初期の艦これ   作:弱箔

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26 日も暮れて戻って来た

 

 

 

 

日も暮れて大和の部屋?に戻って来た

五月雨と電は途中で別れた

 

「遠慮なさらずに、どうぞ」

 

玄関口で戸惑っている私に入る様に促す大和

 

「えっと、状況が飲み込めてないんだけど、ここって大和の部屋でいいんだよね」

 

「ええ、大和の部屋ですよ、といっても大本営勤務の艦娘は皆さんこういった居室を割り当てられますけど」

 

「私は、宿舎を割り当てられたと思ったけど」

 

「宿舎の方がよいですか、それならご案内しますが」

 

なに微妙に悲しそうにしてるんだ、意味わからん

 

「ええと、どう言えばいいんだろ」

 

「?なにかご不明な点があるのでしたら遠慮なくおっしゃってください、教導艦に指名されていますし生活全般のフォローも職務の内ですから」

 

「私は宿舎で寝起きした方がいいんだよね」

 

何考え込んでるんだ、こっちの言い分が伝わってないのか、どう言えば伝わるんだろ

 

「ああ、そういえばすっかり確認するのを忘れてました」

 

何をだ、なにを忘れた、この新造艦は

 

「叢雲さんさえよろしければ、ここで大和と共同生活出来ますよ、如何でしょうか」

 

はい?!なに、どう言う事、共同生活?大和と?なにがどうなるとそうなる、宿舎はどうなった

固まってしまった私を見て大和が続ける

 

「宿舎にご案内した時には大和が教導艦になるとは思っても見なかったので、一通りのご案内は致しました、ですが、先程述べた様に研修生の生活全般のフォローは教導艦の職務でもありますし、何より叢雲さんは昨日の試合で原因不明の状態になっています、事情をまた聴きの宿舎管理艦よりは現場で見聞きしている大和の方がお近くでフォローすべきと考えますが、如何ですか」

 

原因不明の状態?たぶんあの勝手に喋ってたアレだろうとは思う、アレについて私はなにもわからないし知らされてもいない、現場に居た中で今日顔を合わせたのは大和だけ、か

 

「それって大和には負担じゃないの、確か秘書艦とかいうのをやってるんでしょ、それに大本営所属艦としての任務もあるんじゃないの」

 

あ、また困った顔、でも笑顔を貼り付けるのは忘れないって感じの顔、その顔嫌いなんだけど

 

「あー、それは問題ありません」

 

そんな困った顔で問題ないとかいわれてもまったく信用ならんのだが、司令官の長門なら根拠とか理屈とか抜きに自信満々にしてるのが当然な雰囲気があった、目の前の新造艦にはそれがカケラも見当たらない、正直不安だ

だけど、大和の言う様にまた聴きしかしてない管理艦?より大和の方が対処に期待出来るか……な、ああ、もう、あの二人に突っ込んだ話をしておけばよかった

 

「共同生活というのなら、お互い遠慮しても変な蟠りが出来るだけだわ、条件を出し合いましょう、それで妥協なり折り合いなり着けられそうなら、そうしましょうか」

 

おい、今、大和の後ろに激しく左右に振れる尻尾が見えたんだけど、幻視かな

 

「条件というのは?」

 

「お互いに、といったでしょ、先ずは大和の条件を聞きましょうか」

 

「大和は特にありませんが」

 

この新造艦は、これだからダメなんだよ、どうしようかコレ

 

「そんな事言って良いの?生活上の雑事全般一人でやるの?私にはなにもさせないつもり?そんなのは共同生活とはいえないんじゃないの?」

 

おお、見る見る小さくなっていく、さっきのはやっぱり幻視だった様だ

 

「ええと、どうしたらいいでしょうか」

 

なんだろうねこの新造艦は、それを言えといってるんだが通じてない

 

「大和には教導艦という事で色々面倒かけるのが確定しているんだから、もっと強く出ていいと私は思うけど、なにか隠し事でもして後ろめたいとかじゃないんでしょ」

 

またあの顔だ

 

「取り敢えず、その顔はやめて」

 

「?」

 

「その困ってるのに笑顔を貼り付けた顔を見せないで、駆逐艦の攻撃本能を凄く刺激するから」

 

なにを驚いてるんだ、演習の時にも沈めるといったはずだ

 

「え!?演習の時に沈めるといっていたのは、あれ、もしかして本気で言ってました?」

 

「大和が硬すぎて沈め切れなかったけどね」

 

なんだその驚きつつも嬉しそうな顔は、コイツ変な趣味でも持ち合わせてるのか

 

「なるほど、それが想定外に大きくなった原因でしたか」

 

「?」

 

なんだそれは

 

「いえ、あの時のダメージが予測値よりも大きかったんですよ、大和の装甲と叢雲さんの装備した魚雷の想定値から算出したのに誤差では済まされない値が出て兵装開発の妖精さんが有り得ないって大騒ぎでしたよ」

 

「……それを大破で済ませるあんたの耐久の方が信じられないんだけど」

 

大和の言い分を真に受ければあの時の私は想定以上のダメージを与えた事になる、それでもこのクソ硬い戦艦は沈まなかった、もしかして駆逐艦ではこの新造艦を沈められないのではないか、いや、なにか方法はある筈だ

 

「あのー、叢雲さん?なにか不穏な事を考えてませんか?」

 

ん、顔に出たかな

 

「例えば大和を沈める算段とか……」

 

「よくわかったわね、何処かで時間を作って兵装開発の妖精さんに相談しなくちゃいけないわ」

 

「ちょっ、そんな事は相談しなくてもいいんです、あの四連装魚雷発射管に積まれているのは酸素魚雷ですよ、炸薬量だけなら戦艦の主砲並なんですから」

 

戦艦といっても色々いるよね、どう考えても大和の主砲には届いてないし、そもそも戦艦の主砲弾と魚雷では特性が違い過ぎる、炸薬量だけ比べても意味はない

 

「それが条件かしら」

 

大和が合点がいかないって顔してる

 

「共同生活の、条件、あるじゃないの、ちゃんといいなさいよ」

 

なにを感心顔してるんだか、大丈夫か

 

「今日の所はお互い出し合ったし、続きは明日にしましょう、初日に全部決める事もないでしょうし、それとも今決める?」

 

ふるふると首を横に振る新造艦、まあいいけど

 

「では、共同生活を始めましょうか」

 

あ、尻尾が見えた、幻視だよね

 

 

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