お試しなので、こんな感じです。
著しいキャラ崩壊があります。
「俺はバーテックスを根絶やしにする」
西暦2015年、世界は天の神という存在によって生み出されたバーテックスによって滅ぼされるはずだった。
だが、それを良しとしない一部の土地神などの神々によって人類全滅は逃れる。
穢れのない純粋な少女が武器を持って戦う“勇者”という存在が現れた。
勇者は人類の兵器を受け付けなかったバーテックスを倒すことができた。
人々を守る存在としてあがめられるようになった。
そんな少女達と俺は戦っていた。
勇者ではないが勇者に近い。
それが俺の状態だ。
勇者は清らかな少女しかなれないといわれている。なのに、どうして俺が勇者になったのか。
バーテックスが現れた日に崖の裂け目に落ちた俺はそこである存在と出会う。
星の守護者、ブルブラック。
俺達が住まう星とは別の星を守護していた騎士。
彼は過去にこの星へきてある存在と戦い、瀕死の重傷を負い、崖の裂け目で動くことなく傷を癒していた。だが、三千年という月日をもっても彼の傷は癒えることがなかった。
そこで、天の神が人を滅ぼそうとしていることに気付いたブルブラックは俺にある契約を持ち掛けた。
――俺の復讐を果たした後で、体を渡すということ。
この時の俺はバーテックスに復讐することだけしか頭になかったことからその契約を飲んだ。
後でわかったことだが、ブルブラックも目的があって地球へやってきたという。その目的を果たすために俺の体を必要として、契約を持ち掛けたのだという。
ブルブラックの力を貰うことで俺はバーテックスと戦うことができるようになった。
――黒騎士ブルブラック。
瀕死の彼から貰った力で俺はバーテックスと戦える。
奴らに復讐できるのだ。
初めてバーテックスと戦った時、あの時の気持ちは今でも鮮明に覚えている。
ようやく奴らに復讐できるという歓喜。
戦えるという気持ちは今でも忘れられない。忘れてはいけない。
バーテックスの手によって俺の大事な弟は命を奪われたのだ。
神という存在が人間を見放したという理由で弟の命は失われた。そのことを俺は忘れない。決して、天の神を許さない。
そして、四国。
唯一残されたこの土地こそが、人類の生活できる楽園だった。
そんな場所を俺は出ていこうとしていた。
最低限の道具を背負い、腰には愛剣を携えて、香川の丸亀城を抜け出す。
四国を出て、バーテックスを殺す。
そして、いつかは天の神を叩き潰す。
復讐のために俺は生きている。
安住の地など必要ない。
俺は復讐者だ。
――そのはずだったのだが。
「どこにいくつもりだ?黒騎士」
城を抜け出したところで俺の前に現れる少女。
「乃木若葉か」
「若葉さんだけではありませんよ?」
いつの間に現れたのか俺を包囲するように複数の少女がいた。
「黒騎士さん!どこにいくつもりですか?」
「高嶋か、前にも言ったはずだ。俺はバーテックスをすべて滅ぼす。そのために、外へ出ると」
「で、ですけれど、ここで待ち構えていれば」
「現れるだろう。だが、外に出れば、嫌でもバーテックスは俺を襲いにやって来るだろう。その方がより、奴らを滅ぼせる」
「だから外に出るっていうのか!?自殺するようなもんだ!」
「奴らを滅ぼせるなら構わない」
少女達は言葉を詰まらせる。
このまま、俺は外に出ていく、はずだった。
乃木若葉のあの一言がなければ。
「私は黒騎士のことが好きだ」
その一言を皮切りに次々と起こる告白という名の攻撃。
「黒騎士君、えっと、その、私、キミのことが大好きです!最初は大切な友達だったんだけど、えっと、その、助けられて、触れられて、励まされて、ドキドキさせられて、だから、この気持ちを伝えます!大好きだよ!」
「高嶋さんと同じよ。私もあなたのことが好き。いえ、愛しているわ。あの時、貴方が偶然とはいえ、階段から落ちた私を助けてくれたから今の、関係がある。私には貴方が必要なの。もう、貴方がいない生活を考えられない。おかしいと思う?そうね。貴方に出会う前の私なら否定していたと思う。でも、私と貴方は出会った。きっと、貴方に出会った時からどこか狂っているのよ。拒絶しないで、お願い、私を受け入れて」
「いやー、こういうことタマは無縁だと思っていたんだけどなぁ。でも、お前が悪いんだぞ!あの時、本当なら死ぬかもしれないってところをお前が助けたからさ。最初は気に入らない奴って思っていたんだが、いつの間にか頼りになる存在に見えて、仕方がなくて、どうしようもないくらい大事に見えて、いつの間にか目で追いかけて、気になって仕方がなかった。今もその気持ちにウソ偽りはないぞ。タマはお前のことが好きだ!」
「私も、最初はとても怖い人だと思っていました。でも、貴方は深い悲しみに沈んでいただけなんです。だって、ただ復讐に支配されているのなら、私とタマっち先輩を助ける事なんて、絶対にありませんでした。あの時、貴方は体を貫かれながらも私達を守ってくれました。だから、惚れてしまいました。その小説や物語であるような展開が、目の前で起こって、それが私だったことで、もう、自分を抑えられなくて、いつからか、黒騎士さんのことを目で追いかけて、そして、気付いたんです……タマっち先輩と、私と、黒騎士さん、皆さんと一緒ならきっと幸せになれます。貴方の傷を癒すことだって、絶対、できます」
「おかしいですよね。私、若葉ちゃん一筋だったのに、いつの間にか、貴方のことを目で追いかけるようになって、どこかで気づいていたのかもしれません。貴方がいれば、若葉ちゃんやみんなを守ってくれるって……ですから、貴方を一人で四国の外に出すなんてことは絶対にさせません。何があろうと貴方やみんなと一緒に居たい。くすっ、狂っていると言いますか?きっと、他の人がみたらそういうでしょう。ですが、私達はこれでも一途です。何年、何十年、何百年経とうとこの気持ちは決して薄れることはありません」
「最後は私だ。黒騎士。お前と私はどこか似ていると、前に言ったな。今はわかる。きっと、同じ理由でバーテックスを憎んでいたからだ。最初は同胞ができたと思っていた。だが、お前は私と異なり、目の前に復讐する存在がいながらも傷つくかもしれない者がいれば、そちらを優先する。とても心の優しい存在だ。他のものと違って特別な絆があるわけじゃない。だが、私はお前のことが好きだ。好きになることに大きな理由などはいらない。その言葉は本当だったな。私、乃木若葉は黒騎士、お前のことが大好きだ」
四国にいる勇者と巫女。
その連中に俺はどういうわけか告白された。
しかも、一人一人がわざわざ、俺の前に立って。
目をまっすぐに見つめてくるが、いつもと異なって全員が不安に揺れている。
この告白が異常だということを理解しているのだろう。だが、それよりも気持ちが勝って止められない。
相手が暴走しているから逆にこちらが冷静になってしまっていた。
――なんだ、これは?
もし、スーパー戦隊が絡んで新たな戦いがあるならどれがいい?
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パワーレンジャー
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リュウソウジャー
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ルパパト