初期の艦これ   作:弱箔

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33 大和が教導艦に指名されたのは偶然じゃない

 

 

「取り敢えずそこの初期艦の方はわかった、で、話を戻すが、大和がこの初期艦の教導艦に指名されたのは偶然じゃないと、オレ達は考えている、ホントに思い当たらないのか?」

 

おい、いきなり放置か、こっちはなんだか訳が分かってないんだが、最初の天龍は思ったほどいい人ではないらしい

 

「そういわれてもですね、何処からも指示などは受けていませんし、教導艦の選出は教務課の領分です、もし、天龍さんのいわれる様な事情があるのならそちらに問い合わせた方が良いかと」

 

ああ、放置のまま話が進められていく、割り込むべきか止めとくべきか

 

「そういわれればそうだな、其処に割り込もうとしたら秘書艦権限でも持ち出さないと無理だろうし、大和にそこまでする理由があるかってのは疑問だな、考えてみれば」

 

少し考え込む様になる最初の天龍

 

「佐伯司令官に初期艦に要望されたってのは、理由としては薄いか」

 

これは口の悪い天龍だ

 

「薄いってか、大和は佐伯司令官と面識ないだろ、無理があるんじゃねーか」

 

これはいい人の天龍

 

「だな、その線は流石に無い、いくら大和でもそれは無い」

 

考え込むのを止めた最初の天龍がそう結論付けた

どういう意味だ、私の司令官の望みを大和が聞き入れないって事かな

んーと、幾ら戦艦でも大和にはそこまでの権限が無いって事か、でも秘書艦権限とかを使えばどうにかなると、そういえば格技場でも相応の事情があればって言ってた、役職に付与された権限を行使するには相応の理由が必要って事ね、理由も無くそれをやったら職権乱用ってヤツか、成る程無理だね

ん、そういえば秘書艦って初期艦の代わりに出来るかどうかを試験中?とか言ってたっけあの妖精さんお気に入りの視察官

 

「そういえば、大和が私を案内してくれたのは視察官が呼んでくれたからだよね」

 

「視察官?誰の事だよ、お前さんは人を名前で呼ばないのか?」

 

なんか凄い疑問形で最初の天龍に聞かれた、人を個人の固有名称を含めて呼ばないのはそんなに不自然な事なのか

 

「視察官呼びなんですね、未だに、初対面の時はそうだったのでしょうけど、一時的な役職をそのまま使い続けるのは他の方に通じませんので改めた方が良いと思いますよ」

 

大和からも訂正する様にいわれてしまった、視察官でないとするとなんで呼べばいいんだろ、視察官個人の固有名称なんて知らないんだけど

 

「初対面の時に視察官だった?最近誰か視察になんて行ったのか」

 

いい人の天龍が他の天龍に聞いてる

 

「予定表には載ってなかった、この初期艦は来たばかりだろ、おかしくないか」

 

なにがおかしいのか、あの天龍は本当に口が悪い

 

「あの視察は急遽決定されたので予定表に反映されていません……」

 

ん、なんだ?大和の雰囲気が

 

「私だって老提督の所在を散々聞き込んで探し回って秘書艦権限振り翳してやっと足取り掴んだと思ったら、既に鎮守府へ視察に出発された後でしたよ!!」

 

ななな、なんだ!?大和が急に饒舌になって捲し立ててるんだけど、なにがあったの?!

 

「えっと、大和?なんか苦労してる様だな、俺等で良ければ話を聞くぞ?」

 

あんまりな様子にいい人の天龍が驚きつつも続きを促してる

 

「あ、いえ、過ぎた事です、忘れてください」

 

なにも無かったかの様に優雅な動作でカップをソーサーから取る、如何見ても何かしらあったのは間違いない、コレ踏み込んで良いのかな

 

「大和、そういう所だぞ、何でも抱え込んで吐き出さずに溜め込んじまう、お前さんに幾つかある悪い所だ」

 

最初の天龍もこう言ってる

 

「まあ、戦艦から見れば軽巡なんて頼り無いってのはわからんでは無い、けどなオレは天龍さまだぜ、そこらの軽巡と一括りにしちゃいけない、なんせ世界水準超えてんだぜ、この天龍さまはよ!!」

 

ナニソレ、口の悪い天龍が凄い自信満々で態々立ち上がってまで胸張って大威張り状態だけど、ナニソレとしか思えないんだけど

大和を見れば呆気に取られてた、そりゃそうなるよね

 

「ふふっ」

 

お、何だ大和が笑った?

 

「そうですね、聞いてもらえますか、あの時ーーー

 

 

 

 

 

あまりに長い大和の愚痴が吐き出された為、続きを促した天龍達でさえ疲労の色が濃い

 

「と、取り敢えずメシ食いに行かないか」

 

もう時間的には昼食というより午後のお茶の時間だ、兎も角大和が溜め込みやすい性格な事だけは良くわかった、今度からは天龍達だけでやってもらいたい

 

「そうですね、沢山お話ししたのでお腹が空きました」

 

この大和の一言で天龍達が顔色を変えた、何をそんな顔する事があるのか、アレだけ喋り倒せば当たり前の話だ、そういえば視察官は大本営ではその当たり前が分からないとか言ってた様な気がする、まさか、ね

 

「仕方ない、ちょっと先行って話つけてくる、お前らはゆっくり来てくれ」

 

そういうと最初の天龍が何処かへ走り去った、慌てて何処に行くんだろ

 

「そういうこったから、ノンビリと行こうか」

 

ゆっくりと立ち上がりつつ言ういい人の天龍

 

「じゃあ、待機場にでも寄るか?遠征隊の誰かしらいるだろうし、紹介しといてもお互い損は無いだろ」

 

それに続く口の悪い天龍

 

「という事なんだが、大和はそれでいいか?」

 

いい人の天龍が聞いてくる

 

「はい!」

 

なにを嬉しそうにしてるんだ、如何いう事なのかイマイチわからん

 

「お前も猫の手ぐらいの役には立つだろ」

 

まだ猫いうかコイツは

 

この時私はわからなかった、この口の悪い天龍の言っている意味を

 

 

 

 

 

この後艦娘しか利用しない食堂で普通に食事をした

大和の食事量がアレだった事を除けば普通に食事をした、以前大本営本棟の食堂で昼食を摂った際の様な変な空気も無く、セルフサービス式の食堂としては至って普通だった

確か此処を利用するには事前申請するんじゃなかったっけ、私はそんなのしてないんだが、今回は一抜けした最初の天龍が処理したらしい

お陰で此処の利用方法の説明が後回しにされてしまった、この食堂を利用する機会なんて幾らでもあるから後日の楽しみに取っておけとかいわれるし、なんだかなぁ

 

こちらの用件は大和が食べながら済ませた、私と天龍三人を合わせた四人分の量を軽く超える食事を摂るにはそれなりに時間がかかる、その時間を利用して教導方針の相談を、後に非番の多い訳を聞いた

聞いてみれば先程言っていた巻き込まれてるというヤツがそうなのだとか

なにやら大本営内がかなり慌ただしく動いているそうだ、鎮守府に配属されていた最初の初期艦の撤収命令と関係があるとは思うが具体的な所は天龍達も知らされていない、そもそも遠征隊に大本営の細かい動きは伝わってこないんだとか、なんでそんな体制になっているのか聞いたら、それこそ研修でやるから楽しみにしておけと言われてしまった

 

なんか体良く門前払いを食わされた感じだけど、研修でやると云われれば教導艦の大和から教えてもらった方がいいだろう、私としても天龍に大和と代わってもらいたいわけでは無いし

 

 

 

 

 

「御夕飯は軽目でも大丈夫ですか?」

 

食堂で天龍達と別れて部屋に戻って来た、それで聞かれたのだが、大丈夫といえば大丈夫だけど、確か食材的にも軽目で済ませないと買い出しに行かないとダメだよね

今から買い出しか、どうしようか

 

「買い置きのがあるならそれでいいわ」

 

「そういうのはないですね」

 

大和の性格的なモノなのかレトルト食品(完全調理済み保存食)の類いは買い置きしないらしい、料理上手はこうなのかな

 

「んー、じゃあちょっと買い出しに行って来る、なにか買って来るものはある?」

 

「あ、大和も行きますよ」

 

「大丈夫よ一人でも、大本営の中なんだし、買い物の仕方も教わったし、ちょっとした実地訓練とでも思って待ってて頂戴」

 

「そうですか、ではちょっと書き出しますね」

 

え、書き出すってなにを?エッ、そんなにガッツリと買い物すんの?これから?!

おおう、予測というか見込みを大きく外した、けどまあ仕方ない、自分でいい出した事だし、どうにかしましょう

私としてはちょっと一人で考えごとする時間が欲しかっただけなんだけど、仕方ないわね

 

 

 

 

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