたなとも思ったのだった。
「何よりズルいわよ。あなたに話して私達には何も話さないなんて」
「………」
悔しそうに顔を歪ませるアリサ。
それを心配気に気遣うすずか。
廣光はそれをジッと見つめた後に
「はぁ……その茶会、なのはには話してあるのか?」
「え、ええ。真っ先に誘ってあるわ」
「言っておくが、なのはが話すか話さないかはアイツが決める事だ。だが、ある程度説得……しておく」
「!」
「わ、ありがとう!廣光君!」
「何度も言うが、話すと決めるのはなのはだ。あまり期待はするなよ」
そういうと廣光は教室から出て行った。
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学校が終わった後、修行の為に高町家に来ていた廣光は、なのはにまず話があるとなのはの部屋に向かった。そこで今日の帰りがけにあった話をする事にした様だ。
「え?2人にジュエルシード集めの事を話すか、話さないか……」
「あんたの事が心底心配なんだろうな。俺はどちらでもいい、なのはが決めろ。ただ、デメリットもあるだろうが、アイツ等の気持ちの事も考えてやれ。”自分がもしバニングス達の立場だったら”とな」
「あ……」
ため息を1つした後、廣光は立ち上がり、なのはの部屋から出て道場に向かう。
廣光が出来る事はココまでだ。
後はなのはが考え、2人に伝えるか否かを決めるだろう。
2人がどんな反応をし、確率はかなり低いが、もしなのはに何かあっても
「俺はあんたの味方であり続ける……」
「ただ、それだけだ」そう、窓から入ってくる風の音に消える程の声で呟く。
その風に吹かれ首元まで伸びている髪が揺れた。
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週末の日に廣光となのはだけでなく、なのはの兄、恭也も月村家に行くことになっていた。
廣光は知らなかったが月村家長女、忍(すずかの姉)と恭也は恋仲なのだそうだ。
……とりあえず別の部屋でよろしくやっててくれと廣光は密かにやさぐれた。
だが、この後廣光にとって天国の様な状況になる事を知らなかった。
「ようこそ、なのはちゃん、廣光君、恭也さん」
月村家は、なのは達が住む海鳴市の結構な古くからの資産家の家系なのだそうだ。
広い庭のある大きな屋敷に住み、メイドも少数ではあるが存在する。
そして、いきなりだが、すずかは無類の猫好きなのである。
捨て猫や、迷子の猫を見つけてしまうと拾わずにはいられない性格で里親が見つかるまで世話をしているのだが、大抵見つからず月村邸で飼う事になるので数多く猫が居た。
そして、廣光もまた猫が好きだ。
すずか程ではないと思いたいが、結構、いや、やはり無類の猫好きだ。(見かけによらず(笑)、猫だけでなく動物は好きだ)
自分の家にもミツ(ミツに関して詳しくは魔法少女リリカルなのはFechter 1振りを参照をお願いします)がおり、休みの日に修行以外で過ごす時、1人と1匹で縁側でのんびりするのが定番になっている。
それはさておき、恭也は忍と別の部屋に行き、なのはと廣光はテラスの方へ通された。
お茶会は穏やかに始まり、皆ゆったり過ごしている。
だが、その時間もすぐに終わってしまう。フェレットのユーノが猫に追い掛けられて追加のお菓子を持ってきたメイドのファリンが巻き込まれてしまった。
それを見て廣光が立ち上がり走り回る猫を素早く抱き上げ、猫も最初は暴れていたが猫の楽な体制にしてやる事で撫でてやると落ち着いたようだ。
ユーノの方を見るとファリンの足元でため息をはいた。
「廣光君、すごいね。その子、中々懐かない子だったのに」
「………猫は好きだ」
「ね!可愛いよね!」
「ああ」
すずかと廣光が今までにない程意見が合っている。
しかも通常よりも廣光の表情や声も穏やかだ。
そんな光景を見ていたなのはとアリサは
「むむぅー…!」
「(なのは……はぁ、まったくもう)」
なのはは腕を組み頬を膨らませ心なしか拗ねている感じで、アリサはその反応を見て「この子、こんな反応する癖に自分の気持ちに気付いてないのよね……」とか思っていた。
「あ、そうだ。お天気もいいし、庭に行かない?廣光君、庭の方が猫いっぱい居るよ?」
その言葉を聞いて縦に頭をコクコク動かす廣光。しかも早い。
「じゃぁ、決まりだね。なのはちゃん、アリサちゃん、廣光君、行きましょう」
こうして下にある庭の方で改めてお茶会を始める4人だった。
ただし、その中の1人はどこから取り出したのか分からない猫じゃらしで大勢の猫と遊んでいたと追記しておこう(笑)
しばらく、またのんびりとお茶会を楽しんでいると
「(え、これは魔力?まさか、この近くにジュエルシード!?)」
『なのは!』
『あ、ユーノ君これはもしかして!』
『ああ、ジュエルシードだな』
『……猫じゃらしで遊びながら念話に入ってこないでください』
『気にするな』
『『気にするよ』』
『………』
とにかくにもジュエルシードを探しに行かなければならない。
そこで咄嗟にキョロキョロとユーノが周りを見渡す。
そして庭の奥へ走って行った。
「ユーノ君!」
慌てて立ち上がるなのは。
「ユーノ、どうかしたのかしら?」
「何か見つけたのかも、ちょっと探してくるね」
「一緒に行こうか?」
「大丈夫、直ぐに戻るから」
『時間をずらして追いかける。先に行け』
『うん、わかった!』
そう念話で会話した後、しばらくした時に、
「やっぱり気になるから見て来る」
と、返事を待たずに走り出す廣光。
「少し遅れてしまったが、すでに封印はしたのか……?」
走ってしばらくすると恐らくユーノの結界だろう魔法が展開されているのが見える。(本来は見えるものではない)
結界に入るとガキィンッ!という甲高い音が聞こえた。
誰かが誰かと戦っている?
「(なのは!)」
いつもより速く走る廣光。
たどり着いた場所で横になって倒れている巨大な猫。
黒を強調しているバリアジャケット(防護服)を着た金髪ツインテールの少女がなのはに襲い掛かっているのが見えたので勢いで胸もとに隠してあった小さなナイフ3本を少女に投擲する。すると
「させないよ」
[Protection(プロテクション)]
そんな声が聞こえてきて少女の背後に紺色の魔法陣が展開されナイフを弾く。
「ありがとう」
謎の少女が聞こえて来た少年の声にお礼を言う。
「どういたしまして、怪我は…?」
「ないよ」
「良かった」
少女は一旦なのはから離れる。
するとそれをきっかけに少年自身も木々の間から出てくる。
「女の子の背後から攻撃なんて恰好悪い、よ……?」
出て来たのは眼帯を右目に着け、黒い表地に燕尾部分の裏地の華やかな赤い模様が印象的な燕尾服を身に着けている。廣光と同じ年位の美男子だった。
機械的な1振りの刀を腰に掛け、柄に手を置きながら喋っていたが廣光を見て驚いている。
そして、廣光も驚いていた。
「伽羅ちゃん……?」
「……光忠(【燭台切光忠】)か」
そう、刀の付喪神(刀剣男子)だった頃の仲間、幼い姿ではあるが恰好は刀剣男子の頃の戦装束のままであった。
ここにまた2振り(2人)の再会がなされた。
フェイトちゃんともう一人の刀剣男子の登場です!
やっと出せました出したかった2人!特に燭台切さん。
次回も出来れば週一更新目指したいです。頑張ります!