新世紀エヴァンゲリオン・鉄華。   作:トバルカイン

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やっと満足いく文字数まで出来ました。もし間違いがあれば何時でも教えてください。


第16話・祖は天を揺るがし地を砕き・摂理の怒りを知らしむる

ガタン・ゴトン。ガタン・ゴトン。そんな音と静かな揺れの中、徳四郎中将の手配した紅い列車に乗ってシンジ達は曰く付きの村『第14村』へと向かって行く。車両の中は徳四郎中将とシンジ達御一行しかいない。村に着くまでに徳四郎中将は『第14村』の事について話す。

 

「えー皆様、よくぞお集まりいただきありがとうございます。それでは皆様はこれから『第14村』に一泊二日の観光案内とその暮らしを体験してもらいます。しかしながらこの村、本当に色々『起きます』のでそのシルバーブレスレットは決して離さないでください。因みにそのペンダントは『第14村』の通行許可書の様なモノなので絶対に無くさないでください。もしも本当に紛失した場合、そのお客様の精神とその身の救済と処置は保証が出来かねますので悪しからず」

 

「ちょっと、私達どんな所に連れて行かれるのよ!?」

 

「そんな所にパイロット達も連れてくなんてどう言うつもりっ!?それに『第14村』は無くなった筈よ!」

 

ミサトとリツコの抗議に徳四郎中将は狼狽える事なく答える。

 

「大丈夫。ちゃんとシルバーブレスレットを付けていれば大丈夫だ。それに予備のシルバーブレスレットもちゃんと用意してるから。無くした場合、私に言うと良い。出来るだけの処置をしよう。でも出来る事なら絶対に無くさぬ事を願う。今回のピクニックはパイロットのお三方にも是非体験して、良く観て、適度に学んで欲しい。あの村に祀られている神と村に伝わる伝説と慣わしをね」

 

「アタシそんなの興味ないわよ、変な宗教を学ばせるわけ?」

 

アスカがジト目で徳四郎中将を見る。

 

「いや、ただの観光旅行だと思えば良いよ。弐波大尉。では皆様方。外の景色とお手元の駅弁を食して、お楽しみください。やっぱ電車の中での駅弁もなかなかのものだー!いただきます」

 

「いや、いただきますじゃなくて!!」

 

「アスカ、このえび千両ちらし美味い。レイは菜食弁当だよ。食べよ?」

 

「アンタもなんか言いなさいよっ!しかも、しっかり食べてるしぃ!!他のみんなも一緒かよぉ!?」

 

シンジとレイはもぐもぐと弁当にありつき、ミサトとリツコはとりあえずお茶を飲んでシンジと同じくえび千両ちらし弁当を食べ始めた。

 

「ちょっとこの魚類、大丈夫でしょうね?人類の海がどうなっているか分かっているわよね?」

 

「もちろんですとも赤城博士。私の伝手でご用意しました。ずごく貴重なモノなのだがこの時の為に『準備』しました。原産地は言えませんが味も鮮度も安全も保証します。さぁ召し上がってください」

 

「そう・・・・大丈夫なのね」

 

徳四郎の説明にリツコはそれ以上何も言わず食べる事にした。

 

「リツコ~私、こんな駅弁食べるの初めてーっ!!生きてて良かったわ!!」

 

「ミサト。あんたねぇ」

 

難しい事は考えずミサトはえび千両ちらしを有難く食べる様子を見て呆れる。

 

「まぁまぁ、そう難しい事は考えずに食べてこれからの事に備えましょう、赤城博士。これから色々な事を体験するのですから」

 

「そう、色々ね・・・・楽しみだわ」

 

そうして各々は滅多に食べられない駅弁を食し、列車は第14村へと進んで行く。

 

それから時間が経過し列車は第14村の駅へと到着した。シンジ達は列車から降りて身体を解す。駅の周りはしっかりと整備されているが、人の気配がない。そして生い茂る自然の森林は穏やかに涼し気な空気を運びその幻想的な感じを醸し出す。

 

「此処が第14村の入り口かしら?」

 

「行ける手段は今の所、この列車と限られている。時には車などで来れる事も出来るが・・・・道が入り組んでいて迷いやすいのだよ。でもたまにあるんだよね。人が迷い込んでこの村の住民になる人が」

 

「迷い込んだ人はどうなるの?」

 

「言った通り、住民になって幸せに暮らせたりしたけど、中には出ようして動いた人もいた様だ」

 

徳四郎中将の何か含んだ返答に皆何かを感じ取る。

 

「出ようとした人はどうなったの?」

 

アスカの問いに徳四郎中将は少し苦笑いな顔で彼女を見る。

 

「残念な結果になったよ・・・・皆、想像通りに死んだ」

 

「ちょっ!?」

 

「しかし、大丈夫。我々は普通に観光客や、お客さんの扱いをしてくれるから大丈夫。それに今は治安部もいるから大丈夫。今は少し普通の村として認識する程の治安レベルだから平気だって!」

 

「貴方の言うその安全基準が不安なのよっ!!やはりこの村は危険なのね!?」

 

「いやいや、大丈夫だって。平気だから私と共に一緒に第14村へ行こう、ホントに平気だって、ちゃんと話すとこ話すからっ!安全は私の名において約束する!」

 

ミサト達が鋭い所を責めて来るのを徳四郎中将は穏やかそうな顔で話して安全を主張する。そんな彼の様子にリツコは溜め息を出す。

 

「本当でしょうね?」

 

「うん。うん。大丈夫っ!それでは行きましょうっ!」

 

そうして、シンジ達は第14村へと足を踏み入れた。しばらく幻想的な道なりを進むとトンネルが見えて来た。その両脇には重武装をした警備員がいた。トンネルにはバリケードがあり、監視カメラも設備されてる程の様子だった。警備員が徳四郎中将を確認すると敬礼し、バリケードを開門する。

 

「この先が第14村だ。此処で話しておこう、この村では守って欲しいルールがある」

 

「そんなのがあるの?」

 

「あぁ、実に守って欲しい『ルール』だ。でないと命に関わる。精神の発狂だってありえる。だから絶対に守って欲しい」

 

ミサトの質問に徳四郎中将の雰囲気が真剣なモノに変る。

 

「一つ、深夜に外を絶対に出歩いてはいけない。二つ、『聖域』と言う場所に許可なく入ってはいけない。三つ、サイレンの音が鳴ったら必ず帰る。これを絶対に厳守して欲しい。そうしなければ・・・・恐ろしい事が待っている。命が惜しければ絶対に守るのだ。頼む、絶対にこの三つを守って欲しい」

 

そう言って徳四郎中将は5人の方に向き、頭を下げて誠意を示す。

 

「ちょっと、何よそのルール。守らないと本当に命に関わる訳?」

 

「関わる。絶対に死ぬ。絶対に発狂もする。恐ろしい側面がすぐ隣にあるのがこの村の姿だ。このルールを守れていればこの第14村は住み心地がよい村だ。空気も綺麗。畑も良い。飯も美味い。楽しい事もある、そんな村なんだよ。この第14村は、でも大丈夫。君達の安全は私や『みんな』が保証する。そこは信じて欲しい」

 

徳四郎中将の話に5人はそれぞれの不安を持ちながらも、最初に声を発したのはリツコだった。

 

「貴方の言う安全がどの程度のモノか知らないけど私は行くわ。此処が本当に第14村ならどうしても、知りたい事があるの」

 

「リツコ・・・・アンタ本気?」

 

「僕も行こうかな・・・・三つのルールを守ればいいんだよね?」

 

「シンジ君!」

 

「ちょっとアンタも行くつもり?」

 

「うん。此処に来てから背中が疼くんだ。それに・・・・」

 

シンジが自分の背骨辺りを摩る。そんなシンジの様子を見てアスカは気になる。

 

「碇君・・・・何かあるの?」

 

「呼ばれている気がする。この村にある何かがそんな気がするんだ」

 

「はぁ?何それ、アンタどうにかなっちゃった?」

 

アスカの台詞の後に徳四郎中将がシンジに近づき距離を詰める。

 

「シンジ君、シルバーブレスレットは身に着けているな?」

 

「持ってるけど」

 

そう言ってシンジは首に提げているシルバーブレスレットを見せる。

 

「それを額に当てて念じるんだ『自分は大丈夫』だと」

 

((((近い))))

 

「知ってる・・・・こうだよね?(近い)」

 

そう言ってシンジは自分のシルバーブレスレットを額に当て念じる。

 

「そうそう、合ってる、合ってる。良いよシンジ君。それで気分は」

 

「少し楽になった」

 

「やり方は前の住まいでかな?」

 

「まあね、二人が教えてくれた。此処の空気は何処か懐かしい気がする」

 

「うんうん。それは良かった。ちょっと失礼するよシンジ君」

 

徳四郎中将はシンジの目元を触り、目尻を確かめる。

 

「あのー何をしているのですか?」

 

「健診みたいなものだよ。大丈夫の様だな。行けるかい?シンジ君」

 

「大丈夫だよ。あと近い」

 

シンジの声に徳四郎中将は「おっと」と言い、距離をとる。

 

「いやー失礼した。まさか、まだ入り口までなのにシンジ君に変化が起きたのかと不安だった」

 

徳四郎は両手をひらひらさせて、安心する。そして第14村の入り口へと向き直る。

 

「それじゃあ、行こうか?聖なる旧支配者(ミスティックオールド・ワン)の眠る聖地へご案内」

 

そうして徳四郎は警備員と少し話すと彼らはバリケードを人が通れる位まで開ける。そのゲートを6人は通りトンネルを通る。しばらく歩いて行くとトンネルの向こう側なのか光が見えて来た。

 

「あの先かしら?その第14村って言うのは」

 

「あぁ、もうすぐだ。みんな気分は大丈夫だね?しつこいけどシルバーブレスレットは離さない様にね」

 

そして、全員がトンネルを抜けて見た光景は如何にも日本ならではの村々であった。田圃や野菜の畑もあり、村の人が耕したり、収穫したりと村人達は動いている。一見普通の村の様子だった。

 

「ここが第14村?見たところ普通ね」

 

「今はね、とりあえず泊まる所に行ってそれから教会へ向かおう。神父様には私から話しておこう」

 

「そうね、まずは一泊する所から見てみましょう」

 

「そうだね。まずは荷物を置いてから案内をするとしよう」

 

そうしてたどり着いた一軒家の宿ここは他の家と比べると幻想的特徴がある宿であった。

 

「まぁ、何と言うか古風があって良いじゃない。落ち着くわ~」

 

「これが日本のホテルみたいな場所?少し殺風景みたいなとこだけど」

 

「それも含めて良いモノだと思うと見方が変わるわ・・・・」

 

その時リツコは見たこの宿の柱の所に貼ってある御札の存在をでも、徳四郎は気にせず業務員と話を付ける。

 

「それではお部屋へと案内します。こちらへ・・・・あぁ、御札は気にしなくていいですよ。アレはただの結界の札ですよ。出来れば剝がさないでくださいね。『夜』が大変ですから」

 

「何かあるんですか?」

 

「あなた方第3東京市から来たんでしょ?でしたら知らないのも無理もないわ・・・・この村はね『夜』なると『お化け』が出るのよその結界の札はその為のモノなのですよ」

 

従業員の説明に徳四郎が続く。

 

「特に『深夜』なんかは危険だ。君達、今日は教会の視察は時間を取るから終わったら此処に戻ろう」

 

そうして皆は宿泊する部屋へとたどり着き一息つく。部屋は広く日本ならではの風格を現し彼らの心を落ち着かせる良い部屋であった。

 

「思ってたよりもいい部屋ね。何か和むわ~」

 

「此処が日本の宿泊部屋ね、まー悪くないじゃない」

 

「部屋の広さも悪くないじゃないもしかしてVIPの部屋かしら?」

 

ミサトやアスカとリツコが各々に感想を言う。

 

「僕もこの部屋に泊まるの?」

 

「もちろんだ。それにいざと言う時は君の行動が頼りになる。この村の空気には覚えがあるだろう?」

 

「・・・・・まぁね」

 

「ちょっと!この筋肉ダルマも寝泊りする訳!?」

 

「大丈夫だよ弐波大尉。シンジ君は信頼出来る。この徳四郎中将の名に懸けてその身の安全を保障しよう少し休んだら教会へと案内しよう。因みに私は別室で寝泊りするのでご安心を」

 

「そう・・・・バカシンジ!何かしたら許さないわよ!」

 

「まぁ、シンジ君なら私は大丈夫かな。私もそこは保障するわ。私がどんなにラフな格好でもシンジ君動じないのよ」

 

「アンタのその黄昏てる表情で言っていると本当みたいね」

 

3人を他所にシンジはレイを見る。

 

「レイは平気?」

 

「私は碇君・・・・シンジ君と一緒で良い」

 

そう言ってレイはシンジの傍に寄りシンジの手を握る。

 

「怖い?」

 

「誰かに見られている気がする。得体のしれない何かが・・・・怖い、シンジ君」

 

そう言ってシンジは改めてレイの手を見ると幽かに震えていた。

 

「レイ、シルバーブレスレットを握って・・・・それから額に当てるんだ」

 

「うん」

 

レイはシンジに言われてシルバーブレスレットを握り、その後額に当てる。そうするとレイの顔色が少し良くなったのをシンジは見た。

 

「レイ、大丈夫?」

 

「何なのよ?どうかしたの?」

 

ミサトとレイの問いにシンジは答える。

 

「みんな、シルバーブレスレットを使った方が良い。何かいる」

 

「と、言うか見られている様だ。私も感じた」

 

徳四郎も何かを察したのかシルバーブレスレットで清める動作をする。それに押されて3人もそうすると周りの空気が少し和らいだ気がしたのを3人感じた。

 

「何よ何処をどう見たって何も・・・・」

 

そうしてアスカが窓の方を振り向くとそこには、大きい3つ目の何かが彼らを見ていた。その瞬間レイはシンジにしがみ付く感じで飛び付き。アスカは驚いてバランスを崩し腰が抜けた。3人は驚愕し身構えたまま立ち尽くす。そこには窓に張り付いて此方を見る3つ目の巨人の様なモノはぎょろぎょろとシンジ達を見た後、窓から離れ何処かへと飛んでった。

 

「なっ・・・・何よ、あれ」

 

「言っただろう、この村のルールを守って欲しいと言う理由がこれだ。アレは『狂気の化身』まさか、こんな感じで接触してくるとは・・・・」

 

「レイ大丈夫?」

 

振るえるレイを抱きしめ宥めながら聞いてみるシンジ。そうしてレイが顔を上げると目尻に涙があったのでそれを拭うシンジ。

 

「シンジ君、私・・・・」

 

「大丈夫。僕がいる。だから大丈夫」

 

「・・・・うん」

 

レイは落ち着き、大丈夫なのを確認したのを見て次はアスカの元へ行く。

 

「アスカ、大丈夫?」

 

「・・・・・何よあれ、あんなのがこの村にたくさんいる訳!?」

 

「いや、アレは別だよ弐波大尉。どうやら今日は聖地の調子が良いらしい」

 

「何か起きてるの?」

 

徳四郎の台詞にシンジは尋ねる。

 

「どうやら、我らがミスティック・オールドワン(聖なる旧支配者)は我らに興味を持ったらしい。ちょっと教会へ行って来るからみんなは少し休むと良い」

 

そう言って徳四郎は部屋を出て行く。その後ミサトとリツコの二人はへたり込んだ。

 

「な、何よあれ、あれが『お化け』?」

 

「いずれにしてもあんなの普通じゃないわ、これが曰く付きの原因かしら?」

 

「アスカ立てる?大丈夫?」

 

「何なのよ、アレ。何なのよ・・・・」

 

「アスカ・・・・」

 

アスカは頭を抱えて蹲っていた。そんなアスカを見てシンジはアスカの傍に付き頭を撫でながら落ち着かせる。そうして撫でているとアスカの落ち着きが戻り、隣にいたシンジに話しかける。

 

「アイツに見られた時、何か嫌な不快感を感じた。まるで・・・・何かが突き刺さった様な感じ。何なのアイツ。何なのよ」

 

「大丈夫だよアスカ、大丈夫」

 

「バカシンジは平気なの?」

 

「ゾっとした。でも、アレの話しを聞いたことがある」

 

「それって何なのシンジ君」

 

アスカを撫でているシンジにミサトは声をかける。

 

「叔父さんの受け売りだけど、人間の中にある『狂気』の集合意識の様なモノだと叔父さん言ってた。アレの名は『狂気の化身』とも言われてた。奴は何処にでもいて、何処からでも現れると聞いた。それが何時から生まれたのかはわからないらしい」

 

リツコはシンジの話を聞いて落ち着きを取り戻すため、煙草で一服する。

 

「私も感じたわ、アレの不快感。いったいこの村で何があるのかしら?」

 

「そう言えばシンジ君背中はどうなの?」

 

ミサトの問いにシンジは自分の首筋辺りを触って答える。

 

「少し・・・・疼いてる感じ。大丈夫」

 

某所・教会の地下室。

 

 

「何事かね?この惨状は」

 

「はい御神中将!!なぜか急に活性化し始めました。何人かが発狂してしまい。今は落ち着いています。発狂した者は鎮静剤を打てば治りますが・・・・・それよりこちらをご覧ください」

 

白衣を来た研究員が徳四郎にあるモニターを見せる。そこには巨大な背びれの様なモノが写し出され、別のモニターにはそのグラフが表示されている。

 

「ここ最近です、まるで『彼』が来たのを待ち望んだ様に・・・・」

 

研究員が言い終わる前にドクンと音が鳴る。そう、これは生命の鼓動。

 

「アレに変化は?」

 

「まるで心臓の様に脈動を繰り返してます。何かを待ち望んでいるのでしょうか?」

 

「おそらくな・・・・・これも『旧支配者』の御心のままに、か」

 

「どうします?やはり彼をここに・・・・」

 

「あぁ、神の子と『絶対神』を引き合わす。これはミスティック・オールドワン(聖なる旧支配者)の導きだ」




本日はこれまで、これで今年中に投稿出来て良かったです。次回は教会へと続きます。
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