慣れないステップを踏んで   作:迦楼羅。

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▼17話 察しが良いからバレやすい

 

金曜日、午後。

 

授業も全て終わり、ワイシャツを脱いで

予め着ていた体育着に着替えた俺は

鞄を持ち上げた。

 

(忘れ物はないな……)

 

土日を挟むため金曜日配布されて

月曜日に提出しなきゃいけない課題が

3つほど出されたのだ。

忘れたら死活問題である。

 

入念にチェックして鞄の学校用ファイルに

入っていることを再度確認する。

そのまま鞄を背負って席を離れたときだった。

 

「鳴海ー、部活一緒に行こう!」

 

山口が教室の出入口で手を振りながら

呼んでいる。その傍らには月島が。

 

『お、マジで?行こ行こ』

 

誘われたのは嬉しい。

というか月島と山口、バレー部に

来るの初めてなんじゃないか。

 

体験入部期間最終日に来るとか

強者だな、なんて思いながら

2人に駆け寄る。

 

『いや〜今1年俺しかいないから

2人が今日来てくれるの助かる…』

 

マジで精神的にきついんだからな…。

先輩方はいい人ばっかりなのは

分かってるけど!同年代がいないのは

正直寂しいし。

 

目を細めながらそういえば

ああ、そういえば、と月島が頷いた。

 

「なんだっけ?入部早々問題起こした

バカが居るんだっけ?」

 

「あー、俺もそれ聞いた」

 

バカじゃん、と笑う2人に

いやはやその通りです、と肩を落とす。

 

『てかそもそも入部すらさせて

もらえてないけどね…』

 

はは、と乾いた笑みを漏らせば

月島は引いた顔をする。

 

「本当…?よっぽどのこと

やらかしたんだねそいつ」

 

『そいつっていうかそいつらね

複数形なんだよなあ』

 

単数を指していたのを

指を2本立てて訂正すれば

山口がうわ、と声を漏らした。

 

いやあ、客観的に聞くと完璧

やばい奴らだよね。

体験入部期間初日に入部拒否…。

字面がエグい。

 

くだらない話も交えながら足を進めれば

あっという間に体育館へ到着する。

 

上履きを脱ぎながら体育館の扉を開けた。

 

『こんにちはー!』

 

声を張り上げて挨拶をすれば

もう既に何人か居て

返事がちらほらと返ってくる。

 

あ、澤村さんいる。

2人を連れていった方がいいか、と

バレーシューズに履き替えた2人とともに

澤村さんの元へと向かう。

 

『澤村さん、入部希望者です』

 

「おっ、ありがとうな」

 

声をかければ気づいたらしい澤村さんが

顔を上げる。そうして目線を動かした後

月島の頭部付近で視線が止まった。

驚いたような顔をしていたが

すぐに我に戻り月島と山口の

差し出す入部届けを受け取る。

 

月島の背の高さびっくりするよな…。

 

『エート、背の高い方の金髪が月島で

こっちが山口です』

 

俺と同じクラスメイトなんです、と

澤村さんに教えれば

おお、と澤村さんが口を開く。

 

「そうか!1年生全然来なかったから

寂しかったろ、鳴海」

 

『ヌッ』

 

ばれてーら。

まあ、普通に考えれば…うん……。

寂しかった。寂しかったです!!!!(ヤケクソ)

 

鳴海良かったなあ、とにこにこと

口角を上げる澤村さんが

2人に向けて口を開く。

 

「月島と山口、ね。俺は澤村大地

男バレの主将をやっているから

何かあったらなんでも聞いていいからな」

 

「「ありがとうございます」!」

 

じゃあ、まだ部員集まってないから

ストレッチとかしといて、と

言われたので返事をしてから

たったったー、といつもの位置へ向かう。

 

この位置窓からの光で

日が当たるから暖かいし

気持ちいいんだよなあ。最高。

 

『ここでやろうぜ、準備運動から!』

 

着いてきた2人にそう声をかければ

別々のタイミングで返事が返ってくる。

 

「いいよ」

 

「おっけー!」

 

いっち、にー、さん、し、と

体育の授業でも行う準備運動。

何となく3人で輪を描く形になったけど

背の高い野郎3人が円になって

準備運動って絵面がやばくないか???

 

いやいやいやいや、待て。

これ以上考えるのはやめよう。

考えるな、感じるんだ(誤用)

 

そんなくだらないことを考えていれば

あっという間に準備運動は終わり

身体をほぐすストレッチのターン。

 

いや、本当に準備運動もストレッチも大事。

するのとしないのと全然動きが違うって

知りました。

…この前時間ないから

準備運動サボったからね。

 

実況中継とかスポーツ漫画とかで

アップはすんでるか?とかそういう場面

絶対あるじゃん?

 

俺試合前なら体力温存するために

むしろ動かない方がいいんじゃないの?

なんて疑問を持ってるクチだったんだけど

高校の体育の授業でやっと分かりました。

…それについこの間の準備サボりで

痛感しました……。

 

悲しい。

 

そんなこんなでいつも以上に

念入りにストレッチを行う。

怪我なんてしたくないからな!

 

この後ストレッチをしながら

妙に気合いの入った俺の顔を見て

2人が訝しげに首を傾げていたけれど。

 

 

 

 

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