魔法使いのハイスクール 【更新停止】   作:アルファデル

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第3話 魔法使いの日課

第3話

 

「………っん」

 

学園に通いクラスメイトの人達にこの街の事を色々と教えてもらい(兵藤と他2名は知識がかなり偏っていたが)生活にも慣れを感じ始めた7月の朝、俺は日課である魔法の訓練をこなすため早くに眼を覚ます

 

部屋を出るとちょうど琴音も起きてきた

 

元々俺とルー母さんでやっていた早朝の訓練だが二人の生活になってからは琴音も参加するようになった

 

あれほど戸惑っていた二人での共同生活だがやはり慣れというのは恐ろしく今では悶える事はほぼなくなった…と思いたい

 

「ふぁ〜、おはよう詩音」

 

「おはよう琴音、少し眠そうだな顔洗ってきたらどうだ?準備の方は俺がしとくから」

 

「うぅん、このままじゃ訓練にならないしそうするよ〜、ありがとね詩音」

 

眠気からかトローンとした顔で受け答えする琴音は洗面所へと向かっていった

 

俺はというと階段を下り一階のある部屋に来ていた

 

一見なんの変哲も無い部屋だが俺が床に向かって魔力を流すと魔法陣が浮かび上がってきた(設置したのはいうまでもなくルー母さんだ)

 

俺達の使う魔法は内にある魔力を定められた法則に従って操り、世界に干渉する力の事だ

 

元々、三種族やとある厄災へ対抗する為に大昔から人知れずつちかわれ続けられてきた

 

俺と琴音は小さい頃に拾われて以来、ルー母さんに魔法のことを教わっていた

 

魔法使いの多くは【この魔法使いといえばこの魔法】というようにその人を代表する固有魔法を持っていることが多い

 

かくいう俺と琴音もそれを持っている

 

浮かび上がった魔法陣に再度魔力を注ぎつつ詠唱を唱える

 

「【開けゴマ、我が魔力を糧とし異空間へと繋げよ】」

 

魔法を使う系のライトノベルにありがちな逐一詠唱する必要はないのだが、今の詠唱はいわばこの魔法を発動するためのパスワードみたいなものでこれじゃないとどれだけ魔力を入れても発動しない

 

ほかの魔法師に使われないようにするためというのはわかるが最初の開けゴマいらないだろう、絶対ルー母さんの悪戯で入れやがったな

 

そうこう考えているうちに扉を開ける音が聞こえた、琴音が顔を洗ってきたようだ

 

「目が覚めたよ〜、詩音の方も準備できたみたいだね」

 

「おう今できたところだ。早速だが行くぞ琴音」

 

「うん!」

 

そう言って俺たちは魔法陣に向かって足を踏み入れた

 

その瞬間視界が真っ白に染め上げられ目を閉じる、しばらくして目を開けるとそこにはあたり一面白い壁でできている部屋が広がっていた

 

この部屋は現実の世界とは離れた空間にある部屋で俺たちの魔法訓練のために前の家の時にルー母さんが作ったものだ(一度部屋と魔法陣、詠唱さえ設定すればあとはどこにいようとこの部屋につなげることができる)

 

誰でも作れると言うわけではなく空間魔法が得意で魔力量も多いルー母さんだからこそ作れたのだと本人が自慢していた

 

部屋の広さもそこそこありどんな魔法を行使しても壊れないようにできているらしい

 

「んじゃ始めるか、琴音はいつも通り向かいの方でやるだろ?」

 

この部屋は間取りを自由に変更でき基本的には俺と琴音は別々の部屋で訓練をしている

 

「うん!それじゃまた後でね詩音!」

 

そう言って琴音は向かいの部屋へと向かっていった

 

琴音が部屋からいなくなると俺は魔法の訓練に取り掛かる

 

部屋には様々な環境での訓練を可能にするためのスイッチが取り付けられている(もちろん琴音の部屋にもだ)

 

俺は重力の負荷をかけるスイッチを押す、自身の体重が重くなるのを感じつつ魔力を全身に流すイメージをする。纏うのではなく流し循環させる、そうする事で魔力消費を抑えつつ効率的に身体強化や魔法行使することができる

 

それが終わったら今度は掌から無数の魔力弾を作る

 

放った魔力弾はランダムに対象を攻撃するようになっていて俺はそれを身体強化しつつ避ける訓練だ

 

こうする事で空間把握能力と身体に対するより効率的な魔力強化の訓練をする事ができる

 

それが終わったら次は先に言った俺を代表する魔法、箒魔法の訓練に入る

 

俺が右手を背中に回すとどこからともなく箒が出現する

 

その箒を手に取りつつ自身の魔力を箒にも循環させる

 

箒は魔力を通しやすい素材でできていて耐火や耐久性にも優れたものだ

 

普段は俺の部屋に置いているのだが俺が呼び出すと時空・空間問わず現れるようになっている

 

何故箒魔法なのかと言うとそれは俺の小さい頃の記憶と関係しているがここでは割愛させてもらう

 

手にした箒に魔力が問題なく流れるのを感じながら俺は放置していた魔力弾を再度ランダムに先ほどより早く攻撃するように操作する

 

自身に向かってくる魔力弾を箒を操作し弾いていく、時には回避をしながら速度に慣れてきたら一段ごとに速度を速く、数を増やしていく、より精密な魔力コントロールをするためだ

 

その後も様々な魔法訓練をし今は身体強化魔法を切り体力トレーニングをしている

 

魔力と体力は持ち保たれずの関係であり魔力だけあっても意味はない、その逆もまた然りだ

 

ある程度、体力トレーニングも終えた頃別部屋から琴音が出てきた

 

「詩音、時間もそろそろだし最後の組手しよ!」

 

いつもトレーニングの後には琴音と身体強化のみの組手をしている。魔法使いは何もRPGのような後方で魔法を使うだけではない

 

特に俺と琴音はどちらかと言えば近距離や中距離型の攻撃魔法が得意なので尚更単純な戦闘技術が必要になってくる

 

「そうだな、今回こそ勝ち越させてもらうぞ琴音」

 

なお近距離戦での戦闘は琴音の方が強く技術もうまい、朝の訓練を始めた頃は拮抗していたが元々琴音自身の固有魔法もあってか近接戦闘のセンスは群を抜いていたこともあり今では5本勝負をすると4対1か、3対2で俺が負け越している

 

「今回も勝たせてもらうよ詩音!」

 

こうして俺と琴音の組手が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在朝の訓練を終え、家を出た俺たちは駒王学園に向かっている最中だ

 

「………」

 

「もう詩音!いつまで引きずってるの?シャキッとしなきゃシャキッと!」

 

結局俺のまた負け越しだった

 

どこがいけなかった?あそこで蹴りを入れたのが悪かったのか?いや、あの時のフェイントがいけなかったのか?…

 

「し〜お〜ん!」

 

「!っと悪い琴音、また癖が出てしまってた」

 

「も〜詩音は考え込むとすぐ周りが見えなくなるんだから気をつけてね?」

 

俺は考え込むと周りへの注意が散漫になってしまう癖がある、直そうとは思っているがいかんせん癖というものは直すことが難しい

 

「あぁ、ありがとな琴音」

 

こう言う時に言うのは謝罪ではなく感謝の言葉である

 

普段腑抜けてるルー母さんが教えてくれた少ない教育の一つだ

 

学校に着き教室に入るともうほとんどの生徒が来ていた

 

「よ!詩音と琴音!」

 

開口一番元気のいい挨拶をしてきたのは一誠だ

 

基本的にいいやつではあるのだが…自己紹介で分かる通り極度の変態なのだ

 

クラスが同じの松田、元浜と並び【変態三人組】と呼ばれている。女子更衣室の覗きなど普通に考えて犯罪のよう事をしているのが原因だ

 

大抵女子にバレボコボコにされているようだが(俺は逃げている三人を止める係になっている)

 

「おはよう一誠、朝から元気だな」

 

「そりゃあ、元気が取り柄みたいなもんだからな!」

 

言ってて悲しくならないか一誠?

 

「おはよう一誠君!服ぼろぼろだけど大丈夫?」

 

「ん?あぁ、気にしなくていいぜこれは男のロマンを追い求めたいわば勲章みたいなもんだからな!」

 

「女子に対する嫌がらせに近いものを男のロマンとは言わないけどな」

 

「おいおい何を言ってる詩音?覗きは男のロマンだろ!」

 

「あははは…」

 

こいつ、琴音がいるのわかってて言ってんだよな?琴音苦笑してるんだが

 

「ソウダナガンバッテクレ」

 

「なんだよその棒読み!」

 

「朝から元気だね〜あんた達」

 

そう言って話しかけてきたのは桐生 藍華、変態三人組に負けず劣らずの性知識を持っているらしく噂では男性の尊厳であるアレを数値化できるらしい(女性バージョンは元浜が持っていると一誠が言っていた)

 

そして俺が苦手とする人物でもある。その理由としてはーーー

 

「琴音と詩音はいつも通り、二人で夫婦出勤?全く微笑ましいね〜」

 

このようにからかってくることが多いのだターゲットは琴音なのだが遠回しに俺も標的にしたりする

 

「だからそういうのじゃないって言ってんだろ?琴音とは昔からルー母さんと一緒にいたってだけで別にそんなんじゃない」

 

琴音が後ろにいてよかった。声だけは動揺しないように努めているが顔が赤くなるのは止められないからな

 

(琴音、頑張って!)

 

(詩音の奴も素直じゃないなぁ)

 

尚詩音と琴音の関係についてはクラス全体で見守る体制となっている。最初こそ男子は嫉妬などをしていたが、琴音の詩音に対する好意や二人の仲の良さから今では孫を見守る叔父叔母のような感じになっている

 

実際のところ琴音と詩音はいつも通りに接しているだけなのだが…

 

「お〜いHR始めるぞ〜席につけ〜」

 

桐生がさらに追い討ちをかけてきそうになった時、先生が教室に入ってきた

 

これ以上絡まれてはたまったものではなかったのでよかったというべきだろう

 

「ありゃりゃ、もう少しからかい…んん!喋りたかったのになぁ」

 

こいつ確信犯だな

 

こうして各々の席に戻る中、ふと今までだんまりだった琴音のことが気になり振り返るとそこには目を細め頬を膨らましたいかにも【不機嫌です】を表現した琴音の顔があった

 

ナニヲマチガッタ?

 

「琴音?どうかしたのか?」

 

「別に何でもないよ」

 

スタスタスタと自分の席に向かう琴音に俺は何も声をかけられなかった

 

何もそこまで否定しなくてもいいのに…バカ詩音

 

結局琴音が怒っていた理由もわからないまま学校が終わった。機嫌自体は昼に菓子パンを買う事により許してもらえたのでよかったと思いたい

 

今は家で魔法に関する勉強をしている、琴音も俺と一緒にやっていたが今はお茶を淹れに行ってくれている

 

魔法自体まだまだ知識、経験不足な事もありルー母さんに琴音と二人掛かりでも負けている

 

俺達としても負けっぱなしは嫌だからこうやって学んでいるのだ

 

ルー母さん帰ってきたら絶対に負かしてやる

 

そんなことを考えているとスマホから着信があった

 

スマホを開いて耳に当てるとーーー

 

よぉ、詩音!元気にしてるか!?

 

「うるせぇな火燕そんな大きな声で言わんでも聞こえてる!」

 

電話の相手は火燕、母さんの仕事関係で知り合ったやつの一人だが…とにかくうるさい、一誠の元気さが霞むレベルで

 

『ヤハハハ♪んなおこんなって!そんなに怒ってると寿命が縮むぜ?』

 

「ーーー要件ないならkil●ぞ?」

 

『おぉ?なんか言い方に違和感があったんだが?まぁいいか、要件ならあるよ!仕事だし・ご・と!』

 

何のことかわからないな

 

「分かった場所はどこだ?」

 

「おう!場所は今は廃墟になってる家のとこだな具体的な場所はーーーー」

 

「分かったすぐ行く」

 

そう言って切ろうとする俺に待ったをかける火燕

 

「ところで詩音よぉ」

 

「なんだよ?もう切りたいんだが」

 

「琴音とは何処まですすーーープツッ

 

「やかましいわ火炎馬鹿」

 

「しお〜ん、お茶できたよってどうしたの詩音?」

 

「ん?いや何でもない、淹れてもらって悪いが仕事の時間だ琴音、準備してきてくれ」

 

「う〜んしょうがないね!帰ってきたらまた淹れるよ!」

 

「あぁ助かる」

 

そう言って琴音は上へと上がっていった

 

さて、俺も準備しなきゃな

 

 




まだ原作スタートには二〜三話かかりそうかもです申し訳ありません
新たにお気に入り登録してくれた
koueisyokuさん、夢薔薇さん、モブ5090さん、やかあらさん
ありがとうございます!
少しずつでも増えているのは嬉しいです!
感想待ってます!
ではまた
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