マッハ20の初代死神でも幻想郷は辛かった   作:螢雪

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前回よりも早めに投稿できると言って、前回よりも投稿期間が空いたって、意味わからんわ!と言いながら今日も飯を食う。
もうこれから投稿ペースのことについては言及しないことにしました。
雑な出し方ですが、3Eのメンバーが出てきます。雑だけど。
だいたいここからはちゃめちゃになってきます。


マッハ20の初代死神を、幻想郷は嫌うのか7

出席番号2番 磯貝悠馬

「殺せんせーとの課外授業は楽しかったな。思い立ったら直ぐにアフリカとかに飛んでいって」

「アフリカ!?」

「ハハッ、おかしいでしょ。でも先生は俺たちの為に、何でもマッハでやってくれてたんです。先生だけじゃない、クラスメイトのみんなも、俺に協力してくれた。もちろん俺もですけど」

「理想的なクラスだ…」

「そう言ってもらえて嬉しいです。でも、あのクラスは殺せんせーが来なかったら、絶対に存在しなかったと思いますよ」

 

 

 

 

 

 

出席番号3番 岡島大河

「俺と殺せんせーはエロを分かち合った…。もはや教師と生徒の関係を超えた、友のような存在…」

「…あまり貴方と話したくなくなってきたんだけど」

「何だと!?」

 

 

 

 

 

 

出席番号4番 岡野ひなた

「勉強が全然出来ない私が、高校で楽しくやっているのは、殺せんせーのおかげかな。まぁ、中学3年の頃よりも楽しい日はないだろうけど」

「楽しかった…?」

「一番スカッとしたのは、沖縄でヤクザを蹴り飛ばして一発KOさせた時かな」

「どういう状況…?」

 

 

 

 

 

 

出席番号5番 奥田愛美

「私、最初は化学だけを問い詰めればいいと思っていたんですけど、殺せんせーに『標的を騙す国語力も必要』って言われて、苦手な国語を徹底的に勉強したんです。今にして思うと、先生の教えはやっぱり大切だったんだな、って思います」

「騙すって、そもそもどんな状況なのよ」

「えっと、初めは私が水酸化ナトリウムと酢酸タリウムと王水を、殺せんせーに『毒です、飲んでください』って言って、」

「ごめん、やっぱり無し」

 

 

 

 

 

 

出席番号6番 片岡メグ

「私はずっと、気にかけることが優しさだと思ってたけど、殺せんせーが、人に厳しく接するのも優しさだって教えてくれたわね。クラス委員としてやっていけたのは、殺せんせーのおかげが大きい気がする」

「ちなみに、そのきっかけは」

「水泳が苦手な同級生を、深夜に山中に連れ出して、泳ぎの特訓をした時よ」

「ねぇ、誰かまともな話を持ち出してよ」

「まともねぇ、…フフッ、うちの教室に、まともなことなんてないよ」

「えぇ…」

 

 

 

 

 

 

出席番号7番 茅野かえで

「私の姉は、殺せんせーに殺された。だから私はあの教室に入ったの」

「!?」

「でも殺せんせーと毎日を過ごす度に、疑念が湧いてきた。お姉ちゃんを殺したのは、本当に殺せんせーなのかなって。結局、お姉ちゃんを殺したのは殺せんせーじゃなかったし、しかも私が死にかけた時、殺せんせーは私を助けてくれた。お姉ちゃんの死を糧にした技術を、私だけに使ってくれて」

(人里での蘇生技術…、奴が言っていたのは、このことだったのね)

「殺せんせーはどうやら、お姉ちゃんが好きだったみたいだよ。お姉ちゃんの水着写真、他のどのエロ本よりも大切に取っておいていたらしいから。ちょっと人間っぽくて、面白いと思わない?」

(確かに、そこら辺の人里のスケベ野郎に似ているわね)

 

 

 

 

 

 

出席番号8番 神崎有希子

「修学旅行で不良グループに拉致られた時、殺せんせーが教えてくれたの。前を向いて頑張ることを。どの大人もみんな、それを教えてくれるだろうけど、昔の私は聞かなかったと思う。多分、殺せんせーの言葉じゃないと、私は変われなかったと思うわ」

「そ、その不良グループは、殺せんせーがめったうちにしたの?」

「いいえ、トドメはクラスメイトが、修学旅行のしおりで頭をズドンと」

「修学旅行のしおりとは思えない表現なんだけど…」

 

 

 

 

 

 

出席番号9番 木村正義

「俺の名前、読み方まで調べてる?びっくりしてるでしょ」

「…まぁ」

「うちの親が警察官で、正義感の想いが込められてるのはよくわかるんだけどさ、どうやら子供ができて舞い上がっちゃって。でも、今となってはあまり気にしてないよ。殺せんせーが「大事なのは名前じゃなくて、その名前で何をしたか」って言ったからさ。もし俺が警察官になって手柄を立てたら、誰も文句は言えないぜ」

「名前といえば…、殺せんせーって名前の由来について知っているかしら?」

「ああ、確か茅野がつけたんだよ、なかなか殺せないから、殺せんせー」

「…なるほど」

 

 

 

 

 

 

出席番号10番 倉橋陽菜乃

「殺せんせーとの日々は楽しかったなー、特に夏!知ってる?私たちの教室は山奥にあるから、昆虫とか沢山いるんだよ!しかもミヤマクワガタのアルビノ個体まで!殺せんせーがズーム目で見つけてくれたんだ〜」

「ズーム目って何…。そ、その『あるびのこたい』ってのは、やっぱり希少なんですか?」

「そうそう。クワガタの場合、目が白いのがアルビノ個体。天然のミヤマのアルビノ個体なら、確か1匹で数十万はするんだっけ?」

「は!?」

「でも、殺せんせーとの楽しい思い出だから、今も飼ってるよ。長生きさせてあげるんだ〜」

 

 

 

 

 

 

出席番号11番 潮田渚

「僕は、E組の『暗殺教室』の首席だって、親友に言われました。運動神経や体力も関係ない、『ただ相手を殺すだけの才能』が、僕にはあります。僕のもつ才能は、暗殺の才能でした」

「暗殺の、才能…」

「殺せんせーも、昔は一流の暗殺者だった、だから僕は、殺せんせーに憧れてたんだと思ってました。でも違う。本当は教師として、先生を尊敬していた。だから僕は、教師になるんです。殺せんせーみたいに、E組のようなクラスを作れる先生に」

「それにしても、あなた絶望的に胸がないわね」

「人の話聞いてますか!?あと僕は男です!さっきも一人称が「僕」だったじゃないですか!」

 

 

 

 

 

 

出席番号12番 菅谷創介

「殺せんせー、教え方が上手くてさ、毎回プリントは手書きだし、問題も一人一人違うんだぜ。それぞれ効率よく学べるように」

「おおう…、様々な有名教育者が霞んで見える…」

「殺せんせーに高3の基礎まで教わった。だからめいいっぱい、芸術スキルを磨くことができる」

「高3の基礎まで!?ちょっと待って、暗殺のせいで教育面で心配、とかいう意見があるのに、むしろ逆にズバ抜けてるじゃない!?」

 

 

 

 

 

 

出席番号13番 杉野友人

「突然だけど、殺せんせーの触手で絡めとられて、身体を調べられる光景って、想像できる?」

(なんだろう、ものすごく卑猥なイメージが浮かんでくる…)

「俺、一回それをやられたんだよ。そんで俺の身体は、豪速球を投げるよりか変化球を操る方が向いてるって言われた」

「それは…野球の話?」

「そう。こんな教え方、殺せんせーしか出来ないよな。でも殺せんせーはそんな技術を、俺らにふんだんに使ってくれたんだ。ちょっとせこいけどな」

 

 

 

 

 

 

出席番号14番 竹林考太郎

「あのクラスは酷かった。常日頃から暗殺のことを考え、銃やナイフが飛び交う。挙げ句には殺せんせーが、第一志望に落ちた僕のことを散々にコケにしてくる。そもそも僕の家は金持ちだから、山分けされた賞金など嬉しくもなんともない、家族からも褒められることはない」

「…」

「…それでも僕は、E組を抜けたいと思わない。事実その判断に後悔をしていない。…E組はそんなクラスです」

(…なんだこのメガネ、私たちは困惑しかしないぞ…)

 

 

 

 

 

 

出席番号15番 千葉龍之介

「E組に来なかったら、本物の銃を使うことは無かったと思う」

「え」

「その銃でクラスメイトを守れたし、クラスメイトが今から俺は撃てた。そんなクラスを作ったのが、殺せんせー」

(く、口数少ないのにえげつないことを…)

 

 

 

 

 

 

出席番号16番 寺坂竜馬

「けっ、あのタコについて話すことなんか何もねぇよ。変態でウザくて、見てるこっちはイライラしっぱなしだ」

「…あの、もう少し情報をもらえませんか…?」

「だからねぇっつってんだろ?変態でウザい。それしか言えることはねぇんだよ。それを政府の奴ら、何が超生物だ。危険でも何でもねぇのに、何をビビってんのか。…もう帰っていいか?」

(何もないとか言って、結構話してくれたわね…)

 

 

 

 

 

 

出席番号17番 中村莉桜

「確かに殺せんせーはすごい人だったよ。でも、あのタコなんかよりも面白い者がいること、あんた達気づいてないの?」

「は?」

「出席番号順で回ってんなら、もう渚は見たでしょ。一瞬女子だと思わなかった?」

「まぁ、髪が長かったですし、華奢ですし…」

「でしょでしょ、それはもう愛玩動物として遊び尽くしてたんだけどね〜。…暗殺する時の渚はヤバいよ」

「あの〜、殺せんせーの話をしてくれないんですか?」

 

 

 

 

 

 

出席番号18番 狭間綺羅々

「…あなた達は、私の姿を見て、どんな感想を持つかしら…?」

「へ?」

「私の子供の頃のあだ名は『ミス肝試し日本代表』。どうせあなた達も私のことを怪物か何かと考えているんでしょう?」

「は!?いやいや、決してそのようなことは!」

「人はね、本能的に見た目で人の価値を大体決めつけるのよ。あのタコの見た目からして、最初でのクラスからの評価は最悪だった。…それを一年足らずで、強固な信頼を得たことから、どういうことかわかるわよね?」

(か、顔が怖い!何で話が進むたびにかおをよせてくるの!?)

 

 

 

 

出席番号19番 速水凛香

「…私がツンデレとか言われているのは、だいたい殺せんせーのせい」

「えぇ…」

「殺せんせーのおかげで、みんなと少し話せるようになったと思ったら、ツンデレツンデレって。あとペットショップで写真撮られたこともまだ根に持ってる」

「え、生徒の隠し撮りですか?じゃあ弱みを握っているってこと…?」

「そう、それでコケにしてくる。でも殺せんせーの弱みも随時明らかになっていくから、実際はプラマイゼロ」

 

 

 

 

 

 

出席番号20番 原寿美鈴

「殺せんせーをはめるためのトラップ作りは楽しかったわね〜。あ、そうそう、あなた達もう渚くんと茅野ちゃんに会った?」

「え、ええ」

「ねぇねぇ、あの2人、何か互いのことを言ってなかった?」

「い、いや、殺せんせーのことしか聞いてないので…」

「え〜、ちょっと今から戻って聞いてきなさいよ。そんで私に教えてちょうだい」

(何でたまに殺せんせーのことを教えてくれない人がいるんだろう…)

 

 

 

 

 

 

出席番号21番 不破優月

「殺せんせーとの出会いは、まさに私にとっては奇跡だったわね!いろんなことを教えてもらったし、将来への道の整備を手伝ってくれた。そして何より…」

「何より…?」

「怪物が自分の命が果てるまで、一つのクラスで最高の授業をするなんて、まるで漫画みたいな展開!私にとってはたまらない!ジャンプに原稿を渡したら、アニメ化までされる程のストーリーね!」

「…何を言っているの?この娘」

 

 

 

 

 

 

出席番号22番 前原陽斗

「殺せんせー、なんかものすごい存在だと思ってるだろうけど、実は案外アホっぽいんだぜ」

「アホ…?」

「訓練の一環でドロケーした時、警察役の殺せんせーが次々と捕まったやつ逃がして、烏間さんに説教されたんだよ。しかもエロ写真や嘘話に釣られて」

「政府に叱られる指名手配犯とは一体…」

 

 

 

 

 

 

出席番号23番 三村航輝

「殺せんせーは酷いよ。しかも低レベルに」

「はぁ」

「俺がノリノリでエアギターしてるとこ、集中切らす口実にした挙げ句、写真にまで残してるんだぜ。みんなには隠してたのに、酷いもんだぜ」

(私たちも今聞いているんだけど…)

「だから夏の大型暗殺計画の時、殺せんせーの恥ずかしい映像を長時間流してやったぜ。殺せんせーもぐったりするほどにな」

(やり返される程の何かをやっていたというのか…)

 

 

 

 

 

 

出席番号24番 村松拓也

「うちのラーメン屋、今度来てくれよ。親父のせいでクソまずいままだけど、殺せんせーに言われて経営学を学んでから、これでもマシにはなってんだぜ」

「え、高校生でもう店を管理できるのですか?」

「完璧じゃねぇけど、勉強の方は殺せんせーのおかげでバッチリ予習できてるからな。自分で学ぶくらいの余裕はあるんだぜ」

(彼らの進路を手助けするとはいえ、そんなことが可能なのか…)

 

 

 

 

 

 

出席番号25番 矢田桃花

「私は、勉強面だと殺せんせーにお世話になったけど進路で見るとイリーナさんによくお世話になったかな」

「金髪のあの人が?」

「あの人、色仕掛けの暗殺にめっぽう強いんだけど、それに必要なのは交渉術だって教わったの。しかも交渉術は色仕掛けだけじゃなくて、多方面にも応用が効く。私はそのスキルを学んで、それを将来に活かしたい」

(…殺せんせー意外にも、学びを提供する場面があったということか、しかも普通は習わない)

「まぁ、その環境を作ったのは殺せんせーだから、結局は殺せんせーのおかげっていうことになるけどね」

 

 

 

 

 

 

出席番号26番 吉田大成

「知ってるか?あいつバイクに乗るんだぜ」

「は!?」

「しかもその車体がカッコよくてな、思わず興奮したぜ」

(触手だらけの怪物が乗り回すバイクとは一体…)

「今思えば、あれがあいつと打ち解けたきっかけだったよな。不良のグループだった俺らに、しつこく話しかけてきてたっけな」

 

 

 

 

 

 

出席番号27番 自律(自律思考固定砲台)

「…まさか機械が生徒とは思わなかったでしょう?」

「ええ…、というかこのクラスがすでに個性的で、なかなかついていけないわ…」

「殺せんせーは機械である私も、一人の生徒として扱い、成長させる、怪物みたいな教師です」

「いや怪物そのものだけど」

「機械はプログラムされたことしかできません。ですが殺せんせーは、私にプログラム外のことを教え、私は開発者に逆らってそれに準じました。殺せんせーは世界で初めて、AIを調教した存在かもしれません」

「いや言い方」

 

 

 

 

 

 

出席番号28番 堀部糸成

「奴はやばい。みんなの半分の期間しか居なかった俺でもわかる。ものの見事に俺まで取りこんだ」

「それは、それほど殺せんせーが偉大な存在だから?」

「違う、奴は弱点だらけで目立ちたがりで、何かとアホをやらかすような奴だ」

(ボロクソ言うわね…)

「…だが、だからこそかもしれない。俺を育てた親も、俺に力を与えた奴も、奴以上に俺が心を許した相手にはならなかった。恩や力は、人の心を許させる材料にはならない。アホで抜け目だらけな奴のような存在が、それに当てはまるんだと思う。…そして奴はそれを願ってあの姿になった」

 

 

 

 

 

 

「…ところでお前ら」

「はい?」

 

糸成が声をかけ、菫子が顔を上げる。

 

「今まで出席番号順に、俺らのクラスメイトに聞いてまわったって言ってたが、目的の情報は揃ったのか?」

「それはもう、ばっちり…」

 

…いや、待てよ?よくよく考えたら…。

 

「…どうせあいつら、他の奴と被んないように極端な例を挙げて、核心的な話をしてきてないだろ。あの姿になった理由とか、月の破壊の真相とか」

「…そうですね」

 

菫子が固まってそう答えると、糸成はため息を吐き、地面に置いていた鞄を手に持った。

 

「俺が全部教えてやる。ただし部外者には聞かれたくない。場所を変えよう」

「…わかりました。して、どこで?」

「この近くならカラオケがいいだろう。音量をデカくしてやれば誤魔化せる」

 

こうして糸成に誘導されて、菫子と紫はカラオケにて、事の真相を全て知った。

 

 

 

 

 

 

「さーて、どうしましょうか…」

「どうでもいいけど、私の家に上がり込むのやめてくんない」

 

縁側で頬杖をついて悩む紫に、霊夢は嫌そうな顔でそう言った。

 

「一体何に悩んでいるのよ」

「さっきも言った通り、殺せんせーは『殺せんせー』になってから、これといった悪事は働いていない。それどころか月を壊したのも彼じゃない。それはいいのよ」

「じゃあそれでいいじゃない。もう終わり」

「終わりじゃないわよ」

 

紫が持っていた疑問は、殺せんせーが危険な存在であるかということ、それともう一つ、

 

「何故このゲームが執り行われた、って事よ」

「それは殺せんせーも言ってたでしょ。暇を持て余した神々の遊び、って」

「…そんなこと言って、霊夢。あなたもこの件を嗅ぎ回ってたじゃない。守矢神社にまで行ってたりと」

「…私には超絶ウザい、紫によく似た人形があったことを忘れてたわ」

 

深くため息を吐き、霊夢は紫の隣に座った。

 

「何も手がかりは無し。神奈子と諏訪子にも無理言って調べさせてるけど、そんなゲームがあることぐらいしか、神々も知らないって。どうやら元々、神々が思いついたんじゃなくて、一人の神が始めたゲームに大勢の神が目をつけただけらしいわ」

「ならその、ゲームを始めた神が、全てを知っているってことかしら?」

「そうね…、この真相には、神全体じゃなくて、特定の神だけが関わってるみたい」

 

ただもうお手上げよ、と霊夢は後ろにごろりと横たわった。

 

「私にできることはこれ以上はない。かと言っていつもの異変のように突っ込んでも、神の世界相手だと歯も立たないだろうし、巫女としての私の立場もやばくなる。どうしましょうかね…」

「では、どうもしない、というのはどうでしょうか」

「は?」

 

この声は紫の声ではなかった。寝転んだ霊夢を上から見下ろす、その声の主は、

 

「は?…は?何であなたがここに…」

「お久しぶりですね、博麗の巫女。相変わらず雑に巫女の仕事をこなしているようで。…こら、そこのスキマ妖怪、露骨に嫌そうな顔をしない」

 

よりにもよって、幻想郷の閻魔様、四季映姫だった。後ろには移動用(タクシー)の小町が手を振っている。

 

「何で幻想郷の奴らはこうも、無断で人の家に上がり込むのかしら…」

 

そう言った霊夢に対し、紫は本気で嫌そうな顔で映姫を見た。

 

「あなただって私のこと嫌いでしょ」

「ええ、あなたと話すのはとても疲れるので嫌です」

「なら来る必要はないわよね?」

「私も好きで来ているわけではありません」

「あーもう、うっさい!どうでもいい時にろくでもないこと言わないの!」

 

静かに言い争いを勃発させる紫と映姫を、霊夢が無理矢理押さえ込む。そして気を取り直し、映姫に向き直る。

 

「…それで、さっき言ったことをもう少しわかりやすく、言ってくれないかしら」

 

何もしない、という意味がよくわからない。打つ手がないからもう諦めろ、という意味だろうか。

 

「別にそれ以上でもそ以下でもありません。ただ今日はゆっくりと寝ればいい話です」

 

淡々と述べる映姫を、霊夢が睨むように見つめる。やがて、また心底面倒そうに、再び寝転がる。

 

「…その言葉通りに捉えるから、それでいいわよね?」

「ですから、そう言っているのです」

「いいのね?私、しっかりと寝ちゃうけど、それでいいのね?」

「しつこいです。それではもう失礼します」

「あのー、今日の私のセリフ無いんですけど」

 

謎の訴えをする小町を無視し、映姫は足早に博麗神社を後にした。

 

 

 

 

 

 

「次の挑戦は明日からだ」

「はぁ…」

 

相変わらずの自称神の宣言を、殺せんせーはあまり気が乗らずに聞いている。

 

「なんだ、流石に嫌になったか?」

「いえ、そうでないのですが…。自称神様は、何をそんなに焦っているのですか?」

「…そんなことはない。挑戦の日程の間隔が短くなっておるのは、それ程にんきがあるということだ」

「いえ、そうでもなく…」

 

殺せんせーは、いつもの顔で、さらりと指摘した。

 

「ひどく、動揺しておられるので」

「!?」

 

声だけでわかる。自称神は今、何故か非常に動揺している。殺せんせーに対してそのような態度は示すはずがない。となると、

 

「もしかして、左遷ですか?不当解雇ですか?」

「サラリーマンみたいに言うな。…隠しても仕方がない。確かに先程、動揺するようなことがあった。しかしそれはお前に言うようなことではない」

「そうですか…。あまり気を落とさずに」

「だから左遷でも不当解雇でもない」

 

殺せんせーが軽く流したので、すぐに本題へと戻った。

 

「特に特記事項や変更点はない。心構えだけしておくように」

「わかりました」

 

自称神との対話が終わり、殺せんせーは幽々子に目を向ける。

 

「というわけで、明日はしばらく留守にします。帰ってきたらまた妖夢さんの修行から入ります」

「負けてくる前提で話を進めるなよ」

 

幽々子の横で妖夢がそうつっこむ。それに対し幽々子はのんびりとした様子で、「行ってらっしゃ〜い」と手を振った。

 

殺せんせーが立ち去った後、幽々子はボソリと呟く。

 

「…そろそろかしらね」

「…?何のことです?」

 

妖夢が聞き返すと、幽々子はフフッと笑い、こう答えた。

 

「別に?なんとなく言ってみただけよ」




3Eのメンバーは、あともうちょっとだけ出てきてくれます。期待しててね。
最終章に突入するか、お遊びを挟むか悩んでましたが、投稿頻度の劣悪ぶりから、もう読者さんを待たせるわけにはいかないと感じ、次回から最終章に突入します。ばら撒いておいた伏線を回収するつもりですが、回収し損ねたのがあったらご指摘ください。

次回から前書きにゲストを招いて、ちょっとだけ解説してもらおうかと思います。
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