日本兵 in the ガルパンworld!!   作:渡邊ユンカース

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今回は暴露会です。
各隊長の伍長に対する思いが露わになります。
それとウマ娘の短編書きましたのでよかったら見てください。


インタビューに集う豪華メンバー

俺たちは激戦に激戦を重ね続け、とうとう決勝戦まで進出することができた。流石は大会の目玉を飾る決勝戦、出店はたくさんあるし人だかりは多い。

こんなところで出店したらどのくらい稼げるのだろうか。今度から出店願いでも出してみるか。

 

「はい!私は今、決勝戦会場に来ています。いやー、すごい熱気ですね!」

 

おっ、あの制服はうちの生徒か。そういや校内新聞がやたらと虚飾に塗れていたのを思い出した。大本営発表かと思ったぞ。

 

「ではインタビューをしてみましょう!そこの柄が悪そうなおじさん、ちょっといいですか!」

「……俺?」

「はい!」

「俺はまだお兄さんの分類だ!そろそろ三十いきそうだけど!」

「て、貴方は戦車道のコーチの方じゃないですか!奇遇ですね!」

「女子じゃなくて、なおかつ未成年だったらボコボコにするところだったぞ。まあいい、インタビューを受けてやる」

「それはありがたいです。では最初の質問を―――」

 

記者の生徒はマイクを向けてインタビューを始めようとするが、何故か硬直していた。不思議に思いながら彼女の視線の先を追うと俺の手ぶらとなった左腕を見ている。プラウダでの事故以降、義手が手に入らないのだ。

 

「昔にやらかしちゃって左腕は義手だったんだ。今その義手は修理中だ」

「ま、まさかそんな過去があったなんて!スクープです!」

「日常生活に支障をきたしてるが別段問題はない。さっさとインタビュー始めようぜ」

「では最初の質問です!どうして大洗で戦車道のコーチをすることとなったんですか?」

「元々俺は用務員として来たんだ。そしたら今年から戦車道やることになって少しでもサポートできたらなと」

「なるほど!献身的なんですね!」

 

……流石に会長たちを脅したなんて言ったら問題だよな。余裕で逮捕案件だ。

 

「では次の質問です!戦車道ではどのような訓練をしているのですか?」

「基本の動作はみほに一任してる。あいつは戦車道の家の子だから俺より知識がある」

「しかし貴方も教鞭を振るっていると聞きましたが」

「そりゃあ振るうぜ。隠蔽、破壊工作、地雷、索敵を担当した」

「……なんか物騒なワードが出てきますね」

「てか戦車を使ってスポーツするのが異端だろ。けど教えがいはあった」

「そうね。舐めていたとはいえ、苦戦を強いられましたわ」

 

聞きなれた声が聞こえて、振り向いてみるとそこには聖グロリア―ナで隊長を務めるダージリンがいた。珍しくダージリンの傍にいるオレンジペコやアッサムがいなかった。

微笑を零しながら俺の隣を陣取った。

 

「げぇ!?ダージリン!」

「久しぶりですわね」

「おおっ!聖グロリアーナの隊長さんじゃないですか!」

「新聞見ましたわよ。大々的に載せていましたわね。特に圧倒的ではないか我が校は、と」

「……は、はいぃ。すみません、調子に乗りました」

「いえいえ、気になさらずに」

 

……ちょっと気にしてるな。そうじゃなければ圧なんて掛けないだろ。

 

「そ、それでコーチが教えた工作はどうでしたか?」

「率直に申し上げると、非常に面倒な相手でしたわ。みほさんの戦術と伍長さんの工作が合致して」

「基本戦車道で地雷という概念はなかったですもんね。砲弾で代用するだなんて思いませんよ」

「砲弾は信管いじれば即席地雷に早変わり。しかも人が乗っても作動しない安心設計だ」

「もうじき戦車道の運営が公式に言及する予定ですわよ」

「……大丈夫。今大会で使用禁止とかにはならない、はず」

「不安しかないじゃないですか!」

「けど新鮮で楽しい試合でしたわ。また一戦お相手しましょうね」

「ふっ、今度はうちが勝つ」

「聖グロリアーナの誇りにかけて連勝しますわ」

「両者素晴らしい意欲です!これはスクープです!」

 

最近では聖グロリアーナ内で旋風を起こしてるダージリン、どうやら戦車も変えてくるのではないかという噂がある。OBによるチャーチル、マチルダ、クルセイダーという三大戦車財閥が主に支配しているらしく、選択の幅が狭い。

これを伝統だからという風潮を打破し、新しい聖グロリアーナを作るのはダージリンとその意思を継ぐ者たちだろう。

 

「では次の質問です。戦車道で重視しているものといえば何です?」

「そりゃあ――――」

「おっ、伍長じゃないか!」

「伍長!ハロー!」

「よおアンチョビとケイ、元気そうだ」

「アンチョビさんとケイさん、久しぶりね」

 

次に現れたのはアンツィオ高校で隊長(ドゥーチェ)として奮闘するアンチョビとサンダースで隊長をするケイだった。相変わらず元気そうで何よりだ。

 

「おおっ、ダージリンじゃないか。この前の試合ありがとうな」

「試合後の料理、美味しかったわよ。今度複数の学校で交流会を開きましょう」

「それはいいな!アンツィオ自慢のナポリタンを見せてやろう!」

「サンダース自慢のハンバーガーも見せてあげるんだから!」

「それではコーチと各隊長さんに質問です。何を戦車道で重視していますか?」

「大洗は連携だ。そもそも戦車が貧弱かつ経験不足だからな。各個人の動きとそれをサポートする動きじゃないと各個撃破される」

「あー、アンツィオも同じことが言えるな。普通にやり合っても装甲と火砲の差で負ける」

「機動力はあるからな、そっちは」

「サンダースでは汎用性ね!どの環境にも対応できる戦車がベスト!」

「聖グロリアーナでは装甲です。硬い皮膚より速い足という言葉もあります陣地を構築して要塞に仕上げる。そしてゆっくり、紅茶を嗜みながら撃破していけばいいのです」

 

なるほど、要塞を作り上げることで速度の差を殺すか。包囲機動や浸透では速度は重視されるが、あくまで速度で敵を撃破することはできない。良い話を聞いた、これを参考に陣地作成の指導を行うとするか。

 

「うんうん。以前の試合ではそれに悩まされた」

「けど貴女の機動力は馬鹿にできませんわよ。現に粘り強さと包囲機動は高いレベルよ。ローズヒップをCV33に乗さしてあげたいわ」

「あー、あの速い戦車の子か。市街地でのコーナリング上手かったな」

「ならヘルキャットにも乗せてあげましょうよ!戦車道ではまだ使えないけど面白い車輛よ!」

「では最後の質問を――――」

「あら、伍長。それにダージリンとアンチョビとケイじゃない」

 

やけに子供じみた体格と性格がわかる声が聞こえた。声の方へ向くとプラウダで隊長を務める地響きのカチューシャがいた。彼女も珍しくノンナを連れていなかった。

 

「よおカチューシャ」

「あら、まだ左腕治ってないのね」

「左腕……うわぁ!?ないじゃん!大丈夫なのか伍長!」

「えっ、貴女今さら気づいたの……?」

「おおっ!強豪校がほとんど揃いましたね!」

「珍しいな。いつもは交流会とかじゃないとならないのに」

「決勝なんだから当たり前でしょ。むしろ見ない方がおかしいわ」

「それもそうか」

「……質問を変えたいと思います。各隊長さんに質問です。伍長さんとの関係性は?」

 

この質問に血の気が引いた。まずい、これまで犯罪だと思っていなかったことが赤裸々になる。……ひとまず撤退でもするか。

 

「他の家の番犬」

「同棲相手」

「お金をくれた恩人」

「同志」

「こいつ俺が逃げる前に全部言いやがった!」

「すごいですねコーチ。たらしも良いところですよ」

「違う、違うんだ!俺は決してたらしじゃない!」

「いやでもケイさんの同棲相手とかアウトですよ」

「あれは中学生の頃ね」

「うわっ、なおさらヤバい」

「決していやらしいこととかしてないから……」

「伍長さん、それは流石にどうかと思いますわ」

「それはちょっと……」

「ノンナとミホーシャに知らせてあげないとね!」

「西住家と世間に殺される……!」

 

ただでさえも現在西住家とは結果的には敵対関係にあると予想している。さらなる敵を増やしたらマジで死んでしまう。肉体的なら体験したが社会的は初めてで耐性がないのに。

 

「アンチョビさんのコーチが命の恩人とはどういうことなんでしょうか?」

「そのままの意味だ。戦車道連盟にツテがある人に連絡を取ったんだと」

「それって西住家の家元のことよね」

「……えっ。本当なのか伍長」

「……はい、その通りです」

「な、なんてお方にうちらは支援をしてもらっているんだ!?」

「人の金で誰かを助ける。見方によればヒモですわね」

「ヒモじゃないから…推薦だから……」

 

他人の金と権力で救う命は役立つからセーフなんだ。そう、これは一種の広報活動で西住家がどれほど寛大なのかを世に知らしめる活動なんだ!

 

「けどまあだらしがなくて抜けてるところがある人だけど、お人好しなのよね!」

「それは言えてるわね」

「同感ね」

「み、皆ぁ……」

「す、素晴らしいです!なんというコーチング力なんでしょうか!」

「なんやかんや酷いこと言われるんじゃないかと心配だったけど、安心したぜ」

「……一応、貴方を警察に突き出す算段はありますのよ」

「嘘だと言ってくれよダージリン」

 

さらっと笑顔で怖いことを呟くダージリンに悪寒が走る。絶対にダージリン相手に喧嘩をしたら社会的に殺されそうと実感した瞬間だった。

 

「そういやもうじき試合開始じゃなかった?」

「……やっべ!」

「時間管理ぐらいしてよね」

「そういえばみほたちに何か激歴の言葉を送ったのか?」

「もちろんだ」

「なんて言ったの!某大統領の独立宣言(インデペンデンスデイ)みたいな演説をオマージュしたやつかしら!」

「な訳あるか。俺はこう言ったんだ――――」

 

 

 

勝て(・・)、と」

 

彼女らにはこの一言で十分だ。どんなに延々と立派な演説をしても根幹に勝利があるのは変わらない。俺は残念ながら口下手で長々と話してしまうと意図が伝わらないからな。

まあそこんところはみほが上手くやってくれるだろうし、彼女たちの調子は絶好調だ。簡単に負けることはない、絶対にだ。

しかも劣勢なら嫌というほど経験している。そこから挽回するのがうちらの強みだ。

 

「最後に決めるのは彼女たちだ。今後の行く末もな」

 

エリカとみほの関係回復、廃校を決定するのは当事者である者の特権だ。俺はあくまでそのサポートに過ぎないんだから。

俺は不敵に笑みを零し、観客席へと向かっていった。

 




「結局は実力のあるヒモということですね!」
「あながち間違えではない」
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