無事大学受かりました。
更新頻度は上がると思います。
さて、正義サイドと初顔合わせした訳だが、結果は上々と言ったところだろうか。
黒刺くんも虚々路ちゃんも大きな怪我はなく、あったとしても僕の
今日は襲撃した翌日の真っ昼間。
そんな訳で今日は。
『反省会をしたいと思いまーす』
「唐突だなぁおい、球磨川さん」
「だから私の家に来たのですね――以上」
と言うことで反省会をするために虚々路ちゃんの家のリビングに集合中。
普通であれば虚々路ちゃんの両親がいて反省会などできないのだが。
『そういえば虚々路ちゃんのご両親はどうしてるんだっけ?』
「都合のいいことに2人とも海外旅行中ですね」
とこんな感じに都合よくいない訳だ。
どうせあの神がいろいろ手心を加えた結果なのだろう。
まったく、吐き気がする。
「おいおい、小学生1人置いて海外へ仕事とか頭おかしいんじゃねぇの?」
「ええまぁ。私は幼稚園からこんな調子なので、親もそうそうに育児など放棄して逃げました。元から仕事人間だったようですがね――以上」
『ほんとに人間性を疑うよね!』
「球磨川さんが言うと皮肉にしか聞こえねぇな……」
『黒刺くんも結構ひどいよね!』
「その両親のおかげでこうして自由に使える家が手に入ったのですから。その辺りだけ感謝してもいいですかね――以上」
幼稚園の頃から身の回りの世話を全て1人で行ってきた虚々路ちゃんは可愛げが全くなく、それどころかかなり不気味であったようだ。
それでも小学生を残して放っておくなんてどうかしてると思うけどね。
『さて、それじゃ反省会。黒刺くん虚々路ちゃん、2人とも戦ってみてどうだった?』
「神廼正樹は中々面白いやつだった。使う能力はよく分からなかったが、全体的に青い大きな大剣を軽々と使ってきたな」
「神条トオルはよく分かりませんね。何度も何度も蜻蛉切で割断してあげたのにピンピンしていました。その度吹き飛んでいたので、命中はしていたのでしょうけど――以上」
ふむ。
流石にこんな序盤で全力でこちらを撃退してくることはなかったか。
不意討ちということもあったのだろうけど、彼方もこれで僕はたちのことを認識したのだから次からは容赦なく殺しにくるだろう。
まだ彼らの能力の全容は分からないなぁ。
彼らも馬鹿ではないはずだから、奥の手として能力をいろいろ隠しているはずだ。
今から劇的かつ悲劇的に彼らの能力を根こそぎ奪うのが楽しみで仕方がないよ。
「そう言えば少し気になったのですが」
『ん? なんだい虚々路ちゃん?』
「ぶっちゃけた話、球磨川さんには私たちが必要だったのですか? その気になれば貴方は1人で世界を壊せる力を持っているのではないですか?――以上」
『うんまぁね。大嘘憑きで世界をなかったことにしてもいいし、スタンド「グリーン・ディ」でカビを振り撒いて世界が崩壊していくのを眺めてもいいし、宝具「
でもね、違うんだ。
そんなつまらない勝ち方をしたって何の意味もないんだ。
『だけどそんなことはしない。だってつまらないじゃないか。せっかく目の前に僕たちの敵がいるんだぜ? 世界を滅茶苦茶にするのは神崎くんを倒してからでいい』
「……そうですね。安心しました。私の目的が叶う前に球磨川さんが世界を壊してしまうことはないのですね――以上」
「てかよぉ、球磨川さんよぉ。何か球磨川さんを見てると神崎とかあの4人以外にも何か目的があるように見えるんだけど、そこんとこどうなんです?」
『そうだね。僕には彼らを倒した後の最終目標がある』
正直な話、神崎たちなんて目じゃないくらい僕はそいつを憎んでいる。
今回のこんなふざけたゲームを主催し、僕の前世のくそったれな人生を演出してくれた一番の元凶。
『神殺し、それが僕の最終目標さ』
黒刺くんも虚々路ちゃんは僕の言葉を聞いて何も言わない。
黒刺くんは少し驚いているようだったが、虚々路ちゃんはいつも通り人形のような感情を写さない瞳で僕を見つめるだけだった。
『君たちがなんて言われて転生したかは知らないが、そのとき神から言われた言葉はみんな嘘さ。この世界はあの転生するときに会った神が、ただ暇を潰すために開いたゲームにすぎない』
神は全知全能ではない。
もちろんそんな神もいるだろうが、あの神はもっと格が低い神だったはずだ。
『あの神は恐らく転生や争いを司る神だ。じゃなかったら、こんな大量の人間を他の世界に送り出すことなんて出来ないはず。付け入る隙はそこにある』
部屋を沈黙が支配する。
うーん、やっぱり彼らには無理だったかな?
「……神を殺すってのをどうやるのかは分からないが、俺は球磨川さんに付いていくって決めたからな。何よりあんたと一緒にいたほうが楽しそうだぜ」
「私は私の目的が果たせればそれでいいのです。今のところ球磨川さん、貴方の側にいたほうが一番効率がよさそうなので、これからもよろしくお願いします――以上」
『ありがとうみんな! これからよろしく頼むよ!』
「――面白そうな話をしているじゃない? 私も混ぜてくれませんこと?」
その声は突然聞こえた。
声は僕たちがいるリビングのテーブルのやや上から聞こえる。
そこへ視線を向けると、両端をリボンで結んだ線が空中に浮いていた。
「喰らえティーズ!」
「結べ蜻蛉切」
その不可思議な物体へ直ぐ様攻撃を加える黒刺くんと虚々路ちゃん。
だが2人の攻撃が届くことはなかった。
「外野は少しだけ黙って頂きましょうか」
2人の攻撃が直撃する寸前、何の前触れもなく黒刺くんと虚々路ちゃんはまるで電池の切れたおもちゃのようにその場に倒れる。
完全に意識を失っているようで、「ごとんっ!」と テーブルに強く頭を打ちつけたままピクりとも動かない。
「さぁ、これで静かになりましたわ」
空中に浮かんだ線はその言葉と共に開かれる。
すると真っ先に目に飛び込んできたのは「目」だった。
線が開いた向こうに広がっている空間にあったのは大量の目。
ギョロギョロと辺りを見ている目は酷く不気味で、とてもではないが長時間見ていたいと思う物ではない。
そしてその空間から這い出てくる者がいた。
上半身だけその空間から出てきたのは、頭に「絶世の」と付くような美女。
フリルが所々にあしらわれた紫色のドレスを身に纏い、両手は肘まである白い手袋で覆われている。
恐らく腰まで届くほどの綺麗な金髪をしており、女性はこちら見るとニコリと笑う。
「初めまして、私、八雲紫と申します。以後お見知りおきを」
胡散臭い。
それが僕が彼女に抱いた第一印象だった。
仕草の一つ一つが、見るものを魅了するその笑顔が、全て胡散臭い。
まるで全てが嘘のように、全てが偽物のように感じてしまう。
だが今はそんなことは重要じゃない。
少なくとも彼女、八雲紫は黒刺くんと虚々路ちゃんを一瞬で無力化できるほどの化け物ということだ。
僕は頭の中でどの能力を使うか考えながら、彼女の挨拶に返した。
『初めまして、僕の名前は球磨川禊。それでその初めましての八雲紫さんが何のご用かな?』
「ええ、今日は挨拶に来ました」
『挨拶?』
「はい。悪役としての貴方方に、私たちの勢力を認知してもらおうと思いまして」
と言うと後ろの空間に右手を突っ込み1つの扇を取り出し開く。
八雲紫はその扇で口元を隠すと、その力を解放した。
圧倒的プレッシャーが僕を襲う。
まるでここだけ重力が何倍にもなったかのような、体を磨り潰されるような圧倒的力を目の前の八雲紫から感じる。
「私たちは私たちの理で動く勢力。そうね……貴方の言葉を借りるなら妖怪サイド、とでも言いましょうか。とりあえず今はそういう力をあることをご存知ください」
『ぐ……うぅ……。ふふ、それでその妖怪サイドの八雲紫さんの要件はそれだけかい?』
「ええまぁ、今はそれだけご存知であれば十分ですわ。貴方方、悪サイドと正義サイドの戦いなど今のところ興味はありません。傍観者としてゆるゆるとこの舞台を眺めさせて頂きます」
『邪魔はしない……と?』
「何を持って邪魔であるかは貴方と私で違うでしょう。介入するかもしれないし、そうじゃないかもしれない。ただ1つだけ言えることは、貴方方が私たちの目的を邪魔をすれば容赦はしないと言うことです」
「パチンっ」と扇を閉じる八雲紫。
すると今まで感じていた重圧が嘘のように消え、それこそなかったことにしたように体が動いた。
「なるべく敵対しないことを期待していますわ。それではさようなら。小さな悪役さん」
そう言うと八雲紫は体を目玉の浮かぶ空間に引っ込め、音もなくその空間を閉じて消えてしまう。
嵐のようにやってきた化物は、巨大な力の片鱗だけを見せて悠々と帰って行った。
……これからの作戦に少し修正を入れようかね。