黒騎士は勇者になれない   作:断空我

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ある意味、グダグダ王様ゲーム!
いや、台風怖いですね、

大阪に住んでいるのですが、周囲は停電や物が吹き飛ぶなどとても怖かったです。



番外編 神世紀組の王様ゲーム

 

「王様ゲーム!」

 

「「「「「「「イェエエエイ!」」」」」」」

 

 畳が敷かれている教室内。

 

 そこで勇者部と日向のメンバーが手を上げて声を上げる。

 

「まずはルールを説明するわよ!ここにあるくじを引いて赤いくじを引いた人が王様!王様は他の番号のくじに好きな命令をすることができる。ちなみに王様の命令は――」

 

「「「「「「絶対!」」」」」」

 

 風の説明に全員が叫ぶ。

 

「ちなみに、くじの番号を聴いたり、応えたりすることは駄目だから。あと、過剰な命令をしたりすると罰を受けてもらうからね。具体的に言うと日向が作ったこの激辛うどんを食べてもらうことに」

 

「「ひっ!」」

 

 風の指した方向をみた夏凜と樹が小さな悲鳴を漏らす。

 

 そこではグツグツと湯気を立てている真っ赤なスープに、これまた真っ赤なうどんがあった。

 

 過去に食べたことのある樹と夏凜が小さな悲鳴を漏らす。

 

「まぁ、えげつない命令をしなければいいだけだから……わかったわね?」

 

 

 

 

 

と、楽しいノリで始まったはずだった。

 

 

「王様の命令!2番が4番をハグ!」

 

「はい!私2番!」

 

「友奈ちゃん、ウェルカム!」

 

 

「王様の命令です!5番さんが3番さんをアゴクイしてください!」

 

「3番は私だけど、って、夏凜!口を開けて何を!」

 

「動かないで、今からアゴクイするから!」

 

「意味合いがちがぁああああう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうしてこうなったのか、俺は少し前を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺がかまっていない?」

 

「その通りなんよ!」

 

 ビシッとこちらへ指を突き付けてくるのは乃木園子。

 

 少し前まで色々あった少女だ。

 

 色々という一言で済ますには無理があるかもしれないがそのくらいでいいのかもしれない。

 

「日向さん!最近、みんなの相手をしていないでしょう~!特に私を放置がいけませんなぁ~」

 

 指を左右に振って言ってくる園子に俺はなんともいえない表情を浮かべているだろう。

 

 先日の風暴走事件(命名、樹)によって起こった騒動からというものの勇者部の面々は俺に対して少しばかり距離をとっていた。

 

 いや、牽制しあっているということが正しいのだろう。

 

 そんな日々の間、俺はせっせとバイト先で修業に励んでいた。

 

 園子の提案はそんな日々が少し進んでからのことである。

 

「構えといわれるが具体的にどうすればいいんだ?」

 

「フッフッフッ!そこは乃木さん家の園子さんにお任せなんだよ!」

 

「いいのか?では、任せていいか?」

 

「うんうん!あ、ただではやらないよぉ」

 

「報酬を希望と?」

 

「そんなたいそうなものじゃないよぉ、ただ、今度、私と買い物にいってほしいなぁ~って」

 

「それくらい問題ない」

 

「約束だからね~~、破ったら……許さないよ?」

 

「破るわけがないだろ」

 

 そういって園子と指切りを交わして現在に至る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「王様ゲームか」

 

「日向さんはやったことありますか?」

 

「全くない」

 

「私もです!楽しみですよ!」

 

 俺の隣にいる結城友奈が笑顔で言う。

 

 西暦のころに出会った高嶋友奈と似ていて、最初は戸惑ったが今は違う。ちゃんと彼女を彼女と見れていると思う。

 

「そうよね。王様ゲーム、ふふ、どのような命令をしようか楽しみです」

 

 反対側で少し黒い笑みを浮かべているのは東郷美森。

 

 笑顔だが、その瞳は俺と友奈を捉えて離さない。

 

 少し前の騒動から俺に対しての警戒心がなくなり、今は心を許してくれていると思う。

 

「こらそこ!いつまでもいちゃつかないでくじを取る準備をしなさい!」

 

 勇者部部長の風の言葉に俺達はくじへ手を伸ばす。

 

「さぁ!行くわよ!」

 

「「「「「「王様だーれだ!」」」」」」

 

 引かれたくじで王様になったのは。

 

「私よ!完成型勇者の実力!」

 

 喜んでいるのは三好夏凜。

 

 途中参加した勇者だが、今は勇者部の一員。

 

 出会った際、俺とガチの剣の切りあいがあったがそれも良き思い出になるだろう。

 

「さぁ、王様の命令を始めるわよ!」

 

「夏凜さん、ノリノリですね」

 

「楽しみにしてたかもしれんよ~」

 

「そこ!静かに!」

 

 ビシッと樹と園子へ叫んで夏凜はこちらをみた。

 

 ちなみに、俺のくじの番号は2番だ。

 

「決めたわ!」

 

 夏凜の言葉で前を見る。

 

「2番は自分の好みのタイプをいう事!」

 

「さぁ!2番は誰かなぁ!」

 

 笑顔で促す園子に俺はくじの番号を見せる。

 

「さぁ、2番の日向!自分の好みのタイプを言いなさい!……不用意な発言をしたら、折るわ」

 

 何を!?

 

 心の中で思いながら日向は考える。

 

 少しして。

 

「髪の長い、大人しい子……だろうか」

 

 思い出すのはもう会えない幼馴染。

 

 髪が長くて大人しいけれど、とても強い子。

 

 もう会えないのはとても悲しい。

 

「なんだ?」

 

 俺が周りを見るとショックで地面に手をついている樹と友奈、夏凜、風の姿がある。

 

 どういうわけか園子と美森が余裕の表情だった。

 

「つ、次よ!くじを戻しなさい!」

 

 全員がくじを戻して、再度、くじを引く。

 

「「「「「「王様だーれだ!」」」」」」

 

「あ、私です!」

 

 王様のくじを引いて手を上げるのは樹。

 

「流石は樹!さぁ、王様としての命令を下すのよ!」

 

 風の言葉に樹は頷くと再びこちらをみた。

 

 ちなみに俺のくじは4番である。

 

「じゃ、4番の人は王様を膝の上にのせてください」

 

「わかった」

 

 俺の言葉に全員が衝撃を受けたような表情をする。

 

「ち、ちょっと、樹!それは」

 

「え?何もルールに触れるようなことはしていないよ?」

 

「そ、そうだけど」

 

「風、諦めなさい。こういうところで樹は上よ」

 

「やるねぇ~」

 

「そうね…………やるわね、樹ちゃん」

 

 動揺しているメンバーに俺は首を傾げる。

 

「ささ!日向さん、来てください」

 

 笑顔を浮かべて床を叩く樹に従って座る。

 

 その上に樹が座った。

 

「そ、その、重たくないですか?」

 

「いいや、むしろ軽すぎて大丈夫か心配になる」

 

「えへへ、嬉しいです!」

 

 樹の姿に自然と俺も笑みを浮かべてしまう。

 

「ところで、いつまでこの状態が続くんだ?」

 

「ずっとでいいんじゃないでしょうか!」

 

「「「「「駄目!」」」」」

 

 俺と樹を除くメンバーが同時に叫ぶ。

 

「次の王様の命令があるまで~でいいかなぁ?」

 

「はぁい」

 

 園子の言葉に渋々と樹は了承する。

 

 くじを戻して次に進むのだが……空気が少し、重たくなった気がした。

 

「では、次よ!王様だぁれだ!」

 

 叫ぶ風を皮切りにくじを引く。

 

「うふふ、私です」

 

 にこりとほほ笑むのは東郷美森。

 

 彼女なら大丈夫だろう。

 

 ちなみに俺のくじは6番だ。

 

「では、行きます」

 

 にこりとほほ笑みながら彼女は俺を見た。

 

 嫌な予感がする。

 

「6番の人、王様を膝枕してください」

 

「わっしー!!」

 

「ちょっ!」

 

「いいな~!」

 

「東郷……恐ろしい」

 

 笑顔を浮かべて俺を見てくる東郷。

 

「膝枕でいいのか?」

 

 やるだけなら問題はない。

 

 樹と入れ替わる形で東郷が俺の膝の上へ横になる。

 

「これ、やる意味あるのか?」

 

「ええ、とても意味があります。ああ、人間国宝にしたいくらいです」

 

「大げさだ」

 

 確かに年齢は300超えている時点でなってもおかしくはないけれど。

 

 しばらく満喫した東郷の声で次の王様ゲームが始まる。

 

「さぁ!やるわよ!」

 

「どうでもいいが、風、目が血走って」

 

「あぁん!」

 

「何でもない」

 

「私達がやるまで終わらないんだよ!これはもう既に戦争なんだ!」

 

 目が血走っている風と園子。

 

 女の子がしてはいけないような目をしているんだが。

 

 それに対して、どこか満足したような東郷と樹、夏凜は王様の命令の内容について少し不満がある様子。

 

「さぁ、王様だぁれだぁ!」

 

 風の叫びと共に抜いたくじ。

 

「あ、私だ」

 

 くじを引いたのは友奈だった。

 

 ちなみに俺のくじは――。

 

「5番目の人、私に愛の告白をしてください!」

 

「「なぁあっ!?」」

 

 風と園子がありえない叫び声を上げる。

 

 対して俺は少し困った表情だ。

 

「……告白をするのか?」

 

「はい!」

 

「流石にそれは」

 

「王様の命令は絶対です♪日向さん」

 

 王様の命令なら仕方ないか。

 

 諦めて俺は友奈と向き合う。

 

 少し緊張しているのか友奈の頬は赤い。

 

 覚悟を決めよう。

 

 俺は息を吐いた。

 

「結城友奈さん、俺は明るくて、誰よりも他人のことばかりを考えている強くて、優しいお前が大好きだ」

 

「っ!は、はい!私も日向さんのことが大好きで――」

 

「はい!次、行くわよ!」

 

「風先輩!ひどいですよぉ!」

 

「シャラーップ!次よ!」

 

「その通りなんだよ!」

 

 気のせいか二人の背後から炎がみえる。

 

 大人しく従った方がいいようだ。

 

 俺達はくじを引く。

 

「きたんだよぉ!私の時代が~!」

 

 王様のくじをひらひらと振って笑顔を浮かべる園子。

 

 どうでもいんだが、俺の方をまっすぐに見つめないでくれ、少しばかり怖い。

 

 もう、いうのも嫌なのだが。

 

「3番の人は王様である私を抱きしめて、頬にキスをしないといけないんだよ」

 

「ぬがぁあああああああああああああああああああああ!」

 

 我慢できないという様に風が叫ぶ。

 

 これは早く終わらせよう。

 

 風の目の瞳孔が開き切っていて、とんでもないことになっている。

 

 目の前で向き合う園子、

 

 いつもの態度と違って、少ししおらしくみえる。

 

 俺は正面から園子を抱きしめて、そのまま頬へキスを落とす。

 

 気のせいか背中に寒気を感じた。

 

「さぁ、さぁ、さぁ!次よ!!」

 

 叫ぶ風に樹は最早諦めの表情。

 

 俺は何も言うまい。

 

 その後、何回か友奈や夏凜、他のメンバーが王様になった。

 

 最後に。

 

「よし!女子力をみたかぁあああああああああああああ!」

 

 王様のくじを引いた風の姿がそこにあった。

 

「王様の命令よ!4番は私の目の前でこれに署名と捺印をすることぉぉおおおおお!」

 

 叫びと共に一枚の用紙を机に叩きつける風。

 

 その用紙には「婚姻届け」と書かれていた。

 

 ブッブー!という音が鳴り出す。

 

「アウトだよぉ~ふーみん先輩」

 

「へ?」

 

「流石にこれはアウトだろ」

 

「風先輩……」

 

「お姉ちゃん、やりすぎ」

 

「ご愁傷様」

 

「え?」

 

「骨は拾います」

 

 暴走した風に合掌する一同。

 

 茫然とする彼女の目の前にはグツグツと煮えたぎっているうどん。

 

 

 その日、風は一言も言葉を発することができなかった。

 

 




次回は番外編、ゆゆゆいの予定?もしくは棗、雪花たちの番外編をやるかも?


もし、スーパー戦隊が絡んで新たな戦いがあるならどれがいい?

  • パワーレンジャー
  • リュウソウジャー
  • ルパパト
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