魔法使いのハイスクール 【更新停止】   作:アルファデル

5 / 6
初めて六千文字超えたました(報告)


魔法使いとオカルト研究部(原作開始)
第5話 魔法使いの心情


第5話

 

「なぁなぁ!俺彼女ができたんだ!」

 

二年になってから少したった金曜日の朝、俺と琴音が喋っていると教室に入るなりいきなり一誠がそんな事を言いだしてきた

 

「………琴音、それでなんだって?」

 

「え?あぁうん、それでね「いや俺の話きけよ!?つか琴音もスルーとか大概酷くないか!?」」

 

一誠が世迷言を言っていたので流そうとしたのだが本人に止められた。だが言うがな

 

「酷いもなにも一年の時から相変わらず覗きに盗撮、その他の変態行為をしながら生きているやつに逆に聞きたいが彼女ができると思うか?」

 

そう、一誠と松田と元浜は一年の時から先に述べた行為を行っている。大抵は俺が止めているのだが(そのせいで影で変態処理係、略して変処理と影で言われている。悪意あるあだ名ではなく単純にそれがぴったりだったためだが本人は納得していない)取りこぼしもある。結末はどちらにせよボコボコにされると決まっているのだが

 

「うぐっ、いやまぁそうだけど!できたんだって!まじで」

 

一瞬怯みはしたがそれでも引き下がらない一誠。はっきり言ってあまり興味はないが

 

「そうか、でそれが本当だとして俺からお前に言える事は一つ」

 

そこで俺は言葉を区切り、俺は一誠の後ろを見て言った

 

「強く生きろよ一誠」

 

「え、それってどうい「「ひょ〜う〜ど〜う〜!!」」ひっ!!?」

 

状況が理解できていなかった一誠だが、琴音が苦笑を浮かべながら後ろを指差し振り向く事でやっと把握した

 

そう背後には最早修羅すら生温い地獄の権化とかした松田と元浜がいた

 

「裏切ったのか貴様ぁぁぁ!!!?」

 

松田がいまにも一誠に飛びかかろうとする中元浜が止めに入る、顔は松田と同じで般若の顔をしていたが

 

「いや待て松田、まだ実態とは限らないもしかしたら一誠が考えた妄想彼女かもしれないぞ」

 

そこまで聞いて一誠は恐怖の顔から一転喜びの顔へと変わった。そこからの行動は決していいものでもなかったが

 

「写真ならあるぜ!えっと…ほらこれ!!」

 

スマホを取り出しそこから写真のアプリを立ち上げ俺たちに見せてきた。そこには黒髪で長髪の美人な女性の姿があった

 

自分で自分の退路消したぞ

 

写真を見た後にそう小声で呟き俺は横で呆然としていた琴音の手を掴み少し距離を置く

 

「えっ、詩音!?いきなりどうしたの?」

 

突然の事で声をあげる琴音に俺は答える。まぁ少し周りを、正確には後ろを向けばわかる事だが

 

「いや、今から少し騒がしくなるから離れといた方がいいと思ってな」

 

ひょ〜う〜ど〜う〜!!!

 

いつのまにか俺達の後ろには残りの男子が集まっていた。兵藤に彼女という聞き捨てならない事を耳にしたからだろうそしてそこから始まるのは蹂躙だ

 

「お前らいつの間に!?てかなんでみんなして恐ろしい顔してんだ?………あ、いっけね俺用事思い出したそんじゃな!」

 

男子達の表情から全てを察し脱兎の如く教室から出て行く一誠、それを見届けるだけで済ます筈もなく

 

『逃がすかぁぁぁ!!!!』

 

と俺を除いて男子全員が追いかけて行った。俺がいかなかった理由は特にない、あの一誠に彼女が出来た事は驚きだが素直に祝福したいと思っている。追いかけて行った男女達の気持ちは理解できるのだが

 

「あいつらホームルームすっぽかす気か?」

 

「流石にそれまでには帰ってくると思うけど一誠君は大丈夫かな?」

 

俺のつぶやきに対して琴音が返してくる。今回が男子という例外なだけで女子には変態三人組はいつも追いかけられている(その前に女子に追いかけられるのが例になってる時点でおかしいが)

 

「自業自得だから気にしなくてもいいと思うぞ、それにしてもあいつらもあいつらで懲りないな」

 

変態行為さえ無くしてしまえばまだ女子からの冷たい視線も少なくなるだろうに

 

それをしないから変態三人組と呼ばれている由縁でもある

 

「そりゃあ変態三人組の一人にあんな綺麗な彼女ができたとあっちゃ男子の嫉妬も凄まじいでしょう」

 

とそこで桐生が話しかけてきた

 

「それは分かるが何もあそこまでする事はないと思うぞ?」

 

とそこで桐生の口元が歪んだ。わかりやすく言うと【ニヤリ】と。そうして俺と琴音を交互に見ながら言った

 

「へ〜?さっすが彼女持ちは言うことが違いますなぁ。違った夫婦だった」

 

「え!?」

 

琴音が驚きの声を上げる何故そう言う結論になるんだ

 

「一年間のうちに何度おんなじこと言えばいいんだ?俺と琴音はそう言う関係じゃなくてルー母さんの養子だって言ってるだろ」

 

『はぁ』

 

残っていた女子全員がため息をついたような気がした。俺はそれを無視して言う

 

「ほらもうすぐホームルーム始まるぞ。俺はあいつら探してくる」

 

俺はそう言って教室から出た、こういう時は俺が呼びに行く事になっている。先生からも公認でだ(そこが少し解せないが)

 

だがまぁ、ここでの一年間のお陰で同い年の人もしっかりと喋れるようになったし、ここでの生活も悪くは無い…だからといってあの変態三人組には感謝を言う事はしないが

 

それにしても桐生も一年間ずっとからかってきて飽きないな

 

結局捕まっていた一誠と男子達を連れ教室に戻り、授業を受けた。あいつら一誠の事縄でがんじがらめにしてタコ殴りって普通だったら怪我だけじゃ済まないぞあれ

 

それにしても一誠の彼女か、人の恋路にとやかくいう気は無いが宿っている神器の方も最近少しずつ気配が強くなってるし嫌な予感がするな

 

その後は何もなく授業が進められ今は放課後、俺と琴音は一誠と校門前まできていた。松田と元浜は先生に呼び出され指導を受けている一誠は今回に限り被害者だったので一緒になって指導を受ける事はなかった

 

教師陣は怪訝そうにしていたが説明役として呼ばれた俺が鶴の一声では無いが一誠が関係ない事を伝えると納得した(変態三人組の尻拭いにより先生達からの信頼を得ていたのもある。これは学校公認で変処理となっているのか?)

 

俺が少し考え込んでいると二人の足音が止まった、俺も考えるの中断して止まる

 

「どうかしたのか二人共?」

 

と俺は二人に声をかけつつ二人が向いていた校門の方を見る。そこには一誠が写真で見せていた女性が立っていた

 

「あっ!イッセー君!!」

 

その女性(天野夕麻と一誠は言っていた)は俺達を正確には一誠を見つけると手を振りながら呼びかける

 

「夕麻ちゃん!?」

 

一誠も彼女が校門前で待っているとは思っていなかったのだろう驚きの表情と共に彼女の元へと駆けて行った

 

「えへへ、きちゃった!」

 

俺達が一誠とその隣の彼女に追いつく頃には彼女は一誠の左腕に抱きついていた

 

少し鼻の下を伸ばしていた一誠はこちらを向いて彼女の事を紹介する

 

「彼女が今朝言っていた天野夕麻ちゃん、俺の彼女だ!」

 

一誠の紹介に賛同するように彼女が答える

 

「はいっ!ご紹介に預かりました天野夕麻です!貴方達がイッセー君が言っていた柊詩音さんと、柊琴音さんね、イッセー君がお世話になってます!」

 

輝くような笑顔でそう言ってくる彼女に対し俺達も自己紹介をする

 

「こちらこそこんな一誠の…「おい!」彼女になってくれてありがとう。初めましてだから分かっているとは思うが名乗らせてくれ、柊詩音だ」

 

「私は柊琴音だよ!って分かってる人に名乗るのなんか変な感じがするね」

 

少し苦笑を交えつつ俺に続いて琴音が名乗った

 

「うん!やっぱり合ってたね!イッセー君から聞いてはいたけど名前言った時は違ったらどうしようって少しドキドキしてたんだぁ」

 

少し恥ずかしそうにしながらそういう彼女、なお一誠は変わらずだらしない顔をしている

 

「せっかく彼女が迎えに来たんだ、二人で夕飯を食べにでも行ってきたらどうだ一誠」

 

「………」

 

しばらく琴音と天野が喋っていると俺はそう一誠に呼びかけた。だが当の本人はニヤニヤしていて俺の呼びかけに応えない、こいつどれだけ浮かれているんだ?

 

俺は一誠に近づき右手の甲をつねる

 

「いて!?何だよ詩音」

 

「何だよじゃない呼びかけても反応しなかったからやっただけだ、それより彼女と食事にでも行ってこい」

 

少し強引に話しを進め一誠達と別れた(天野はまだ喋りたそうだったが)

 

一誠達と校門前で別れ帰宅路を暫く歩いていると琴音から話しかけてくる

 

「詩音、あの人って」

 

「あぁ、堕天使でまず間違いないだろ、時間稼ぎをさせてすまなかったな」

 

「ううん、話をしていて悪い気はしなかったし別に気にしてないよ」

 

そう、俺達が離れた理由はそこにある

 

魔法使いは普段魔法使いと悟られぬように魔力を使わない状態にしている(頭の中でスイッチの様に切り替えると使える)

 

だが俺は一誠にとある魔法を施す為に微量ながら魔力を使っていた。念の為に昼休みの時点から魔法自体は練っていたが相手に悟られぬ様に一誠に魔法をかけるのに必要だった

 

一誠の手をつねった時に魔法を施し魔力の形跡が残らない様にした

 

因みに一誠に施した魔法は【サーチポインター】と言われるもので指定した場所や物の周りに設定した魔力量を超える者が現れると自動的にこちらに知らせてくれる魔法で瞬時にその場所に転移することもできる。デメリットとしては設置するための魔法陣構築に少し時間がかかるのと施す場所や人に直接触れないといけない事だ

 

昼休みに話している中で明後日デートをすると話していたので今回はこの魔法を使った(魔法は法則性さえ分かっていれば頭の中でイメージし使う事が出来る)

 

人間の絶望した顔を好む傾向が多い堕天使なら、デート後に一誠を殺しにかかってくるかもしれない

 

出会った時にしかけにいかなかったのは学校前でもあり多くの学生に自分達の存在を知られるのが怖かった(具体的にはSNS等を使った拡散など)のと一誠の幸せそうな雰囲気を壊したくなかったためだ

 

甘いと思われてしまうかもしれないが俺はこういうやり方しかできない。だがもし堕天使が一誠の命を狙っているのならその時は全力でそれを阻もう

 

こうして決心を固めいよいよ日曜の朝を迎えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

起きてから階段を降りリビングに行くといつもの様に琴音が朝食を作ってくれていた

 

席に着き、いただきますの号令の後暫く無言で食していたがふいに琴音が話し出す

 

「今日だよね、一誠君と天野さんのデートの日」

 

「あぁそうだ、天野が一誠を襲うとしたらデートが終わった夕方辺りだろうな」

 

そうならない方が良いんだけどなと続ける

 

念のために一誠にはもう一つ魔法をかけてある、俺達が転移するまでの時間稼ぎにはなるはずだ

 

サーチポイントの最大転移人数は今の俺の力量じゃ二人が限界だ。元々二人しかいないのであまり気にするところではないが

 

そうして俺達は最悪の結果にならない事を願いつつ、夕方になるのを待った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠サイド

 

おっす!俺兵藤一誠!って言ってる場合じゃねぇ!

 

「今のは、まさか魔法?この街にも魔法使いはいると聞いてはいたけれど私の存在に気付きこの魔法をかけたのだとしたら放課後にあった琴音と詩音とかいう奴らかしら?」

 

そう言って俺の事を上空から見ているのは今日一日デートしていた天野ちゃんだ。なんでこんな事に!?

 

今日は昨日詩音と計画したデートプランにのとって映画館やデパートに行ったりした

 

詩音のやつデートなんてした事ないとか言っといて琴音ちゃんと休日どう過ごしているかを聞いたら「琴音が行きたいとこについて行ってる、基本的に映画かデパートだけどな」ってそれもうデートじゃないの!?

 

でも俺の相談にちゃんとアドバイスくれたのはありがたかった

 

それで最後、公園に寄ろうって事になって二人で入ってしばらく話した後に天野ちゃんが「ちょっとイッセー君に相談があるんだけど」って言うから「天野ちゃんの相談なら、なんだって聞くぜ!」って答えたら背中から漆黒の、表現するならカラスのような翼を生やして少し上昇するとこっちに向かって右手を出しそこから光の槍が作られ

 

「死んで?」

 

と俺に向かって放ってきた。俺は何もできずコマ送りのようにこちらへ向かってくる槍を見ることしか出来なかった

 

すると俺の右手の甲が僅かに光った。そこから俺を中心に一メートルくらいの透明の円の壁ができる

 

透明な円の壁と光の槍が激突した。光の槍は貫こうとするがそれができず遂には消えていった

 

俺はもう何が何だか分からなくてただただ呆然としているだけだ

 

そして場面は戻る

 

「その様子だと何も知らなかったようね?ま、知らないのだったら仕方ないわねどうやらその魔法は一回きりみたいだし今度こそ殺してあげる」

 

そうやって俺に再度光の槍を放つために手を向けて来たところでまた俺の右手が光ったすると俺の前に二人、何もない場所から現れた

 

こっちに背を向けて立っているけどこの後ろ姿、もしかして

 

「詩音に琴音!何でここに!?」

 

俺の声に反応してこちらを向く詩音、その顔は何故か悲しそうだった

 

「話は後だ今はとりあえず眠っていてくれ」

 

そう言って俺に手をかざすと途端に眠気が襲ってきて俺は意識を手放した。眠る直前詩音が「ごめん」と呟くのが聞こえた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詩音サイド

 

夕方になってからサーチポイントに反応があった。やはりこうなったか

 

リビングにいた俺と琴音は直ぐに一誠の元へととんだ

 

飛んだ先では堕天使の姿となった天野がこちらに、正確には一誠の方に手をかざしていた

 

「詩音に琴音!何でここに!?」

 

一誠が声を荒げ俺達にそう言ってくる、事情を説明する時間はない、今は眠っていてもらおう

 

場合によっては天野、こちらを警戒する目で見ている堕天使を倒さないといけないからな

 

俺は一誠の方を向き【スリープ】を使って一誠を眠らせた

 

一誠が眠りゆくなか俺はごめんと謝罪した、この件で一誠が恋愛に対してトラウマを持っても不思議ではないその時のフォローもしないとな

 

俺は堕天使の方へ向き直し俺は話す

 

「やはり一誠に宿ってる神器を警戒して殺しに来ていたのか、堕天使」

 

「そう、気づいていたの?そのわりには対応が遅い様な気がするのだけれど、もしかしてそこにいる人間の事を考えて?魔法なんていう人外の力を使う割には随分人間らしい考えを持っているのね魔法使いって、それともあなたが特別なのかしら」

 

「お前こそ随分と饒舌だな、堕天使ってのはお前みたいにお喋りが好きやつが多いのか?」

 

堕天使の挑発に対し俺はそう答える、そしてと続ける

 

「こっちは二人に対してお前は一人、こっちにきた時にサーチを使って調べたがあんたの仲間はこの近くにはいないみたいだな」

 

【サーチ】は魔力を極小にして飛ばし周囲を探る魔法だ、人によって索敵範囲は異なるが俺は40〜50Mまで探れる

 

俺と琴音は魔力を高めつつ警戒する

 

「っ!この魔力、一人だけでも厄介なのにそれが二人もとあっては流石に無理ねここは引かせてもらうとするわ」

 

そう言って堕天使はその場から去っていった。すると今度は背後から声をかけられた

 

「結界のようなものを感じてきてみれば、この状況は一体どうゆう事?説明して欲しいのだけれど」

 

振り返るとそこには赤髪で長髪の美人な女性がいた。リアス・グレモリー、学校内で感知した悪魔の一人。索敵範囲内にはいたが敵意は見受けられなかったので放置していた

 

 

説明しても構わないのだがこれ以上長居すると一誠が起きかねないので早々に退散しよう

 

「今日のところは帰らせてくれ、説明は明日の登校日にする。俺は二年の柊詩音、こっちは柊琴音だ」

 

そう言って俺達は相手の返事を待たずに自宅へと転移した

 

転移してからは魔物討の時と同じ様に一般人にバレないよう一誠の自宅へと送り届ける、琴音には待ってもらう事にした。幸いにも両親は不在だった様で一誠のポケットから鍵を拝借し家の中へ入る

 

一誠の部屋が二階にあるのは一誠の話で聞いていので無事一誠を部屋のベットまで運ぶと俺は自宅へ転移した

 

帰ってくると堕天使を見てから黙っていた琴音が話しだす

 

「詩音の言う通りになっちゃたね」

 

「あぁ、一誠が付き合う前に俺があっていたらこうはならなかったかもしれないがたらればの話をしても仕方ない。今はとりあえず一誠が無事だったことを喜ぼう」

 

「そう…だね、それじゃあ私、料理作ってくるよ」

 

そう言ってキッチンへ向かう琴音は少し悲しそうだった

 

明日は少し長い1日になりそうだな




次も一週間くらいにはあげたいです
感想お待ちしています!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。