「ねぇ…パパ」
「ん?なんだい?」
パパ…
そう話しかけてきたのは僕の愛しい娘だ
「パパの初恋が聞きたい」
「ぶっ!!」
いきなりの愛娘の爆弾発言に僕はコーヒーを吹き出してしまった
「もうあなた!!カーペットにシミが付いちゃうじゃない!!」
そう怒るのは愛娘と同じぐらい大切な妻だ
「ご、ごめんな」
「いきなりのことだから驚いちゃってね…」
「もう…本当に仕方ないわね」
「千恵はなんでパパに初恋の事が聞きたいの?」
知恵は娘の名前だ
いい名前だろ?
「んーとね」
「学校の担任の先生が結婚するんだけどね」
「パパってママと結婚する前は誰か好きになった人がいたのか気になったの」
「あら、そういえば私もあなたの初恋なんて聞いたことがなかったわね」
あれ
なんか奥さん背景が燃えてるように見えるんですが…
「はぁ…」
「穂乃花もよく知ってる人だよ」
「今でも思い出せるよあの人に恋した時のことは…」
そう言って僕は絶対に忘れない初恋についてこの世で1番愛しい妻と娘にポツポツと思い出すように話し出した
「今日から高校生か…」
「受験勉強しんどかった分、高校生活は楽しむぞ」
そう呟くのは俺こと
[西島陽翔]だ
ちなみに読み方は、はるとだ
容姿はこれといって優れてるわけでも劣ってるわけでもいない
まぁ、有象無象って感じだろ
スポーツもサッカーとバスケ以外は基本的には大丈夫
勉強はまぁ…総武に入れるぐらいだからいい方かな?
中学は吹奏楽部だ
楽器はアルトサックスだ
吹奏楽部で普通の容姿をしててある程度楽器も出来たからモテなかった訳でも無い
何人かに告白されて付き合ったが、いまいち本気になれなかった
でも高校では恋愛より遊びだ
高校生からはアルバイトもできる訳だから新しい趣味でも始めてみよう
そんなことを考えながら入学式をボーッと過ごす
全てはここから始まった
『続きまして、生徒会長からの挨拶です 』
そうアナウンスが告げ、壇上に上がったのは
とても可愛らしい顔で亜麻色の髪をした女の子だった
周りの男子生徒も少し盛り上がってザワザワしている
確かに可愛い子だなと素直に思った
でも直感的に何故か無いと思ってしまった
そう
彼女とは関わりたく無いと
『皆さん御入学おめでとうございます。総武高校生徒会会長を務めさせて頂いている一色いろはです。 』
一色いろは
この少女が俺の高校生活を大きく変えることなんて今の俺は知りもしなかった
「なあなあ、生徒会長マジで可愛くね?」
そう話しかけてきたのは小学校時代からの親友である西川悠真だ
容姿端麗、スポーツ万能、おまけに勉強もできる
なんともハイスペックな親友である
「そうだな」
と俺は短く答えた
「でも、ダメだ」
「ほう…何故?」
親友は目を細め俺に質問する
「分かんねぇ…けどなんか直感が関わるなって警告を鳴らしてる」
「それは面白いな」
「お前がヤバいと思うなんて相当なヤツだ」
苦笑しながらそう親友は告げた
「まぁ、学年も違うから委員会とか変に問題を起こさなければ関わることもないだろ」
「確かにそうだな」
『 以上で挨拶とさせて頂きます。』
そう一色いろはが述べ、壇上から降りる際
彼女と目が合った気がした
「んなっ…」
俺の鼓動が速くなる
(いや違うだろ…別のやつを見ただけだ)
そう自分に言い聞かせて納得させる
でも俺の心臓の鼓動は速いままだった
てことで新しい小説です
なるべく最後まで書けるように頑張るので応援してくださると嬉しいです
題名から分かる人はいるかも知れませんが僕の大好きな歌手のとある一曲を題材にさせて頂きました