桜の花びらが散る前に   作:英吉利士官

2 / 2
桜の散り始めた頃に

あの出会いから半年経った。

桜は今、ポートマフィアに入っている。

半年前、幹部の中也に拾われ、必死に頑張っていたらいつの間にか中也の右腕になっていた。

腰までとどくアルビノ特有の白い髪、血のように赤い瞳、白磁器のように白い肌の桜がポートマフィアの廊下を歩いていると、首領に呼ばれた。

首領の部屋に行くときだけはどうしても鬱になる。なぜならー

ガチャ

「エリスちゃーん。お願いだからこの黒いフリルのワンピース着てよ~」

…またか、首領のロリコンぶりにはいつもドン引きである。あれがポートマフィアの首領で本当にいいのかと思ってしまうが、つっこんではいけない。

声をかけてみる。

「あの、首領…黒石 桜です。」

「エリスちゃーん。お願いだから~」

首領はまだエリスという名前の幼女を追いかけまわしている。

桜は息を吸い込むと

「首領!黒石桜です!」

驚いた顔で二人は桜を見る。

「え、えーと何かな?」

首領はエリスに聞いている。

「知らない!」

バタン!

大きな音をたてて、エリスは隣の部屋へ行った。

気まずい空気が流れる。

「えーと、君は何も見なかった。いいね。」

ごまかし始めた首領。

「…私はロリk…首領がエリス嬢を追いかけまわしていたところなんて見てなどいません。

一、切、見、て、い、ま、せ、ん!」

「…うん。まぁそれでいいや。」

首領が声を小さくしながら続ける。

「君を呼んだのはねぇ、中原君と一緒にポートマフィアの荷物を横流ししている連中がいるんだけどね、そいつらを×して…消して欲しいんだよね」

「あの、何で言い直したんだけどですか?て言うか何で私達が?」

桜がそう聞くと首領は、

「あぁ、それは小説的にもちょっと悪い気がしたからね。あと、何で君達かというと、相手には、異能力者がいるせいでうちの下級構成員って、異能力者、少ないでしょ?」

首領が聞いてくる。

「いや、私に聞かないでください。」

桜がそう言うと、首領は、

「あぁそう。まぁ、下級構成員は異能力者少ないんだよね。だから下級構成員を投入しても無駄でしょ?」

首領の言葉に桜は

「まぁそうですね。」

と言った。

「だから君達に頼みたいんだよね。」

首領がそう言うと桜は、

「一応は分かったんですが、中也さんには話したんですか?」

桜がそう訪ねると、首領は

「ん?まぁ一応は伝えたけど?」

(…「一応は」って)

桜はそう思った。

「とりあえず要件はそれだけだからもう帰っていいよ。」

首領にそう言われ、私は首領の部屋を出た。

しばらくすると中也からメールがきた。

[首領から仕事の件については聞いたと思うが、作戦結構時刻は、今夜12時にきっかりだからな。]

桜は[りょーかい]と返信するとポートマフィアの廊下を歩いていった。

ーA.M.12時ー

「準備はいいか?」

中也が聞いてくる。

桜は小さな声で「ええ」と答えると桜と中也はアジトに同時に直行した。

二手に分かれ、横流し連中をを消していく。

敵の返り血が服につくが、構わずどんどん消していく。

奥までいくと、一人の金髪碧眼の、美しい顔立ちの少年がいた。年は15といったところだ。

少年は、桜に

「やぁ、美しいお姉さん。道にでも…迷った訳でもないね、僕を×しに来たのかな?」

少し困った顔でこう聞いてきた。

桜はその質問を無視して質問をした。

「あなたがここの頭?」

すると少年は、

質問を無視するのは良くないと思うな。まぁ、いいや。僕がここの頭目[アレン]だよ。ま、君もう死ぬけどね。」

桜は「桜のノ花ビラノ下デノ死神ノ宴」という異能力を使用し異能空間から鎌を取りだし構えた。

少年は、それを見ると

「君も異能力者か。じゃ、僕の異能力も見せなきゃね?」

そう言うと少年の背後にスライムに目がついただけの異能生命体が出現した。

スライム状の異能生命体は桜に攻撃してきた。そのぬるぬるした体からは想像もできない速さで大きな口を開けて。

桜はその攻撃を鎌で受け止めると足に力を込め、大きく跳び天井を破壊した。

少年はあんぐりと口を開けて桜のを見ている。

今夜は三日月が出ていた。そして異能力を使った。

「夜叉姫!」

すると闇の中に白き花と見紛う程の美しい夜叉をが出現した。

桜には、相手の異能力を奪い月が出ている晩のみ発動できる能力がある。

相手の一瞬の隙をついて夜叉が首をかっ切った。

ザシュー

辺りに紅い鮮血が舞った。

桜が入り口に戻ると中也が待っていた。

「遅ぇよ」

大夫待っていたらしく不満気だ。

「ごめんなさい。少し迷ったの。」

桜がそういうと

「そうか…心配した。何もなくて良かった。」

そう言うと中也は桜に右手を差し出し

「なんかおごれよ」

と言った。

桜は

「分かった。心配かけさせたお詫びね。」

中也の手を取り、闇夜に消えていった。




二作目いかがでした?楽しんでくれたのなら幸いです。お気に入り登録してくれた人がいて
感謝感激です。q(^-^q)では、また。次回作で。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。