普通科からの...   作:八幡宮来宮神社

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短めですいません。あと、作者は友達少ない(いないとは言ってない)ので、こういう描写が難しいです。温かく見守ってください。(遅れた理由)。また、結構凝縮したので、展開が早いです。


…………の一歩

「なあ、俺等意味あんの?てか、ヒーロー科とかは何やってんだよ」

「アイツらは片付けをするらいしぞ」

 

 俺は人使にそう答える。しかし、人使はまだ納得いかない、という顔だった。まあ、その分少し汚くすればいいだろう。と考える俺は悪だろうか。しかしまあ、教師陣としては少しでもヒーロー科の個性強化をさせてあげたいところなのだろう。

 

「まあ、さっさと終わらそうや。面倒くさいし」

 

 そう言い皆に俺は活を入れる。皆だるそうに応えるが、速く終わらしたいため手を一生懸命動かす。まあ、やっているのは、体育祭の時に使われるスタジアムの椅子拭きなのだが、これが非常に面倒くさい。偶にガムなどが張り付いている事もあるし、特に嫌なのが手すり拭きだ。手垢等がこびり付いている所が多々あるからだ。

 

 

 何時間もすると、俺たちの掃除は終わった。この間のヒーロー科は個性の練習等をしていると聞いたので、少々苛立つ。人使はそのことで非常にお怒りになっているご様子だ。後でレモンティーでも奢ってあげよう。

 

「よし、帰るか」

「おう、そうだな」

 

 俺は人使の言葉に応えて教室を出た。人使とは駅前で別れるのでそこでレモンティーを買ってあげようと思う。駅まで歩いている間は人使の話題で盛り上がった。内容は人使のA組の敵情視察の話だった。やはり、人使はひねくれものだと思う。内容は原作と同じだった。どこに行っても人は簡単には変われないらしい。

 駅前では学生たちが帰る時間なので、人でごった返していた。俺は意外にもこの光景が好きだ。何だか日常という感じがする。

 

「人使、何飲む?」

 

 自動販売機にいくつかお金をいれ、人使に聞く。

 

「えっ?いや、いいよ。別にのど乾いてないし」

「ほんとかよ?」

「・・・・レモンティー」

 

 人使はいかにも渋々と、いう感じだが顔には表れていて左の頬が少し上がっている。あれは人使の照れ笑いを抑えている証拠だ。そして、やはりレモンティーだった。

 

「人使」

「・・・・・なんだ?」

「・・・表情に出やすい奴だな、お前は」

 

 人使は見破られたと思い、それを誤魔化すためにジュースを一気飲みした。人使はそばにあったゴミ箱にペットボトルを放り投げ、俺を見据えた。

 

「なんだ?人使」

「うるせー!レモンティー美味しかったよ!じゃあな!」

 

 人使は周りを気にすることなく大声でそう言った。その顔はどこか嬉しそうだった。人使は自分がやった失態に、顔を赤らめながらも電車への階段に向かっていった。

 

「帰るか」

 

 誰に言うでもなく、呟いた。ただ、呟いた。俺は駅から出て自分の自宅に戻った。実に滑稽な人間だと、自分でも思った。これから、裏切ってしまうかもしれない人間に、自分は何をしているのだろう。

しかし、そうしなければ、自分を保つことができないかもしれない。友達を裏切るということは、それ程の罪なのだ。人使は俺の中では、それ程の人間になっていたのだ。人が最も恐ろしいと感じるときは、無自覚な時なんだな、と痛感する。現に俺は迷っている。人を裏切るか、自分を裏切るかの二択だ。俺は当日になっても、その答えを出せずにいた。

「ただいま」

 

 誰にでも言うわけではなく、一人虚しく誰もいない空間に声をかける。

 

「・・・・」

 

 当たり前のごとく返事はない。そろそろ慣れないといけないのに。俺が小学校と中学校をと通して『親』と呼んでいるのは義父と義母だ、『親』は俺のことを邪険に扱うこともなく、俺をちゃんとした人へと育ててくれた。

 しかし、俺の脳裏に何時までも焼き付くようにある『親』の顔を忘れはしなかった。とても優しくて、笑顔の絶えない人だった。俺の記憶では、そう描かれていた。描かれているだけで、本当かどうかはわからないが。記憶はよく、美化されるものなのだ。

 例えば、道端で出会った女の子が、とても綺麗だなぁ、と感じ、また、一ヶ月後になって、その女の子を見ると、案外、綺麗とは感じれなくなる。

 そうゆうものなのだ。人は人を美化しすぎて、自分が思ってもないような行動をとられると、パニックになり、はたまた、その、人自身を信じようとはしなくなっていく。実に哀れなものだ。自分の想像とは違う、というだけで突き放しまうとは。俺は人使がそうゆう人間ではない事を知っている。知っているか故に、迷っている。俺はあまり人を簡単には信じきれないのだ。多分、迷うということは、心のどこかで人使をまだ信じきれていないのだと思う。

 

 俺は切り替えて、晩御飯の用意をする。サバのムニエルと味噌汁。米は玄米だ。最近は何故か玄米がおいしと感じることが多いのだが、なぜだろう。まあ、食べれれば問題ないが。

 

「しかしながら、ムニエルは面倒だったな」

 

 そう独り言を言うも反応する人はいない。寂しいとは思うが少しずつではあるが、それも慣れてきた。しかし、そのおかげか、独り言が多くなっていっている気がする。

 晩御飯を用意した後に、制服をまだ着ていたことに気づき、すぐに着替える。皺がつかないようハンガーにかける。畳八畳の部屋でテレビをつけながら晩御飯を食べる。ニュースにチャンネルを変える。これといったものはないが今だに雄英の襲撃事件で持ち切りだ。人使がこれを見たら、箸でも折っているかもしれない。

 

 晩飯を食べ終え、次はバラエティー番組を見る。面白いものも無くなってきたころに、俺は寝る準備をする。ちゃぶ台を横にどかし押し入れから布団を敷く。そこで、お風呂に入っていないことに気づき寝間着と下着を用意し洗面台に置き風呂に入る。

 数分で終わり、服に着替えて布団に入る。網戸から入ってくる夜の空気がとても気持ち良かった。

 

 

 

 

翌日、いつもより早めに起きた俺は、朝食のトーストにベーコンにスクランブルエッグと、オレンジジュースを飲み食いし、風呂に入り制服に着替え学校に向かう。

 

 

 生徒は早めに集合で、八時半には教室にはいないといけないのだが、俺は何を思ったか、遅刻まじかで集合場所についた。他のみんなは既に体育着に着替えていて俺を置いて行く訳にもいかないので、人使を残していたらし。教室に来と人使が居た。いつもの席で本を読んでいる。

 俺が教室のドアを開けて入ると、人使は本を置き、俺に朝の挨拶をしてきた。

 

 

 いつ戻りに──────────────────────────

 そう、その優しさが、俺には痛いのだ。とてつもなく、痛いのだ。

 

「おお、おはよう。遅かったな。五分遅れだ、急ごうか」

「人使、質問だが」

「なんだ」

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 彼が質問。いったい何だろう。いつもはむしろ質問をしている方だ。そんな彼は、いつも俺に対して的確に質問を捉え、最適であろう答えを出す。

 そんな彼が、俺に対しての質問だ。熱でもあるじゃないかと思ったが、彼の真剣な顔を見ると、ふざけている場合ではないのだろう。

兎に角、彼の話を聞いてみることにした。

 

「個性が、複数ある者がいたら、そいつは、なんだ」

 

 一瞬何訳の分からないことを言っていると、思ったが、真剣に答えると決心したのだ。ちゃんと答えてあげよう。

 

「そうだなあ。まあ、まず思うのが、強そうだなと、思うな」

「ほかには?」

 

 彼は、何か焦っているようだった。顔からは汗がにじみ出ていていた。顔はもう、どこか、泣きそうだった。

 

「んんんーーー、そうだなあ...。かわいそうと思うな」

 

 それを聞いた彼は、下唇を噛みしめ、何か考えているようっだ。そして、怯えながら、口を開いた。

 

「お前には、謝らないといけない事がある」

「おう、なんだ」

「....俺は、個性を複数持っている」

「は?」

 

 何を言い出すかと思ったら───────

 

「個性を?複数?冗談はよせ。それなら、お前、何でこんな所に居るんだ?おまえ、言ったよな、ヒーローになりたいって」

「人使、俺は、怖いんだ。お前が拒絶するんじゃないかってことに...事実、お前はは俺が言っていることを拒絶した。そんなのは嘘だと」

 

 俺は、彼の顔をまた見た。俺は彼と話しているうちに、彼が自分と同類、もしくは似た者同士だと思った。しかし、背負っているものが、背負って生きている大きさが計り知れないほどに、大きい。これを、個性が現れて何年も溜めてきたのか。あるいは、吐き捨ててきたのか。

 

「はじめ、というより。この個性を俺が自覚したのは、小学三年の頃かな。オールマイトの握手会に行った時だった」

 

 俺は記憶にかすかに残る物を、静かに巻き戻した。そう、オールマイトの握手会。その時、一人の小学生の個性の暴走で、握手会が中止になったこと。それからしばらくは、オールマイト自身も握手を断ったそうだ。

 

「つまり?それが、お前か...」

「ああ、そうだ。あの事故を起こしたのは俺だ。その後に、気ずいたんだよ。オールマイトの能力をコピーしている事ににさ。俺も最初、というより、最近まで悩んでいたんだ」

「それで?俺はどうでもいい。むしろ何を悩んでんのか甚だ疑問だ」

 

 黒谷は俺にすがる様に見つめていた。

 

「お前はいつもそうだよ。俺を困らせる事しかしないからな。個性がさどうとかじゃなくて、それは、お前の問題なんじゃないのか。お前はそれを俺に、教えてくれたじゃないか。まあ、さっさと行こうか」

「人使。ありがとな」

「うるせー!速く着替えていくぞ!」

「はいはい」

 

 俺は、曲がりなりにも黒谷と同じヒーローを目指している者だ。身近にいる存在すら助けられない奴など、ただの偽善者にしか過ぎない。

 俺の目指しているヒーローは、オールマイトだ。

 

 

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 俺は、人使の言葉に思わず泣きそうになる。それをすべての飲み込み、人使にいろいろな思いを込めて、一言。

 

「人使。ありがとな」

 

 人使は、照れながら恥ずかしながらも、俺にこう言った。

 

「うるせー!速く着替えていくぞ!」

「はいはい」

 

 俺は照れている人使を横目に、着替えを持って更衣室に向かった。

 

 

 

「そういえば、お前、個性どうなってんだ?」

「あぁ?聞きたいのか?」

 

 人使は顔を輝かせながら聞いてきた。多分、俺のコピーしている個性を知りたいのだろう。しかし俺は。

 

「言うかよ」

「なんでだよ!」

「言ったら、体育祭中楽しくないだろ?」

「お前、個性の申請はしたのか?」

「ああ、三週間前に既にやった」

「てか、教えろよ」

 

 俺はにっこり笑って、後でなと、言うと人使諦めて、違う話をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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