日本兵 in the ガルパンworld!!   作:渡邊ユンカース

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最近.LIVEのアイドル部というVtuberにハマってしまいpixivを網羅する日々が増えました。


冷静沈着

「なるほどそういうことでしたか」

 

エリカはこれまでの経緯を聞いて理解したかのように相槌を打つ。隣に居るみほは相変わらず苦笑のままであるため、非常に俺とまほの強固な心を傷つける。

唐突にエリカは俺の顔を凝視すると、次のようなことを言い放つ。

 

「けど隊長。いくら信頼できるからってホイホイついていっちゃいけませんよ」

「安心しろエリカ。伍長さんはセクハラ紛いの発言はするが基本的には紳士的だ」

「えっ」

 

弁護のつもりかまほが弁論するも、返ってそれは逆効果であり、俺にセクハラというレッテルが貼られてしまった。このことを聞いたエリカは俺に対して軽蔑の視線を投げかけ、一歩後ずさる。

おかしい、俺は何もしていない。確かに俺はまほが小学生ぐらいの時に一緒に風呂でも入るか、と発言したことはあるが、それは単に銭湯で父親の入る男湯の方に娘が来るような感じだったのだが……。

 

「ま、まあアレは伍長さんの軽い冗談だったわけだし……」

「そ、そうだ! 人を勝手に痴漢扱いするのではない!」

 

これ以上被害を拡大させるわけにもいかないので軽い冗談だという嘘を吐いた。

ちなみに風呂の話は結果的にまほと一緒に入ることなく終えたわけだが、その後しほ殿に滅茶苦茶に怒られてしまった。俺に幼女趣味など皆無だぞ、俺が好きなのは出る箇所が出てて締まる箇所は締まっている女性だ。米国風に言うなれば、グラマラスボディーというモノだ。

 

「……隊長、いくら昔からの付き合いだからといっても関係を見直した方が良いと思いますよ」

「何故そうなるのだ!」

 

エリカがまほに耳打ちをするも、内緒話は俺の耳に届き思わず吠える。このままでは俺の立場も危ういため反論を行う。

 

「第一、俺は妹分であるまほとみほには欲情しない。俺は光源氏でもないからな」

「光源氏という古めかしい言い回しを使う人なんてドラマだけだと思ったわ」

「まあ確かに伍長さんは無意識にセクハラしてるところはあるけど……」

「そうだなみほ」

「姉妹揃って勝手に同意しないでくれ。ほらさっさと入室しようぜ」

 

延々とこの状態が続きそうであったので話を逸らすために目的地であるゲームセンターへと足を踏み出す俺。その足は先のものよりも軽く軽快であった。

話を逸らしたことは少女三人とも百も承知であったが、まほは目的のゲームセンターへ行く方を優先して何も言わなかった。

だが、俺がセクハラを行うと言われて、自身の敬愛する隊長のまほと俺を二人っきりにさせるのは不安でならなかったエリカは俺らについていくことにした。別段予定もなかったことが幸いしたと彼女は実感していた。

みほはこの流れに身を任せ同行することにした。もっともな理由は独りで自宅に帰りたくなかったのもあった。

 

ゲームセンターの自動扉が開き中から電子音が俺も突き刺すも我慢して奥へと進む。後ろの方はまほがややたじろいでしまっているが、みほとエリカに励まされてなんとか付いてくる。

 

「そういやまほ」

「どうしたのですか伍長さん?」

「此処で何がしたいのだ?」

「……あっ」

 

そう、まほは何も考えてはいなかった。いや、正確にはゲームという分野は幼い頃から興味がなく、触れてこなかったためゲームセンターに行って何かをするのではなくゲームセンターに行くだけで目的が完結していたのだ。端的に説明すると何をすればいいかわからない状態である。

訪れる両者の沈黙、みほは自分の姉の抜けたところに思わず呆れてため息を吐き、エリカは自身の隊長に困惑していた。エリカにとってまほは敬愛する存在で完璧主義だとイメージしていたが、この一件でそのイメージはことごとく崩れてしまい、その処理できずにいた。

 

「そ、それならゲームセンターらしくUFOキャッチャーでもやったらどうかな?」

「そうですよ隊長! ゲームセンターの醍醐味といったらUFOキャッチャーですよ!」

 

ここで助け舟を出すようにみほはUFOキャッチャーはどうかと提案する。エリカは彼女の案に同意し、それをやってみるのはどうかと勧める。

しかし、忘れてはならない。この場に存在するのは戦時下の兵士と無菌室で育てられたともいえよう戦車娘である。

 

「UFOキャッチャーって何だ?」

「カップ焼きそばのことだろうな。昨日俺が食べた」

「違うッ…根本的に違う……ッ!」

 

俺とまほの無知っぷりには歯噛みするエリカ。みほに至っては顔に影が差し目の焦点が合っておらず、俺ら二人に失望している様子でもあった。

カップ焼きそばではないのなら一体何だ。俺は現代の娯楽には疎いぞ、唯一できる卓上遊戯はパチンコと麻雀と丁半ぐらいだからな。最近習ったトランプではババ抜きしか知らない。

 

「いいですか二人とも。これがUFOキャッチャーです」

 

エリカが指を指す先には透明な板で囲まれて、その中央にはお菓子が入っている機械の台だ。さらなる特徴としては左上には何かを掴むための器具が存在し。その真下には穴がある。

 

「なるほど、つまりはこのアームで物を掴み物をそこまで持っていく。それでアームが離すと物が落ちて手に入るといったシステムだな」

「その通りです隊長」

「こんなの簡単だろう。楽勝だ」

 

構造を見た限り簡単なので楽に取れるだろう。

俺は財布から百円玉を取り出して投入する。入れた途端にリズミカルな電子音が流れ、手元の二つのボタンの内一つが点滅する。

ボタンには横へと進むことを示す記号が描かれ、俺はアームを商品に丁度合うように動かした。今度は一個目のボタンが光るのをやめ、二個目のボタンが光り始める。二個目のボタンには奥へと進むことを記す記号が描かれているのでそれを押した。

アームは俺の思惑通りにお菓子の真上に辿り着いた。

 

「おおっ、流石ですね伍長さん」

「ふっ、他愛ないな」

「……けどここからが面倒なんだよね」

「それはどういうことだ?」

 

丁度いいところに配置したことに驚くまほ、しかしみほは不安そうに独り言を呟いた。俺はその意味がわからず疑問符を浮かべると、アームは下へと降下してお菓子を掴んだ。俺はこれは勝ったなと確信するが、なんといことだろうかアームはお菓子をなぞるように上へと上昇し、何も掴めずに最初の配置へと戻っていってしまった。

 

「……あ? 舐めてるのかこの機械」

「落ち着いて伍長さん! ほらそういうゲームだから!」

「そうだ伍長さん。これはそういう仕様なのかもしれません」

「まあそう簡単にはいかないわよ」

 

俺はどう見ても相手を馬鹿にするような機械に青筋を立てて殴り掛かろうとする。もしもこの行為を止められなければ犯罪者になってしまうと察した西住姉妹は俺を宥めるのに忙しくなる。まあそうなるだろうと達観して、隣のUFOキャッチャーへと移ると百円を投下した。

すると三十秒後、箱に入ったままの新品のイヤホンを手にした彼女がいた。

 

「スゴイエリカさん!」

「お見事だエリカ」

「このぐらい慣れればできますよ」

 

友人であるみほと敬愛するまほに褒められて鼻が高くなるのを隠せない様子のエリカ。

賞品を手にした彼女を目撃した俺は負けず嫌いの性格が発動し、百円を何度も何度も投入してお菓子の景品を獲得しようと試みた。

だが、現実は非常なもので何も得ることもなくただ金を浪費しただけに終わった。

 

「このクソ機械がッ! みほとまほ、拳銃か刀持ってこい!」

「ほ、ほら運が悪かったんだよ!」

「そ、そうですよ伍長さん」

 

無機物に牙を剥いて破壊しようとする俺を再度止める西住姉妹。その一方、俺がかなり金を浪費した台に挑戦するエリカ。彼女が三百円使っただけで、見事お菓子の賞品を獲得し、俺に嘲笑を向ける。

 

「クッソウザいなその顔! 天狗になるのもいい加減にしろよエリカッ!」

「所詮は経験ですよ、経験」

「なんか恨み買うようなことお前にしでかしたかな俺は!」

 

 

UFOキャッチャーの場所に居てはいつかは暴力事件が起きると考えた西住姉妹は俺を誘い、二階へと上がる。そこは照明の仕様なのかやや薄暗く、冷房が効きすぎて多少肌寒かった。

 

「やはりあの機械は壊すべきだ。これ以上被害者を生んではならない」

「気持ちはわかるけどそれはちょっと違うと思うよ伍長さん」

「ん? エリカあれは何だ?」

 

未だにUFOキャッチャーのことで根に持つ俺と同情している様子を見せながら反論するみほ。俺ら二人を差し置いてまほとエリカは前へと進むと、まほはとあるゲームに興味を抱き、ゲームに詳しそうなエリカに問う。

 

「あぁ、それは射撃ゲームですね。ゾンビやモンスターが来るのでそれを撃退しながら前へと進むゲームです」

「なるほど、それは面白そうだ」

「射撃と聞いて」

「ほらこれなら伍長さんでも楽しめるよ」

 

まほが興味を持ったのはゾンビが出る系統の射撃ゲームで、とあるゲームをモチーフに開発がされたとエリカが後付けで説明する。

画面を映す大きな液晶には醜悪で凶暴なゾンビが映り、ゾンビに対し操れるであろう人物の男性と女性が戦っている。

素格好と言語から察するにアメリカ人で、多少操作するのに抵抗感を持つが娯楽なのだと振り切り併設された台から銃を一挺取り出した。銃の形状から察するに短機関銃だろう。

 

「やるかまほ」

「わかった」

 

まほも銃を取り出して、俺と同時に百円を投入する。

画面には難易度を示す選択肢が表れ、当然俺らは最高難易度を選んだ。画面は暗転し、薄暗い廃工場へと移り変わり字幕付きの英語を登場人物が話しながら物語が始まった。

 

「ほう脱出が目的だな」

「ふっ、西住流に逃げは無しだ。伍長さん、ゾンビを殲滅してやろう」

「その心意気大変良し」

「……隊長ならわかるのだけど何故あそこまでにあの男は自信があるのかしら」

「射撃は得意だからかな」

「てかこのゲームの最高難易度はかなり厳しいのだけど、大丈夫?」

「……二人を信じましょうよ、エリカさん」

 

いよいよゾンビと遭遇し射撃を始める俺とまほ、まほは殆ど頭を狙い撃つのだが俺は中々頭を撃てずに四苦八苦していた。

 

「銃が軽すぎる!」

「そりゃ玩具だからよ」

「プラスチックじゃなくて鉄にして欲しいぜ」

 

不慣れだと愚痴を吐き捨てながらも俺らは無傷でゲームを進行する。操作するキャラが大広間に出た途端、巨体でなおかつロケット砲を担いだ敵と遭遇する。モチーフとなった映画でこんなの居たなと思い出しながら冷静に敵の対処をする。まあ仮想の敵なんて実在する敵を倒してきた俺からすれば赤子のようなものだ。

まほも元々冷静に物事を考えることができるので淡々と事務的にこなしていく。弱点である肩の目を集中して射撃して、度々飛来するロケットを俺が撃ち落とす。

 

「一応、醍醐味のボス戦なんだけどここまで静かにやると隊長たちが恐ろしく感じるわね」

「まあお姉ちゃんと伍長さんだしなぁ……」

「あの男がどうかしたの?」

「うーん、エリカさんなら話してもいいかな。伍長さんはね元々軍人さんだったけど記憶喪失になっちゃって今まで彷徨ってたんだよね」

「はあっ!?」

 

みほの話にエリカは驚いた様子で声を上げる。そういえばとエリカは己が不良に絡まれた際に助けに来た俺と不良とで戦闘が起きたのを思い返してみると、確かに俺が不良共に対し常に優勢であったため、自身は何もされずに助かったと裏付けた。

 

だが、ここでとある疑問が浮上する。

それは軍隊で習うような格闘術とはかけ離れた戦闘スタイルであったことだ。テレビの特番で自衛隊や海外の軍隊が格闘術を披露する内容のものが放映されたのだが、その戦闘スタイルは先の俺の戦闘スタイルと合致しなかった。

俺の戦い方はむしろ不良がするような乱雑で単純なモノである。

もしかすると軍隊の近接格闘は敵の軍人の命を奪うか無力化することがメインなため、一般人に仕掛ける戦闘としては度を超えるから、それを考慮して行ったのかもしれない。

 

しかし、幾つか仮説を立てて考えてもナイフを持った不良と戦闘した際の俺の目がその考えを決定付けなかった。あれはまさに人を殺す勢いだった眼差しであり、もしも証人であり傍観者の自分がいなければ必ずや不良を何の抵抗もなく殺していただろう。そして俺の存在を口封じするために気絶という形で無力化した不良たちも殺していただろう。助けてくれたことに感謝こそはしている仮に俺が敵になったら高確率で危険な目に遭い、最悪命を奪われるかもしれない。

最悪な思考が脳裏を巡ると体全体に悪寒が走り、目の前で玩具の銃を振り回し夢中になる俺に、得体の知れない者に対する畏怖と警戒心が混じったの視線を飛ばす。

 

俺は背後から刺さるエリカからの視線に疑問を抱きながらも、画面に映る巨体の敵を撃破し無事脱出という結末まで至る。その映像が一通り流れ終わると、得点が表示されSの称号を得ることができた。

 

「スゴイねお姉ちゃんに伍長さん!」

「ふっ、常に冷静に考えてみれば余裕だ」

「銃が軽すぎるのが厄介だが楽勝だな」

 

みほたちに向けて自慢げに笑みを浮かべる俺とまほ。まほこそは表情の変化が乏しいものも、感情が高ぶっている様子で口角が微小に吊り上がっている。長年交流が無いと気付けないだろう。

みほは歓喜に満ちた表情を向け喜びを共有する中、エリカだけは浮かれた気持ちにはなれず、夕飯を全員に奢っても終始敵視の眼差しを向けていた。彼女から視線を飛ばされているのには気付いていた俺はエリカは実はハンバーグが食べたかったのだと盛大な勘違いをしていた。

補足として夕食はまほの約束通りカレーであった。

 




やってたゲームはバイオハザードの射撃ゲームで短機関銃はMP5を想像してください。
あとお菓子の賞品はうまい棒の詰め合わせということでお願いします。
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