初期の艦これ   作:弱箔

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~幕間劇~
62-c


 

 

 

第二陣を率いて来た初期艦はこちらとの打ち合わせの通りに研修を、特務艦の研修を始めている

工作艦が工廠に通い、給糧艦と補給艦は施設管理室で海自の皆さんから後方支援のレクチャーを受けている

 

因みに鎮守府に滞在する事になった六隻の内給糧艦二隻と補給艦二隻は同室となり工作艦は事務艦と同室となった、駆逐艦は鎮守府に滞在せず先発隊の旅客船を寝床にしている、なんでも先発隊との打ち合わせの為にその方が都合が良いんだとか

お陰で三部屋用意する予定が二部屋で済んでしまった、どういう訳か工作艦は一人部屋を嫌がったので事務艦と同室という事になったが

 

初期艦の報告では給糧艦と補給艦では後方支援の意味が違う様で補給艦が戸惑っていると言って来ている

給糧艦は施設管理室のレクチャーを素直に受けてはいるが実地研修が出来無い事に不満がある様だ、実地研修といわれてもなにをどうすれば良いのか、私は知らない

補給艦の戸惑いは後方支援と言ったら戦線の後方であって銃後のことでは無いということらしい

工作艦は工廠で妖精さんと仲良くやっている、らしい、らしいというのは報告ではそうなっているが、見た感じ、工作艦が妖精さんに避けられている様に見えるからだ

工廠の妖精さんにそれを聞いた所、あの艦娘は謎過ぎると言って来た

どういう事か詳しく話を聞いて見ても妖精さんもよくわからない様子で要領を得ず、こちらとしても対処法がわからない

 

有り体に言って、特務艦の研修は多難だという事だ

取り敢えずこの特務艦には工廠で予備検査を受けるように手筈を整えて初期艦に通知、了解を得た後実施した

 

結果、工廠の妖精さんが騒ぎ出してしまった、それこそなんの騒ぎだと憲兵から指揮所の自衛官まで工廠の周りに詰め掛けるほどに

 

「で、一体なんなのだ」

 

騒いでいる妖精さんに聞く

 

'アレはダメだ''ここでは手に負えない''他所へ移せ''私達の造った''艦娘では無い'

 

「どういう事だ?」

 

建造艦の建造場所が問題になる事などこれまでになかった、艦娘では無いとは?

 

'こっちの二隻は兎も角''向こうの三隻はダメだ'

 

なんだって?補給艦は兎も角工作艦と給糧艦がダメだとは、どういう事なんだ?

 

'そこの艦娘らしきモノ''我等''妖精に等しい''モノだ''艦娘では無い'

 

妖精さんが特に反応しているのが工作艦だ、艦娘では無いとすら言っている

 

「あー、なんて言ってます?妖精さんは」

 

なんだろう、とてもお気軽に聞いてくる工作艦、建造艦らしく妖精さんの声は聞こえないらしい

 

「なんだかわからん、補給艦は兎も角、給糧艦と工作艦はウチの工廠では手に負えないらしい、対処出来る場所へ移す様に言って来てる」

 

「私達も、ですか?」

 

給糧艦が不安そうに聞いてくる

 

「あんた達、泣き言はなんとかしてからにしてもらうわよ」

 

そう言って割り込んで来たのは第二陣を率いて来た初期艦だ

 

'無茶を言うな''ソレは我等''等しい存在''艦娘では無い'

 

「同じな訳ないでしょう、大本営で建造された艦娘よ、艦娘を見放すつもり?」

 

'大本営とやらで建造した''ならばそこで診ればいい''ここで手を掛ける必要が無い'

 

「特務艦はこの鎮守府に必要なの、大本営でお飾りにされる訳にはいかはいのよ、なんとかしてもらうわよ」

 

'断る''初期艦と雖も''我等に''命令も''強要も''出来ない'

'初期艦は我等と意見を違えるのか'

 

あらま、聞いていたらなんだか初期艦と工廠の妖精さんとで険悪な雰囲気になって来たんだけど、どうしようか

 

「司令官、放っておいて良いのか、よくわからんが、雰囲気が張り詰めている様に感じるが」

 

居たのか隊長、まあ、これだけ人垣が出来ていれば居てもおかしくはないか

 

「初期艦は予備検査を受けたのか?」

 

取り敢えず口出しはしてみよう、どうなるかは、時の運ってヤツかな

 

「私?受けていないけど、私も受けた方が良いの?」

 

「なら、受けておけ、妖精さん、初期艦の予備検査を頼む」

 

'わかった''初期艦''予備検査くらい''簡単に終わる'

 

取り敢えず険悪な雰囲気は解消された様だ

 

 

 

 

 

初期艦の予備検査は問題無く終了した、が、何故かその後の妖精さんの様子がおかしい

どう言い訳か初期艦を避けている、それも工作艦を避けていた様な感じでは無く、明から様に逃げている、と見えるくらいに初期艦を避けている

あんまりな様子に工廠へ出向いて妖精さんに話を聞いてみる事にした

 

「おーい、話を聞かせてくれ」

 

私の呼び掛けに恐る恐るといった感じで顔を覗かせる妖精さん

 

'あの初期艦はいるのか''あの初期艦はなんだ''あり得ない存在だ'

 

なんだろう、妖精さんは何か言いたいんだ?

 

「予備検査の結果は見た、特に問題ない様だが、どうしたんだ」

 

'アレは叢雲だ''叢雲が複数いる''あり得ない''我等が確保している''別の存在'

 

同型同名艦なんて珍しくもない、何を言っているんだ?

 

「確かに叢雲だが、同名艦がそんなに奇妙か、ありふれてると思うが」

 

'同一の存在''我等が確保している''叢雲と同一の存在''あり得ない'

 

「すまないが、いっている意味がわからない、何があり得ないんだ」

 

'最初の初期艦''我等が確保している存在''同一の存在''別の存在'

 

ん?妖精さんにはウチの叢雲とあの第二陣を率いて来た叢雲の区別がつかないのか、いや、そんなはずは無い、妖精さんが同型同名艦の見分けが付かないとか、ナニソレ状態なんですけど

 

'司令官''説明を求める''あの存在''何なのだ''我等が確保している存在''同一の存在'

 

説明をといわれても、なんの説明がいるんだ?

取り敢えず説明らしいものはして見るか

 

「今予備検査を受けた叢雲は以前長門が連れ帰ったドロップ艦だ、ここで良く話をしていたと聞いている、ウチの叢雲は妖精さんの方がよく知っているだろう、何を聞きたいんだ」

 

'ドロップ艦''長門''連れ帰った''初期艦''以前よく話していた''叢雲'

 

なんだろう、妖精さんが集まり出して塊になり、動かなくなってしまった

全くこの謎の生物はどうしたもんか、と思っていたら散り出した

 

'司令官''あの初期艦''入渠させろ''それではっきりする'

'このままでは工廠に支障を来してしまう'

 

何を言いだすかと思えば、そんな資材は無い事くらい知っているだろうに

 

「無理」

 

そういったら妖精さんから抗議の意思表示があった、具体的な所は省くが面倒臭い事この上ない

しかし妖精さんの抗議は根強くボイコットまで示唆して来たため折れざるを得なかった

損傷無しの艦娘を一番に入渠させなきゃならなくなった、ウチの艦娘達が変に勘繰らない事を願うしかない

 

 

 

 

 

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