…………(無言のダイスロール
寝ぼけ眼で『早朝』の見張りをしていた2匹のゴブリンを、片方は少女野伏の矢で、もう一方は少年戦士の投げた槍で仕留める。
「……ふぅ」
「よし……」
故郷を襲ったゴブリンの群れと戦った時は、とにかくがむしゃらで死に物狂いだった。
落ち着いて、冷静に、気付かれぬよう、静かに素早く、というのは、彼ら
彼らはまだまだ、駆け出しの白磁等級冒険者に過ぎない。
「…………新しい装備は……に、臭い消し、が……必要、なんだよな……?」
「……おう」
「………………うん。そう、言ってた、けど……」
本当にやるの? と、少女野伏が目で訴える。
ゴブリンは殺したい。
故郷を奪ったあいつらを、1匹残らず皆殺しにしたい。
その思いは、3人とも同じだ。
だが、そのためには、ゴブリンの内臓をーー……。
「……ぅぇ」
考える途中で、少女野伏は気分が悪くなった。
「女の匂いには特に敏感らしい。
無理なら、ここで外から来る奴がいないか見張ってろ。奥には俺ら2人が行く」
腹をくくった少年戦士が、ゴブリンの死体から槍を引き抜き、その傷口にぐちゃりと汚れた布を突っ込む。
「……口で呼吸するな……血の臭いに慣れろ……」
ゴブリンスレイヤーの教えを口の中で繰り返し、ゴブリンの臓物で更に汚れた布を、自分の装備に押し付け、こする。
「そうだよな……やらないと、な……」
同様に、若干目が死んだ少年剣士も、ゴブリンの臭いで、自分の装備の臭いを消す。
「………………わかった……わかったわよ……。
わたしだって、あいつらは絶対に、許せないもの……」
黙々と作業する仲間たちに、少女野伏は、とうとう折れた。
少女として、何か大切だった気がするものを、心の隅に押し込めて。
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見張りは気付かれずに始末した。
臭いは消した。
横穴や罠はなかった。
シャーマンも
居たのは、洞穴の奥の狭い空間に、ゴブリンがたったの9匹。
奇襲で1人1匹。
ゴブリンが立て直す前に、更に1匹ずつ。
少年剣士に2匹、少年戦士に1匹が襲い掛かるが、当たりはしない。
次の1手、合計3
終わってみれば、呆気ない。
いや、臭い消しのことを知らなければ、奇襲はできなかった。
その場合、先手を取って3匹仕留めても、少年2人には残る6匹のゴブリンが、おそらく3匹ずつ襲ってくる。確実に無傷で勝てるか、と言われれば、確信はない。
いつだって、
もしも知らなければ、そもそも、規模の小さい巣穴を初めての依頼に選べなければ、死んでいたのは自分たちだったかもしれない。
そう、考えをまとめて、少年剣士は息を吐きーー……。
ーー右の膝裏に、灼熱を感じた。
いつだって、
「が……!? あ……あああぁぁぁぁッ!!!」
腹を裂いて殺したはずのゴブリンが、にたりと笑う。
少年剣士の膝裏に突き刺したナイフを、ぐるりと回し傷口を抉る。
「こいつッ!?!」
少年戦士の槍に頭を砕かれる寸前、ゴブリンが、ざまあ見ろ、と言ったように、少年剣士には感じられた。
「……! このナイフ、毒が塗ってあるわ! 早く
「くそっ! しっかりしろ! 起きろ!
ああクソ! クソ!
傷口からの熱が頭に回ったようで、ぼうっとする。
なのに、全身が震えるくらいに寒い。
ああ、畜生。
失敗した。
油断するなって、教わったじゃないか、馬鹿野郎が。
舐めてかかれる相手じゃないって、わかっていただろう。
畜生。畜生。畜生。
「ぶつぶつ言ってないで、さっさと飲みなさい!
毒はすぐ処置しないと手遅れになるって聞いたでしょ!」
「とりあえず脚の付け根を縛って、水薬ぶっかけるぞ!
後は適当な布でも包帯にして、さっさと街に戻る!」
「先行するから、あなたはそのバカ背負ってついてきて!」
「おう!」
ぐいっ、と身体を持ち上げられて、少年戦士の背中に負われる。
ああ畜生。
情けないな。
「ごめん……おれ……
「「うるさい! 助かった後にしろッ!!」」
ああもう本当に。
こいつらが仲間で、よかった。
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「偶々! 偶然! 運良く!
ギルドに居合わせた、奇跡を残して依頼を終えた神官の冒険者が、《
「しかも治療代は要らないときた。何だ、地母神の神官ってのは聖人か?」
「水薬も使っちゃったから、これで神殿に治療を依頼してー、ってなったら、完全に赤字だったわね」
「おう。こいつはもう本当に、あの神官さん様様だな。今度会ったら、改めて礼を言わねぇと。
なあ?」
「ねえ?」
「「
「はい……油断してすみませんでした……」
初めての冒険と、冒険者ギルドへの報告を終えた一党は、そのままギルド内酒場で反省会を行っていた。
「斬る時はしっかり深く、殺しきる。
気を抜く前に、相手が死んでいるか確かめる。
ゴブリンはいつだって不意打ちを狙っていると忘れるな」
反省会というか、少年剣士の反省の場だったが。
深々と頭を下げながら、それでもはっきりと、自らの失敗と改善点を述べた頭目に、少年戦士と少女野伏は、大きく頷いて、にっ、と笑ってみせた。
「わたしも、生き残りを見落としてたわ。野伏として反省ね」
「次は、俺が仕留め損ねて不意を打たれるかもしれねえ。
その時は頼むぜ、2人とも」
「失敗しない、とは言わないのね?」
「常に完璧にできるなんて、自惚れてねぇからな」
笑って、運ばれてきた酒杯を、それぞれ手に取る。
「それじゃあ」
「音頭は当然」
2人の視線は、少年剣士へ。
彼も、自分の分を持って、高く掲げた。
「……そうだな。
俺たちは、生きてる。
しくじったけど、どうにか勝った」
小規模な巣穴だった分、元々報酬が少ないゴブリン退治の中でも、更に安い仕事だった。
使った水薬を買い足したら、また次の依頼を受けなければ、生活もできない。
「次も3人で、生きて勝とう!」
それでも、ほんの少しの酒がある程度の贅沢でも、今この時は、勝利の宴だ。
「「「乾杯ッ!!!」」」
【クエスト判定】
3d6:2,4,3
剣士・負傷判定
戦士・フォロー不可
野伏・フォロー不可
【負傷判定】
1d6:3
剣士・重傷
戦士・無傷
野伏・無傷
依頼達成
【復帰判定】
1d20:18+0>10
《小癒》・成功
ああっと!! Σ(゜Д゜)←クエスト、負傷判定した時の筆者
いきなりリーダーがリタイアかと思った……!
試行では結構クエスト判定で5,6出て、3人で振れば誰かがフォローできる、的な感じだったのに、ここで5,6無しって……!
流石はダイスさん……!
その後の《小癒》が無駄に高い出目とか……!
いやー、この方式、書いてる方は楽しいですね!
1人TRPGって言われたら寂しくて泣けてきますが!