タイトルは忍者戦隊カクレンジャーから、つまるところ、それが答えです。
次回は本編ですが、とにかく、混沌の一言です。
今回の話はゲームのゆゆゆいです。
ただし、登場するキャラはかなり少ないです。ちなみに少ない理由は後に判明。
神樹の中において発生した造反神による叛乱、それを阻止するために自らの中に歴代の勇者を呼び出して鎮めさせようとする。
しかし、造反神は西暦の時に起こった別世界の繋がりを利用して、本来なら存在しない存在を呼び出す。
対抗するため、神樹も黒騎士、そして、別の世界の英雄たちを呼び寄せる。
そう、“スーパー戦隊”と呼ばれる者達を。
夜闇の世界。
郡千景はどういうわけか白いドレス姿で橋の前に立っていた。
「ここは?」
周りを見渡している彼女の前に馬車がやって来る。
「千景」
馬車の中に乗っていた王子が千景を呼ぶ。
声に導かれて千景は馬車に乗り込む。
王子と共に千景は宮殿へ入る。
宮殿内はドレスやタキシードを着た者達が楽しそうに踊っていた。
その中で千景は王子と一緒にいた。
楽しそうに踊る二人。
やがて、ベンチで横並びに座る。
「千景、これをプレゼントしよう」
王子が千景へ差し出したのは白いダイヤがちりばめられたペンダント。
驚きながらも千景はペンダントを受け取る。
「グッドモーニング!朝ですよ!起きてください」
カンカンとフライパンで鳴らす音で千景は目を覚ます。
周りを見ると親友の高嶋友奈が寝ている。
場所は丸亀城ではない。
設置されているテントの中。
目を覚ました千景はふと、胸元に何かがあることに気付く。
「これ」
夢の中であったペンダント。
それがどうして?
「あー、ぐんちゃん。おはよう」
首を傾げながらも千景は慌ててペンダントをポケットの中に隠す。
「おはよう、高嶋さん」
「おはよう!ぐんちゃん!ふぁわぁ、いやぁ、今日もいい天気だね~!」
間延びしたような高嶋友奈の挨拶に答える。
「そうね」
「二人とも!朝デス、起きてください~」
カンカンという音と共に聞こえる声に友奈は答える。
「あ、はーい!ぐんちゃん。行こう。ジライヤさんが待っている」
「……そうね」
頷いた千景はちらりとポケットへ視線を向けてから外に出る。
四国奪還のため、勇者たちは協力者達と共に行動をしていた。
西暦の勇者は別世界から召喚された“スーパー戦隊”の一つ、忍者戦隊カクレンジャーと共に四国の一角を占拠しているバーテックス、妖怪という勢力と戦っている。
千景と友奈がテントから出ると別のテントからサスケ、サイゾウ、セイカイ、鶴姫が出てきた。
西暦の他の勇者と巫女であるひなたは忍風戦隊ハリケンジャーと五星戦隊ダイレンジャーという集団と別行動している。
この地域の討伐を千景と友奈の二人が請け負っていた。
「あー、腹減った!飯飯!」
そういってテーぶるに着くのは帽子をかぶった男、セイカイ。
おっちょこちょいにみえるが実はかなりのおっちょこちょいな男だ。
「お前、本当に食うことしか考えないのね」
オネェ言葉を混ぜながら話すのはサイゾウ。
本人はイケメンを称しているが、色々と抜けているところがある。
この前も財布を落として妖怪の企みに巻き込まれたばかりだ。
「友奈ちゃんと千景ちゃん達も休めたか?」
二人に声をかけるのはサスケ。
「はい!テント生活も慣れてきました!」
「……問題ないわ」
「ホント、二人がいるだけで、助かるわぁ」
二人に鶴姫が「助かる」と繰り返す。
――忍者戦隊カクレンジャー。
戦国時代に現れた妖怪ぬらりひょんを封印の扉に封じ込めて二百年ほど過ぎ去った現代において、先代カクレンジャーの子孫であるサスケとサイゾウがうっかり封印の扉を開いてしまったことで、力を失っていた妖怪たちが復活。
妖力を取り戻した妖怪たちは現代で悪さをはじめる。
妖怪たちの悪事を阻止するために先祖からカクレマルとドロンチェンジャーを受け取り、子孫である五人は忍者戦隊カクレンジャーとして活動をしていた。
今は四国にはびこる妖怪討伐のため勇者たちと行動をしている。
「しっかし、神樹っていうのはすっげぇな。こんなに街並みを再現するってな」
周りを見ながらサスケと友奈は町中を歩いていた。
妖怪がこの町にいることを突き止めた彼らはネコマルに乗ってこの地にきている。
「しっかし、バーテックスも何にも姿をみせねぇな」
「諦めずに探しましょう!」
今までと異なり、解放するためにはそこを仕切っている存在を倒さなければならない。
カクレンジャーと勇者はその根源を倒すためにドロンチェンジャーに搭載されている妖怪レーダーで探していた。
「そういえば、友奈ちゃんと千景ちゃんは、いつもどこで何やっているんだ?」
「え?」
「いや、なんていうか、西暦の勇者っていうの?みんながそれぞれ、どこかへ向かうといつも誰かを探しているように見えたからさ」
サスケ達は西暦の勇者がいつもどこかへ向かう時、いつも誰かを探している。
そんな気がしていた。
彼女達の必死な姿が気になって、サスケは尋ねたのだ。
「はい……その、会えるかわからないんですけれど、もしかしたら、ここで会えるかもしれないって、私は、私達は思います!」
「そっか」
彼女達がどれほど、その人のことを思っているのか、わかったサスケは思う。
この世界で巡り合えるようにと、願った。
「ここにもいないようね」
鶴姫の言葉に千景は無言で頷く。
「この前の妖怪、どこに逃げたのかしら」
「街のどこかにいるのは確かよ。連中もあまり逃げられないようだから」
「……そう」
周囲へ視線を向ける千景に鶴姫は気になっていたことを尋ねる。
「ねぇ、千景ちゃん」
「何かしら?」
「前から気になっていたんだけど、千景ちゃんって、人が苦手なの?」
「……そうね、苦手……高嶋さんともう一人を除いてね」
「もう一人?」
「ええ」
そういって景色を見る千景は笑みを浮かべる。
昔を懐かしむ様な笑顔。
それをみた鶴姫は「なんか、恋をしている顔だな」と思ったが言わないことにする。
自分より年下の子が恋をしていることに嫉妬しているわけではない。
決して、そんな小さな気持ちなど抱いていなかった。
抱いていないったらない!
「今日はネコマルに戻りましょう」
「わかったわ」
鶴姫の言葉に千景は頷いた。
そんな二人の姿をはるか後方からみている者がいた。
「いいか、今度こそ、勇者とカクレンジャーを倒すぞ!」
「わかっているよ、ヌリカベの兄さん。でも、千景ちゃんは殺しちゃダメだよ?」
「わかっているって、お前の頼みだからな」
一人は頬にペイントをしている男、もう一人はサングラスで目を隠している。
この二人の片割れこそ、先日、サイゾウによってボコボコにされた妖怪ヌリカベ。
そして、相方も妖怪である。
「千景ちゃん、素敵です」
何より、相方の妖怪は郡千景にメロメロだった。
皆が寝静まった夜。
千景は寝ていた。
そこに妖怪が近づく。
人の形はしているが顔のところに目や口はなく、巨体はコートのようなもので隠れている。
「さぁ、来るんだ。千景ちゃん!」
妖怪、モクモクレンが自らのコートを広げる。
そこにあったのは無数の目玉。
モクモクレンの妖力によって寝ていた千景は目を覚ます。
胸元には夢の中でつけられているペンダントがあった。
ふらふらと歩き出す千景。
「んぁ?ぐんちゃん?」
千景が出ていったことに気付いた友奈も外に出る。
その時、たまたま、テントの外にいたジライヤも気づいた。
「タイヘンだ!」
ジライヤはテントの中で寝ているサスケ達を起こそうとした。
しかし、サスケ達は目を覚ます様子がない。
「ジライヤさん」
「ハリーアップ!」
やってきた友奈はジライヤと共に走る。
「邪魔させるかぁ!」
その時、地面から飛び出したヌリカベの拳がジライヤと友奈を狙う。
二人は殴られながらも空中でスーパー変化、戦装束を纏う。
「ニンジャブラック!」
「ジライヤ!」
異変に気付いたサスケ達もスーパー変化してヌリカベに武器を構えた。
「邪魔はさせねぇぞ!いけ!ドロドロ!」
ヌリカベの言葉と共に配下の青タイツに、ムンクの叫びのような顔をしたドロドロが剣を手にして、襲い掛かる。
「勇者パァァンチ!」
「カクレマル!」
「手裏剣!」
友奈達が戦っている間にふらふらと千景は森の中に消えていった。
「ぐんちゃん……」
「妖怪の野郎!千景ちゃんをどこに連れて行きやがったんだ!」
「手分けして探すしかねぇ、サイゾウは俺と、ジライヤは友奈ちゃん、鶴姫はセイカイで」
「何かあればすぐに連絡するのよ」
「オーケー!レッツゴー!友奈!」
「はい!ぐんちゃん、必ず助けるからね!」
その頃、郡千景が目を覚ますと、どこかの廃墟にいた。
「ここは?」
「目を覚ましたね!千景ちゃん!」
「貴方は!?」
千景の目の前にはコートを羽織った、サングラス姿の男。
「誰……」
「僕はキミのことが、大好きで、大好きで、たまらないんだ」
「ふざけているの」
眉間へ皺を寄せながら千景は尋ねる。
「本気さ。その証拠にそれをプレゼントしたじゃないか!僕の愛の証さ」
男の指さすのはいつの間にか千景がつけていたペンダント。
「これを、貴方が?」
「そうだよ!」
「どうして……」
「キミが好きっていっているじゃないか、だから、受け取ってください!僕の愛をぉ!」
男が叫ぶとともにサングラスを外して、モクモクレンとしての姿を晒す。
咄嗟にスマホを取り出そうとする千景。
しかし、ポケットにスマホがなかった。
「どうして!?」
「これなら没収だよ!」
モクモクレンの手の中にあるのは千景のスマホ。
勇者の力を使うための道具を奪われていた。
「これから、結婚式だよ!千景ちゃん!」
「そんなこと」
千景は外に逃げ出そうとした。
しかし、
「駄目だよ!ドロドロお!」
モクモクレンの言葉と共に湧き出すドロドロ。
勇者としての力を使えるならドロドロを倒せただろう。しかし、戦うための力がない、今の千景は瞬く間にドロドロによって動きを拘束されてしまう。
「は、離して」
「もう!逃げることはないじゃないかぁ!僕はキミのことが大好きなのに!」
「私は――」
「いつまでもいない人のことを考えていても仕方ないよぉ」
モクモクレンの言葉に千景は言葉を詰まらせる。
いない人。
この世界に“彼”はいない。
何度も探した。
残っていた連絡先にかけてもみた。
しかし、反応はない。
心当たりのある場所も探した。
でも、いない。
「いない人のことなんか考えても仕方ないさ!だからさ、僕の愛を受け取ってよ!僕はいない奴なんかと違う。キミのことなんか絶対、独りにしないからさ」
そういって手を差し伸べるモクモクレン。
腹部のモクモクレンの瞳が怪しく輝いた。
胸元のペンダントも輝く。
千景の瞳に光が失われる。
ゆっくりと彼女は手を伸ばす。
その手がモクモクレンへ触れるという時、
どこからか小さな短剣が飛来する。
短剣は千景の首元にあったペンダントを弾き飛ばす。
「…………っ、私は、なにを」
「ああ!ペンダントが!誰だ!」
千景が元に戻ったことでモクモクレンが叫ぶ。
目を覚ました千景が周囲を見る。
しかし、誰もいない。
だが、不思議と千景の中に喜びの感情が広がる。
理由はわからなかった。
だが、嬉しさと同時に愛しいという気持ちも強くなる。
「あああ!その目!恋する目!僕じゃない別の奴を思っている目だぁ!許さない!許さないよぉ!裁判だ!妖怪裁判!!」
「え?」
困惑している千景をドロドロが連行して、裁判所へ連れていかれてしまう。
裁判長が座る場所にはヌリカベがいた。
「郡千景、お前は弟モクモクレンの求愛を断るわけだな?」
「ええ」
「そうか、そうか、なら、判決を言い渡す!処刑だ!目玉焼きの刑とする!」
「め、目玉焼き!?」
「僕、目玉焼きが大好きなんだぁ!」
ヌリカベの言葉に千景は驚きのあまり叫んでしまう。
モクモクレンが嬉しそうにナイフとフォークを取り出す。
逃げたい千景だが、ドロドロに拘束されていて動けない。
ナイフとフォークが千景に迫る、その時。
シュシュシュ!と無数の手裏剣がモクモクレンに炸裂した。
倒れるモクモクレン。
「勇者キィィィック!」
千景を拘束しているドロドロへ壁を壊して飛び出した高嶋友奈のキックが直撃する。
「高嶋さん!」
「ぐんちゃん!無事でよかったよ!
「ええ!」
「千景ちゃん!」
サイゾウがモクモクレンから奪い返したスマホを投げる。
「色々やってくれたわね。お返しさせてもらうわ!!」
鎌を構える千景。
友奈と千景の傍にやってくるサスケ達。
「この!よくも千景ちゃんの恋心をもてあそんだわね!許さないわ!」
鶴姫が握りこぶしを作りながら叫ぶ。
「うるせぇ!弟をよくも失恋させやがったな!許さねぇぞ!」
「ハッ、一方的で独占な思いなんてとおらないもんだぜ」
「うるさぁい!」
サスケの言葉に怒るモクモクレン。
「皆、行くわよ!」
「「「おう!」」」
鶴姫の言葉で全員がドロンチェンジャーを取り出す。
「「「「「スーパー変化!」」」」」
光と共に目の前に赤、青、白、黄、黒の戦士が立つ。
忍者を模した戦士たち。
彼らこそが現代によみがえった忍び。
「ニンジャレッド、サスケ!」
「ニンジャブルー、サイゾウ!」
「ニンジャホワイト、ツルヒメ!」
「ニンジャイエロー、セイカイ!」
「ニンジャブラック、ジライヤ!」
「人に隠れて悪を斬る!」
「「「「「忍者戦隊カクレンジャー!見参!」」」」」」
それぞれがポーズをとり叫ぶ。
彼らの姿を見て友奈は思った。
――カッコイイ!
「やっちゃえ!」
モクモクレンの叫びで走り出すドロドロ。
「成敗!」
親指を逆さまにしてサスケ達は戦闘を開始する。
カクレマルや手裏剣、変わり身の術などを使ってカクレンジャーはドロドロ達を倒していく。
「勇者パンチ!!」
ドロドロ達を薙ぎ払い友奈の拳がヌリカベに直撃する。
自らの体を削って戦闘用に特化したヌリカベは正面から友奈とぶつかろうとした。
しかし。
「ぐんちゃんをいじめたから許さない!」
大事な親友を虐められたことで怒っていた友奈の拳はヌリカベに直撃。
廃墟の天井を突破してそのまま、空の中に消えていくヌリカベ。
「押忍!」
構えた友奈の姿にドロドロ達は腰を抜かす。
友奈に怯えるドロドロ達とは別のドロドロが転がり込む。
別の方へ視線を向けると、ドロドロした漆黒のオーラのようなものを放ちながらモクモクレンに斬りかかる千景。
そんな千景にカクレンジャーも、手出しできない。
「許さない!」
「千景ちゃん!僕のフィアンセぇええええ!」
飛びかかろうとするモクモクレン。
千景は切り札を発動して切り刻む。
連続攻撃を受けて吹き飛んだモクモクレン。
「今だ!」
距離が開いたのをみて、カクレンジャーは専用乗り物、シャークブリッダー、シャークスライダー、シャークランチャーを合体させた必殺の“シャークドライバー”をモクモクレンに放つ。
「……こぉなったら、巨大化してやるぅぅぅぅぅうう!」
怒ったモクモクレンは妖力によって巨大化する。
「行くぞ!」
カクレンジャーは巻物を使って、隠流巨大獣将之術によって、五体の獣将が合体して無敵将軍に姿を変える。
「無敵将軍参上!」
「このぉ!」
巨大化したモクモクレンが巨大な眼球になって無敵将軍へ攻撃を仕掛ける。
しかし、無敵将軍の拳を受けてモクモクレンは逆にダメージを受けた。
「火炎将軍剣!」
シャチホコ型の柄を備えた炎の刃――火炎将軍剣を無敵将軍は構える。
炎を放つ刃を構えて、円形に振るいながら必殺の一撃をモクモクレンへ放った。
「南無三」
攻撃を受けたモクモクレンは大爆発を起こす。
「千景ちゃああああああああん!愛しているよぉぉっぉぉぉぉォ!」
肉体を失ったモクモクレンの魂が空へ浮遊して、さらに爆発した。
「……」
戦いが終わった千景の手の中にはモクモクレンの与えたペンダントがあった。
彼女はペンダントを小さく握りしめると……そのまま近くの川へ投げる。
「ふぅ」
「ぐんちゃん……」
千景が振り返ると心配そうにみている高嶋友奈の姿があった。
「大丈夫?」
「ええ、大丈夫。高嶋さん」
小さく微笑みながら千景は頷く。
「私は諦めないわ。必ず、どこかにいるはず……絶対に、見つけ出す」
強く拳を握り締めて、千景は宣言する。
そんな親友の姿に友奈は頷く。
「うん、うん!絶対に見つけ出そう!諦めずに探したらみつかるよ!」
「ええ、絶対」
二人は拳を握り締めて頷く。
そんな二人の姿をネコマルの傍でみていたカクレンジャー達。
「なんかさ……あの子達、恋人というか、すっげぇ、執着しているような気がするな」
サスケの言葉に男たちは頷く。
「愛は一転すれば憎しみに代わるっていうけれど、あの子達はどうなるかわからないわ」
鶴姫は思う。
「あそこまで好かれている人って、一体、どんな人なのかしらね」
「ふんふーんふふーん」
カクレンジャー達が戦っていた廃墟。
そこに少女がやって来る。
鼻歌を奏でながらくるくると回転して、少女はある方へ向かう。
「あ、あったあった!」
少女は壁に突き刺さっている細長い短剣をみつける。
「やーっぱり」
刺さっていた短剣を抜いた少女は笑顔で顔を近づけた。
「くんくん」
短剣に鼻を近づけて匂いを嗅ぐ。
「間違いない……あのお方の匂い」
「おい、お前!」
うっとりしていた表情から一変して少女の顔から感情が消えた。
振り返ると高嶋友奈に殴られて空の彼方に消えたはずのヌリカベがいる。
幸いなのか、重傷でヌリカベは無事だったのだ。
「どういうことだ!お前の作戦通りにやったのに、なんで」
ヌリカベの叫びに少女は答えない。
「アイツらのせいで、弟が!許さない!仕返しして――」
ヌリカベは最後まで言葉を発することがなかった。
少女が一瞬でヌリカベの後ろに立っている。
「もう要らないの。貴方は用済みなんだ」
小さく微笑む少女。
その背後でヌリカベが大爆発を起こした。
「あーぁ、姿はみせないのに、あの人達を助けたりするんだね」
手の中の短剣を弄りながら少女はため息を零す。
死んだヌリカベのことは既に眼中にない。
赤い髪を揺らしながら彼女はため息を零す。
「どうすれば、私の前に姿を見せてくれるのかなぁ?はぁ、早く会いたいなぁ」
笑顔を浮かべながら手の中にある短剣を握り締める少女。
その姿が恋する乙女のようなものだった。
「あぁ、逢いたいです。落合日向様」
”赤嶺友奈”は恋焦がれる表情で手の中の短剣をぺろりと舐める。
ゆゆゆいではいくつかのスーパー戦隊がでてくるはず……。
本格的に描くとしたら、とんでもないレジェンド大戦が起こるでしょう。
次回は本編、黒騎士と勇者たちの間に亀裂が入る、かも?
もし、スーパー戦隊が絡んで新たな戦いがあるならどれがいい?
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パワーレンジャー
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リュウソウジャー
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ルパパト