最悪・最凶・最弱の転生者   作:taku846

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2 学校

 僕は入学式翌日の授業を適当に聞き流しながら、この魔窟と化した学校での身の振り方について考えていた。

 今のところ目立つ行動をした転生者はいない。

 

 だが水面下で何かアクションを起こそうとしている奴等はいる。

 さぁて……僕はどう動こうかかな。

 

 生憎僕にはこの世界、『魔法少女リリカルなのは』の原作の知識はない。

 知っていることと言えば主人公の名前が「高町なのは」ということと、そのライバルが「フェイト・テスタロッサ」という名前だけだ。

 

 あまりアニメ知識のなかった前世の僕が名前だけとはいえ知っているのだから、かなり有名な世界なのだろう。

 案外、あの神がこの世界に666人もの人間を転生させた理由も、知名度が高かったというだけかもしれない。

 

 本当かどうかは分からないがあの神は適当に死んだ魂を666人集めたと言っていた。

 その中には僕とは逆にこの世界に物凄く詳しい人間もいるはずだ。

 

 まずはそういう転生者を見つけだし、知識を奪うような能力を使うか直接聞き出すかしないといけない。

 これから先の未来を知っているかいないかでは、アドバンテージがかなり違ってくる。

 

 これからのことを考えると出来れば知識を奪う能力を、「能力を奪う能力」で他の転生者から奪い取っておきたい。

 たがそれにはいろいろと問題があるのだ。

 

 まず一番の問題はこの体。

 どうも前世の体と比べると、年齢を差し引いても弱すぎるのだ。

 

 それには神に貰った能力「大嘘憑き」が関係してくる

 原作『めだかボックス』のキャラクター、球磨川禊の能力「大嘘憑き」。

 正確には彼の能力は能力ではないのだが今は関係のないことだろう。

 

 「大嘘憑き(オールフィクション)

 

 それは現実を虚構に。

 あったことをなかったことに出来る強力な能力だ。

 

 だが原作『めだかボックス』で球磨川禊はその強力な能力に比例するように、その身体能力はかなり弱かった。

 自分で人類最弱という程に。

 

 そしてどういう訳か分からないが、何故か僕の体は恐ろしく弱い。

 まるで能力に引っ張られるように、身体的特徴が似てきているのだ。

 

 現に今の僕の顔は原作の球磨川禊にそっくりだ。

 別にあの神には能力以外は貰っていないのに、いざ生まれてみれば「球磨川禊」という名前をつけられ、「球磨川禊」の姿で転生している。

 

 ……おそらくこの辺のことはあの神が言っていない重要な事なのではないだろうか。

 つまり一番の問題とはこの体。

 

 何をするにも体力が続かない。

 少しの距離を走ってもすぐに息がきれる。

 

 周りの他の転生者の中には、明らかに小学生ではありえない身体能力の片鱗を見せる者もいるというのに。

 何か対策を立てないとこのまま戦闘になればなぶり殺されるだけだ。

 

 もし体が能力に引っ張られるならば、おそらくこの身体能力の低さはいくら鍛えても全く意味がないだろう。

 別のことで他の転生者と差をつけなければならない。

 

 ……能力。

 そう、能力だ。

 

 僕には他の転生者の能力を奪いとる能力がある。

 それを使い、能力を集めまくる。

 

 他人の夢を踏み潰し、希望を喰らい、努力を否定する。

 そうして僕は強くなる。

 

 最悪に、最凶に、最弱に。

 自分の復讐のために、恵まれた人生を送る他の転生者を殺すために。

 

 そうしていつも通りにニヤニヤと笑いながら、僕はまず最初の獲物を探すことにした。

 

 

 

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