Fate/Assassin's Creed ―Ezio Grand Order―   作:朝、死んだ

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memory.02 炎上汚染都市

 

 

「ハァ……何でこうなるんだ」

 

未だ瓦礫や残骸が残る管制室。ロマニ・アーキマンは、連続して起こるトラブルを前に大きな溜め息を吐く。

 

何者かによる爆破。マシュのデミ・サーヴァント化。所長のヒステリック。サーヴァントの襲来。そして、極め付けがランサーを暗殺した立香をマスターと呼ぶサーヴァントの存在だ。

 

 

「アサシン……」

 

 

白いフード。籠手に仕込まれた短刀。クラスはそのまんま暗殺者。該当する存在は一つしかない。ロマニは“彼ら”を知っていた。

 

歴史の影に潜み、世界各地で悪政を働く者を消し去ってきた暗殺教団。少なくとも“三千年前”には“教団”としては存在していなかった。彼らと敵対する“結社”は存在していたが。

 

冬木の聖杯戦争ではその頭目とされるハサン・サッバーハが召喚されるらしいが、あくまで伝説や逸話が残る中東で活躍した者に限定されるはずだ。

 

しかし、あのエツィオというアサシンは明らかに中世ヨーロッパ出身のように見える。

 

 

「エツィオ・アウディトーレ、か……ダ・フィレンツェってことはイタリアかな。一応、調べてみよう」

 

 

しかし、相手は上記の十字軍遠征の一度のみ。それも伝説として存在が仄めかされただけという魔術協会以上の秘密主義な集団の一個人。大した情報は期待出来ないだろう。

 

それでも試す価値はあるとロマニはデータベースでエツィオ・アウディトーレの名を検索してみる。

 

 

――該当データ 0件。

 

 

「やはりか……」

 

 

情報はゼロ。となるとエツィオという名前が偽名の可能性も出てくる。無いものは仕方が無い。故に警戒しておくべきだとロマニは判断し、元の作業へと戻った。

 

アサシンの秘密主義をよく知っている彼は情報がゼロなのに何の疑問も抱かない。むしろそれが当然だと思っている。

 

 

「――まさかエツィオ・アウディトーレが召喚されるとはな。あの日本人ハッカー君は随分とツイてるみたいだ」

 

 

しかし、それは間違いだ。アサシンとしてのエツィオのデータは無くともそれ以前のデータはあるはずなのだから。

 

アウディトーレという除名された貴族の次男であること。相当なプレイボーイだったこと。17歳の時に父と兄弟が絞首刑に処され、母と妹と共に歴史から影も形も無く失踪しているということ。

 

これらの要素は調べれば必ず残っている。ゼロだということは有り得ない。情報を消されているという事実が無ければ。

 

 

「予めデータ消してて良かったわね。まあ、どのみち大した情報は無かったけど」

 

「どうするレベッカ? 予想以上に大事になってきたけどさ。まったく人類の滅亡なんて……ノストラダムスやマヤ文明も予言するなら正確にしてほしいよ」

 

「静かにしてショーン。気付かれたらどうするのよ。それにマヤの方は当たってたでしょ?」

 

「おお、そうだった。けど二回来るって言っておいて欲しかったよ。折角デズモンドが防いだのに……」

 

「まだ間に合うわ。マーリンの話だと」

 

「あの夢魔を信用するのかい? はっきり言ってあれはクズ以下のナニカだぞ?」

 

「ろくでもない奴ってのには同意するけど、彼の力は確かよ。こんな有り様じゃ生きてるか分からないけど」

 

「死んでくれたら万々歳だよ。千里眼だったか? 過去と未来とか並行世界とか見通せるスーパーパワー。まったく鷹の眼がしょぼく見えてしまうよ……そんな便利なものを出し惜しみして誰かの為に使わないとか控えめに言ってゴミクズだろう? イケてるのは顔だけ。というかマーリンっててっきり爺さんかと思っていたよ」

 

「もう……マーリンに対する罵詈雑言は聞き飽きたわよ。探せば良いところもあるはずよ?」

 

「ほお、言ってみろよ」

 

「……まだ探し中。後一年待って」

 

 

ロマニのすぐ目の前。周囲には聴こえない微かな声でオペレーターとして管制室の席に座る男女がそんな会話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――大丈夫かね? シニョリーナ」

 

 

全員が茫然とする中、男…エツィオは視線を立香からマシュへと変えると優しげな笑みを浮かべ、手を差し出す。

 

 

「あ、はい……その、助けていただき、ありがとうございます」

 

 

その手を取り、立ち上がる。ランサーが消滅したことで回復阻害の効果も切れ、元より浅かったこともあって傷は再生し始めていた。

 

彼女は幸運だった。サーヴァントの宝具の中には使用者や宝具本体が消滅しても尚、効果が持続するものもあるのだから。

 

 

「構わんよ。同じ主を持つサーヴァント同士、助け合わなければならない。それに何よりもこのような麗しい少女を輩から守るのは男として当然のことだ」

 

「は、はあ……」

 

 

困惑するもマシュは頬を緩める。異様な風貌で物々しい雰囲気を放っていたが、意外と紳士的な人物なようで安心した。

 

 

「にしても何というか、凄い格好だな……ああ、別に悪いって言ってる訳じゃない。むしろ良い。生前はどのような偉業を?」

 

「いえ。私はデミ・サーヴァントで……」

 

「デミ?」

 

「その、簡単に言えばサーヴァントと融合していて元は普通の人間なんです」

 

「何と。その知識は与えられていない。是非とも詳しく知りたいな。そのえ……じゃなくて涼しげな衣装は融合元の英霊が――」

 

「コホン……無駄話はそこまでにしてくれないかしら?」

 

 

興味深そう質問するエツィオにマシュは少し圧倒される。そんな様子を見てオルガマリーが怪訝な表情を浮かべ、咳払いする。

 

まるでナンパするかのような仕草や口調は、ランサーを瞬殺した際のイメージとはかなり乖離していた。

 

 

「これはすまない。生前からの癖でな。貴女も負けずと麗しい。あちらと違って強気な婦人とお見受けする。会えて実に光栄だ」

 

「えっ……そ、そう?」

 

 

わざわざこちらへ来て手を取り、エツィオはお辞儀する。整った顔立ちの美男子に面と向かって麗しいと言われ、オルガマリーは頬を染める。

 

 

『マリー! なに喜んでいるだい! にしてもこの流れるようなナンパ……流石はイタリア人だ』

 

「ほう……確かに俺はイタリア出身だ。見抜くとはなかなかの洞察力だが、どうも頼り無さげな声をしている」

 

『どんな声だよ!? それと君自分でフィレンツェって名乗ってるじゃないか!』

 

「……確かに」

 

『まさかの天然ボケ!?』

 

「うっかりしていた。つまり本当にただの頼り無い男、という訳か。嘆かわしいな」

 

『酷い! 初対面の相手に向かって失礼だろうが!』

 

「む、そうだな……お前に関してどういう訳か負の感情しか湧いてこない。自分でも妙だと感じる。何故だ?」

 

『知らないよ!』

 

「ね、ねぇロマン……」

 

『ん? 何だい立香君?』

 

 

エツィオがロマニとコントをしていると先程から黙っていた立香が話し掛ける。

 

 

「エッチオ?さんが名乗ったんだから俺達も自己紹介した方が良いんじゃないか?」

 

『「「あっ」」』

 

「ふむ、こちらもその方が助かる。だが、マスター。エッチオではない。エツィオだ」

 

 

立香のご最もな提案にそういえばと固まる三人。一方、エツィオは自身の名の発音に訂正を求める。

 

至極どうてもいいことだが、彼としてはイスタンブールに居た頃に散々言い間違えられていたため譲れないものがあった。

 

 

「エッツオ?」

 

「エ、ツィ、オ、だ」

 

「……H男?」

 

「全然違う。ハァ……ならば単にアサシンと呼ぶといい。アウディトーレでは長いだろうからな」

 

「……じゃあ、そうする。よろしくアサシン。俺は藤丸立香。藤色の藤で……ってよく考えたら外人にこの説明しても意味無いな。藤丸が姓で立香が名前です。一応マスターやってます。おんとし18歳です」

 

 

何度か言い直せるが、日本人である立香にはエツィオという名前は言いづらかった。なので別の呼び方を提案すると立香はこれを受け入れ、自己紹介した。

 

それに続くようにマシュ達も喋り始める。

 

 

「マシュ・キリエライト。先程言った通りデミ・サーヴァントでクラスはシールダーです。よろしくお願いしますエツィオさん」

 

「私はカルデア所長、オルガマリー・アニムスフィアです。カルデアというのは――」

 

「いや、その説明は不要だ。汝らが人理とやらを守る組織なのは重々承知している」

 

「えっ……そ、そうなのですか?」

 

「ああ。召喚される前に予め知識を与えられたからな」

 

 

カルデアのことを知っていることに驚くオルガマリーだが、召喚システムにそういう機能を備えていたことを思い出す。

 

しかし、そうなると彼はこの聖杯戦争ではなくカルデアから召喚されたことになるが……。

 

 

「で、別の場所から通信しているそいつが……」

 

『ロマニ・アーキマンだ。一応、医療部門のトップという立場に居る。よろしく』

 

「ほう……医者なのか?」

 

『まあ、そんなことだね』

 

「それは心強いな。医者にはよく世話になった」

 

『え? 身体が弱かったのかい? アサシンなのに』

 

「……そういう意味ではない」

 

 

悪い血を蛭で吸い取ってやろうかぁ?という声を幻聴する。斬られた時も撃たれた時もペストマスクをした鳥人間のような医者達には助けられたものだ。

 

 

「さて、自己紹介はこのくらいで充分でしょう。幾つか質問させてもらうけど構いませんか?」

 

「ああ。答えられる範囲までなら応じよう」

 

「じゃあ、早速。あなたはこの土地の聖杯戦争で喚ばれたサーヴァントではなく、カルデアのサーヴァントなのですよね?」

 

「無論だ。マスター・藤丸立香の召喚に応じ、汝らの目的の為に馳せ参じた。生憎と俺には無辜の民を巻き込んでまで叶えたい願いなど存在しなくてな。得体の知れぬ聖杯(カリス)になど興味は無い」

 

 

何故このような質問をするのか? とエツィオは疑問を口にする。

 

 

「有り得ないからです。何故なら私達は英霊召喚をまだ行ってません。召喚はレイシフトに成功した後に行う予定だったので。システムが勝手に作動する訳ないし……」

 

「そう言われてもな。魔力パスはマスターときちんと繋がっているだろう?」

 

「それは……どうなの、ロマニ?」

 

『確かに立香君とアサシンの魔力パスは繋がっている……ん? ちょっと待ってくれ。可笑しいぞ』

 

 

するとロマニが何かに気付く。

 

 

「どうした?」

 

『いや、通常はカルデアで召喚されたサーヴァントはカルデアの電力で現界の為の魔力を賄っている。だから立香君との魔力パスはカルデアを介しているはずなんだけど……君はカルデアを介さずにそのまま契約しているんだ』

 

「はぁっ!?」

 

 

ロマニが困惑した様子でそう絶対するとオルガマリーが信じられないとばかりに驚愕し、思わず声をあげる。

 

 

「つまりマシュと同じように直接契約したってことっ!?」

 

『そ、そういうことになります』

 

「嘘おっしゃい! 何かの間違いよ! サーヴァント二騎と契約するなんて!」

 

「? そんなヤバイことなの?」

 

「当たり前でしょうが! 普通なら魔力が枯渇して木乃伊になっちゃうわ! 特にあなたみたいな一般人は即死よ!」

 

「……マジでか」

 

 

一体だけでも維持するのにそれなりの魔力を消費するのに二体、それも単独でなど正気の沙汰じゃない。それを一流の魔術師ならともかく一般公募で来た数合わせがやっているという有り得ない事実に発狂するオルガマリー。彼女の言葉に立香は一瞬顔を青ざめ、自身の体調を確認するが何ら異常は見られない。

 

 

『一応、魔力自体はカルデアが賄っている。立香君は正規のマスターに登録されているからね』

 

「な、何だ。早く言いなさいよ……にしてもいつ契約したのよ?」

 

「さあ、そもそも俺は召喚する方法なんて知らないし……何でだろ所長?」

 

「私が分かる訳ないでしょ!」

 

 

何も立香個人がエツィオの魔力を賄っている訳ではないことを知り、オルガマリーは一瞬安心するがそれでも疑問は尽きない。

 

魔術師でもない一般人が何の手順も補助も無く、自力でサーヴァントを召喚するなど。しかも本人は自覚が無いときた。

 

 

「……ふむ、どうやら俺はイレギュラーらしいな」

 

『ああ。けどまあ戦力が増えるのはこちらとしては非常に有り難い。召喚の理由を考えるのは後回しにしよう』

 

「私もドクターの意見に賛成です。エツィオさんには危ない所を助けてもらいましたし悪い人ではありません」

 

 

結果的にはエツィオの召喚はメリットしかもたらしていないのだから原因を究明にするのは後からでも良いだろうとロマニは判断した。

 

これにマシュも頷く。彼女にとってはエツィオは命の恩人であり、話してみたところ悪人にはとてもじゃないが思えない。正体不明だが、信頼出来る人物だと認識していた。

 

 

「そ、そうね……不意討ちとはいえマシュが敵わなかったあのランサーを一撃で仕留めたんだし……」

 

 

オルガマリーも同意する。この最悪な状況下、例えキャスターと並んで最弱候補であるクラスだとしても、サーヴァントが戦力として加わったのは心強いことこの上無い。

 

 

「それじゃあ、二つ目の質問です。お恥ずかしながらあなたの真名……エツィオ・アウディトーレという名を私は存じ上げません。その理由が知りたくて」

 

「はい。私も所長と同様にそのような名前の人物について記憶にありません」

 

「うーん……俺は聞いたことがあるような無いような……」

 

『えっと……調べてみましたが、残念ながらカルデアのデータベースにもありませんでした』

 

 

オルガマリーの疑問。それは皆が同様であった。誰もエツィオの素性を知らない。特にマシュは読書が趣味で偉人や英雄に関しては人一倍の知識があると自負していたので不思議そうにしていた。

 

それに対してエツィオは何だそんなことかと笑う。

 

 

「フッ……アサシンが有名であったら本末転倒だろう?」

 

「あ、それもそうか。目立っちゃ駄目なんだし。そもそも暗殺者が英雄って可笑しくねって話になるが」

 

 

その言葉に立香は納得する。暗殺者とは英雄から最もかけ離れた存在であり、名の知れた暗殺者などもはや暗殺者ではない。

 

 

「よく分かっているなマスター。そうだ。アサシンとは影の存在でなければならない。いくら大義の為に動こうと、いくら正義を成そうと我らは表に立つこと無く、影の中で光に奉仕し続ける。英雄とは程遠いものだ」

 

 

そうでなければ仲間を危険に晒す。まるで弟子に言い聞かすようにエツィオは語る。

 

 

「成程……確かに有名な暗殺者なんてカエサルを暗殺したブルータスくらいしか知りません」

 

 

マシュが理解する。多くの書物を読み漁ったが、誰もが知る有名な暗殺者といって思い浮かぶのは親代わりだったローマの独裁者を刺し殺した、イスカリオテのユダと並んで裏切りの代名詞となっている男くらいだ。

 

 

「……そうね。有名かはともかく、アサシンという単語の語源となったイスラム教ニザール派の暗殺教団。その長である山の翁、ハサン・サッバーハも初代を除けば単なる称号に過ぎず、彼らの本名は誰も知らないし」

 

 

そう考えると有名なアサシンを探す方が難しい。そもそも偉人を暗殺した者は大半が無銘だ。ブルータスとカッシウスは珍しい例だ。彼ら以外の名が知れてる、暗殺を成し遂げたことのある者は殆どが他のクラスの方が適正が高い。呂布等が最たる例だ。

 

尚、彼らは知らないが、実はギロチンを開発した処刑人、オペラ座の怪人、ロンドンの殺人鬼、忍者、鬼、エジプト最後の女王までが暗殺者のクラスとして召喚可能なのである。もはやアサシンとは一体何なのか。エツィオの所属するかの教団が知ったら憤慨することであろう。

 

 

「……さて、そろそろ出てきたらどうだ?」

 

「え?」

 

 

するとエツィオが一転して鋭い目付きで背後の瓦礫の山を見据えて呟く。

 

唐突にどうしたのかと一同は首を傾げる。そこには瓦礫以外に何も無かったからだ。しかし、エツィオにははっきりと視えていた。

 

微かに発光する青い輝きを。

 

 

「――おっと。バレてたか」

 

 

瓦礫の裏から男が現れる。髪は青く、服装も青を基調とした装飾品の多い民族衣装のようなもの、手には木製と思われる大きな杖を持っていた。

 

魔術師然とした格好でありながら放つ雰囲気は歴戦の“戦士”のソレであり、明らかに現代の人ではないと一目で分かる。

 

つまりはサーヴァント。彼を視認した瞬間、一同は警戒心を露にし、マシュが立香の前に出て盾を構えた。

 

 

「まあ、待ちな。殺り合うつもりはねぇよ。2対1で不利なのは勿論なこと俺はオタクらの味方だ。ランサーに襲われた時もタイミングを見計らって助けるつもりだったんだ。必要なかったがな」

 

 

その口調は雰囲気に似合わず気の良い兄貴分といった印象を与える。少なくとも立香はそう思った。

 

両手を挙げて敵対する意思は無いと表現する男。しかし、明らかに武器である杖を離してないのはもしも襲われた時の為の保険なのだろうが、怪しさもあってかカルデアの面々の警戒の色は消えない。

 

エツィオを除いては――。

 

 

「……みたいだな。少なくとも今殺すべき相手ではない」

 

「へぇ……分かるのか?」

 

「いいや。視えるのだ」

 

 

男の問いに笑みを含み、エツィオは言う。白ならば無関係。赤ならば敵。青ならば味方。金ならば重要人物。“鷹の目”で大方は把握出来る。

 

尤も、後々裏切ってたり実は敵と通じていたりとするが、少なくとも今はこの男に敵対するつもりは無いことは明白だった。

 

 

「杖……ということはキャスターか? 衣装から見てケルト出身とお見受けする」

 

「ご名答。俺はこの聖杯戦争で召喚されたキャスターだ。真名の方は秘密で頼む。サーヴァントならほら、分かるだろう?」

 

「成程。真名を知られると不都合になる逸話を持つ訳か」

 

「そういうことだ」

 

 

へへへ、と笑う男…もといキャスター。真名を知られるというのは例外は多々居るが、サーヴァントにとってそれだけで致命的と言えるものだ。

 

例えばギリシャの大英雄、アキレウスは不死身の肉体を持つが、唯一踵のみが弱点であり、生前の死因だ。これは踵の腱の名前にそのままアキレス腱と使われる程に有名な話だ。

 

彼に比肩、或いは上回る程の大英雄であるヘラクレスも死因であるヒュドラの猛毒に弱い。そう考えれば例え味方であっても真名を教えるのは躊躇するだろう。

 

特にケルト神話の英霊となれば破れば弱体化が伴う誓約(ゲッシュ)があるためそれを利用される可能性もある。不用意に名乗るべきではない。

 

 

「あのー、すみません」

 

 

すると立香が二人の会話に割って入る。

 

 

「ん? お前がマスターか坊主。魔術師にしちゃあ良い面構えだな」

 

「それはどうも。話を聞くにアンタはあの黒いのが襲ってきた時から俺らを見てて、マシュを助けようとしていたのか?」

 

「おうよ。結果はこの通り先を越されちまったがな」

 

「……なら、マシュが斬られる前に助けてほしかったんだけど」

 

 

問い掛けに笑顔で答えるキャスターに、立香が半目で言い放つ。確かにもっと早く行動していればマシュは怪我を負わず、エツィオに先を越されることもなかっただろう。

 

そして、何よりもランサーが手加減をしていたから致命傷を避けられたのであって、もしかするとあの一撃でマシュの上半身は下半身とさようならしていたかもしれないのだ。立香としてはその真意を確かめたかった。

 

 

「……そりゃその、なんだ。すまねぇ。嬢ちゃんの実力を知ろうと様子を伺ってたら間に合わなかった。けどトドメを刺される前に動こうとしてたんだぜ?」

 

「本当に?」

 

「本当だ。ほら、ヒーローっぽく爽快と駆け付ける感じで……結果は出遅れてこんなだせぇことになってるが」

 

「……そう、分かった。信じるよ」

 

「おう。ありがとな」

 

 

訝しむ立香。しかし、申し訳なさそうにするキャスターからは敵意は感じられず、一先ずは信じることにした。

 

マシュもそんな空気を察したのは盾を下ろし、オルガマリーもホッと一息吐く。

 

 

『立香君……英霊二人の会話に割り込んで問い詰めるなんて大した度胸だね』

 

「あん? 何だ、そいつは魔術による連絡手段か?」

 

「現代において普及している無線という奴の発展ではないのか? ……いや、そういえばミネルヴァという女神もこのような魔術を使っていたな」

 

 

思い出すのはヴァチカンの地下にて会った黄金の女神。彼女も今のロマニのように実態が存在しなかった。当時は魔術だと思っていたが、現代の知識から察するにあれは科学技術によるものだと考えられる。つまり我々が手紙や伝書鳩でやり取りをしていた頃からホログラムなんてものを駆使していたのだ。

 

かつて来たりし者達。彼らの技術は果てしないと改めて思う。

 

 

『これは魔術と科学の応用で……ってミネルヴァ!? アサシン、君さらっととんでもないことを言わなかったかい!?』

 

「? 何がだ?」

 

『何って……その、ミネルヴァってあのミネルヴァだよね? 詩、医学、知恵、商業、製織、工芸、そして魔術と幅広く司るローマ神話の女神の!』

 

「ほう……詳しいな。まあ、彼女(ミネルヴァ)は自身は神ではなく“古き者”と称していたが」

 

『こう見えて神話には詳しいんだ。それに魔術師として“魔術”を司る神様くらい覚えとかないとね……ってそれよりも! もしかしなくても君は女神ミネルヴァに会ったことがあるのかい!?』

 

「ああ。その通りだ」

 

『えぇ!? 嘘だろおいっ!?』

 

 

何食わぬ顔でそう言うとロマニは愕然とする。一体何故そこまで驚いているのだろうかとエツィオは首を捻る。魔術師ならば神の類いが実在することは知っているはずだが。

 

 

「うるせぇな……神くらい珍しくも何ともないだろうが」

 

『そりゃ神代の英霊にとっては日常茶飯事でしょうけどこのアサシンは中世の時代の――』

 

「どうでもいいからさっさと話を進めようぜ? オタクらもその方が良いだろ」

 

『そ、そうですか……では、魔術師のサーヴァントよ。我らは貴殿に畏怖と敬意を以て――」

 

「ああ。そういうのはいい。聞き飽きた。さっさと本題に移れよ軟弱男」

 

『え、あっいや……す、すみません……ううっ 初対面に軟弱男って言われちゃった……』

 

 

しゅんとあからさまに落ち込むロマニ。それを見て一同な呆れた様子だった。

 

 

「ハァ……何やってんのよロマニ」

 

 

するとオルガマリーが溜め息を溢し、立香達の前に出る。

 

 

『あ、あれ? 所長は然程驚いてない? 中世のアサシンがミネルヴァと会ったって言ってるんですよ?』

 

「……私は何も聞いてないから。うん。聞いてないのよ」

 

『現実逃避だった!』

 

「黙りなさい。ここは所長として私が話すわ」

 

 

しかし、それは正しい判断だろう。今は女神がどうので騒いでいる暇は無い。オルガマリーはこほんと咳払いし、キャスターへと向き合う。

 

英霊を前に身体は僅かに震えていたが、その眼は覚悟を決めた真剣なものであった。

 

 

「初めてまして。カルデア所長、オルガマリー・アニムスフィアです。以後お見知りおきを」

 

「こりゃご丁寧に。キャスターだ。よろしくな……けど嬢ちゃんがボスなのか? てっきりそこの坊主かと思ったぜ」

 

「……今のは聞かなかったことにします」

 

 

だが、キャスターの呟きによってその顔はすぐに怪訝なものへと変わる。この発言をしたのがサーヴァントではなかったらぶちギレていただろう。

 

 

「キャスター。あなたは、ここで行われていた聖杯戦争の参加者ね?」

 

「おうともさ。物好きな野郎によってあろうことかキャスターで喚ばれちまった哀れなサーヴァントだ。魔術師なんて柄じゃねぇのに」

 

「は? …ああ、成程ね。あなたもあのランサーと同じように最適正のクラスじゃないのね」

 

 

やれやれといった様子でぼやいたキャスターの言葉にオルガマリーは一瞬、首を捻るがすぐに理解する。

 

 

「どういうこと? 所長」

 

「サーヴァントには適正クラスが複数ある者も居るのよ。この男はキャスターとして喚ばれるだけの魔術の素養を持ち合わせているけど、最も適したクラスは別にあるってこと」

 

「はぇー」

 

「……ちゃんと理解してる?」

 

「失礼な。キャスターよりも別のクラスの方が強いってことでしょ? 道理で魔法使いっぽい見た目なのにそうは見えない違和感があった訳だ。接近戦が好きそうな顔してるもん」

 

 

説明を聞いて感心しているとオルガマリーが疑いの眼差しで問うてきたため立香はむっとした様子で反論した。

 

 

「どんな顔だよ……だが、なかなか見る目があるな坊主。ご察しの通り俺が最も適しているクラスはランサーだ。なのに俺は魔術師として喚ばれ、槍兵として喚ばれたのは何故か自身の死因である不死殺しの鎌を引っ提げたライ……あの女だった訳だ」

 

「死因ってことは……やっぱりあの黒いのってメデューサだったんだ……そんなのも召喚できるんだな」

 

 

ゴルゴーンの怪物。半神半人に首をはね飛ばされた、髪の毛が蛇で視た者を石へと変えてしまう恐ろしい化け物だと立香は記憶している。

 

しかし、あのランサーの姿は黒い靄が掛かっていて顔は見えなかったが、人間の女の姿をしていた。髪の毛も蛇ではなかったし、視られても石にはならなかった。一体どういうことだろうか。

 

にしてもメデューサが召喚可能ならばヒュドラやミノタウルス等も召喚できるのかもしれない。もはや英霊でも何でもないが。

 

 

「まったく……冬木の聖杯戦争でキャスターとかやってらんねぇよ」

 

「ん? その口振りだと何度か経験したことがあるのか?」

 

「まあな。今回は何故か並行世界での記憶が残ってて、何度か召喚されてるのを覚えている。そん時はランサーだったが、マスターに恵まれなくて死にまくってたぜ。主に自害で」

 

「それは……お気の毒に」

 

 

キャスターは気さくに笑いながら言うもののその顔にはどこか哀愁が漂っていた。

 

並行世界。エツィオとしては聞き捨てならぬ台詞だが、与えられた知識にはそういうのも実在しているとのことなのでそうなのだろうと納得し、自己完結する。

 

 

「そういえば、今回の聖杯戦争が何回目か知っているか?」

 

「え?」

 

「はぁ? そんなの決まってるじゃない。“一回目”よ。聖杯戦争はこの年の一度のみ行われただけのはずよ」

 

 

キャスターが唐突に尋ねる。他の面々が首を傾げる中、オルガマリーは自信満々に答えた。

 

 

「……ああ、そうだ」

 

 

その問いにキャスターはにやりと笑う。

 

 

「おっと、話が脱線したな。オタクらの予想通り確かに俺達はここで聖杯戦争をやっていた」

 

「……いた? 今は違うの?」

 

 

過去形で語るキャスターにオルガマリーが疑問を問い掛ける。

 

 

「おうよ。途中までは聖杯戦争をやっていたんだが、いつの間にか全くの別物にすり替わってた」

 

「……どういう意味?」

 

「そのまんまの意味さ。まず初めに人間が誰一人として居なくなった。俺らのマスターは勿論、街で暮らす一般人も一人残らず最初から居なかったかのように消えて無くなった。オタクらのような生身の人間を見るのは久々だ。そして、突如現れた聖杯から“泥”が溢れ出し、それによって街が燃え、あちこちに化け物共が湧き出した。残ったのは聖杯戦争で召喚された俺を含めた7人のサーヴァントだけ。というかサーヴァントだから生き残ったんだろうな」

 

 

その淡々とした説明に立香達は絶句する。何の予兆も無く、一瞬にして街一つがこのような惨状が作り上げられたというのだ。

 

 

「……一体誰がそんなことを?」

 

「さあな。だが、セイバーの奴が関わっているのは間違いねぇ」

 

「――セイバー?」

 

 

キャスターの口から出たのは最優のクラスのサーヴァントだった。

 

 

「戸惑う俺達の中で真っ先に戦争を再開したのがセイバーだった。(やっこ)さん水を得た魚みてぇに暴れ出してな。あっという間にアーチャー、ランサー、ライダー、バーサーカーを切り伏せちまった」

 

「何? ランサーのサーヴァントは先程俺が殺しただろう?」

 

 

エツィオが問う。その話が本当なら立香達を襲い、エツィオが暗殺した鎌を振るうあの女は何なのだと。

 

 

「そう、そこだ。セイバーに倒されたサーヴァントは何故か消滅せず、あんな黒い姿になってセイバーの下僕と化したんだ」

 

「霊基が変質したっていうの? まさかセイバーは聖杯を持っているのかしら?」

 

「察しが良いな。そうだ。セイバーは聖杯……その大元である“大聖杯”を独占してやがる。お陰様で奴は聖杯のバックアップの下、馬鹿みてぇな力を発揮しやがる。そして、この聖杯戦争は狂い、まだ生き残っている俺とアサシン対他のサーヴァントって構図が出来ちまった」

 

「成程。セイバーは聖杯戦争の勝者となる為にお前とアサシンを付け狙っている訳か」

 

「そう言うこった。尤も、一緒に行動していたアサシンは行方知れずだが」

 

「……そうか。で、敵の戦力はどれ程だ?」

 

「ライダーは俺が倒した。後はセイバー、アーチャー、バーサーカーが残っているが、バーサーカーは無視していい」

 

「何故だ? 狂戦士こそ危険視すべきだと思うが?」

 

「奴は手を出さなければ襲って来ない。セイバーですら手を焼いているんだ。後、単純に相手したくねぇ。クソ強いからよ」

 

「……そういうことか」

 

 

ふむ、と顎に手を当てるエツィオ。実質相手はセイバーとアーチャーの二人のみ。サーヴァントの数ではこちらが有利だが……。

 

 

「つまりキャスター。あなたは結局のところ自分の利益の為に私達に接触してきた訳ね」

 

 

するとオルガマリーが冷たい態度で言い放つ。一体どういうことかと立香は首を傾げ、エツィオは思考を止めて彼女へ目を向ける。

 

 

「あなた一人ではセイバーは倒せない。だから私達に倒してもらう為に恩を売ろうとした。そういうことでしょう?」

 

「おう、その通りだ。ランサーならセイバーの奴なんか楽勝なんだが、キャスターの俺じゃまず無理だ。それに何か悪いか? お前達も目的は同じはずだろ?」

 

「いいえ。何も悪くないわ。むしろ安心したのよ。打算の無い親切なんて、信用するに値しないもの」

 

「所長……」

 

 

どこか苦い顔をしてオルガマリーは言う。過去に何かあったのか。立香は神妙な面持ちになる。

 

 

「それでマスター……いや、ここはオルガマリーに訊くべきか。これからどうする?」

 

「ええ。目的は決まりました。今回の“特異点F”の元凶……それはこの聖杯戦争で召喚されたセイバーのサーヴァントと見て間違いありません。彼女を打倒し、聖杯を手に入れましょう」

 

『けど相手は四体ものサーヴァントを倒したんですよ? この面子で勝てますかね?』

 

 

ロマニが不安げに問う。実力が未知数なアサシン。最適正のクラスではなく、おまけに聖杯戦争において最弱と名高いキャスター。宝具の使用も出来ぬシールダー。果たしてこの面子で最優のサーヴァントに挑んで勝算はあるのだろうか。

 

 

「それは……」

 

「ねぇ、セイバーの真名って分かるの?」

 

「ん? おう坊主。知ってるぜ」

 

「それを早く言いなさい!」

 

 

オルガマリーが怒鳴るが、その声には歓喜も入り雑じっていた。サーヴァントの真名。それを知ることが出来ればより有利に戦いを進められるだろう。

 

 

「聖剣に選ばれた騎士王様って言えば、分かるだろ?」

 

「え、それってまさか――」

 

 

しかし、キャスターの言葉にその顔はすぐに青ざめてしまう。何故ならば彼女の予想が正しければそのセイバーは最優どころな最強なのだから。

 

 

「――アーサー王だ」

 

 

ブリテン島を治めた騎士王。誰もが知る聖剣(エクスカリバー)の持ち主。セイバーとしては最強と呼ぶに相応しい存在。その名は立香も知っており、一同は息を呑んだ。

 

 

「――ふむ、それならば喉を掻っ切れば殺せそうだな」

 

 

ただ一人、最強のアサシンだけが安心した様子で呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、“新都”と呼ばれるビルが建ち並ぶ都会の雰囲気を醸し出す区域にて。

 

今や焼け焦げ、廃墟も同然の摩天楼の中でも最も高い建物の屋上。そこに一人の男が佇んでいた。

 

 

「……キャスターの奴め。やはり異邦人と合流したか」

 

 

色素の抜けた白髪。それとは対照的な褐色の肌。それらを覆い隠すように漂う黒い靄。彼は此度の聖杯戦争にて“赤い悪魔”によって召喚された弓兵……その成れの果てであった。

 

 

「ランサーが襲い、キャスターが助ける。そういう手筈だったのだろうな。作戦を考えたのはアサシンか? 奴は相変わらず捕捉出来ん……一体いつまで逃げ隠れするつもりなのやら」

 

 

そう言って溜め息を溢す弓兵。遥か遠方のカルデア一行を見据えるその瞳は黄金に輝いていた。

 

何度目だろうか。この冬木とムーンセル。幾度と無く聖杯戦争に参戦したが、ここまでイレギュラーなものは今回が初めてだった。

 

最初は馴染み深い冬木の聖杯戦争だと思った。無論、違う部分は多々あった。まずライダーがランサーに、ランサーがキャスターとなっていた。その代わりにライダークラスにはペルシア最後の王が、そして本来のキャスターが消えたことによってアサシンが正規のルールで召喚された。

 

しかし、そんなものは些細な違いだろう。現に自身が殺すべき赤髪の少年はセイバーを召喚していたし、出会いこそ違えど自身のマスターと同盟を結んだ。最初の鬼門であるバーサーカーとの戦いも乗り越えた。

 

そこまでは。そこまでは良かったのだ。気が付けば何もかもが狂っていた。

 

 

「“人理の防人”か……彼女はいつも背負わされてばかりだな」

 

 

王の次は国。その次は人類と来た。最初に弓兵が覚えたのは激しい憤りだった。何故よりにもよって彼女なのかと。それは彼女を愛した男として当然の感情だろう。

 

しかし、同時に諦めた。仕方無いものだと。自分に出来るのは彼女を守護することだけだ。

 

彼女は、他のサーヴァントと違って自身にだけ狂化を施さなかった。それは信頼されているが故だろう。ならばそれに応えてやらねばなるまい。この身が果てぬ内は、永遠に近い夜が終わるまで彼女を守ると決めた。

 

 

「――しかし、あの男が居るとは」

 

 

すると弓兵は視線を動かし、白いフードを被った暗殺者にピントを合わせた。彼が突然現れ、ランサーを瞬殺した時は驚きを隠せず、戸惑った。

 

弓兵は彼のことを知っている。聖杯からの知識ではなく生前の記憶によるものだ。

 

かの世紀の大天才が密かに作り、“教団”の支部に置かれていた彫刻と瓜二つの容姿。間違い無く、自身が憧れた男の一人であるアサシンだ。

 

 

「面白い……“最強”の称号が伊達ではないか、試させてもらうぞ」

 

 

フッと弓兵は笑みを浮かべ、自身の主へ報告する為に万能の願望器が眠る鍾乳洞へと向かうのであった。




■■■「戦闘続行や回復・蘇生系の宝具を持ってる奴はアサブレ刺しても死なないよ」

H男「なにそれこわい(リベレーションを思い出しながら)」
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